YOUCHOOSE

about

YUKICHI OTSUKA 大塚雄吉
F1 ウォッチャー
幼少期にF1に魅せられ、50年以上にわたって、日本製のF1が出ていなくても、日本人F1ドライバーがいなくても50年以上にわたってF1を見続けてきた、F1 ウォッチャー。

Formula One 2014(10)2014.07.18

ブリティッシュGPで英国人ドライバー、ルイス・ハミルトンが優勝した。
直近のブリティッシュGPで優勝したドライバーと言うと2008年まで遡るが、その時もハミルトンだった。
このレースもロスベルグのマシンにギヤ・シフト関係のトラブルが出なければメルセデスのワン・ツーフィニッシュになるはずだった。
トラブルが出るまではロスベルグが快走していたから、予選6番手のハミルトンは抜くことができなかったかもしれない。
しかし、最近、マシン・トラブルはどちらかと言うとハミルトンのほうに多く出ていたからこうゆうことがあっても良いだろう。

これで、ロスベルグとハミルトンのチャンピオンシップポイント差は4に縮まった。
ボッタスは30秒遅れながら見事な追い上げで2位に入って自身の最高順位を更新した。
3位にはいつもどおりタイヤを巧くマネジメントしてバトンを抑えきったリチャルドが入った。
バトンはもう1周あれば3位に入れただろうが、ラストスパートをかけるのがちょっと遅かった。
またしても、母国グランプリの表彰台を逃してしまった。5位には、アロンソを抜くのに手間取っている間にリチャルドとバトンに逃げられてしまったフェッテルが入り、6位には、スタート位置が規定の位置より前だったために5秒のストップ・アンド・ゴー・ペナルティを受けながらも健闘したアロンソが入った。

ブリティッシュGPの予選は、英国特有の晴れたり曇ったり時々雨という気候のせいもあって少し面白い展開になっていた。
ロスベルグは天候に影響を受けずしっかりとポールを確保した。
フェッテルはコーナリングが速いレッドブルの特性を巧く引き出してマシンをフロントローに着けた。猫の目天気に強いバトンはマクラーレンを3番手に押し上げた。
いつもなら、Q3の最後にポールを奪っていくハミルトンが母国GPに対する気負いからかミスをして6番手になってしまった。
しかし、ハミルトンはそこから優勝してしまったのだから見事だった。英国人観客の大歓声の中ゴールできたのだ。

今年のドイツGPはホッケンハイムで開催される。
当初は直線部分の多い高速コースだったが2002年の改修後はF1コースとしては短めのどちらかと言うとテクニカルなコースになった。
パッシング・スポットも多い。
ホームGPとなるメルセデスとロスベルグの組み合わせは最も力が入る。
今年のF1マシンのパフォマンス差からみて対抗できるのは同じチームのハミルトンだけだ。
あとは、レース・ディが雨の予報なので雨による波乱があるかもしれない。
ロスベルグ以外のドイツ人ドライバーといえば、フェッテル、ヒュルケンベルグだ。
3人とも雨になればマシンの能力以上の走りを見せて上位に食い込んでくるだろう。
ブリティシュGPでパフォーマンスアップを印象付けたウイリアムズとマクラーレンのドライバー達は注目だ。
パワーユニット開発の責任者まで更迭してしまったフェラーリが浮上するにはもう少し時間がかかりそうだ。

ドイツGPは1位ロスベルグ、2位ハミルトン、3位フェッテル、4位ヒュルケンベルグ、5位マッサ、6位ペレス、7位アロンソ、8位バトン、9位スーティル、10位マグネッセンかな。

2014 ©Yukichi Otsuka, All Rights Reserved

POSTED BY:
otsuka_image

YUKICHI OTSUKA/大塚雄吉
学会ネット株式会社 代表

Formula One 2014(9)2014.07.04

レッドブル優勝の後を受けたオーストリアGPだったが、モナコ以前の状態に戻ってしまった。
優勝はメルセデス2台の間で争われた。
マッチレースに勝って優勝を手にしたのはロスベルグ、予選時点からロスベルグに差をつけられていたハミルトンは9番手スタートがたたって2位に甘んじた。
3位と4位にはウイリアムズのボッタスとマッサが入った。
それでも優勝したロスベルグと3位のボッタスのタイム差は8.1秒だったから、メルセデスと他のチームのタイム差は縮まってきている。
フェラーリはアロンソがトップから18.5秒遅れの5位、ライコネンは10位だった。
フェラーリはメルセデスと競える状態になるまでの道のりは遠そうだ。
フォースインディアのペレスはグリッド降格のペナルティを跳ね返して6位、ヒュルケンベルグは9位だった。
ペレスはこのところ卓越したタイヤ・マネジメント能力を発揮してマシンのパフォーマンスを引き上げている。
マグネッセンは7位に入ったものマクラーレンもメルセデスからは遠い位置にいる。
ホームグランプリだったレッドブルはリチャルドが8位、フェッテルはリタイヤ(序盤の遅れを挽回するのを不可能とみてエンジン温存のため)と散々な結果だった。
それでも、予選の結果を見るとメルセデスにも付け入る隙ができてきたことがわかる。
ウイリアムズの躍進がレースを面白くしている。ハミルトンのコースオフ(おそらくはブレーキングシステムの不調による)があったとは言え、メルセデスを差し置いてフロントローを独占してしまったのだ。
レースペースではメルセデスについていけなかったものの、3位・4位フィニッシュは立派なものだ。
カナダGPでのブレーキ制御システムの不調(おそらく)と、今回予選でハミルトンを襲ったトラブルから見てブレーキングシステム(回生を含む)はメルセデス・マシンの弱点かもしれない。

ブリティッシュGPを前にカーターハム・チームのオーナーが変わったとの発表があった。
メルセデス、マクラーレン、フェラーリ、レッドブル、トロロッソ以外のチームはどのチームも財政状況が厳しいだろうから他人事ではないはずだ。
買い手が見つかっただけまだ良い方だ。
もっとも、カーターハムの場合はシーズンオフにもう一度売るために安く買っただけかもしれないが・・・。
シルバーストーンは高速コースだからメルセデスPUを積むマシンが有利であることに変わりはない。
気温が相当高くなるか、雨でも降らない限りメルセデスと対等に張り合えるチームはなさそうだ。
そんな中でも、長い歴史と経験を持ち、今年のマシンの調子が良いウイリアムズには期待したい。
コースにアップダウンがあまりなく風洞に近い空力効果が得られるシルバーストーンでは風が強くなければレッドブルが復活するかもしれない。
メルセデス同士のマッチレースになったとしても、ハミルトンがイギリス人ドライバーはなかなかブリティッシュGPで勝てないというジンクスを破れるかどうかは楽しみだ。

ブリティッシュGPは1位マッサ、2位ハミルトン、3位フェッテル、4位ボッタス、5位リチャルド、6位ペレス、7位アロンソ、8位バトン、9位マグネッセン、10位ヒュルケンベルグかな。

2014 ©Yukichi Otsuka, All Rights Reserved

POSTED BY:
otsuka_image

YUKICHI OTSUKA/大塚雄吉
学会ネット株式会社 代表

Formula One 2014(8)2014.06.20

開幕以来続いていたメルセデスの連勝がついにカナダGPで止まった。
優勝したのはレッドブルのリチャルドだ。
レースを通じてメルセデスから離されないようについていき、メルセデスのペースが落ちたところを一発で仕留めた。
見事なF1初優勝だった。
第2戦以来、強さと信頼性を見せつけてきたメルセデスのPUにトラブルが発生した。
ロスベルグは終盤苦戦を強いられたがマシンをゴールまでもたせて2位を確保した。
トラブルが出るまで快走していたハミルトンはマシンの症状がロスベルグのマシンより重かったためにリタイヤした。
最終ラップに起こったペレスとマッサのアクシデントのおかげでフェッテルが3位に入った。
フェッテルはリチャルドから5秒ほど遅れたが、久々の表彰台となった。
メルセデスPUの不調がなければかなわなかった結果だが、レッドブル・ルノーがメルセデスとの差を少しずつ詰め始めたことは確かだ。

予選を振り返ると、ポールポジションのロスベルグと3番手フェッテルのタイム差は約0,7秒だった。
予選のタイム差が0.5秒をきるようになるとレース・セッティングやレース中の作戦によって逆転可能な領域に入ってくる。
ジル・ビルヌーブ・サーキットはストレートエンドにタイト・ヘアピンやシケインがあるので、ブレーキとタイヤの疲弊がレースのかく乱要因になってきた。
毎年、レース終盤になるとヘヤピンを回りきれないマシンが続出する。
今年からのF1・PUは回生ブレーキを含んだ複雑なエネルギー・マネジメント・システムだ。
メルセデスのPUは回生ブレーキによって回収したエネルギーの制御に何らかの問題があった可能性がある。
同じようなレイアウトを持つコースがそれほど多いわけではないのでメルセデスPUの優位性が簡単に崩れることはないだろう。
それでも、カナダGPでルノーPUやフェラーリPUには同様のトラブルはなかったようだから、メルセデス独走がそう長くは続かないかもしれない。

次のオーストリアGPは、11年ぶりに開催される。
オーストリア人F1ドライバーといえば、3回のワールドチャンピオンに輝いた偉大なチャンピオンニキ・ラウダが有名だ。
ラウダは、現在もメルセデスAMGの会長職にあり多くのF1GPに顔を見せている。
最近、同時代のライバル、ジェイムス・ハントとの関係を描いた映画「ラッシュ」が公開された。
日本人になじみが深いドライバーは、キャリアの最後にマクラーレン・ホンダに乗りセナとともに戦ったゲルハルト・ベルガーだ。
発足当初のトロロッソの共同オーナーでもあった。
オールド・ファンにとって忘れられないのは、1971年にチャンピオンを取ったヨッヘン・リントだ。自動車メーカーのない国だが、優れたレーシング・ドライバー達を搬出している。

オーストリアGPが開催されるコースはかつてA1リンクと呼ばれたコースで、久方ぶりのF1開催に合わせて一部が改修された。
一周4.3Kmの短いコースだ。
11年前のオーストリアGPを走ったのは、アロンソ、ライコネン、バトンの3人だ。
ここは、レッドブル社の母国だけにレッドブル・チームは万全の体制で挑んでくるだろう。フェラーリ、マクラーレン、ウイリアムスなどの老舗チームはデータと経験が豊富なので久々に開催されるコースでは有利になることが多いが、11年もたっているのでどうだろうか。
タイト・コースが得意なドライバーにとってはチャンスかもしれない。

オーストリアGPは1位フェッテル、2位ハミルトン、3位アロンソ、4位バトン、5位リチャルド、6位ライコネン、7位マッサ、8位クビアト、9位グロージャン、10位マグネッセンかな。

2014 ©Yukichi Otsuka, All Rights Reserved

POSTED BY:
otsuka_image

YUKICHI OTSUKA/大塚雄吉
学会ネット株式会社 代表

Formula One 2014(7)2014.06.06

モナコGPは、メルセデスの5戦連続ワンツー・フィニッシュで幕を閉じた。
優勝はロスベルグ、ハミルトンは今回2位に甘んじた。
3位にはリチャルド、4位にはアロンソが入った。
以下は、全て周回遅れで5位ヒュルケンベルグ、6位バトン、7位マッサ、8位グロージャン、9位ビアンキ、10位マグネッセンがポイントを獲得した。

モナコは、決勝レース中にコース上でパッシングをするチャンスがほとんどないので、決勝のスタートでミスをしなければグリッド順でゴールするとまでいわれている。
このため決勝より予選のほうが緊迫する。
ここではPUのウエイトが低くなるので今シーズン初めて予選でメルセデスを打ち負かすチャンスかと思われた。
しかし、メルセデスとレッドブルの予選タイム差は0.4秒近くあった。フェラーリはレッドブルから更に0.3秒離された。
予選Q3の終盤、モナコを得意とするロスベルグが、1分15秒台のトップタイムを叩き出したあとコースオフしたためにコーナーに黄旗が出てしまった。
後に続いて、ロスベルグを上回るタイムを出そうとしていたハミルトンはそのコーナーでアクセルを緩めざるを得ずポールを獲得することができなかった。
このあたりから、ロスベルグとハミルトンの間の空気は更に冷たくなった。
レッドブルではまたしてもリチャルドがフェッテルを上回り、フェラーリでもアロンソがライコネンを上回った。
トロロッソのヴェルニュとクビアトは予選では速く7番手と9番手だったが、決勝では二人とも排気系のトラブルでリタイアしてしまった。
マクラーレンは久々に2台ともポイント圏内のフィニシュだったが、本当に復調してきているかどうかはこれからの数レースの状態を見ないとなんともいえない。

次は大西洋を渡ってカナダGPだ。
モントリオール市街地が面する川に作られた細長い人工の中州、ノートルダム島に作られたコースで行われる。
カナダとフェラーリの英雄であるジル・ビルヌーブの名前を冠している。ジル・ビルヌーブがフェラーリの競争力が足りない時でも車をねじ伏せて走る姿は、あのエンゾ・フェラーリを感動させたといわれている。
息子のジャック・ビルヌーブは父親とは正反対の常に冷静なドライバーだが、父であるジルのほうが多くの人の胸に焼き付いている。
ジャックが11歳の時にジルはレース中の事故で死んだのだから、ジャックがクールな性格を身に着けたとしても無理はない。
そして、ジャックはジルが逃したチャンピオンにもなった。

カナダGPが開催されるジル・ビルヌーブ・サーキットは半径の大きいコーナーがなく直線とシケインと奥にあるタイト・ヘヤピンを直線で繋いだようなコースだ。
これまでは、ブレーキとタイヤに厳しいコースだといわれていた。
今年からは、メカニカルブレーキだけでなくPUの一部になっている回生ブレーキの性能も大きく影響してくるはずだ。
そういう意味ではPU出力の高いメルセデス陣営に有利であることに変わりはなさそうだ。
近年、チームではマクラーレンが、ドライバーではハミルトンがこのコースで良い結果を残している。
レースを通じてブレーキを巧く使えてもたせられるドライバーが最後に笑う。

カナダGPは1位ハミルトン、2位ロスベルグ、3位フェッテル、4位バトン、5位ライコネン、6位アロンソ、7位ペレス、8位ボッタス、9位ヒュルケンベルグ、10位グロージャンかな。

2014 ©Yukichi Otsuka, All Rights Reserved

POSTED BY:
otsuka_image

YUKICHI OTSUKA/大塚雄吉
学会ネット株式会社 代表

Formula One 2014(6)2014.05.24

スペインGPも、メルセデスのワンツー・フィニッシュだった。
今回は接戦で、優勝したハミルトンと2位ロスベルグのタイム差は0.6秒しかなかった。
メルセデスは予選から他のチームとは次元の異なる速さを見せていた。
ポールポジションのメルセデス・ハミルトンと予選3番手のレッドブル・リチャルドの間には1周1秒以上のタイム差があった。
決勝でも勝者ハミルトンは3位リチャルドに49秒という大差をつけた。
これは1周当たりに直すと0.8秒近い差で、予選のパフォーマンス差がそのまま結果に現れたといえるだろう。
チャイナGPから3週間あったので各チームともアップデートを持ち込んで少しでもメルセデスに近づけようとしたのだが、メルセデスのアップグレードの方が上回っていて、逆に差を広げられてしまった。
それでも、5位にはフェッテルから2.5秒遅れでウイリアムズのボッタスが入り、ロータスのグロージャンは今シーズンはじめてのポイント圏内フィニッシュで8位に食い込んだ。

今年のメルセデスは2009年のブラウンGP(続けていればホンダF1だったのに・・)のような状態だ。
若干の光明は、ルノーPUの制御が改善されてレッドブルやロータスのパフォーマンスが上がってきていることだろう。
まだまだ長い道のりであることには変わりがないが・・・。
フェラーリとマクラーレンも深刻だ。
アロンソはホーム・レースなのに6位に入るのがやっとだった。
バトンはスペインでもトップ10でゴールできなかった。

メルセデスが強すぎるのでチーム間のトップ争いへの興味は薄れてしまう。
しかし、レースが面白くないかと言うとそうでもない。
メルセデスの1・2位を筆頭に、3・4位にはレッドブル、6・7位にはフェラーリ、9・10位にはフォースインディア、11・12位にはマクラーレンが入ったから、チームメイト同士の戦いが激しくなっていて、随所でチームメイト間の白熱したバトルが見られる。
これが今年のひとつの見所だ。

いよいよ、伝統の一戦モナコGPの週末が始まる。
モナコの市街地コースはコートダジュールに建並ぶ歴史的な建物の間を縫う公道を閉鎖して行われる真のストリート・コースだ。
しかし、最高速が時速300Kmを超える現代のF1を走らせるのには向いていない。
コース幅は意外とあるのだが、ガードレールに囲まれているのでエスケープ・ゾーンがほとんどない。
現在のF1だとスタート直後の1コーナーで上位の順位が決まってしまい、コース上で抜くチャンスはほとんどない。
それでも雨が降ったりするとドライバーの実力で順位が大きく変動する。
モナコ・マイスターと言えば、アイルトン・セナ、マイケル・シューマッハ、グラハム・ヒルの名前が頭に浮かぶ。
セナがガードレールから数センチのところまでタイヤを寄せてモナコの街並を背景にコーナリングする姿はとても美しかった。

現役ドライバーでモナコを好むドライバーを上げるとすると、アロンソ、ロスベルグ、マルドナド、ペレスだろうか。
2013年のウイナー、ロスベルグはモナコでハミルトンを下す必要がある。
アロンソはマシン・パフォーマンスのウエイトが下がるモナコならチャンスが広がる。
コーナリング・マシン、レッドブルのフェッテルもここでは期待できる。
メカニカル・トラクションの良いウイリアムズはいつもモナコではいいところを見せる。

モナコGPは1位ロスベルグ、2位ハミルトン、3位アロンソ、4位フェッテル、5位ライコネン、6位リチャルド、7位マッサ、8位ペレス、9位マルドナド、10位グロージャンかな。

2014 ©Yukichi Otsuka, All Rights Reserved

POSTED BY:
otsuka_image

YUKICHI OTSUKA/大塚雄吉
学会ネット株式会社 代表