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YUKICHI OTSUKA 大塚雄吉
F1 ウォッチャー
幼少期にF1に魅せられ、50年以上にわたって、日本製のF1が出ていなくても、日本人F1ドライバーがいなくても50年以上にわたってF1を見続けてきた、F1 ウォッチャー。

Formula One 2016(21)2016.11.25

ハミルトンがブラジルGPに勝って3連勝となった。
ロスベルグは、雨のレース中に不慮のアクシデントでノーポイントに終わるリスクを避けるため、2位をキープする走りをした。
フェルスタッペンは、一時、15番手まで後退した後、追い上げて3位表彰台をゲットした。
4位・5位にはペレスとフェッテルが入り、続いて6位・7位・8位にはサインツ、ヒュルケンベルグ、リチャルドが入った。
4位から7位までのドライバーはいずれも雨を得意とするドライバー達だ。

地元ブラジルのナスレは9位でゴールして、ザウバーに貴重な2ポイントをもたらした。
アロンソは10位に滑り込んだ。
フェリッペ・マッサは、雨に足をすくわれて、最後の母国グランプリを上位入賞で飾ることができなかった。
ブラジルのファンたちは、ブラジル国旗を羽織ってピットロードを歩くマッサを大歓声で迎えた。
マッサは、もう少し運が良ければ1度か2度はチャンピオンになれたドライバーだ。

ブラジルGPは、いつも天候が不安定で、終始快晴のレースになることのほうが珍しいほどだ。
今年のレースも、スタート前からの雨でスタートを10分後にずらしたが、止む気配がないので、セフティカー先導でのスタートとなってしまった。
途中2度の赤旗でレースが中断されただけでなく、レース中のセフティカー出動もあったのでレースらしいレースにはならなかったが、どうにか制限時間内に71周を消化した。
ひどい土砂降りがずっと続いたわけではなかったので、1/2レースにし辛いところもあったのだろうか?けが人が出なかったのは幸いだった。

そんな、今年のブラジルGPを面白くしてくれたのは、レッドブルとフェルスタッペンだった。
予選でメルセデスとの差が0.75秒もあったレッドブル勢は普通にやっていたのでは決勝でメルセデスに勝つことはできない。
そこで、レッドブルは、雨の決勝レースで路面状態を先読みして水たまりが浅くなりそうだと見るや、インターミディエイト・タイヤに交換するという作戦をとった。
雨のレースでこれがはまれば優勝することも可能だからだ。
対するメルセデスは、クラッシュによるノーポイントを恐れてレインタイヤで通した。
チャンピオンをとらなければいけないチームとチャレンジャーチームの立場の違いが作戦に反映されている。
結果、レッドブルのギャンブルは外れて、フェルスタッペンは、せっかく2番手をうかがうところまで行っていたのに最後のレインタイヤへの交換で15番手まで後退してしまう。
フェルスタッペンが並みのF1ドライバーと違うところはここからだった。
フェルスタッペンは、セフティカー先導中にコースのいろんな位置のウエットグリップを試していて、セフティカーが引っ込むや否や、独自のウエットグリップ情報をフルに活用して怒涛の追い上げを見せ、表彰台に乗れるポジションまで返り咲いたのだ。

次は、いよいよ最終戦アブダビGPだ。
ロスベルグとハミルトンのポイント差は12ある。
ハミルトンがアブダビGPに優勝してもロスベルグが3位に入ればロスベルグがチャンピオンになる。
ロスベルグは、ここ3戦のように2位キープに徹すれば、易々とチャンピオンの座を手に入れることができる。
鍵となるのは、予選でのレッドブルとメルセデスのタイム差だろう。
タイム差が0.3秒以内ならばレッドブルが最終戦をかき回すことになる。
ロスベルグはパワーユニットの疲労も心配要因だ。
最終戦・アブダビGPといえば、2010年シーズン、2位に入ればチャンピオンになれるはずだったアロンソが、タイヤ交換のタイミングによって不運にも7位に終わり、フェッテルにチャンピオンを持っていかれた時のことを思いだす。
ロスベルグが初のタイトルを獲得するにはちょっとした運が必要だ。

アブダビGPは、1位ハミルトン、2位リチャルド、3位フェルスタッペン、4位ロスベルグ、5位フェッテル、6位ライコネン、7位バトン、8位アロンソ、9位ペレス、10位マッサかな、

2016 ©Yukichi Otsuka, All Rights Reserved

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YUKICHI OTSUKA/大塚雄吉

Formula One 2016(20)2016.11.11

ハミルトンがメキシコGPを制した。
今回、ロスベルグは予選でハミルトンに歯が立たず、決勝では無理なレースをせずに2位を確実に確保した。
ハミルトンは残りレースを全勝しないとチャンピオンへの可能性がなくなるから優勝だけを目指して走っているが、ロスベルグは初のチャンピオン・シップ獲得だけを考えて冷静に走っている。
決勝レース、ハミルトンは順調なスタートを決めた後、トップでコーナーに突っ込んでいった。
しかし、この時にかなりのレイト・ブレーキングでリードを広げたため、コース上にとどまることができなかった。
このような場合、ふつうは2番手に順位を譲ることになっているが、ハミルトンはそのまま走行した。
そして、レース・スチュワートは順位を譲る指示を出さなかった。
ハミルトンは、コースアウトによってアドバンテージを得ていないというのが理由だったが、果たしてそうだったろうか?
ハミルトンは、レイト・ブレーキングのおかげで、コーナー入口で2番手とのギャップを広げていて、コースアウトしたのだから、やはり順位を入れ替えるのが正当だろう。

そして、このような判定の考え方が、3・4・5位の順位がタイム・ペナルティによって決まるという結果を引き起こすことになってしまった。
レース終盤、3番手を走っていたフェルスタッペンは、フェッテルに追い上げられて必死に防戦していた。
そして、こらえきれずにコース外に出てしまった。
しかし、フェルスタッペンは、順位を譲らず、スチュワートからの指示はなく、そのままゴールした。
フェッテルはレース中に無線でスチュワートに猛然と抗議した。
フェッテルはこの時、汚い言葉でスチュワートを罵ってしまった。

フェルスタッペンは、レース終了直後に5秒加算され、フェッテルが3位表彰台に上った。
しかし、その後、フェッテルがリチャルドをブロックしたときに危険な走り方をしたと判定され、フェッテルには10秒が加算された。
その結果、フェッテルは5位になるという後味の悪いものになった。
他のスポーツでも同じようなことは起こるが、F1の場合、元ドライバーがレースごとに入れ替わり立ち代わりスチュワートを務めているだけで、判定基準が統一されていなく、即時に判定されないことも多い。
こんな判定基準で、数ポイント差でチャンピオンが決まったりするとやりきれない。
1周目のハミルトンのコースアウトもその時点で順位を入れ替える指示が出ていれば、ロスベルグが優勝していた可能性がある。

メキシコGPの残るポイントフィニッシャーは、6位ライコネン、7位ヒュルケンベルグ、8位ボッタス、9位マッサ、10位ペレスだった。
母国グランプリだったペレスは予選が不調だったのが最後まで響いた。
グティエレスはポイント獲得を逃した。

次は、南米に移動してブラジル・サンパウロだ。
ブラジルGPの開催されるアウトドローモ・ホセ・カルロス・パーチェは左回りで高低差のある一周4.3Kmの短いコースだ。
最終コーナーを駆け上がり、ホーム・ストレッチの終わりは下り坂の左コーナーになっている。
毎年、この1コーナーから続くS字コーナーで見ごたえのあるバトルが繰り広げられる。
ブラジルGPでのスターは、言うまでもなく、今年でF1を引退するフェリッペ・マッサだ。
熱狂的な母国クラウドの前で記憶に残る走りを見せてほしい。
もう一人のブラジル人ドライバー、ナスレも頑張ってほしい。

メキシコGPは、1位ハミルトン、2位リチャルド、3位マッサ、4位フェルスタッペン、5位ライコネン、6位フェッテル、7位バトン、8位アロンソ、9位ペレス、10位ロスベルグかな。

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