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YUKICHI OTSUKA 大塚雄吉
F1 ウォッチャー
幼少期にF1に魅せられ、50年以上にわたって、日本製のF1が出ていなくても、日本人F1ドライバーがいなくても50年以上にわたってF1を見続けてきた、F1 ウォッチャー。

Formula One 2012(14)2012.09.21

イタリアGPではハミルトンが3勝目を飾った。
ペレスは予選12番手からタイヤを見事にマネージしながら追い上げ、コース外に押しやられてマシン・パフォーマンスの落ちたアロンソをかわして2位に入った。
フェラーリにとっては残念な結果のホームGPだった。
これでチャンピオンシップはがぜん面白くなってきた。
アロンソとハミルトンの差は37ポイントしかない。ド
イツGP以来、明らかにマクラーレンがマシン性能とセットアップ力で他のチームより頭ひとつ出ていることが証明された。
フェラーリはまだまだパフォーマンス・アップが足りない。
シーズン中にエンジンの基本仕様を変更できないルールのためにエンジン・パフォーマンスでメルセデスを逆転するのは難しい。
そうなると、空力とシャシー面の向上を図るしかない。

レッドブルはエンジン・オルタネタ関係の対策にルノーがてこずっているために勝てるレースを落としている。
レース中にKERSが使えなくなってパフォーマンスダウンしたりもしている。
今年のレッドブルは昨年までのような明確な空力アドバンテージを持っていない。
レッドブルと同じルノー・エンジンを積むロータスもレッドブルと同じエンジン関係の問題を抱えている。

各チームともコースによるぶれはあるがシーズン当初と比べるとタイヤの使い方がだいぶ分かってきた感じだ。
このままいくとマクラーレン・ハミルトンのチャンピオンは十分ありうる。
ただし今年はまだ7戦も残っている。
現在ランキング6位のバトンまではまだあきらめるのは早いだろう。

可夢偉は、イタリアGPでも予選Q3を見事に決めて予選9位で予選13位のペレスよりも速いところを見せていた。
しかし、決勝は新品のハード・タイヤでスタートしたペレスがハードでもミディアムでも見事にハイペースを維持したのに対して、中古のミディアムでスタートした可夢偉はハイペースを維持することができなかった。

これまでのペレスの2回の表彰台は、天候やタイヤ交換のタイミングなど運が良かったことによるものもあるが今回の表彰台は文句なしに見事なものだった。
これで、可夢偉はポールをとって優勝するしか挽回のチャンスはなくなった。
今のザウバーで鈴鹿あたりなら不可能でもないか。

シンガポールGPのタイヤはソフトとスーパーソフトの組み合わせになる。
ナイトレースなので気温はともかく路面温度はそれほど高くないだろうからタイヤ・トラブルはなさそうだ。赤道直下の人工都市、シンガポールのレースなのでナイトレースがふさわしい感じもするが3日間とはいえエネルギーの無駄使いではある。
ストリート・サーキットと常設コースの違いはあるが似たような天候のマレーシアGPは昼間にやっている。
シンガポールでは暑い昼間を避けて夜遊ぶので(夜専門の動物園があるくらいだ)シンガポール人にとっては普通のことなのだろう。
ビルの屋上をつなぐコースを作るわけにもいかないし。
ここはストリートコースなのでアロンソもやりようがある。
ストリートコースが得意なマルドナルドやロスベルクにも上位に食い込むチャンスはある。

シンガポールGPは1位ライコネン、2位アロンソ、3位ハミルトン、4位マルドナルド、5位バトン、6位フェッテル、7位可夢偉、8位ロスベルグ、9位マッサ、10位ペレスかな。                

2012 ©Yukichi Otsuka, All Rights Reserved

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YUKICHI OTSUKA/大塚雄吉
学会ネット株式会社 代表

Formula One 2012(13)2012.09.07

ベルギーGPではバトンが優勝した。
バトンはバレーンGP以来不調が続いていたがドイツGPあたりから調子を取り戻して今期2勝目をあげた。
予選で苦しんだフェッテルは決勝では強さを見せて2位に入った。
ロータスのライコネンはギアボックス・トラブルを抱えながらの走行だったため3位に入るのがやっとだった。
チャンピオンシップを争っているアロンソとハミルトンはグロージャンが引き起こした事故のためにノーポイントに終わった。
レース前は2番手に40ポイントの差をつけていたアロンソにとっては痛い結果だった。
もらい事故がなければアロンソのことだからポイントはとっていたはずで、フェッテルに一気に18ポイントも差を縮められるということはなかったはずだ。
これで、アロンソが有利かと思われていたチャンピオンシップの行方が全くわからなくなった。

それにしても、今シーズンは全く予想がつかない。バトンにしても初戦のオーストラリアGPに優勝したあと中国GPまでは今年はタイヤにやさしいバトンの年かと思わせたが、その後のマクラーレンの開発の方向とバトンのドライビングスタイルが合わなかったのかドイツGPまでは絶不調に陥っていた。
しかし、マシンのアップデートによって復活した。
ハンガリーで優勝したハミルトンもベルギーでは予選からあまり速くなかった。
本人によると予選はウイングのせいだということだがもらい事故のせいで決勝でのパフォーマンスが見られなかったので判断できない。
マクラーレンのアップデートがうまくいっていることは確かだが必ず勝てるとは限らない。

可夢偉は予選Q3を見事に決めてフロントローからのスタートで期待されたがスタートをしくじり4番手ぐらいまで後退したのでグロージャン発の事故をもらってしまった。
スタートさえ決めていれば事故に巻き込まれずに先に行けて表彰台は確実だっただろう。
どうも可夢偉はいいグリッドのときにスタートがうまくいかない。
マシンに原因があるとすると相当運が悪い。
今年のF1は金曜日からの3日間すべてがうまくはマラにと勝てない。
たった一つのミスが命取りになる。
アロンソもフロントローにいればリタイヤすることはなかったはずだ。

話は変わるが、元F1ドライバーアレックス・ザナルディがロンドン・パラリンピックで金メダルを獲った。
しかも、会場は往年のF1コースブランズハッチだ。
イタリアGPでもピレリはミディアム・タイヤとハード・タイヤを供給する。

ベルギーGPでは両方とも耐久性があったのでバトンやフェッテルはワン・ストップで走りきった。
モンザはスパよりも単純なコースだ。
各車空気抵抗を減らすためにできる限り小さなウイングに替えてくる。
ただしそこからはウイングを立ててダウンフォースを確保してラップタイムを速くするドライバーとダウンフォースの少ないマシンで直線でタイムを稼ぐドライバーに分かれる。
ダウンフォース派のバトン、フェッテルと直線スピード派のハミルトンウエバーの対決になる。
フェラーリ・ホームグランプリのアロンソも忘れてはいけない。
可夢偉はもう一度いい予選をして今度こそスーパースタートを決めて独走してほしい。

イタリアGPは1位可夢偉、2位アロンソ、3位ハミルトン、4位ライコネン、5位フェッテル、6位バトン、7位ロスベルグ、8位マッサ、9位ウエバー、10位シューマッハかな。                

2012 ©Yukichi Otsuka, All Rights Reserved

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