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YUKICHI OTSUKA 大塚雄吉
F1 ウォッチャー
幼少期にF1に魅せられ、50年以上にわたって、日本製のF1が出ていなくても、日本人F1ドライバーがいなくても50年以上にわたってF1を見続けてきた、F1 ウォッチャー。

Formula One 2013(8)2013.06.28

カナダGPは、フェッテルが優勝した。
予選は変化するコースコンディションの中、ハミルトンを押さえてポールをとった。
決勝では先行逃げ切りの典型的なフェッテルの勝ちパターンとなった。
2位のアロンソを14秒以上離しただけでなく、6位以下を全て周回遅れにする完勝だ。
予選6番手だったアロンソは重要なスタート直後の争いできっちり順位を上げた。
それからも、最終シケイン前の長いストレートでは他のドライバーとは違う作戦を取った。
最終ストレート・エンドでKERSを温存し、ホーム・ストレート・エンドではDRSとKERSのエネルギーを一気に使って他のドライバーを抜き去っていた。
スペインGPの時の第3コーナー大外狩りと同様、アロンソならではの工夫だ。
マシンの速さが足りなくてもドライバーの力でカバーするアロンソの真骨頂だ。

4位には終盤ファーステストラップをたたき出したウエバーが入り、3位と5位にはハミルトンとロスベルグのメルセデス勢が入った。
大健闘のヴェルニュが6位に入った。
ヴェルニュは、このまま良い結果を出し続けることができれば来年はレッドブルに乗れるようになるかもしれない。
最近コンスタントに良い成績を出しているフォースインディアは2台とも入賞し、マッサもポイント圏内でフィニッシュした。
ライコネンはカナダでは速さのなかったロータスながら連続入賞記録を伸ばした。
深刻なのはマクラーレンでペレス、バトンが11位12位のポイント圏外だった。
今年のマクラーレンは去年のフェラーリよりも深刻な状態に陥っているのかもしれない。

カナダGPから第8戦ブリティシュGPまで3週間空いているがその間にスポーツ・プロトタイプ・レースの最高峰ルマン24時間レースが開催された。
今年もアウディが優勝し、トヨタは残念ながら2位に甘んじた。
アウディは去年トヨタのハイブリッド・カーに対抗してウイリアムズ製のフライホイールを導入してレーシング・ハイブリッドを仕立て上げ、勝った。
今年もそれが続いている。
ルマンは自動車メーカー同士の争いだから、市販車でハイブリッド車トップメーカー(総販売台数でもトップだが)であるトヨタは、ハイブリッドの方式を見直してでも、来年はアウディに圧倒的な差をつけて優勝してもらいたい。

話をF1に戻すと、メルセデスの抜け駆けタイヤテスト問題はFIAがきわめて軽い処分を下した。
他のチームは不満だろうが結局このまま押し切られる公算が強い。

そして、ブリティシュGPだ。ブリティシュGPはかつて英国特有の街と街を繋ぐ自然なワインディングロードをサーキットにしたようなブランズハッチとシルバーストーンで隔年に行われていたが、1987年以降はシルバーストーンのみで開催されている。
シルバーストーンは飛行場に作られた高速コースなので、高速コーナーが多いコースなのでタイヤにはかなり負担が伴う。
本来なら、マクラーレンが得意そうなコースだが、近年はレッドブルとフェラーリが好成績を収めている。
メルセデスが決勝で速ければ抜け駆けタイヤテストから得るものがあったということになるだろう。

ブリティシュGPは1位ウエバー、2位マッサ、3位フェッテル、4位ハミルトン、5位アロンソ、6位ライコネン、7位ロスベルグ、8位バトン、9位ディレスタ、10位ボッタスかな。   

2013 ©Yukichi Otsuka, All Rights Reserved

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YUKICHI OTSUKA/大塚雄吉
学会ネット株式会社 代表

Formula One 2013(7)2013.06.06

モナコGPは、週末を通じて完全に支配したロスベルグが優勝した。
ロスベルグは2006年にF1ドライバーとなってから8年目にしてついにモナコGPの勝者となった。
ロスベルグはウイリアムズのときからモナコを得意としていて、与えられたマシンの実力以上のグリッド・ポジションに着くことが多かった。
それが今年は、P1から予選・決勝を通じて、常に一番だった(決勝のファーステスト・ラップは終盤フェッテルが意地でたたき出したが)。

2位、3位にはレッドブルのフェッテルとウエバーがハミルトンの前に割って入った(チームのちょっとしたピット・タイミングミスから少し後退した)。
大健闘のスーティルは5位に入り、バトンはいまだ戦闘力の不足しているマクラーレンを6位持ち込んだ。
スペインから一転、アロンソ+フェラーリはモナコでは7位と精細を欠いていた。
8位にはこれも大健闘のベルニュが入り、9位にはディレスタが入った。
ペレスに追突されて連続ポイント獲得記録がとまりそうになったライコネンは驚異的な追い上げで10位になった。

モナコは特別なレースでモナコGPの1勝は他のGPの3勝に値すると言われてきたが、もはやレースといい辛い状況に陥っている。
今年も予選と決勝のトップ10メンバーはほぼ同じだ。
無理なドライビングをして結局自滅したペレスとグリッド後方からうまく上がってきたディレスタが入れ替わったぐらいだ。
レース自体もペースの遅いロスベルグを狭いコースのせいで誰も抜くことができない。
F1マシンのパレードランのようだった。
どうせレースにならないのなら、土曜日と日曜日に5周ずつ全ドライバーが単独で走り、2日間で最もタイムの良かったドライバーを優勝者にするほうがよっぽど面白い。
レースをするならコースに手を入れてまともなパッシングが可能なコーナーを作るべきだ。

F1界ではまたタイヤ騒動が持ち上がっている。
メルセデスが今年のマシンでタイヤテストを行っていたというのだ。
フェラーリも旧型のマシンでタイヤテストをやっていたらしい。
レッドブルがルールブック記述の隙間をついて新しい空力処理でアドバンテージを得るとすぐに禁止するわりに、特定の上位チームはタイヤテストをやる。
メルセデスとフェラーリにはイギリスGPあたりから効果が現れるだろう。
ヨーロッパではよくある話だ。
一人勝ちが続くのを防止するために常に行われている(フェアかどうかは別として)。

第7戦は、カナダGPだ。
カナダの夏は短いので8月が休みのF1をカナダでやろうとすると6月か7月しかない。
ジル・ビルヌーブサーキットはストリート舗装で直線とタイトコーナーを結んだだけのようなサーキットなのでタイヤのサイドウォールに負担がからない。
モナコに続きメルセデスに有利だ。
しかし、決勝ではブレーキの耐久性が意外と鍵を握る。
モナコと違ってパッシングポイントもいくつかある。
ホームストレート前のシケインの立ち上がり外側はコンクリートウォールなのでミスをして壁にぶつかるドライバーが毎年何人かいる。
ヘアピン進入のブレーキングもハードだ。

カナダGPは1位ハミルトン、2位ライコネン、3位バトン、4位フェッテル、5位ウエバー、6位マッサ、7位アロンソ、8位スーティル、9位ロスベルグ、10位ボッタスかな。  

2013 ©Yukichi Otsuka, All Rights Reserved

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