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YUKICHI OTSUKA 大塚雄吉
F1 ウォッチャー
幼少期にF1に魅せられ、50年以上にわたって、日本製のF1が出ていなくても、日本人F1ドライバーがいなくても50年以上にわたってF1を見続けてきた、F1 ウォッチャー。

Formula One 2019(4)2019.04.26

チャイナGPでは、メルセデスが開幕以来3戦続けてワン・ツーフィニッシュを飾った。
勝ったのは王者ハミルトン、2位はボッタスだった。
ボッタスは金曜日から土曜日の午前中にかけてのフリー走行では、明らかにハミルトンより速いタイムで走行し、圧倒的優位に立っていた。
ハミルトンは、ボッタスとのギャップを埋めることができず苦戦していた。
ところが、予選が始まるや否や、ハミルトンは、あっという間にボッタスとのタイム差を縮め、予選を走り終えたときには、ポールポジションのボッタスまで0.023秒差まで迫っることに成功したのだ。
予選が始まる直前にタイム・アップポイントを見つけて、実行したのだ。
ハミルトンの逆転パフォーマンスは、決勝になっても続き、スタートで若干もたついたボッタスの隙をつ居て突いて前に出ると、その後、一貫してレースを支配し、1位でゴールラインを駆け抜けた。
やはり、5回のワールドチャンピオンに輝く現役ワールドチャンピオンのハミルトンは、違う。
不利な情勢を見事に立て直し、優勝をさらっていくだけの力がある。

フェッテルは、スタートで前に出たルクレールからチームオーダーで3番手を得たものの、メルセデスを追撃するほどの速さはなく、3位を確保するに留まった。
今回のレースでは、ルクレールは予選からフェッテルよりも遅く、スタートで前に出ただけだったから、メルセデスを追撃するためにはチームとしては妥当な策だった。
チャイナGPでのフェラーリ・マシンは予選からメルセデスに対抗できるだけの速さはなかった。
勝てたはずのバーレーンで星を落としているうちに、メルセデスに総合パフォーマンスで先に行かれてしまった感が強い。

レッドブルは、バーレーンGPよりはメルセデス・フェラーリとのパフォーマンス差が狭まったが、フェルスタッペンのドライビングをもってしても予選でフェラーリ2台の間に割って入るのがやっとだし、決勝でもフェッテルの前に出ることはできず、4位でゴールした。

5位には、ルクレールが入り、6位には、ガスリーが入った。
ガスリーは最終盤にソフトタイヤに履き替え、ファーステスト・タイムも記録した。トップ3チームのあとは1周遅れで、7位リチャルド、8位ペレス、9位ライコネンが続いた。
予選で大クラッシュしてピットレーン・スタートとなったアルボンは、見事に追い上げて10位に滑り込み、ドライバー・オブ・ザ・ディを獲得した。

次は、アゼルバイジャンGPだ。
バクー市街地サーキットは、長い直線があり、路面はストリート舗装なので、上海とは全く異なる。
長い直線では、DRSを使って抜くことが容易だ。
しかし、ストレートが長い分、ストレートエンドまでにタイヤが冷えるし、ブレーキにも過酷だ。
第3戦までの結果だけを見るとメルセデスが圧倒的に強いように見えるが、今年の実態はもっと混戦状態にある。
そろそろ、毎レースごとい笑うチームが変わってくれると面白いシーズンになるのだが。
ホンダは、早くもバクーからスペック2ICEを4台に投入する。

アゼルバイジャンGPは1位フェルスタッペン、2位ルクレール、3位フェッテル、4位ハミルトン、5位ガスリー、6位ボッタス、7位リチャルド、8位ライコネン、9位クビアト、10位アルボンかな。

2019 ©Yukichi Otsuka, All Rights Reserved

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YUKICHI OTSUKA/大塚雄吉

Formula One 2019(3)2019.04.10

バーレーンGPはメルセデス勢が棚ぼたでワン・ツーフィニッシュを得た。
3位でゴールしたのは、2位以下を大きく引き離してゴールしていたはずのルクレールだった。
ルクレールは予選・決勝を通じて圧倒的な速さでこのグランプリをリードしていた。
45周目の時点でルクレールは2番手のハミルトンに10秒近い差をつけ、3番手のボッタスはハミルトンからさらに30秒後方にいた。
ルクレールは、周回遅れと接触しないよう気を付けてクルーズしていれば、初優勝が転がり込んでくるはずだった。
ところが、レースの女神は、F1グランプリ2年目とは思えない速さと冷静さを持ったドライバーに、微笑みかけることはなかった。

フェラーリのパワーユニットが、46周目になって突然支障をきたし、電気モーターへのパワーが供給されなくなくなってしまったのだ。
ルクレールは、目に見えて遅くなったマシンを懸命にコントロールしてできる限り速く走らせようとしたが、48周目にはハミルトンに捕らえられてしまい、54周目にはボッタスにも抜かれて、3番手まで後退することになった。
ルクレールは、そのまま行けば、ゴールまでに4番手のフェルスタッペンにも捕えらえられてしまうところだったが、54周目にルノーが2台コース上で止まってしまったため、残り2周セフティカーが出動して追い抜き禁止のままチェッカーが降られ、事なきを得た。

フェッテルは、予選からルクレールに圧倒されていて、決勝のスタートでルクレールの前に出たもののすぐに抜き返され、その後、ハミルトンと争った際にスピンして一時は8番手まで順位を下げ、その後はレースを立て直すことができずに、5位でゴールするのがやっとだった。
6位には、大健闘のノリスが入り、オーストラリアでは逃した入賞を果たした。ノリスのあとには、7位ライコネン、8位ガスリー、9位アルボン(F1初ポイント)、10位ペレスが続いた。

バーレーンGPの結果はともかく、シーズン前テストでフェラーリ・マシンが見せた速さはどうも本物らしい。
一説には、フェラーリのPU は、メルセデスPU、ホンダPUと比べて40馬力のパワー・アドバンテージがあるとされ、それがシェルの特殊燃料によるところだと主張するライバル・チームもある。
オーストラリアはセッティングがうまくいかず、バーレーンはPUの不調とフェッテルの焦りによって勝利を逃し続けているフェラーリだが、マシンの実力がライバル達を圧倒していることに変わりはない。
シェルの燃料が非合法だと断定されない限り、他のチームは一日も早く対抗手段を講じる必要がある。
ライバル・チームにとって幸いなことにバーレーンGPの後、2日間の公式テストがあったので、ある程度、問題点が特定できただろう。
レッドブルはフロントウイングの設計見直しとタイヤの使い方に改良点を見出そうとしている。
早ければ次のGPからアップデートが投入されるだろう。

次は、チャイナGPだ。
このサーキットは、長い直線があり、コース幅も広いので、DRSを使って抜くことが容易なコースだ。
ここでは、作戦ミスがなければ、マシンの性能からしてフェラーリ勢が優勢だろうが、雨が降ったりすると状況は一変する。
今回は、ルクレールが不運に見舞われないことを祈るばかりだ。

バーレーンGPは1位ルクレール、2位フェッテル、3位フェルスタッペン、4位ハミルトン、5位ガスリー、6位ボッタス、7位ヒュルケンベルグ、8位ライコネン、9位クビアト、10位グロージャンかな。

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YUKICHI OTSUKA/大塚雄吉