フランスGPは、ハミルトンが圧勝した。
ハミルトンはこれで8戦6勝だ。
ボッタスは、ハミルトンから18秒遅れながら、2位に入った。
3レースぶりにメルセデスのワンツー・フィニッシュを許し、メルセデスは開幕以来8連勝となった。
このままいけば、ハミルトンを止めることができるのはボッタスしかいないことになってしまう。
3位には、ルクレールが入った。
ルクレールは、このコースでは性能的にメルセデスの敵ではないフェラーリのタイヤを巧くマネージして、ボッタスから1秒以内でゴールし、成長の跡を見せた。
フェルスタッペンは、予選の速さと才能あふれるドライビングでフェラーリ2台の間に割って入って4位を獲得した。
5位には、予選から調子が上がらず、決勝でも挽回できなかったフェッテルが入った。
終盤、フェルスタッペンには追いつけないと悟ったフェッテルは、ソフトタイヤに履き替えてファーステスト・ラップを記録した。
しかし、フェッテルが新しいソフトタイヤで出したファーステスト・ラップは、ハミルトンが使い古したハードタイヤでファイナルラップに出したタイムより僅か0.024秒速いだけだった。
6位には、予選から絶好調のマクラーレンを駆るサインツがつけた。
マクラーレンは去年の不振が嘘のような大活躍で、同じPUを積むワークス・ルノーを上回るパフォーマンスを見せている。
6位までがトップと同一周回でゴールした。
7位には久々にレース巧者ぶりを見せたライコネンが入った。
8位にはヒュルケンベルグ、9位には、ノリスが続いた。
11番手でゴールしたガスリーは、7番手でゴールしたリチャルドが5秒加算ペナルティを課されテ11位になったおかげで10位を拾った。
第8戦目を終えて、メルセデスとそれ以外のチームのパフォーマンスの差は開くばかりだ。
開幕前はフェラーリがメルセデスより速くなったといわれていた。
しかし、メルセデスは開幕戦までに弱点を修正し、開幕以来勝ち続けている。
フェラーリ以下のチームは何とかメルセデスをとらえようと懸命な努力を続けているが、カナダGP以外では、歯が立たなかった。
フェラーリは、フランスに持ち込んだ空力アップデートのほとんどが機能しなかった。
ホンダの用意したスペック3PUはメルセデスのスッペク2PUに追いつくどころかルノーのスペック3に追いつかれてしまった。
シーズン中のレギュレーション変更か、タイヤスペックの変更ぐらいしかメルセデスの独走を止める手段はないようにさえ思える状況だ。
次は、ヨーロッパ・シリーズ全7戦の第2戦オーストリアGPだ。
レッドブル・オーナーにとってのホームGPとなる。
レッドブル・リンクは高低差がり、全長は短い部類に入るコースだ。
パワーよりもシャシー力の勝負になることが多いが、今年のメルセデスは、シャシー力があり、パワーもあるのでウイングを立てることができ、むしろ、中低速コーナーが得意だ。
ホームだからどうなるということでもないだろうが、レッドブルのシャシーアップ・デートがハマルことを願うばかりだ。
オーストリアGPは1位フェルスタッペン、2位ハミルトン、3位フェッテル、4位ルクレール、5位ボッタス、6位ガスリー、7位グロージャン、8位リチャルド、9位サインツ、10位ヒュルケンベルグかな。
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カナダGPのゴールラインを最初に横切ったのはフェッテルだった。
しかし、カナダGPの勝利者となったのは2番手でチェッカーを受けたハミルトンだった。
結果としては、シーズンの1/3を消化して、メルセデスの7戦全勝となった。
フェッテルは、ブレーキに多少の問題を抱えていたのか、終盤に差し掛かったところでハミルトンに詰め寄られ、プレッシャーを受けていた。
そして、48周目のターン4でコースをはみ出して戻った際にハミルトンを妨害したとして5秒加算ペナルティをくらった。
それでも、フェッテルは、ゴールまでの22周にわたってトップのポジションを守り抜いた。
ハミルトンは、何とか自力でフェッテルの前に出ようと65周目には0.7秒差まで追い上げたが、フェッテルに抑え切られた。
レース自体は、とても見ごたえのあるレースだっただけに、ペナルティに値するかどうかについて大議論を巻き起こすような判定によって、結果が覆されるのは考えものだ。
モナコGPに続いて、カナダGPでも、レース・スチュワートの判定によって上位の順位が入れ替わっことになる。
特に、今回はウィナーが入れ替わっのだから問題だ。
レースごとにスチュワートが変わる現行のシステムだと判定に一貫性がない。他の判定協議などを参考にして、5人程度のシーズン常任スチュワートによる即座の判断というような形態をとるべきだろう。
車両のレギュレーションなどは、極めて厳格化されているのに、肝心の競技のジャッジ方式がこれでは話にならない。
3位にはルクレールが入った。
ルクレールは、FPでは好調だったが、予選、決勝ともフェッテルに及ばなかった。
4位にはボッタスが入った。
ボッタスは、終盤、5位とのタイム差があったのでソフトに履き替えて、ファーステスト・ラップも記録した。
5位には9番グリッドから追い上げたフェルスタッペンが入った。
フェルスタッペンは、このコースではパフォーマンスの高くなかったマシンを操って、セフティカー出動のタイミングで一気にトップとの差を縮める作戦のようだった。
残念ながら、今年は、セフティカーの出動はなかった。
それでも、9番グリッドから5位まで追い上げたフェルスタッペンはさすがだ。ここまでがトップと同一周回でゴールした。
6位と7位にはルノーのリチャルドとヒュルケンベルグが入り、次戦フランスGPに向けて期待を持たせる結果となった。
5番グリッドからソフト・タイヤでのスタートのガスリーは、何とか8位でゴールした。
ストロールは地元の声援を受けて9位という結果を出した。最後の1ポイントを獲ったのはクビヤトだった。
F1サーカスはヨーロッパに戻り、次は、フランスGPだ。
シルキー・ポール・リカールは古くからあるコースだが、近年、過去の面影がないほど近代的に生まれ変わった。
エスケープ・ゾーンがコンクリート舗装なのでコーナーを攻めやすい。コーナリング速度が速くなるので今年のメルセデスには有利かもしれない。
ホンダは、早くもスペック3PUをフランスGPに投入する。
フランスGPは、ガスリーとグロージャンにとってはホームGPだ。
ルノーにとっても、今後のシーズンのジャンピング・ボードにしたい重要なレースだ。
フランスGPは1位フェッテル、2位フェルスタッペン、3位ルクレール、4位ハミルトン、5位ガスリー、6位ボッタス、7位グロージャン、8位ヒュルケンベルグ、9位サインツ、10位クビヤトかな
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ハミルトンが今年のモナコ・グランプリ・ウイナーとなった。
2番手でゴールしたのは最後までハミルトンノ勝利を脅かしたフェルスタッペンだったが、ピットアウトの際にボッタスと前を争ったことで5秒のペナルティを課されたため4位フィニッシュの扱いとなった。
2位には孤独に3番手を走り続けたフェッテルが入り、ピットアウトでフェルスタッペンに割り込まれたボッタスが3位となった。
これで、開幕以来のメルセデス・ワン・ツーフィニッシュは途絶えたが、開幕以来、メルセデスしか優勝していないことも事実だ。
5位には、ガスリーが入った。
ガスリーは終盤になって後続とのタイム差があったのでソフトタイヤに履き替えてファーステスト・ラップを獲得した。
ガスリーから43秒遅れで続いた第2グループは、サインツを先頭に、クビヤト、アルボン、リチャルド、グロージャンの順でゴールした。
最終的に4位にはなったが、速さと強さを持ち合わせたフェルスタッペンの走りが印象的だった。
予選でメルセデス2台に次ぐ3番手のタイムを出して、何かあればトップを狙える位置につけた。
決勝でも、クラッシュするような無理な攻めをせず速さを保っていた。
終盤、タイヤのきつくなったハミルトンをテール・ツー・ノーズで攻めて、一瞬の隙があれば抜けるチャンスを増やすための努力をしていた。
ゴールまであと2周というところで、トンネルを抜けた後のシケインでハミルトンに並びかけたが、ハミルトンの巧みなライン取りに阻まれ、抜くことはかなわなかった。
タイヤが接触しても、相手にも自分にもダメージが及ばない程度に抑えたところにフェルスタッペンの進化を見た。
もはや、ドライバーの技量とメンタルでフェッテルを超え、ハミルトンと並んだといえるかもしれない。
このシーンは、今年のモナコ最大の見せ場であったことは間違いない。
地元、モナコの期待期待を一身に集めたルクレールは、フリー走行3でトップタイムを記録するほどの速さを見せていた。
予選では、フェラーリ・チームが、路面のビルドアップによる他車のタイムアップを甘く見積もったため、Q1終盤にアタックさせてもらえず、まさかのQ1敗退となってしまった。
モナコで15番グリッド・スタートというのは絶望的だ。それでも、ルクレールは抜くのがほとんど不可能と言われるモナコを果敢に攻めて8周目にはグロージャンを抜いて12位まで浮上したが、9周目にヒュルケンベルグを抜こうとしたときに接触して、リタイアせざるを得なくなった。
それにしても、モナコは、コースにもう少し工夫をするか、モナコ向けに、ブロック禁止ルールを変更してでも、パッシングが可能なようにしないと、伝統ののドライバーズ・サーキットなのに、予選とハプニングだけで結果が決まってしまうのは問題だ。
次は、カナダGPだ。
ジルビルヌーブ・サーキットは、川の中州に作られた細長いストリート舗装のコースだ。
長い直線のあとにシケインやヘヤピンがあるので、PU、燃費、ブレーキにきついサーキットだ。
今年のジルビルヌーブでは、以外に、フェラーリとレッドブルが強いかもしれない。
ホームグランプリとなるストロールは、今年、あまりいいところがない。チームを購入してまでサポートする父親と寒い国に居ながらF1への熱い情熱を絶やさないカナダ人ファンに報いる時だ。
ルクレールが勝てば、フレンチ・カナディアンたちは祝福してくれるだろう。
カナダGPは1位ルクレール、2位フェルスタッペン、3位ボッタス、4位フェッテル、5位ガスリー、6位アルボン、7位グロージャン、8位ヒュルケンベルグ、9位ライコネン、10位ルクレールかな
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