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YUKICHI OTSUKA 大塚雄吉
F1 ウォッチャー
幼少期にF1に魅せられ、50年以上にわたって、日本製のF1が出ていなくても、日本人F1ドライバーがいなくても50年以上にわたってF1を見続けてきた、F1 ウォッチャー。

Formula One 2022(7)2022.05.27

フェルスタッペンとペレスがワンツー・フィニッシュを飾り、スペインGPを制した。
これで、フェルスタッペンは6戦4勝2リタイヤとなった。
3位には大健闘のラッセルが入った。
フェラーリは、トップを走っていたルクレールがPUトラブルでリタイヤし、サインツは4位という結果に終わった。
ルクレールに19ポイント差をつけられていたフェルスタッペンが優勝し、ルクレールがリタイヤしたことによって、チャンピオンシップ・ポイントは逆転し、フェルスタッペンがルクレールに6ポイント差をつけることになった。
レッドブルもコンストラクターズ・ポイントでフェラーリを26ポイント上回ることになった。

多くのチームが、スペインGPに合わせてアップデートを投入した。
予選Q1のトップタイムはルクレールが獲り、Q2のトップタイムはフェルスタッペンが獲った。
Q3一回目のアタックはフェルスタッペンがベストタイムを記録し、ルクレールはスピンを喫し後がなくなった。
しかし、ルクレールは最後のランでただ一人1分18秒台を叩き出した。
フェルスタッペンは、ルクレールのタイムをさらに更新するするべく二回目のアタックを行なったが、DRSの不調で直線でのタイムが伸びず、2番手タイムに終わった。
サインツが3番手、ラッセルが4番手、ペレスが5番手、ハミルトンが6番手のタイムを出し、決勝のグリッドは3チーム、6人のドライバーによって占められた。

決勝スタートで、ルクレールはポールポジションからクリーンスタートを決めてトップをキープする。
フェルスタッペンは、ルクレールから離されることはなく僅差で後を追う。
サインツは、ラッセルとペレスに抜かれ5番手に後退した。
ハミルトンとマグネッセンが接触し、ハミルトンはピットに向かい、マグネッセンはリタイヤした。
フェルスタッペンはルクレールから2秒以内の距離で離される事なく周回を重ねる。

7周目の4コーナーで5番手を走っていたサインツが突風のためグスピンしてグラベルに飛び出し、11番手まで順位を落とした。
そして、9周目には2番手を走るフェルスタッペンが同じく4コーナーで突背後から突風を受けてコースを飛び出し、4番手まで順位を落とした。
これで、トップを走るルクレールは独走状態になった。
9周目と10周目でラッセルを抜きあぐねていたペレスに対して11周目にチームから4番手のフェルスタッペンに順位を譲るようにオーダーがでる。
今度は、フェルスタッペンがラッセルを追うがフェルスタッペンのDRSは作動せず抜くことができない。

ラッセルを抜くことができなかったフェルスタッペンは、14周目にピットインしてラッセルの前に出ようとする。
しかし、ラッセルも同時にピットにはいっったので、フェルスタッペンは前に出ることができない。
その間にコースに留まったペレスが2番手に上がる。
フェルスタッペンは17周目から10周にわたってラッセルを1秒以内で抜こうとうと試みるがDRSのトラブルとラッセルの巧みなブロックに阻まれて抜くことができない。

この間に、ペレスがフェルスタッペンに追いつき、ペレスはDRSに問題がなく、タイヤの新しい自分をフェルスタッペンの前に行かせてくれれば、ラッセルを簡単に抜けるとチームに要求するが、チームはフェルスタッペンに対してペレスに順位を譲れという指示を出さない。
ペレスがフェアじゃないというのももっともだが、チームとしては、ここでなんとかルクレールとフェラーリを上回る必要があった。

27周目にトップを独走していたルクレールのPUが突然動かなくなりリタイヤする。
フェルスタッペンは29周目にピットに入り、ラッセルをアンダーカットする作戦に出た。
ペレスは、そのまま、ラッセルを追い、31周目にラッセルを仕留める。
フェルスタッペンは、ソフトでミディアムのラッセルをより2秒以上速いペースで追い上げ37周目にラッセルがピットインした間に前に出た。
38周目にはペレスがピットに入り、レッドブルのワンツー・フォメーションが出来上がる。

それでも、フェルスタッペンが優勝するためには、ソフトタイヤによる速さを利してゴールまでにペレスとラッセルに一回ピットストップ分のロスタイム以上の差をつける必要があった。
そして、フェルスタッペンは、45周目にピットインしてラッセルの前に出ることに成功した。
フェルスタッペンは49周目にペレスにも追いつき、パスして優勝を確実にした。
ペレスは、終盤、ソフトタイヤに交換してファーステストラップを記録した。
スペイン人のサインツは4位、アロンソは9位でゴールした。特に、アロンソはPU交換による最後尾スタートからの入賞だった。
角田はアップデートの無かったアルファタウリで、予選・決勝ともよく戦い、10位でフニッシュした。

次は、モナコGPだ。
伝統の一戦が行われるモナコ市街地コースは、現在のF1が競うにはタイトすぎて、レースが始ってしまえば、ピット。
タイミングで抜くしか、オーバーテイクのチャンスはない。
モナコのコースには、一箇所でもいいから確実にパッシングができるポイントを作って欲しいものだ。
ということで、予選のタイムの方が決勝よりも重要となる。
それ以外の波乱要因としては、天候が挙げられる。
雨がふれば、元々ドライバーの腕の差が出るこのコースで、さらにドライバーの腕の差が明確になる。

ルクレールはモナコ出身なので、優勝の期待は高まる。
しかし、ルクレールはモナコGPとは相性があまり良くない。
昨年は、ポールポジションをとっておきながら、ポールタイムを出したあとにクラッシュして痛めたサスペンションの修復が不完全で、決勝をスタートできなかった。
今年のフェラーリは、レッドブルと同等の速さを見せているし、中低速コーナーを得意とするので、ルクレールはポール・シッターの最有力候補だ。

モナコGPは1位ルクレール、2位フェルスタッペン、3位ペレス、4位ノリス、5位角田、6位リチャルド、7位ボッタス、8位アロンソ、9位ガスリー、10位フェッテルかな。 

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YUKICHI OTSUKA/大塚雄吉

Formula One 2022(6)2022.05.20

フェルスタッペンはマイアミGPを快勝した。
ルクレールは、フェルスタッペンとほぼ互角のパフォーマンスを示したが上回ることができなかった。
サインツは、ここ数戦、クラッシュとリタイヤが続いたがようやく表彰台に戻ってきた。
これで、フェルスタッペンは、開幕5戦が3勝2リタイヤという結果になった。
フェルスタッペンはマシンの信頼性に足を掬われている感じだが、チャンピオンシップ争いとしては面白くなっている。
フェラーリ・ルクレールとレッドブル・フェルスタッペンはほぼ五角の戦いを展開しており、決勝レースでは、昨年末熾烈なチャンピオン争いを経験したフェルスタッペンの実力が光っている。
チャンピオンシップ・ポイント上は、リタイヤのないルクレールがフェルスタッペンに19ポイント差をつけており、シーズン序盤とは言え厳しいポイント差だ。

マイアミGPの週末は、これまでの4戦とは様相の異なる金曜日からスタートした。
フェルスタッペンがマシントラブルでFP1、FP2共に走れずセットアップをすることも、タイムを出すこともできなかった。
一方、今シーズン不調のメルセデスのラッセルがFP2でトップタイムを出して期待をもたせた。
それでも、FP3では、ペレスがトップタイムを出し、ルクレール、フェルスタッペンの順だった。

予選が始まってみると、やはり、フェラーリとレッドブルが速かった。
フロントローはフェラーリのルクレールとサインツが独占し、セコンドローはレッドブルのフェルスタッペンとペレスが占めるという、今シーズン見慣れた光景となった。
ボッタスは5番手、ハミルトンは6番手でラッセルは12番手だった。
メルセデスは、金曜日の好調さが消え失せてしまった。
まだまだ、メルセデス勢は予選トップを争える状態ではない。

ルクレールはポールポジションから好スタートを切ってトップの座をキープした。
フェルスタッペンは3番手から素早いスタートを見せ、1コーナーを終えたところで2番手につけた。
以下、サインツ、ペレス、ボッタス、ガスリー、アロンソの順で続く。サインツは、今回はクラッシュしないで済んだ。

ルクレールはスタートからの3周でフェルスタッペンに1秒以上の差をつけてDRS圏内から逃れるが、それ以上差は広がらない。
ルクレールは7周目あたりからタイヤの劣化に苦しめられ、8周目には、フェルスタッペンに背後につかれ、9周目のホームストレートで抜かれてしまった。
ルクレールは、数周にわたって食い下がるが、徐々に離されていき、24周目にはフェルスタッペンとの差が4.5秒になり、25周目にピットインしてタイヤをミディアムからハードに交換した。
ミディアムタイヤに余裕のあっったフェルスタッペンは、26周まで引っ張り、ルクレールに充分な差をつけた上でタイヤ交換した後は、ルクレールとの差を6秒まで広がった。
これには、タイヤ交換をせずにルクレールの前に居座ったペレスの貢献もある。

ハードタイヤに交換してからのフェラーリ・ルクレールのペースは良く、終盤、フェルスタッペンから1秒以内に迫るが、前に出ることはできず、フェルスタッペンの優勝を許してしまった。
フェルスタッペンは終盤までタイヤをセーブしたいたらしく、ファステストラップも記録した。

ハースはホームGPで、シューマッハが入賞まで後一歩のところまで行ったが、フェッテルの接触のせいでリタイヤしたので、ノーポイントに終わった。
秋には、USGPがあるので、ハースはそれまでに巻き返すしかない。
ラッセルは12番手スタートからハードタイヤで粘って5位でフィニッシュしたのは賞賛に値する。
メルセデスは、今の所3番手チームに甘んじており、なかなかトンネルから抜け出せないでいる。

次は、スペインGPだ。
事実上、ヨーロッパ・ラウンドの初戦になる。
各チームは、これまでの5戦の結果を踏まえて、大幅なアップデートを投入してくる。
メルっセデスは、ゼロ・サイドポンツーン・コンセプトを全面的に見直すかどうかの瀬戸際に立たされている。
レッドブルはスペインに向けて軽量化を施してくるようだ。
フェラーリは開幕からほとんどアップデートをしていないので、ここでは大幅なアップデートを見せてくれるかも知れない。
フェラーリ・シェルは得意の燃料アップデートをしてくるという噂もある。

アロンソとサインツにとってスペインGPはホームGPだ。
二人のスペイン人名手によるハイパフォーマンスを期待したい。

スペインGPは1位フェルスタッペン、2位ペレス、3位サインツ、4位ルクレール、5位アロンソ、6位ハミルトン、7位ボッタス、8位ラッセル、9位角田、10位ノリスかな。

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YUKICHI OTSUKA/大塚雄吉

Formula One 2022(5)2022.05.06

フェルスタッペンがエミリア・ロマーニャGPの週末を完全制覇した。
ペレスも2位でゴールし、レッドブルは、久々にワンツー・フィニッシュを飾った。
ノリスが大健闘で、3位表彰台をゲットした。

エミリア・ロマーニャGPは、スプリントレースのあるグランプリなので、予選は金曜日の午後に行われる。
グランプリ・チームは開幕以来の3戦で出た問題点を修正してヨーロッパラウンドの初戦に挑んできている。
ところが、スプリントレースがあるグランプリの場合、変更されたマシンをレースに合わせてセットアップするチャンスは、事実上、金曜日の午前中1時間しかない。
ところが、金曜日の午前中は雨だった。
アップグレードがうまくいったチームもそうでないチームも、雨の中ぶっつけ本番の形でセットアップを進めないといけない。
FP1の結果を見る限り、フェラーリとハースが好調を維持しているように見えた。

予選のコンデションは、セミウエット、各車インターミディエイトを履いてのアタックとなる。
予選結果は、1番手フェルスタッペン、2番手ルクレール、3番手ノリスの順となった。
またしても、フェルスタッペンとノリスは難しいウエット・コンディションに強いことを証明した。
メルセデス勢は不調から脱することができていないようで、ラッセル11番手、ハミルトン13番手だった。
角田はチームのミスで16番手だった。

土曜日の午後は雨が上がり、曇りのコンディションとなった。
ミディアムを履いたマグネッセン、シューマッハ、ラテフィ以外はソフトを履いてスターティンググリッドに着いた。
フェルスタッペンはスタートで出遅れ、ルクレール、フェルスタッペン、ノリスの順でレースは始まった。
ぺレスは5番手、角田は13番手まで順位を上げた。
スタート直後のガスリーとグワンユーの接触でセフティカーが出動した。
5周目にレースは再開されレースは残り17周となる。
ルクレールは上手くリスタートを決めてフェルスタッペンが続く。
オーストラリアGPとは違い、フェルスタッペンはルクレールから1秒前後の距離を置いてついていくことができている。
ペレスはノリスを抜いて3番手にまで上がった。
サインツも6番手まで進出した。
スプリントレースはこのままルクレールの勝利に終わるかに見えたが、そうではなかった。
16周目になってフェルスタッペンがルクレールから1秒以内に入り、終盤になってタイヤの厳しくなったルクレールを20周目に仕留めて、フェルスタッペンが優勝した。
オーストラリアでは、フェラーリの方がレッドブルよりタイヤに優しく楽勝したが、ここではレッドブルの方がタイヤに優しかった。
レッドブルが2週間の間にオーストラリアで問題点を解決してきた証左だ。
スプリントレースの結果は、フェルスタッペン、ルクレール、ペレス、サインツの順となり、日曜日の決勝レースは、この順でグリッドに着くことになる。
角田は12位まで順位を上げてスプリントレースを終えた。

日曜日の決勝レースは午前中に降っていた雨が止んだものの路面は濡れているので全車インターミディエイトを履いてのスタートとなった。
フェルスタッペンは、決勝レースのスタートを決めてトップの座を譲らず、ペレスもルクレールの前に出て、早くもレッドブルのワンツーフォーメーションが形成される。
ルクレールはノリスにも抜かれて4番手だ。
1周目にサインツとリチャルド、ボッタスが接触した。結果、早くも、セフティカーが入る。
再スタート後、フェルスタッペンは2番手いかをじわじわと離していく。
8周目にはルクレールがノリスをかわして3番手まで浮上する。
17周目にミディアムに交換したリチャルドを皮切りに各車ソフトへとスイッチする。
レースはそのまま大きな波乱なく推移するが、50周目にルクレールがピットインしてソフトに変更する。
次の周にフェルスタッペンとペレスもソフトに交換するがルクレールは3番手のままだ。
ルクレールはファステストラップを狙って無理をして54周目にスピンして8番手まで下がった。
ルクレールは、もう一度ソフトに交換して追い上げたが6番手でゴールするのがやっとだった。
角田は、F1キャリアのベストレースを戦い、7位でフィニッシュした。

次は、マイアミGPだ。
初開催のマイアミGPはマイアミ・ドルフィンズのハードロックカフェ・スタジアムの駐車場敷地を改造して作られたパーマネント・コースだ。
長いストレートと連続するタイトコーナーのコンビネーションからなる。
中・高速コーナーを得意とするマシンにはやや不利かもしれない。
なんとか不審から脱出したいメルセデスとレドブルに追いつかれたフェラーリはここで、大幅なアップデートを投入してくるかもしれない。
マイアミGPはハースにとってはのホーム・カントリー・レースだ。
ハースは、昨年マシンを開発をせず、大幅にレギュレーションの変わった今年に合わせて全開発力を投入してきた結果が功を奏して、今年は開幕から良い位置につけている。
地元アメリカのレースで良い結果を示したいだろう。

マイアミGPは1位フェルスタッペン、2位ペレス、3位サインツ、4位ルクレール、5位マグネッセン、6位角田、7位ボッタス、8位ラッセル、9位アロンソ、10位リチャルドかな。    

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