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YUKICHI OTSUKA 大塚雄吉
F1 ウォッチャー
幼少期にF1に魅せられ、50年以上にわたって、日本製のF1が出ていなくても、日本人F1ドライバーがいなくても50年以上にわたってF1を見続けてきた、F1 ウォッチャー。

Formula One 2011(14)2011.10.28

日本GPでチャンピオンが決まったので、コリアGPでは各チームの戦い方が変わってしまった。
上位チームでいまだに手綱を緩めていないのはマクラーレンぐらいのものだ。
マクラーレンはまだ、残りのGPをひとつでも多く勝とうとしている。
日本GPでのマシン・パフォーマンスを考えれば十分可能ではある。
案の定、コリアGP予選では今シーズン初めてマクラーレンのハミルトンが0.222秒差でポールポジションをとった。
これで、マクラーレンの連続優勝かと思った人も多かっただろうが、終わってみるとチャンピオン=フェッテルの強さが目立ったレースとなった。
予選でポールこそ逃したが、レースではチャンピオンの速さと強さを見せ付けてフェッテルが優勝してしまった。
フェッテルはジュニア・チームのトロロッソのマシンで上位に食い込んで実力を認められてからレッドブルに乗れるようになった。
ハミルトンは最初からマクラーレンで育てられ、ルーキーなのにトップチームのマクラーレンからデビューした。

フェッテルやアロンソはマシンの不利をある程度までならドライバーの腕で跳ね返すだけの実力を持っている。
そのアロンソはレース終盤に5位で4位のバトンを追い上げていたが「アイ・ギブ・アップ」といって追撃をやめてしまった。
一瞬、バトンを油断させるためのアロンソの策略かとも思わせたがそのまま5位でゴールした。
フェラーリは、イタリアGP終了後は来シーズン準備モードに入っており、コリアGPにも2012年仕様のフロントウイングを持ち込んでレースでテストしていた。
フェラーリは2012年マシンをチャンピオンの取れるマシンに仕立て上げることを今年の残りのレースで上位に入ることよりも優先している。
王者レッドブルも、チーフのエイドリアン・ニューイはコリアGPには姿を見せず2012年マシンの開発に没頭している。
2012年シーズンはもう始まっているのだ。

2011年のGPを見たいなら、中盤の3チームに注目するしかない。シーズン前半、調子の良かったザウバーはブロウン・ディフューザ禁止を真に受けて開発をとめてしまってから苦しくなった。
代わりに絶好調となったのがトロロッソとフォースインディアだ。
ザウバーはおろかルノー(ロータス)やメルセデスの一部を食ってしまうほど速くなった。

次は、今年が初開催のインドGPだ。
コース建設の遅れ、関税、入国審査の件などでもめていたが何とか開催されることになった。
フォースインディアはコリアGPのあと資本増強を発表したりして、並々ならぬ意気込みが感じられる。
そういえば、ホンダも全盛期には日本GP専用の鈴鹿スペシャルなどというエンジンを作ったりしていたなあ。
ニューデリー・サーキットは長い直線をコーナーでつないだ部分とコーナーが連続する部分からなるコースだ。
全チーム初めてだが、シミュレーション能力に優れるマクラーレンは有利だろう。
ハミルトンは今度こそ優勝したい。フェッテルはコリアGP同様、自力で優勝を狙うだろう。
予報は晴れだが、可夢偉は何とかマシンの不利を跳ね返してほしい。

インドGPは1位ハミルトン、2位フェッテル、3位バトン、4位ウエバー、5位アロンソ、6位マッサ、7位デレスタ、8位ロスベルグ、9位アルグエルスアリ、10位可夢偉かな。
2011 ©Yukichi Otsuka, All Rights Reserved

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YUKICHI OTSUKA/大塚雄吉
学会ネット株式会社 代表

Formula One 2011(13)2011.10.14

日本GPは、優勝のバトンから3位のフェッテルまでわずか2.0秒という接戦だった。
アロンソはレース強さを見せて予選結果からは望外の2位に入った。
上位3人がワールドチャンピオンというのも今年のF1シーズンを象徴しているようで面白い。
バトンは金曜日の練習走行から週末を通じて今年の鈴鹿では最速であることを見せつけていた。
天候の変化が激しいレースでバトンは強いとの印象があるが、正確に言えばバトンのドライビングは非常に繊細でジェントルなので、マシン、タイヤ、路面、天候の変化に柔軟に対応できて、その時々のコンディションの組み合わせに最も適したドライビングができるということだ。
パッシング・シーンを見ても強引に抜くということはなく自分が有利なコーナーで条件が整ったときにきれいに抜いていく。
バトンが晴れのレースでも速いことは今年のモナコを見てもわかる。カナダやハンガリーのような気候でなくても速いのだ。
そして、久々にここ鈴鹿でチャンピオンが決まった。
フェッテルはF1の最年少記録をすべて塗り替えているが、今年は去年のようなナイーブさは感じられない。
鈴鹿で優勝してチャンピオンが決められなかったのがとっても悔しかったように見えた。

予選のインプレッシブ3をあげるなら、フェッテル、可夢偉、マッサだろうか。
フェッテルは明らかに最速であるバトンに対してパフォーマンスの劣る(イギリスGP時点ではレッドブルに対してこのような言葉が使えると誰が想像しただろうか!)レッドブルでスーパーラップを決め1000分の9秒差でポールポジションをもぎ取った。
可夢偉はマクラーレンでさえDRSを閉じて回る130RをQ2でDRS開けっ放しで周り専門家の予想タイムを1秒近く上回るラップタイムをたたき出して見せた。
今年は、アロンソのサポート役をさせられているためにレースで結果の残せないマッサは高速コースでは速いところを見せて予選でアロンソの前に出た。

日本GPからわずか一週間置いてコリアGPだ。
昨年はコースが出来上がったのが予選直前で舗装がはがれていたり、スタート時間と雨のせいでゴール時には日没が迫っていた。
今年は路面も仕上がっているだろうし、天気予報も晴れなのでまともなレースが期待できる。
昨年はトップを走っていたフェッテルが終盤突然エンジンブローでリタイアしたためアロンソが勝ちを拾い、チャンピオンシップに望みをつないだ。
今年は、道具がいいと速いハミルトンが冷静さを保てれば強いかもしれない。
絶好調のバトンとアロンソも侮れない。チャンピオンの決まったフェッテルはモチベーションを維持できるだろうか?
可夢偉はイギリスGP以来不運が続いているが、逆にモナコの時は運が良かった部分もある。

コリアGPは1位ハミルトン、2位バトン、3位アロンソ、4位フェッテル、5位ウエバー、6位マッサ、7位シューマッハ、8位ロスベルグ、9位可夢偉、10位ペレスかな。

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YUKICHI OTSUKA/大塚雄吉
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Formula One 2011(12)2011.10.07

シンガポールGPのマリーナ・ベイ・サーキットはストリート・コースなのでマシンの差があってもある程度ドライバーの腕でカバーできる部分があるし、事故も起こりやすいのでセフティーカーが入れば差が縮まって再スタートのときに仕掛けることができる。
練習走行からアロンソはここでなんとかしようと力の限りを尽くしていた。
しかし、アロンソがベストラップだったと自賛したタイムをもってしてもフェッテルから0.5秒近く離され予選5位に終わった。
決勝でレッドブルのマシンにトラブルでも起こらない限りひっくり返すのは難しい状況だった。
決勝のスタートでは、バトンが2番手、アロンソが3番手にジャンプ・アップしてすこし期待を持たせたが、フェッテルは序盤1周に1秒のペースでリードを広げ、レース中盤にセフティカーが入っても関係なく、終わってみればフェッテルとレッドブルはいつものように優勝していた。
バトンが終盤追い上げたものの2位、ウエバー3位、アロンソは4位に入るのがやっとだった。

いよいよ、鈴鹿・日本GPだ。
高速コースでありながらテクニカルなコースでもある鈴鹿は最も好きなコースだというF1ドライバーも多い。
昨年は土曜日が大雨で予選は日曜の午前に行われた。
昨年、決勝のヘアピンで可夢偉が5回もパッシングしたのには興奮した。

鈴鹿は低速コーナーと高速部分のバランスを取るのが難しいコースだといわれている。
今年は、テクニカルゾーンでのトラクションを得るために例年よりウイングを立て気味にしてDRSを使って直線スピードを稼ぐことも出来る。
(決勝では前の車の1秒以内でないと使えないが)。
鈴鹿のDRSゾーンはホームストレートに設定されたが、前車との差を検知するのが130R直後だから300Kmの高速で回る場所で前車から1秒以内に詰めていないといけない。
130Rの突っ込みで無理をするドライバーが出てきそうだ。
特にルーキードライバーは要注意だ。
また、DRSゾーン終わるストレートエンドで外側から抜きを賭けるシーン(かつて中嶋が得意としたパッシング)が今年は多く見られるかもしれない。今や優勝して評価を取り戻すしか無いハミルトンあたりは好んでやりそうだ。

今年の鈴鹿は晴れそうだからマシンの性能が結果に直結するが、マクラーレンの調子が良さそうなのでレッドブル一辺倒にはならないかもしれない。
可夢偉にはホームレースなので頑張って欲しいが別に鈴鹿でなくてもいいから不確定要素の多くなったレースで早く1勝して欲しい。
そうすればスポンサーも増えるし、いいマシンにも乗れるようになる。

日本GPは1位バトン、2位フェッテル、3位ハミルトン、4位アロンソ、5位ウエバー、6位マッサ、7位シューマッハ、8位ロスベルグ、9位可夢偉、10位アルグエルスアリかな。

2011 ©Yukichi Otsuka, All Rights Reserved

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YUKICHI OTSUKA/大塚雄吉
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