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YUKICHI OTSUKA 大塚雄吉
F1 ウォッチャー
幼少期にF1に魅せられ、50年以上にわたって、日本製のF1が出ていなくても、日本人F1ドライバーがいなくても50年以上にわたってF1を見続けてきた、F1 ウォッチャー。

Formula One 2020(13)2020.10.30

ポルトガルGPは、ハミルトンが圧倒的な強さを示して優勝した。
ハミルトンはこれでF1単独最多優勝者となった。
F1史上最高のドライバーとなったわけだ。
事実、今回のレース内容も史上最高の称号にふさわしいものだった。
ボッタスは2位に入ったがハミルトンには全く歯が立たなかった。
フェルスタッペンは、今回は3位表彰台に登れたことに満足するしかなかった。
今回は、ファーステストラップもハミルトンが持って行った。

ポルトガルGPの予選は、各車、硬いタイヤの使い方に悩まされていた。
今シーズン、ピレリが用意したF1用ドライタイヤ5種類の中で、硬いほうから3種類がポルトガルGPで指定されたタイヤだった。
予選Q2ではボッタスがハミルトンを抑えてトップタイムを出した。
Q2をミディアムで突破したドライバーはルクレールだけだった。

Q3は、ハミルトンとボッタスが驚いたことにミディアムでベストタイムを出した。
メルセデス勢の2台にとってはミディアムの方がソフトより速かったのだ。Q3でボッタスは、0.102秒差でハミルトンにポールを持っていかれた。
ハミルトンは、途中の段階では苦しむことがあっても、予選Q3と決勝では驚異的な速さを見せる。
フェルスタッペンはハミルトンと0.252秒差の3番手タイムを出して、決勝でハミルトンと充分戦える位置につけたように見えた。
タイム差ほどにはメルセデス・ハミルトンに知被けていないことを決勝で思い知らされることになる。

決勝レースは、グリッド10番目までのうちハミルトン、ボッタス、ルクレールがミディアム、他がソフトタイヤを履いてスタートした。
決勝レースのスタートは、ハミルトンが頭を獲るが、ボッタスとサインツに抜かれて3番手まで落ちてしまう。
マクラーレンはノリスも4番手に浮上した。
ハミルトンが簡単に下がったのはタイヤ画作動領域に入っていない時に無理をしたくなかったためかもしれない。

驚くべきはライコネンで、16番手スタートから一気に6番手まで浮上した。
他のドライバー達がタイヤのグリップがでな位で苦労している中、それを利用してあっという間に前に出ることができるのはさすがアイスマンだ。
10周目ぐらいになると、スタート後数周のタイヤによる混乱が一段落して、ボッタス、ハミルトン、フェルスタッペンの3人がトップ3を形成する。
そして、ハミルトンは20周目にはボッタスの前に出てトップ座を取り戻した。
その後、トップ3の順位はレースが終わるまで変わることはなかった。
ポルトガルGPデ光ったドライバーと言えば、今のフェラーリで4位に入ったルクレール、9番グリッドから5位にまで登ったガスリー、スタート直後の接触で再開まで落ちながら7位でゴールしたペレスになるだろう。

次は、エミリア・ロマーニャGPだ。
今シーズンは17GPしか開催されない中、一時期は新型コロナウイルスによる死者が一番多かったイタリアで、今年3回目のF1グランプリが開催される。
かつて、F1解説者・ジャーナリストの今宮純はイタリアのことを「F1の国」と称したが、まさにその通りだ。
エミリア・ロマーニャGP葉イタリアのイモラデ開催される。
イモラでは1981年から2006年までサンマリノ公国の名前を借りて、事実上の第2イタリアGPを開催していた。
イモラは、高速コースでフェラーリのホームグラウンドのようなコースだ。
このままでは、過剰なペナルティかマシン・トラブルでもない限り、ハミルトンの優勝を止めることは難しそうだ。
メルセデスにF1七十周年記念GPのときのような死角はないのだろうか?

エミリア・ロマーニャGPは、1位フェルスタッペン、2位ボッタス、3位ペレス、4位ガスリー、5位サインツ、6位リチャルド、7位ルクレール、8位アルボン、9位フェッテル、10位ノリスかな。 

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YUKICHI OTSUKA/大塚雄吉

Formula One 2020(12)2020.10.23

アイフェルGPは、ハミルトンが優勝を飾った。
ハミルトンはこれでF1通算91勝となり、F1通算最多優勝でミハエル・シューマッハと並んだ。
フェルスタッペンは3番グリッドからスタートして2位でゴールしたが、ハミルトンを脅かすことはできなかった。
それでも、フェルスタッペンは最終ラップでファーステスト・ラップを出して留飲を下げた。
リチャルドは、中盤からしぶとく追い上げて3番手まで浮上した後、最後までペレスを抑えきって3位表彰台を手に入れた。
ルノーF1にとっては久々の表彰台だ。

アイフェルGP初日の金曜日は雨に祟られ、全く走行ができなかった。
そのため、FP3の1時間でセッティングを決めなければならなくなった。
こういう時は、チーム力とドライバーの適応能力が物を言う。
トップ2チームは短い時間でセットアップを施し、ボッタス、ハミルトン、フェルスタッペンがトップ3のタイムをたたき出した。
この3者は0.293秒の間に入っていて、2番手ハミルトンと3番手フェルスタッペンとの差が僅か0.037秒しかなかった。
メルセデスとレッドブルの性能が僅差になったのではないかと期待させる内容だ。

ルクレールは、トップのボッタスから0.766秒差の4番手タイムをたたき出した。
F1で初めてニュルブルクリングを走るアルボンはフェルスタッペンから約0.5秒差の5番手。リチャルドとオコンは予選6番手と7番手につけて、ルノーが上昇機運あることを裏付けた。

決勝レースは、スタート直後の1コーナーでハミルトンがボッタスの前に出るが、すぐさまボッタスに抜き返される。
フェルスタッペンは3番手、4番手のルクレールの後にはリチャルドがアルボンをかわして5番手に浮上している。
リチャルドは、なおもルクレールを攻め落とさんと追撃の手を緩めない。
13周目に、ハミルトンがボッタスを抜いてトップに躍り出る。
やはり決勝レースになるとハミルトンは強い。
ボッタスはタイヤにフラットスポットを作ってしまい4番手まで後退。
ボッタスは19周目になって遅れだし、20周目にマシントラブルでリタイヤする羽目に。

レース中盤では、ルクレール、ペレス、サインツ、ノリスが激しい4位〜7位争いを繰り広げるが、結局マシントラブルがなかったペレスだけが生き残った。
予選の直前になって、レーシングポイントから呼ばれてシートの収まったヒュルケンベルグは、あまりにも急だったため予選こそ最下位だったが、決勝レースでは見事な追い上げを見せて8位でゴールし、能力の高さを見せつけた。

次は、1996年以来、24年ぶりに開催されるポルトガルGPだ。
コースはかつて開催されていたエストリルではなく、アルガルベ・サーキットだ。
アルガルベは全長4.648Kmのテクニカルコースで起伏に富んでいる。
ドライバーは、全員、F1で走るのは初めてなので、アイフェルGPと同じようにドライバーの真の速さを見る絶好の機会だ。
チャンピオンシップを面白くさせるためにも、ボッタスとフェルスタッペンはハミルトンの前に出てほしい。
ホンダの現場の人たちはこんな状況下でも精いっぱいやっている。結果を出して、経営者に見せつけてほしい。

ポルトガルGPは、1位フェルスタッペン、2位ボッタス、3位リチャルド、4位ガスリー、5位サインツ、6位ペレス、7位ルクレール、8位アルボン、9位フェッテル、10位ノリスかな。

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Formula One 2020(11)2020.10.09

ロシアGPは、ボッタスが優勝した。
フェルスタッペンはボッタスから7.7秒遅れで2位に入り、過去2戦のリタイア地獄から脱した。
ハミルトンはスタート前にスタート練習場所ではないところでスタート練習をしたことによって10秒ペナルティを課せられた。
その後、見事な追い上げを見せたが3位まで順位を戻したところでレースは終わってしまった。

ロシアGPの予選はなかなかの見ものだった。
フェルスタッペンは、フリー・プラクティスでなかなかセッティングを決められず、そのまま予選に突入した。
それでも、決勝で少しでも作戦の幅を広げるためQ2をミディアム・タイヤで走りQ3に進めるぎりぎりのタイムを出した。
そして、Q2終了間際に念のためソフト・タイヤで出走したが、チームはQ2終了間際にミディアム・タイヤで出した10番手以内に入れると判断してタイムアタックを中止した。
おかげでフェルスタッペンは決勝をミディアムタイヤで出走できることになった。

一方、ハミルトンはミディアムタイヤで出したタイムのラップがコースを外れていたためノータイムとなり、Q2終了まで1秒を切ったところでアタックして、ぎりぎりのところでQ3に進出できるタイムを出した。
これでハミルトンは決勝をソフトタイヤでスタートすることになった。
Q3では、いつも通りハミルトンがポールポジションを獲り、フェルスタッペンがボッタスのスリップ・ストリームをうまく使って2番手タイムを出し、ボッタスは3番手となった。

決勝レースは、ポールのハミルトンがソフトタイヤのグリップを生かしてトップに立ち、ボッタスがフェルスタッペンを抑えて2番手に上がった。
フェルスタッペンは3番手に下がったが、今回はPUトラブルはなさそうなのは幸いだった。
その間にサインツとストロールが後方でクラッシュしたため2周目にセフティカーが入る。
6周目にレースは再開され、7周目にはトップを走るハミルトンに10秒ペナルティの件が伝えられる。
ハミルトンは、ソフトタイヤで17周目まで引っ張ってピットイン、タイヤ交換とペナルティ消化を終える。
ハミルトンは8番手でコースに戻りすぐにフェッテルを抜いて7番手につく。

ハミルトンが先にピットに入ったおかげでボッタスはトップに立った。
フェルスタッペンはボッタスを追うが近づくまでには至らない。
ハミルトンはあっという間に順位を上げて、31周目には3番手になった。
ハミルトンの長い距離を走ったタイヤではこれ以上タイムを上げられず、フェルスタッペンを脅かすことができなかった。

ハミルトンのペナルティに助けられたとはいえ、久々に勝てたボッタスは嬉しそうだった。
優勝には絡めなかったとはいえ、ロシアGPではホンダPU搭載車が4台ともポイント圏内でフィニッシュして関係者がほっとむねをなでおろした。
ところが、ロシアGPが終わって、一週間もたたないうちに、ショッキングなニュースが伝わった。
ホンダが2021年限りでF1から撤退することを表明したのだ。
ホンダは、第1期以来、何度も撤退と復帰を繰り返してきた。
これで、撤退は4回目だ。
コロナ禍ぐらいでF1が開催できないような国に本拠地がありながら、ヨーロッパ文化そのもであるF1に参戦し、互角に渡り合っていることに価値があるのに、こんなに簡単にやめてしまうのは、いかがなものだろうか。
何年もメルセデスに勝ち続けてからならわかるが。

次はアイフェルGPだ。
伝統のコース、ニュルブルクリンクで開催される。
かつてはF1も1927年に作られた全長22Kmの北コースで行われていた。
1984年以降のF1は新設されたGPコースで競われている。
メルセデスとフェッテルにとってはホームグランプリだ。
フェッテルには、今のフェラーリ内の扱いを跳ね返して、チャンピオン・ドライバーの輝きを見せてほしい。

アイフェルGPは、1位フェルスタッペン、2位ハミルトン、3位ボッタス、4位ガスリー、5位リチャルド、6位ペレス、7位ノリス、8位アルボン、9位フェッテル、10位ルクレールかな。

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YUKICHI OTSUKA/大塚雄吉