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YUKICHI OTSUKA 大塚雄吉
F1 ウォッチャー
幼少期にF1に魅せられ、50年以上にわたって、日本製のF1が出ていなくても、日本人F1ドライバーがいなくても50年以上にわたってF1を見続けてきた、F1 ウォッチャー。

Formula One 2018(15)2018.09.28

ハミルトンがシンガポールGPに優勝して、2018年のチャンピオンの座をすぐそばまで手繰り寄せた。
レース前の大方の予想はフェラーリが優位というものだった。
予想に反して、ハミルトンは、イタリア、シンガポールと続く、フェラーリが絶対い勝たないといけなかった2戦で2連勝して見せた。
チームメイトのボッタスは、イタリア3位、シンガポール4位だったから、ボッタスはサポート役に回っているのも確かだが、ハミルトンの力でレースに勝っていることは明白だ。

2位に入ったのは、これも、ドライバー力を見せつけたフェルスタッペンだった。
しかも、フェルスタッペンのマシンは問題を抱えていた。
イタリアGPでの失敗をここで取り戻さないといけなかったはずのフェッテルは3位に滑り込むのが精いっぱいだった。
その結果、フェッテルは残りのGPレース全てに優勝しないとチャンピオンになれないというところまで追い込まれてしまった。
残り6レースで、ハミルトンがリタイヤするか、ポイント圏外に沈むGPがなければ、フェッテルが自力のみでチャンピオンを獲得することは非常に難しい。

シンガポールGPの勝敗は、予選で決まったようなものだった。
メルセデスは、ピレリがストリートコース用に提供するタイヤにうまく合わせこんできた。
結果、ポールポジションを獲ったハミルトンは、予選3番手に甘んじたフェッテルより0.6秒以上速かった。
予選2番手に食い込んだのは、才能あるドライバー=フェルスタッペンだった。
PU面ではメルセデスやフェラーリと比べると不利だが、シャシー性能ではピカ一のレッドブルを駆ってハミルトンから0.3秒差のタイムを叩きだした。
予選上位は、4番手ボッタス、5番手ライコネン、6番手リチャルドの順で続いた。

そして、決勝のトップ6は予選のトップ6と同じ順番だった。
決勝レースではフェッテルが意地を見せて、オープニングラップのターン7でフェルスタッペンを抜いて2番手に浮上したが、18周目のタイヤ交換の時に前に出られてしまった。

トップ6以外で、ドライバー力を示したのはアロンソだ。
予選11番手と、今のマクラーレンの実力からすると高い順位を勝ち取っただけでなく、決勝でも7位でゴールした。
アロンソはこのコースを得意としていて、かつて、優勝など望めないマシンで出場しながら、チーム監督に命令されて、チームメイトが故意に起こしたクラッシュによって出動したセフティカーを利用して前に出て、優勝してしまったことがあった。

次は、ロシアGPだ。
シロトキンにとってはホームレースだが、今年のウイリアムズでは多くを期待するのは酷というものだろう。
ロシアGPの次の鈴鹿でいいところを見せたいホンダがロシアGPにスペック3を投入して、PU 数オーバー時のペナルティを鈴鹿前に消化するかもしれない。
ホンダは、来シーズンに活躍するためには、来年の初戦からいい結果を出さないといけない。
今年の終盤に試せることはできるだけ多く試しておきたいだろう。
フェッテル・フェラーリは、ここで諦めたら今年やってきたことが全てが無駄になる。
少ないが、チャンスがないわけではない。

ロシアGPは、1位フェッテル、2位リチャルド、3位フェルスタッペン、4位ボッタス、5位オコン、6位グロージャン、7位ペレス、8位ルクレール、9位ハミルトン、10位ガスリーかな。

2018 ©Yukichi Otsuka, All Rights Reserved

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YUKICHI OTSUKA/大塚雄吉

Formula One 2018(14)2018.09.14

ハミルトンがイタリアGPを制した。
44周目までトップを走っていたライコネンを45周目に抜き、そのまま抑えきって最初にゴールラインを横切ったのだ。
3位には、ハミルトンの優勝に貢献する走りを見せたボッタスが滑り込んだ。
フェルスタッペンは、事実上3位だったが、ボッタスをコースのアウト側へ押しやったとして、5秒のペナルティを課されたため、フェッテルにも5秒以内につかれて5位となった。
フェッテルとフェラーリはホーム・クラウドの前で、落としてはいけない星を落としてしまった。

現在、フェラーリPUの最高出力はメルセデスPUを上回ると言われている。
高速コースのモンツァでは、久々にフェラーリのワンツー・フィニッシュが見れると期待されていた。
フェラーリにとって、予選の滑り出しは好調で、ティフォッシ(イタリアのファン)たちの期待通り、メルセデスの二人を退けて、フェラーリの二人がポールポジションと2番手タイムを出した。
ところが、既に、このあたりからフェラーリのシナリオが狂い始めていた。
ポールポジションを獲ったのは、フェッテルではなく、ライコネンだったのだ。
ライコネンは、チャンピオンを獲ったことのあるフェラーリの元エース・ドライバーであったことを忘れてはいけない。

決勝レースは、波乱の幕開けとなった。
このレースに勝ってハミルトンとのポイント差を早く縮めたいフェッテルは、スタートでライコネンの前に出る必要があった。
フェッテルは、スタート直後の1コーナーでライコネンに並びかけたが、抜かせてもらえなかった。
1コーナーを左よりに通過せざるを得なかったフェッテルの右側に突っ込んだハミルトンが2コーナーでフェッテルと接触して前に出た。
フェッテルは、スピンしてフロント・ウイングにダメージを受けたのでピットに向かった。

2周目からセフティカーが出て、4周目にレースが再開された。
セフティカー後の再スタートになれているハミルトンがいったんトップを奪うがライコネンがすぐに抜き返した。
その後、ライコネンはトップを走り続けたが、タイヤ交換のタイミングを遅らせて走り続けたボッタスがタイヤ交換後のライコネンの前に立ちはだかり、ハミルトンがライコネンに追いつけるようにした。
この作戦が功を奏して、終盤のタイヤがきつくなった時点でハミルトンがライコネンの前に出ることに成功した。
これで、フェッテルはこれから5連続優勝しないとチャンピオンシップ・ポイントでハミルトンを上回れない。
残るは7戦しかない。

次は、シンガポールGPだ。
レッドブルとトロロッソはマリーナ・ベイのストリート・コースになれば、不利な点は少なくなるから、気合が入っているだろう。
フェッテルは、焦らずポールポジションを獲ることに集中することが優勝への近道だ。
ハミルトンより前にいる限り2位でも、ポイント差を縮められるのだから。

シンガポールGPは、1位フェッテル、2位リチャルド、3位フェルスタッペン、4位ボッタス、5位ガスリー、6位ルクレール、7位ペレス、8位グロージャン、9位ハミルトン、10位オコンかな。

2018 ©Yukichi Otsuka, All Rights Reserved

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