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YUKICHI OTSUKA 大塚雄吉
F1 ウォッチャー
幼少期にF1に魅せられ、50年以上にわたって、日本製のF1が出ていなくても、日本人F1ドライバーがいなくても50年以上にわたってF1を見続けてきた、F1 ウォッチャー。

Formula One 2019(13)2019.08.30

ハンガリーGPは、思い切ったタイヤ交換作戦を成功させたハミルトンが見事優勝を飾った。
フェルスタッペンはポールポジションからスタートを決めて67周目までトップを維持したが、ワンストップ作戦のためハードタイヤで長く走りすぎたため、ミディアム・タイヤで迫るハミルトンを抑えることができなかった。
5番グリッドからスタートしたフェッテルは、ワン・チャンスを生かして浮上し、3位でゴールに滑り込んだ。

25周でタイヤをミディアムからハードに交換して、ワンストップ作戦に出たために戦略の幅が狭まったフェルスタッペンに対し、ミディアムで31周目まで引っ張り、戦略の幅を広げておいて、ハード・タイヤのロングランでフェルスタッペンのタイムが落ちると見て、僅か17周でミディアムに履き替えて勝負したハミルトン・メルセデスの作戦が当たった。

パッシングが難しいハンガロリンクでは予選が極めて重要だとされており、今シーズンはタイト・コーナーで強く、いまだPUアドバンテージを維持しているメルセデスが有利だろうといわれていた。
ところが、予選最速だったのはフェルスタッペンだった。
レッドブル・ホンダは、オーストリアとドイツで2勝した後、ついに、課題としていた予選でもメルセデスに匹敵する速さを発揮したのだ。
これは、ドライバーがフェルスタッペンだから実現したポールポジションであることは、言うまでもないが。

今年のF1シーズンは12戦目を終えて、ようやく、トップ3チームの実力が拮抗してきた。
直線が速いフェラーリ、低速コーナーが得意なメルセデス、中速コーナーで光るレッドブル・ホンダという特徴はあるが、コースによってマッチングのいいマシンが異なるのは面白い。
今年から、タイヤのゲージが変わった(薄くなった)。
メルセデスはシーズン当初からタイヤの変更にうまく適応させて大きなアドバンテージを築いたが、中盤を過ぎてレッドブルとフェラーリも適応し始めた。
PUはフェラーリが一番パワーがあるといわれているが、メルセデスと同等と考えられるし、ホンダはスペック4が投入されるとメルセデスに追いつくと期待されている。
ルノーもマクラーレンのパフォマンスを見ているとそれほど大きく離されているわけではない。
13戦目以降、パワーアップされたPUを各社が持ち込むだろう。
シーズン後半戦は、ドライバー、チーム戦略、シャシー、空力、PU、タイヤ選択などが絡み合って、コースごとに優位に立つチームが変わる展開になりそうだ。

夏休み明けの初戦は、ベルギーGPだ。
高低差のある伝統の高速コース、スパ・フランコルシャンは、天候が猫の目のように変わることでも有名だ。
フェラーリとホンダはベルギーGPから新スペックのPU を投入するといわれている。ここならば、4台目のPUを投入してグリッド・ダウンしてもPUがパワーアップしていれば追い抜くことが可能だからだ。

スパはオランダから近いので、またもや、フェルスタッペン応援団が多数押し寄せるだろう。

ベルギーGPは、1位フェッテル、2位フェルスタッペン、3位ルクレール、4位ハミルトン、5位ライコネン、6位ボッタス、7位アルボン、8位リチャルド、9位クビヤト、10位ノリスかな。

2019 ©Yukichi Otsuka, All Rights Reserved

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YUKICHI OTSUKA/大塚雄吉

Formula One 2019(12)2019.08.02

ドイツGPは、フェルスタッペンの優勝で幕を閉じた。
フェッテルは、予選途中に発生したターボチャージャーのトラブルにより最後尾スタートとなったが、荒れたレースの中、見事な追い上げを見せて、2位でフィニッシュした。
クビヤトは、レース後半のタイヤ交換を早めに行ったことが功を奏し、3位に入った。

それにしても、ドイツGPの週末は天候の変化とレイン・タイヤの性能に翻弄された。
金曜日のフリー走行は、午前も午後も晴れていて気温と路面温度が高かった。
金曜日時点の天気予報によると日曜日は雨であったため、高い路面温度でのドライ・タイヤ走行のデータは決勝が雨ならばほとんど役に立たない。
土曜日の予選中に雨は降らなかった。
予選Q3はソフトタイヤでの決戦となったが、ポールポジションはハミルトンがとり、フェルスタッペンが0.346秒差の2番手、ボッタス、ガスリーと僅差で続いた。
フリー走行では好調だったフェラーリ勢は、フェッテルがQ2デターボ・トラブル、ルクレールはQ3に燃料系?トラブルが発生したため、フェッテルは最後尾、ルクレールは10番グリッドからスタートすることになった。

決勝の日曜日は予報どおりの雨となった。
4周のフォメーション・ラップのあと、各車、レインタイヤを履いてのスタンディング・スタート。
レッドブルの2台は、2台ともスタートで出遅れ、せっかくの好グリッドをふいにしまう。
それでも、フェルスタッペンは2周目には3番手まで挽回した。
フェッテルも、最後尾スタートながら14番手まで上がってきた。
3周目に、ペレスが単独クラッシュしたために、セフティカーが出動し、この間に、ほとんどの車がピットインしてインターミディエイトに交換した。
その後25周目時点では、ハミルトン、ボッタス、フェルスタッペン、ルクレールの順でコース上を走っている。
フェッテルは11番手まで浮上してきた。

ここまでの25周で、各車ともウエット用の2種類のタイヤに悩まされていた。
レインは、ゴムが柔らかすぎて走りにくく、インターミディエイトは、路面状況にもよるが15周程度しかもたない。
そこで、若干路面が乾き始めたと見た多くの車が26周目から27周目にかけて、ドライ・タイヤに変更した。
ところが、コースはドライで走れるコンディションではなく、雨を得意とするフェルスタッペンが単独スピンした。
それでも、これを360度スピンにして、クラッシュを回避したのはさすがだ。
28周目にノリスのリタイヤ車がコースわきにあることからVSCが出されその間に多くのマシンが僅か数周でドライからインターミディエイトにスイッチ・バックする。
31周目に、トップに立ったフェルスタッペンは、ルクレール、ハミルトン、ボッタスがコースアウトして自滅する中、トップを走り続け、ファーステストタイムも記録して、ゴールラインを駆け抜けた。

今回のレースで、改めて思い知らされたのは、フェルスタッペンとフェッテルは目まぐるしく変わる路面コンディションに対しては最強の二人であることだ。
そして、レッドブルチームの躊躇しない判断力と、ミスをしないプロフェッショナルなピット・ワークにも拍手を送りたい。

次は、第12戦ハンガリーGPだ。
ハンガロリンクはタイト・コーナーが連続していて、コース上で抜くことは容易ではない。
今年のメルセデスはタイトコーナーで速いから、このコースに向いている。
一方、メルセデスはPUの冷却不足問題も抱えているので、予選でフロントローを独占しそのままトップを走ってフレッシュエアを浴び続け、逃げ切るという作戦を立ててくるだろう。
焦点は、レッドブルが低速コーナーでメルセデスに対抗できる速さを発揮できるかだ。
フェラーリも版画路リンク用の空力パッケージを投入するといわれている。上位3チーム三つ巴の戦いが期待される。

ハンガリロリンクには、クビサとフェルスタッペンの応援団が多数押し寄せるだろう。
ハンガリーGPは、1位フェルスタッペン、2位ガスリー、3位ボッタス、4位フェッテル、5位リチャルド、6位ルクレール、7位ハミルトン、8位ライコネン、9位サインツ、10位アルボンかな。

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