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YUKICHI OTSUKA 大塚雄吉
F1 ウォッチャー
幼少期にF1に魅せられ、50年以上にわたって、日本製のF1が出ていなくても、日本人F1ドライバーがいなくても50年以上にわたってF1を見続けてきた、F1 ウォッチャー。

Formula One 2015(19)2015.11.27

ブラジルGPは、ロスベルグの完全な勝利だった。
ロスベルグは5戦連続ポールポジションの位置から2回のタイヤ交換周を除いて一度も首位の座を譲ることなく、ハミルトンに8秒近い差をつけてチェッカーを受けた。
3位と4位にはフェッテルとライコネンのフェラーリ・コンビが入った。
4位までがトップと同一周回だった。
コンスタントに上位につけているボッタスは、7番グリッドから挽回して5位に着けた。
6位に入ったのはヒュルケンベルグだ。
ヒュルケンベルグはインテルラゴスが得意らしい。
ヒュルケンベルグは、2010年に降ったり止んだりの天候の中、絶妙のタイミングでコースへ出て、当時、下位グループ甘んじていたウイリアムズでポールポジションをとったこともある。
7位、8位、9位には、クビアト、マッサ(後に失格と判定された)、グロージャンが続いた。そして、10位(レース後繰り上がって9位)に入ったのはフェルスタッペンだ。
フェルスタッペンは、デビューイヤー後半でコンスタントに上位に入る技も身に着けてしまった。同じトロロッソにいたころのフェッテルを思い起こさせるパフォーマンスだ。

今回の予選では、メルセデスがまだ他のチームに対してかなりのマージンを保っていることだった。
全快のアメリカGP予選ではフェッテルがポールのロスベルグから0.37秒差だったので期待を持ったが、ブラジルGPの予選では0.54秒の差をつけられてしまった。
1周のタイムの短いブラジルでタイム差が拡大してしまったわけで、メルセデスの牙城を崩すのは並大抵のことではないことが分かる。
フェラーリでさえこの状態だから、2秒以上離されているマクラーレン・ホンダにとっては厳しい道のりが続きそうだ。

メルセデスPUの圧倒的な強さと現行規定のPUの高コストが中団以下のチームの財政に打撃を与えているという考え方から、FIAは現行のPU規定に加えて安価なターボエンジン規定を導入する案を押していたが、F1委員会で否決された。
かつてターボエンジン全盛時代に導入されたことがあるが、F1に二種類のPU(エンジン)規定があると公正な競争になるのかどうか疑問だ。
かといって、現行の規定を緩めてしまうとPUコストが更に上昇してしまう。
しかし、興行的にはメルセデスがワン・ツー・フィニッシュを続けるのも困る。
あれだけ収入のあるF1ビジネスからチームへの配分を増やし、シーズン中のPU開発規制を緩めるほうがよっぽど良いと思うのだが、F1はそれほど民主的に運営されているわけではない。

2015年F1の最終戦は、アブダビGPだ。
去年は、最終戦がダブル・ポイントになっていたこともあって、チャンピオンは最終戦まで決まらなかった。
今年は、残念ながらチャンピオン・ドライバーもチャンピオン・チームも決まってしまったので、消化試合になっている。
幸い、アブダビを本拠とするドライバーもチームもないから、ここはチーム・オーダー、ピットからの無線による情報提供禁止のガチンコ勝負で行ってもらいたい。
F1に乗るまで10年以上もレース・マシンを操ってきた人たちのノー・エイド・ドライブを見たいものです。
そうすれば、ライコネンが生き生きと走る姿が見られると思う。

アブダビGPは、1位ロスベルグ、2位フェッテル、3位リチャルド、4位ライコネン、5位マッサ、6位ボッタス、7位ペレス、8位クビアト、9位アロンソ、10位バトンかな。

2015 ©Yukichi Otsuka, All Rights Reserved

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YUKICHI OTSUKA/大塚雄吉
学会ネット株式会社 代表

Formula One 2015(18)2015.11.13

メキシコGPは、ロスベルグがハミルトンを押さえて優勝した。
ロスベルグは予選からハミルトンより速く、4GP連続のポールポジションを獲り、今回は決勝でもハミルトンに屈することなくトップでゴールした。
鈴鹿あたりから決勝でこのような走りができていれば、チャンピオンシップは最終戦まで決まらなかったかもしれない。
3位には、ボッタスが入り表彰台の一角を占めた。
ボッタスは、もらい事故などでこのところついていなかったので久々の表彰台はとてもうれしそうだった。
4位と5位にはクビアトとリチャルドのレッドブルコンビ、6位にマッサを挟んで7位と8位にはフォースインディアのヒュルケンベルグとペレスが入った。
9位にはフェルスタッペン、10位にはグロージャンがつけた。

予選では、フェッテルがポールのロスベルグから0.37秒差の3番手に着けた。
シンガポールGPのような特殊要因に依らずにメルセデスとフェラーリの予選結果がこれほど近いと今後のグランプリレースに期待が持てる。
残念ながら、メキシコGPの決勝ではフェラーリは2台とも自滅してしまい、メルセデスとの接戦を見ることはできなかった。

久々に開催されたメキシコGPはドライバーたちの評判がよかった。
日本の「おもてなし」とは違う「ラテンの情熱」が吹き出すような観客と、大スタジアムの正面からマシンが現れて、スタジアム間を駆け抜けていく観客席レイアウトがレース中のドライバーと観客を一体化させているところがすばらしい。
反面、観客席の手前でマシン同士が接触してマシンが飛んでしまうようなことがあれば危険なのだが・・・。

フェルスタッペンは、ここメキシコでも非力なルノーPUを積んだセコンド・チームのトロロッソで予選8番手、決勝9位と結果を出している。
フェルスタッペンは、このまま行けば、将来フェラーリに乗ってチャンピオン争いをする存在になる可能性のあるドライバーだ。
ファースト・チームのレッドブルに乗るクビアトもうかうかしてはいられない。

メルセデスに接近しているのはフェラーリだけではない。
レッドブルの開発力もすばらしい。
レッドブルはルノーPU ながら、予選4位・5位でメルセデスから0.92秒しか離されていないし、決勝でも4位と5位だった。
シャシーと空力はPUよりは開発規制が緩いといわれるものの、ほとんどアップデートされていないルノーPUでこの成績は見事だ。
そのレッドブルとトロロッソはルノーと袂を分かってしまったので来年から積むPUがまだ決まっていない。
2017年から積む予定だったVWのPU の件も白紙に戻ってしまった。

2015年のF1も残すところ後2戦、次は、ブラジルGPだ。
ブラジルGPの開催されるインテルラゴスのコースは、F1初期のブラジル人ドライバー、ホセ・カルロス・パーチェの名を冠している。
左周り(反時計回り)で高低差があり高速の外周部分とテクニカルなインフィールドによって構成され一周4.3Kmの比較的短いコースだ。
近年、ブラジル人の期待を一身に背負ってきたマッサはこのコースではすばらしいく速い。
今年は、ナスレも加わってブラジル人コンビの好成績を期待したい。

ブラジルGPは、1位ロスベルグ、2位フェッテル、3位マッサ、4位ライコネン、5位ボッタス、6位フェルスタッペン、7位アロンソ、8位クビアト、9位ナスレ、10位バトンかな。

2015 ©Yukichi Otsuka, All Rights Reserved

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学会ネット株式会社 代表