ブラジルGPは、ロスベルグの完全な勝利だった。
ロスベルグは5戦連続ポールポジションの位置から2回のタイヤ交換周を除いて一度も首位の座を譲ることなく、ハミルトンに8秒近い差をつけてチェッカーを受けた。
3位と4位にはフェッテルとライコネンのフェラーリ・コンビが入った。
4位までがトップと同一周回だった。
コンスタントに上位につけているボッタスは、7番グリッドから挽回して5位に着けた。
6位に入ったのはヒュルケンベルグだ。
ヒュルケンベルグはインテルラゴスが得意らしい。
ヒュルケンベルグは、2010年に降ったり止んだりの天候の中、絶妙のタイミングでコースへ出て、当時、下位グループ甘んじていたウイリアムズでポールポジションをとったこともある。
7位、8位、9位には、クビアト、マッサ(後に失格と判定された)、グロージャンが続いた。そして、10位(レース後繰り上がって9位)に入ったのはフェルスタッペンだ。
フェルスタッペンは、デビューイヤー後半でコンスタントに上位に入る技も身に着けてしまった。同じトロロッソにいたころのフェッテルを思い起こさせるパフォーマンスだ。
今回の予選では、メルセデスがまだ他のチームに対してかなりのマージンを保っていることだった。
全快のアメリカGP予選ではフェッテルがポールのロスベルグから0.37秒差だったので期待を持ったが、ブラジルGPの予選では0.54秒の差をつけられてしまった。
1周のタイムの短いブラジルでタイム差が拡大してしまったわけで、メルセデスの牙城を崩すのは並大抵のことではないことが分かる。
フェラーリでさえこの状態だから、2秒以上離されているマクラーレン・ホンダにとっては厳しい道のりが続きそうだ。
メルセデスPUの圧倒的な強さと現行規定のPUの高コストが中団以下のチームの財政に打撃を与えているという考え方から、FIAは現行のPU規定に加えて安価なターボエンジン規定を導入する案を押していたが、F1委員会で否決された。
かつてターボエンジン全盛時代に導入されたことがあるが、F1に二種類のPU(エンジン)規定があると公正な競争になるのかどうか疑問だ。
かといって、現行の規定を緩めてしまうとPUコストが更に上昇してしまう。
しかし、興行的にはメルセデスがワン・ツー・フィニッシュを続けるのも困る。
あれだけ収入のあるF1ビジネスからチームへの配分を増やし、シーズン中のPU開発規制を緩めるほうがよっぽど良いと思うのだが、F1はそれほど民主的に運営されているわけではない。
2015年F1の最終戦は、アブダビGPだ。
去年は、最終戦がダブル・ポイントになっていたこともあって、チャンピオンは最終戦まで決まらなかった。
今年は、残念ながらチャンピオン・ドライバーもチャンピオン・チームも決まってしまったので、消化試合になっている。
幸い、アブダビを本拠とするドライバーもチームもないから、ここはチーム・オーダー、ピットからの無線による情報提供禁止のガチンコ勝負で行ってもらいたい。
F1に乗るまで10年以上もレース・マシンを操ってきた人たちのノー・エイド・ドライブを見たいものです。
そうすれば、ライコネンが生き生きと走る姿が見られると思う。
アブダビGPは、1位ロスベルグ、2位フェッテル、3位リチャルド、4位ライコネン、5位マッサ、6位ボッタス、7位ペレス、8位クビアト、9位アロンソ、10位バトンかな。
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YUKICHI OTSUKA/大塚雄吉
学会ネット株式会社 代表
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