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KOZO KIZU 木津幸三
釣り師・ゲーマー・競馬ライター
人材関連広告会社、某著名ブランド企業で要職を務めあげたあと、日本でも珍しい「”釣り” “ゲーム” “競馬予想”の達人」として活動を続けるプロフェッショナル・ギャンブリスト。妻子のいる身ながら収入のすべてを釣り、ゲーム、競馬に注ぐ。義理人情に厚い九州男児でもある。

こだわりが創り出す味2011.11.08


今回は釣り師でなくても、本物の美味しさを味わえてしまえるコト。

秋になって脂の乗ってきた魚たちを求めて、九州の大分で釣ってきたのですが、残念ながら秋なのに大雨に見舞われ、思いどおりの釣りをすることが出来ませんでした。周りからは「大分の美味しい真鯛や鯵をよろしく!」と言われて狙ったのですが、黒鯛は釣れたものの、残念ながら本命(お土産)を確保することは出来ませんでした。やっぱり大自然とは喧嘩しても勝てるわけがありませんね。

さて、思うような結果が出なかった時、お土産を待つ人たちの期待にどう応えるか・・・。
それは「波平大作戦」しかありません。まあ勝手に名付けたこの作戦、ピンと来る方もいるかもしれませんが、サザエさんの父、波平さんが釣りに出かけ、釣れなかった時に魚屋さんで買って帰るというストーリーがあったので名付けたわけですが、まさにその通り、「買っちゃう」のです。

ただ、単にスーパーや魚屋さんで買ったのでは、YOUCHOOSEで紹介する意味が無いので、何にこだわるのかと言えば「質」なのです。大分といえば水産品で商標登録1号となったブランド魚「関アジ」「関サバ」で有名なのですが、それが何と通販で買えてしまうのです! しかも、その日に水揚げされた新鮮な状態で産地直送で家まで届くので、これはもう釣った魚と同じような鮮度といえます。
そしてその質の高さは、単に産地の名前を付けてブランド化しているのではなく、漁師や漁協の方々の様々な工夫によって成り立っています。まず魚を「獲る」のではなく「釣る」ことにより、活きた状態で持ち帰り、魚にストレスをかけない状態で「活け絞め」や「神経抜き」をして水揚げすることで「美味しさ」が追求されています。

この大分の「関物(せきもの)」の魚を買わせてもらったのが【黒潮海産】さん。水揚げされた魚をクール便で届けてくれるので、関東でも航空便で翌日(場合によっては翌々日)には自宅に届けてくれますので、スーパーなどで買う魚とは次元の違う味を堪能することが可能なのです!
今回は、その日に水揚げされた真鯛と合わせてヒラメ・イサキを注文しました。肝心のお味の方ですが、
刺身で食べれば分かるんですけど、釣師でしか味わえないほどの新鮮さで、メチャメチャ旨いんだな、これが。

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KOZO KIZU/木津幸三
釣り師・ゲーマー・競馬ライター

赤と黒2011.10.18



赤と黒、と言っても懐かしのインディーズバンドではなく、久々に良形の赤(真鯛)を釣ったので、やっぱり「腐っても鯛」は凄いコト。

とても久々に書かせてもらいます。
この間に大きな地震があって、海という大自然と付き合う身としては、常に「この時」が来るかもしれない、という怖さと、それが『自然』でありある種の覚悟をもって臨むべきなのだ、と考えさせられました。
あの自然の惨事以来、少し海とは距離が開いていたが、3ヶ月が過ぎたあたりから、やはり海に行かないストレスもあって、再始動することにしました。

さて、冒頭に書いたとおり、「赤」とは真鯛を指すんですが、その対義語は「黒」。
いつも黒鯛を狙う私にとっては、ある意味外道(※以前に書きましたが、ターゲットの魚以外の総称)なんですが、とても嬉しい魚なのです。そんなわけで今回は、「赤」を本命に狙ってきました。

ようやく涼しくなってきて、水温も下げ始めたかと思い、伊豆方面へ。
ただ・・・釣り人が多すぎること。首都圏近郊の有名釣り場はこれだから嫌だ。
そんなわけで、ほとんど人のいない(=人気が無い、=釣れないかも)波止で竿を出すことにした。
今回は、鯛を狙うということで餌取りの魚の対策も兼ね、反転式ミニカゴ釣法でのアタック。
竿は大型でも引きを楽しめるように1.5号で。
しばらくはベラなど、それこそ外道の魚たちが釣れる状況でしたが、釣り場近くに住む猫ちゃんが「それ、くれ」と言わんばかりの目で横にくるので、釣っては与え、カワハギなんて皮を剥いであげました(猫って、あの鮫肌な感じが嫌いみたいです)。

そんな呑気な時間を過ごしていると、針に付けた餌が残り始め、どうやらチャンスタイムに入ったシグナルが・・・。するとウキがゆっくり沈み、こちらもゆっくり合わせをいれると強烈な重み。
メジナか? それとも本命か? グイグイ引き込んでいき、竿先はノックされている。
この感じは「鯛」に違いない。寄せてくると最後の抵抗を見せるものの、ゆっくり海面に姿を現してくる・・・
さあ、赤か黒か、決定の瞬間-。

ということで50センチほどの立派な「赤」でした。
鯛は捨てるところが無いと言われるほど、全ての部位が食されますが、今回は刺身と吸い物、鯛めしの和風以外にも、イタリアンでカルパッチョとグリルした鯛をペペロンチーノにのせて食べてみましたが最高!
皆さんもお試しあれ。
今度は黒(黒鯛)でもやってみます。

ロッド:SHIMANO  BBX  SI  1.5号
リール: SHIMANO BBX 3000
ウキ:羽根3号
ライン:2.5号 ハリス:1.75号 ハリ:チヌ2号

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KOZO KIZU/木津幸三
釣り師・ゲーマー・競馬ライター

強面だけど、釣ってよし、食べてよし、な魚2010.10.28

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誰でも釣れて、料理も手軽な魚、タチウオのコト。

久しぶりに書かせていただきます。今回は九州のとある防波堤でのタチウオを釣ってきました。
例年だと初秋から防波堤でも釣れ始めるのですが、やはり温暖化の影響からか、
今年は少し遅めの接岸となったようで、10月に入ってから本格モードに突入したみたいです。

写真にもあるように、顔つきが悪い。というか怖い。鋭く尖った歯は、いかにもフィッシュイーターの面持ちです。
その想像通り、小魚に一気に食いつき、飲み干してしまいますが、防波堤からのタチウオ釣りのポイントは、うまく針をフックさせることです。通常、アジゴ(小鰺)やサンマの切り身、キビナゴなどを餌にするのですが、タチウオくんはそれらの餌に食いついてから、咥えたまましばらく「遊ぶ」のです。
すなわち、ウキが沈んでからしばらくは右へ左へと動き回り、その後に飲み込みます。
おそらく、この行動は生きた魚に食いついた場合、しばらくは離さず、完全に息の根を止めてから食すからではないかと僕は思っています。
ライオンやチーターなどの肉食動物も獲物を捕らえてからは同じような行動をとりますよね? 
魚でもそんな感じなんじゃないかと。

さて、そうなると針を上手くタチウオの口にフックさせることが重要ですが、その咥えて遊んでいる時に「アワセ」を入れても、真っ二つに食いちぎられた餌が帰ってくるだけなので慌てないことが重要。
子供の頃に風呂に入って「あと10秒数えなさい!」
なんて言われていた記憶がありませんか? 
まさにあんな感じで「いーち、にーぃ、さーん」と心の中で数え、10~20秒くらいで合わせる、というのが初心者の人に教える方法です。
どうしてもウキが入ると「掛かった!」と焦るので、その気持ちを抑える為なんですが、釣り慣れた人は咥えて動いている間に、ライン(道糸)に張りを持たせ、魚が食い込むアシストをする釣り方をします。
上手くフックできたら、ワイヤーのハリスを使っていればブレイクする可能性も低いので後は意外と簡単に取り込むことが出来るんですが、そこまでの時間はタチウオくんの強い引きを楽しみながら巻き上げます。
「釣技が上手くないと釣れない」という魚では無いので、魚体の大きさの割には、小学生からご老人まで、老若男女を問わず楽しめるのが防波堤からのタチウオ釣りなのです。

この釣り場でのシーズン初期ということもあり、今回は指3本(タチウオの大きさは、身体の幅が人間の手の指を平行に当てて「指何本分か」を指標にするのです)がアベレージサイズだったので、あんまり大きくなかったのが残念ですが、10本以上釣れて食べるには十分な結果でしたので、またまた海に感謝!
タチウオは鱗の無い魚なので、料理はとても簡単! 
傷むのが早い魚なので、釣り人の特権なのは「刺身」。
それ以外だと塩焼きが一般的で、料理屋さんとかでは棒に撒きつけて焼いてタレで食べたりとか。
何にしろ、はらわたを取り出したら、切るだけなんですよ。
ということで僕はいつもお土産に頼まれます(アジと同様に人気度高し)。
タチウオ=太刀魚、立魚。この漢字の由来は「体が刀のようだから」「立って泳ぐから」という説があるそうですが、僕は前者の方かな、と思っています。
魚屋さんでしか見たことのない人は分からないと思いますが、釣り上げた時(生きている時)はまさに刀の金属のような光り輝いた体で、顔つきとは裏腹に、それはそれは美しいのです。
死んでしまうと写真のようにグレーっぽい銀色になるのですが、この皮の成分は化粧品などのラメの原料にもなったりするんですよ。
ホント、強面だけど人間にはとってもありがたい魚なのです。

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KOZO KIZU/木津幸三
釣り師・ゲーマー・競馬ライター

Which horse do you choose?(2)2010.05.29

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以前、有馬記念の時に「競馬ファンにとっての年末は日本ダービー・・・」と書いた。
いよいよ、2009年度の年度末がやってきたとも言うべきだろうか。
日本ダービー(東京優駿)は一生に一度しかチャンスの無いレースであるが、
スポーツでいうところの「新人王(タイトル)」とはちょっと違う。サラブレッドの現役活動期間は
人間と比べても当然短く、だいたい4-5年で、長くても7-8年。
デビューから1年で迎えるこのレースは単なる新人王ではなく、引退後の種牡馬生活を
約束されるレースと言っても過言ではない。すなわち、このタイトルを取れば、今後はそれほど
無理をしなくても一定の付加価値を得ることができるからだ。牡馬にとって、レースの賞金も戦利品だが、
実は引退後がメインと言っても過言ではない。なぜなら、競馬はブラッドスポーツであり、
強い馬を造り続けることを追い求めるために存在するからだ。よって「強い馬の血」は多くの生産者に
買われ、新しい馬を造り、系譜となっていく。そこに発生するマネーは現役時代に稼ぐ賞金と価値は
比較にならないほど大きいのだ。そのロマンが競馬を成立させているとも言える。

これも以前に触れたが、トウカイテイオーという貴公子はダービー馬の祖父、父を持つサラブレッドの
中のサラブレッドとも表現できる。僕はそのトウカイテイオーの産駒(か血脈)がダービーを勝つことを
願っている一人だが、そうそう簡単に獲得できるものではなく、生産者の方々の努力は、部外者が
軽々と表現できるものでもないだろう。ただ、最近のレース番組は多様化していて、ダービー以外のレースの
価値も上がっているしが、総じてスピード重視の兆候なのだ。このダービーも2400メートルという長距離だが、
近年は「スタミナ合戦」にはなりづらく、馬場悪化でもない限りは【直線の切れ味】がモノを言う傾向にある。

そして今年はその「切れる脚を持つ馬」が出現した。それは恐らく1番人気であろう、ヴィクトワールピサ。
皐月賞こそ2倍台だったが、デビューから単勝オッズ1倍台の断然人気に支持され、結果を出してきた。
中距離のレースを選択し、ダービー馬を多く排出する弥生賞も圧勝で制した実力は、メンバーの揃った
皐月賞でも同じだったが、強い!の一言。私は彼をトウカイテイオーと重ねて見てしまうのだ。
何故なら、トウカイテイオーもダービーを見るまで、
「本気を出したらどこまで強いか分からない」というミステリアスな魅力を持つ馬だったが、
彼もそんな伸びシロを感じてしまうのだ。
新馬戦を取りこぼして、必勝を期した未勝利戦こそ圧勝したが、
その後は「僅差」の勝ち方。でも、である。私には本気で走っているように見えないのだ。
騎手も大舞台を見据えてか、これまで本気で馬を追ってないように見え、
皐月賞トライアルの弥生賞もゴール前でチョコッと追っただけ、それでキッチリ勝つ。
なんと効率的で勝負強いのか。要はCOOLな奴なのだ。
そんなヴィクトワールピサが、アクセル全開で真剣に走ったらどれだけ凄いのかと考えると、ゾクゾクする。
そう、1991年のダービーの前に感じていた、あの感覚に近い興奮度なのだ。

ただ、不安要素もある。これもトウカイテイオーと同じだが、これまで右回りしか走っていないこと。
初めての左回り、長い直線の坂道をトップスピードで走った時にアクシデントが起こらないかということ。
切れる脚を持つ馬は、能力が故に、ガラスの脚に負担をかけてしまうものだ。
テイオーはダービーで骨折し、3冠の夢は断たれた。
ヴィクトワールピサには、そんなアクシデントが無いことを祈るが、それくらい、私は彼が全開で走る姿に期待している。
また彼の母、ホワイトウォータアフェアは期待度の高い牝馬で、
日本に輸入された時にお腹にいた仔(アサクサデンエン)はGⅠを制覇したものの、
日本での生産馬はGⅠタイトルを獲れていなかったが生産牧場の社台ファームは大種牡馬
サンデーサイレンスを配合し続け、サンデー亡き後も、サンデー産駒の種牡馬を配合し続け、
見事にネオユニヴァース産駒の彼がGⅠ皐月賞のタイトルを獲ったことは、関係者も悲願達成であったに違いない。

長くなるので説明は省くとして、POG(ペーパー・オーナー・ゲーム)という、競馬ファンの多くが楽しむものがあるが、実は私はずっとホワイトウォーターアフェアの産駒を指名してきたが、この2-3年はリストから外していた・・・。
そして今年はヴィクトワールピサのオーナーである、市川義美氏の所有馬からスーパーホースが出るのでは、
と予想し、ピサノユリシーズを指名したのだった・・・。
その引きの弱さったら・・・。そんな悔しさも込めて、今年のダービーは私は彼を応援しようと思う。

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KOZO KIZU/木津幸三
釣り師・ゲーマー・競馬ライター

汽水域2010.05.18

今回は九州のとある川で黒鯛を狙ったコト。

少年時代、パンツ1枚になって飛び込んだこともある川へ30年振りに行った。
田舎の町は開発され、どんどん姿を変えるけれど、川の風景は変わっていないように思えた。
70~80メートルくらいはある対岸の歩道をすれ違う人の挨拶が聞こえるほどの静寂の中で、
ようやく顔を見せた太陽の光が水面に反射し、近くにいるホトトギスの鳴き声がしている。
都会に馴染んでしまった自分にとって、ここはストレスから開放される、パワースポットなのかも。
「河原に葦が茂ってる オオヨシキリも鳴いている」
題名を忘れたけど、小学生の頃にそんな歌詞の歌を合唱した記憶が甦った。

さて、川で海の魚が釣れるのは何故かというと、「汽水域」だからだ。
汽水域とは河口付近で満潮になると海水が川に入り込んで淡水と海水が混じる区域のこと。
海の魚を狙うとなると、干潮から満潮までの潮が満ちてくる限られた時間での勝負となる。
釣り方は海と全く同じなのだが、塩分濃度などの違いで表層は淡水で下層は海水となるため、
フカセウキ釣りの場合、水面にあるウキは表示されている浮力よりも減ることになるので、
それを考えた浮力調整が必要なことがひとつ。そして川の水は上流から下流に流れるが、
海水は下流から上流に入り込んでくるので、「二枚潮」という現象が起こる。
フカセ釣りにとってはこの二枚潮は難しい状態なので、川の流れが緩んだ時が魚の気配を
見ることができるチャンスタイムなのだ。それにしても、川の流れは想像よりもはるかに速い。
海が荒れた場合は波が立って見た目も凄いが、川の場合は何気ない流れのように見えてもパワーは凄い。
そして海からの水が、その川の流れに逆らって上ってくる大自然の力(月のパワー)を目の当たりにすると、
あらためて「地球って、月ってスゲーなぁ」と感じる。

さて黒鯛を狙う為には、底層に針のついた餌を落とさなければいけない。
しかし、川にも餌とりの魚はいて、ここでは30~40センチのウグイが邪魔をしてくるので、
なるべく餌の付いた針が自然に底を這うようなイメージをして仕掛けを送り込む。
初めての河口釣りで、そんなことを色々と考えながら楽しんでいると、念願のアタリが!
海と違って岩などの障害物が少なく、ラインが切れる可能性も低く取り込みやすいので、
掛けてからは大きな苦労もなく取り込めた。この環境で結果も出て、とても気持ちがイイ。
その他にも鯵も釣れたし、表層ではエイや80~1メートル級の雷魚?が編隊で優雅に泳いでいた。
釣れた黒鯛(40~50センチ:推定10~15歳)は写真の通り、産卵前でお腹がパンパンでしたが、
黒鯛は性転換する魚で、幼少期はオスで歳をとると卵巣が発達して多くがメスに性転換することをご存知ですか?
釣り人は種の保存の為にも、この時期の黒鯛は必要最小限以外をリリース(放流)するのが
マナーですので、撮影後(河原なので草の上)は放流したのでした。

それにしても、前にも「カオス」のことも書いたのですが、僕はこの「汽水域」という言葉の響きが大好きだ。
今の日本や世界を見ていても、何だか汽水域な感じがしませんか?
政治、文化・・・淡水と海水が混じり始めていて、その背景には大きなパワーも感じられるし・・・。
上下左右、どの方向に進んでいくのかは、自らの選択にかかっているのだろうなぁ。

ロッド:SHIMANO 鱗海 06号
リール: SHIMANO BBX 2000
ウキ:GREX 5B
ライン:2号 ハリス:1.5号 ハリ:チヌ2号

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KOZO KIZU/木津幸三
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