- KOZO KIZU 木津幸三
釣り師・ゲーマー・競馬ライター
- 人材関連広告会社、某著名ブランド企業で要職を務めあげたあと、日本でも珍しい「”釣り” “ゲーム” “競馬予想”の達人」として活動を続けるプロフェッショナル・ギャンブリスト。妻子のいる身ながら収入のすべてを釣り、ゲーム、競馬に注ぐ。義理人情に厚い九州男児でもある。
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自然の恵みをいただく ~(1)鯵寿司2009.10.26
これまで、釣りのこだわりの道具や小話を書かせていただきましたが、たまに
魚の美味しいいただき方を紹介したいと思います。まずは超メジャーである鯵さんのコト。
魚偏に参ると書いて鯵(アジ)。
一部にブランド名が付く高級なものもありますが(地元九州の関アジなど)、どちらかと言えば庶民的な魚。名前の由来は色々言われていますが、代表的なものが「あまりにも美味しすぎて【参った】と言うくらいの魚だから」というもの。
それ、確かにそうかもしれません。釣りを嗜むと「お土産」を期待(要求)されたりしますが、鯵ほど好き嫌いなく、多くの方に喜ばれる魚はいないのではないでしょうか。
種類、サイズも豊富で、小鰺(アジゴ・ゼンゴ)と呼ばれる10~20センチ程度のものから2メートル近いロウニンアジまで様々。本日の料理で紹介するのは前者の小鰺。
釣り師が釣る魚というよりは、ファミリーフィッシングの対象魚かもしれません。釣り方は「サビキ釣り」という、針のたくさんついた仕掛けで、アミコマセ(撒き餌)と同調させて釣るのが一般的です。小さな子供でも釣ることができます。
今回は黒鯛釣りの傍ら、「鯵寿司が食べたい」気分になり、1本針のフカセ仕掛けで家族が食べる分(30匹程度)だけ釣りました。
釣れた魚を見て、料理を考えるのも楽しいのですが「今日は○○が食べたいから、この魚を狙う」
というのも、また趣があります。短竿で足元に集まる小鰺を釣ったのですが、柔らかい竿で釣ると、
小さいながらも元気よく走り回り、それを手返しよく続けるのは、結構楽しいものです。
(それを長時間続けると飽きてしまうので、僕は1時間くらいが限界ですが・・・)
せっかくの自然からの恵み。美味しくいただくためには、釣った後の保存方法も大切です。
オススメは「氷〆」。クーラーの中に氷と海水を入れ、その中に軽く血抜きした鯵を入れます。
これをするだけで、鮮度は落ちず、その「味」もキープできるのです。
さて鯵寿司(小鰺バージョン)ですが、まず小鰺の頭と内臓を取り除き、尾ヒレ近くの
ゼイゴと呼ばれる堅い鱗を包丁で取り除き、三枚におろして魚は完了。
魚にワサビを付けてシャリ(酢飯)との間に青紫蘇を挟み、魚の上に
おろし生姜とネギ(アサツキ)を乗せ、胡麻をふれば出来上がりです。
口の中で、鯵の食感を青紫蘇や胡麻が風味で引き立ててくれます。
簡単にできて、最高に美味い。僕はそんな鯵寿司が大好きですし、イチオシの料理。
スーパーに売っている小鰺でつくるのも良いと思いますが、フラッと海に行って、
お手軽に釣ることもできる(大都会はそうはいきませんが)、簡単料理です。
「今日は寿司が食べたいから、海にでも行ってみるか」 いい響きじゃないですか?
ロッド:SHIMANO 青波巧 160
リール:DAIWA チヌチェイサーHG
ライン&ハリス:1.25号 ハリ:チヌ 0.8号
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釣り師・ゲーマー・競馬ライター
バクチウオ2009.10.19
「釣り」と「博打」。
僕はたまたま両方嗜むものの、この「博打魚(バクチウオ)」の名前を知って、
改めて「魚って素晴らしいなぁ」と感じたコト。
まず、このバクチウオは、一般的には「カワハギ」と呼ばれる魚。
写真は、先日の九州遠征で釣れたものですが26センチのGOODサイズ。
(※カワハギは大きくなっても30センチ程度なのです。)
釣り師には「餌取り名人=知らぬ間に針から餌を取ってしまう」として有名で、
釣るのは難しいとされています。そんなカワハギさんとの勝負に勝てたのは、
今回は小さなアタリも見逃さないように、
極力ウキの抵抗をなくした仕掛けで黒鯛を狙っていたからなのです。
黒鯛は餌にバクッと食いつくタイプの魚ではなく、慎重に餌に近寄り、且つもぞもぞしながら
口の中に入れて臼歯で食べると言われています。まあ、それは時期や海、そして魚自身の状況で
変化しますから、メチャメチャ勢いづいて餌に飛びつく輩もいるのですが・・・。
そんなシャイな黒鯛を狙っていると、この餌取り名人が針先の餌に触れるのも分かるんですよね。
この勝負では、ウキが微妙に沈み、【触ってますよ~】サインが出たので早目にアワセました。
上手く魚が乗ってくれて、いい引き込み。でも黒鯛のソレとは違うのです。
黒鯛の場合は竿先がノックされるような、ググンッ、ググンッという引き込みなのですが、
それとは違うものの、
重量感のある引き込みなので「何が掛かったのかなあ」と楽しみに待っていると、
海面に姿を現したのは、立派なサイズのカワハギさんでした。
もう秋を迎えているのでお腹には肝がパンパンで、新鮮な時にしかいただけない「肝和え醤油」で
刺身を焼酎とともにいただきました。
さて、バクチウオの話。
カワハギを刺身にする際には、その名のとおり皮を剥いで、身をむき出しにします。
鱗(うろこ)のある魚は、鱗を落として三枚おろしに・・・と面倒なのですが、カワハギは
意外と簡単にさばける魚なのです(身をきれいに取るのは簡単ではないですが)。
理科室の人体標本みたいな感もあるので、写真は省略しますが、まさに服を脱がされて
裸になった状態ともいえます。その姿や剥ぐ行為が「博打に負けて、身ぐるみ剥がされる」ことと
オーバーラップして「博打魚(バクチウオ)」になったみたいで、一部の地方ではこう呼ばれるそうです。
九州では聞いたことはないですが、この連想具合ったら素晴らしい。
古からのコトバって奥深い面白さがあるものです。そしてそれを聞いてからというものの、
験担ぎ(ゲンカツギ)の代表の「カツ丼」の逆の視点で、ギャンブル前には食べないようにする
小市民な僕でありました・・・。でもカワハギの味は絶品ですよ。
ロッド:DAIKO A-1 クラシック磯 1号
リール:SHIMANO BBX 2000
ウキ:TSURIKEN BM 2号
ライン:2.5号 ハリス:1.5号 針:チヌ 2号
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釣り師・ゲーマー・競馬ライター
出世魚2009.10.05
この写真は先週九州で釣った「ヤズ」です。「何それ?」と思う方もいるはず。
今回はこの出世魚のコト。
「ヤズ」は「ブリ」の幼少期の九州での呼名。その間には「ハマチ」という名があります。
実は4~5段階くらいに分かれていて、且つ地方によってもその呼名が異なるのです。
関東では、ワカシ → イナダ → ワラサ → ブリ
関西では、ツバス → ハマチ → メジロ → ブリ
そして九州では、ワカナゴ → ヤズ → ハマチ → ブリ となります。
※上記は第一段階15-20センチ、第二段階30-40cm、第三段階50-60センチ、第四段階70-80センチ以上
※もっと細分化されていることもありますが、概略で。且つ東北や北陸などは別の呼名もあります。
今回釣ったのは40センチほどですから、九州の「ヤズ」であり、関東の「イナダ」ということになります。
でも関西では「ハマチ」。九州でいうとハマチはもう少し大きいサイズを指すのですが・・・。
釣り人はこういうことをだいたい知っていますが、一般的に「そうだったの?」という方もいるのでは。
お寿司を食べに行って「僕はブリ」「えー、じゃあ私はハマチ」と注文していたら、かなりの通ですね。
ただ、出てきた魚を見て「あれ? この身は、同じ魚じゃないの?」なんて言ったらチョー恥ずかしい!
コハダ(コノシロの幼魚)にしろ、寿司ネタで若い魚はとても重宝されますよね。
よく「寒ブリ」っていいますが、ブリの旬は冬。でもこの若魚の旬は夏なのです。
真鯛やブリなどの大型の魚は、大抵夏は脂がのっていなくてパサパサしていますが
若魚は脂がのっていて、とても美味しいのです。これも刺身にしたのですが、醤油皿に脂が広がりました。
大型真鯛などはこれから冬に向けてドンドン脂がのっていきますので、これからが狙い目です。
それにしても出世魚とはよく言ったもの。
インターネットで調べてみても「弱肉強食の世界を生き残って大きくなったから出世と呼ぶ」とか
「昔は出世する度に名前を変えていたのでその名残」とか。
確かに木下藤吉郎が豊臣秀吉に、みたいなもので。
いつからその制度は消えうせたのでしょうか。今でもその制度が残っていたら、人生何度も
生きているみたいで飽きないかもしれませんね。
行き詰ったら「名前でも変えてやり直すか!」とか
ポジティヴになれるかもしれないし。あ、でもその名前が聖徳太子の冠位十二階みたいに
位を表すものになったら逆効果になってしまうかもしれないか。
当の魚たちは「自分の名前なんか関係ねえし」とばかりに元気に海を泳いでいることでしょう。
今回のヤズ君、防波堤から勝負させていただき、よく引いてくれました。自然の恵みに感謝!
ロッド:SHIMANO 磯 遠投EV 3号
リール:SHIMANO BBX 3000
ライン:4号 ハリス:2号 針:チヌ2号
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KOZO KIZU/木津幸三
釣り師・ゲーマー・競馬ライター