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KOZO KIZU 木津幸三
釣り師・ゲーマー・競馬ライター
人材関連広告会社、某著名ブランド企業で要職を務めあげたあと、日本でも珍しい「”釣り” “ゲーム” “競馬予想”の達人」として活動を続けるプロフェッショナル・ギャンブリスト。妻子のいる身ながら収入のすべてを釣り、ゲーム、競馬に注ぐ。義理人情に厚い九州男児でもある。

Which horse do you choose?(2)2010.05.29

kozokizu_09

以前、有馬記念の時に「競馬ファンにとっての年末は日本ダービー・・・」と書いた。
いよいよ、2009年度の年度末がやってきたとも言うべきだろうか。
日本ダービー(東京優駿)は一生に一度しかチャンスの無いレースであるが、
スポーツでいうところの「新人王(タイトル)」とはちょっと違う。サラブレッドの現役活動期間は
人間と比べても当然短く、だいたい4-5年で、長くても7-8年。
デビューから1年で迎えるこのレースは単なる新人王ではなく、引退後の種牡馬生活を
約束されるレースと言っても過言ではない。すなわち、このタイトルを取れば、今後はそれほど
無理をしなくても一定の付加価値を得ることができるからだ。牡馬にとって、レースの賞金も戦利品だが、
実は引退後がメインと言っても過言ではない。なぜなら、競馬はブラッドスポーツであり、
強い馬を造り続けることを追い求めるために存在するからだ。よって「強い馬の血」は多くの生産者に
買われ、新しい馬を造り、系譜となっていく。そこに発生するマネーは現役時代に稼ぐ賞金と価値は
比較にならないほど大きいのだ。そのロマンが競馬を成立させているとも言える。

これも以前に触れたが、トウカイテイオーという貴公子はダービー馬の祖父、父を持つサラブレッドの
中のサラブレッドとも表現できる。僕はそのトウカイテイオーの産駒(か血脈)がダービーを勝つことを
願っている一人だが、そうそう簡単に獲得できるものではなく、生産者の方々の努力は、部外者が
軽々と表現できるものでもないだろう。ただ、最近のレース番組は多様化していて、ダービー以外のレースの
価値も上がっているしが、総じてスピード重視の兆候なのだ。このダービーも2400メートルという長距離だが、
近年は「スタミナ合戦」にはなりづらく、馬場悪化でもない限りは【直線の切れ味】がモノを言う傾向にある。

そして今年はその「切れる脚を持つ馬」が出現した。それは恐らく1番人気であろう、ヴィクトワールピサ。
皐月賞こそ2倍台だったが、デビューから単勝オッズ1倍台の断然人気に支持され、結果を出してきた。
中距離のレースを選択し、ダービー馬を多く排出する弥生賞も圧勝で制した実力は、メンバーの揃った
皐月賞でも同じだったが、強い!の一言。私は彼をトウカイテイオーと重ねて見てしまうのだ。
何故なら、トウカイテイオーもダービーを見るまで、
「本気を出したらどこまで強いか分からない」というミステリアスな魅力を持つ馬だったが、
彼もそんな伸びシロを感じてしまうのだ。
新馬戦を取りこぼして、必勝を期した未勝利戦こそ圧勝したが、
その後は「僅差」の勝ち方。でも、である。私には本気で走っているように見えないのだ。
騎手も大舞台を見据えてか、これまで本気で馬を追ってないように見え、
皐月賞トライアルの弥生賞もゴール前でチョコッと追っただけ、それでキッチリ勝つ。
なんと効率的で勝負強いのか。要はCOOLな奴なのだ。
そんなヴィクトワールピサが、アクセル全開で真剣に走ったらどれだけ凄いのかと考えると、ゾクゾクする。
そう、1991年のダービーの前に感じていた、あの感覚に近い興奮度なのだ。

ただ、不安要素もある。これもトウカイテイオーと同じだが、これまで右回りしか走っていないこと。
初めての左回り、長い直線の坂道をトップスピードで走った時にアクシデントが起こらないかということ。
切れる脚を持つ馬は、能力が故に、ガラスの脚に負担をかけてしまうものだ。
テイオーはダービーで骨折し、3冠の夢は断たれた。
ヴィクトワールピサには、そんなアクシデントが無いことを祈るが、それくらい、私は彼が全開で走る姿に期待している。
また彼の母、ホワイトウォータアフェアは期待度の高い牝馬で、
日本に輸入された時にお腹にいた仔(アサクサデンエン)はGⅠを制覇したものの、
日本での生産馬はGⅠタイトルを獲れていなかったが生産牧場の社台ファームは大種牡馬
サンデーサイレンスを配合し続け、サンデー亡き後も、サンデー産駒の種牡馬を配合し続け、
見事にネオユニヴァース産駒の彼がGⅠ皐月賞のタイトルを獲ったことは、関係者も悲願達成であったに違いない。

長くなるので説明は省くとして、POG(ペーパー・オーナー・ゲーム)という、競馬ファンの多くが楽しむものがあるが、実は私はずっとホワイトウォーターアフェアの産駒を指名してきたが、この2-3年はリストから外していた・・・。
そして今年はヴィクトワールピサのオーナーである、市川義美氏の所有馬からスーパーホースが出るのでは、
と予想し、ピサノユリシーズを指名したのだった・・・。
その引きの弱さったら・・・。そんな悔しさも込めて、今年のダービーは私は彼を応援しようと思う。

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KOZO KIZU/木津幸三
釣り師・ゲーマー・競馬ライター

汽水域2010.05.18

今回は九州のとある川で黒鯛を狙ったコト。

少年時代、パンツ1枚になって飛び込んだこともある川へ30年振りに行った。
田舎の町は開発され、どんどん姿を変えるけれど、川の風景は変わっていないように思えた。
70~80メートルくらいはある対岸の歩道をすれ違う人の挨拶が聞こえるほどの静寂の中で、
ようやく顔を見せた太陽の光が水面に反射し、近くにいるホトトギスの鳴き声がしている。
都会に馴染んでしまった自分にとって、ここはストレスから開放される、パワースポットなのかも。
「河原に葦が茂ってる オオヨシキリも鳴いている」
題名を忘れたけど、小学生の頃にそんな歌詞の歌を合唱した記憶が甦った。

さて、川で海の魚が釣れるのは何故かというと、「汽水域」だからだ。
汽水域とは河口付近で満潮になると海水が川に入り込んで淡水と海水が混じる区域のこと。
海の魚を狙うとなると、干潮から満潮までの潮が満ちてくる限られた時間での勝負となる。
釣り方は海と全く同じなのだが、塩分濃度などの違いで表層は淡水で下層は海水となるため、
フカセウキ釣りの場合、水面にあるウキは表示されている浮力よりも減ることになるので、
それを考えた浮力調整が必要なことがひとつ。そして川の水は上流から下流に流れるが、
海水は下流から上流に入り込んでくるので、「二枚潮」という現象が起こる。
フカセ釣りにとってはこの二枚潮は難しい状態なので、川の流れが緩んだ時が魚の気配を
見ることができるチャンスタイムなのだ。それにしても、川の流れは想像よりもはるかに速い。
海が荒れた場合は波が立って見た目も凄いが、川の場合は何気ない流れのように見えてもパワーは凄い。
そして海からの水が、その川の流れに逆らって上ってくる大自然の力(月のパワー)を目の当たりにすると、
あらためて「地球って、月ってスゲーなぁ」と感じる。

さて黒鯛を狙う為には、底層に針のついた餌を落とさなければいけない。
しかし、川にも餌とりの魚はいて、ここでは30~40センチのウグイが邪魔をしてくるので、
なるべく餌の付いた針が自然に底を這うようなイメージをして仕掛けを送り込む。
初めての河口釣りで、そんなことを色々と考えながら楽しんでいると、念願のアタリが!
海と違って岩などの障害物が少なく、ラインが切れる可能性も低く取り込みやすいので、
掛けてからは大きな苦労もなく取り込めた。この環境で結果も出て、とても気持ちがイイ。
その他にも鯵も釣れたし、表層ではエイや80~1メートル級の雷魚?が編隊で優雅に泳いでいた。
釣れた黒鯛(40~50センチ:推定10~15歳)は写真の通り、産卵前でお腹がパンパンでしたが、
黒鯛は性転換する魚で、幼少期はオスで歳をとると卵巣が発達して多くがメスに性転換することをご存知ですか?
釣り人は種の保存の為にも、この時期の黒鯛は必要最小限以外をリリース(放流)するのが
マナーですので、撮影後(河原なので草の上)は放流したのでした。

それにしても、前にも「カオス」のことも書いたのですが、僕はこの「汽水域」という言葉の響きが大好きだ。
今の日本や世界を見ていても、何だか汽水域な感じがしませんか?
政治、文化・・・淡水と海水が混じり始めていて、その背景には大きなパワーも感じられるし・・・。
上下左右、どの方向に進んでいくのかは、自らの選択にかかっているのだろうなぁ。

ロッド:SHIMANO 鱗海 06号
リール: SHIMANO BBX 2000
ウキ:GREX 5B
ライン:2号 ハリス:1.5号 ハリ:チヌ2号

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KOZO KIZU/木津幸三
釣り師・ゲーマー・競馬ライター