誰でも釣れて、料理も手軽な魚、タチウオのコト。
久しぶりに書かせていただきます。今回は九州のとある防波堤でのタチウオを釣ってきました。
例年だと初秋から防波堤でも釣れ始めるのですが、やはり温暖化の影響からか、
今年は少し遅めの接岸となったようで、10月に入ってから本格モードに突入したみたいです。
写真にもあるように、顔つきが悪い。というか怖い。鋭く尖った歯は、いかにもフィッシュイーターの面持ちです。
その想像通り、小魚に一気に食いつき、飲み干してしまいますが、防波堤からのタチウオ釣りのポイントは、うまく針をフックさせることです。通常、アジゴ(小鰺)やサンマの切り身、キビナゴなどを餌にするのですが、タチウオくんはそれらの餌に食いついてから、咥えたまましばらく「遊ぶ」のです。
すなわち、ウキが沈んでからしばらくは右へ左へと動き回り、その後に飲み込みます。
おそらく、この行動は生きた魚に食いついた場合、しばらくは離さず、完全に息の根を止めてから食すからではないかと僕は思っています。
ライオンやチーターなどの肉食動物も獲物を捕らえてからは同じような行動をとりますよね?
魚でもそんな感じなんじゃないかと。
さて、そうなると針を上手くタチウオの口にフックさせることが重要ですが、その咥えて遊んでいる時に「アワセ」を入れても、真っ二つに食いちぎられた餌が帰ってくるだけなので慌てないことが重要。
子供の頃に風呂に入って「あと10秒数えなさい!」
なんて言われていた記憶がありませんか?
まさにあんな感じで「いーち、にーぃ、さーん」と心の中で数え、10~20秒くらいで合わせる、というのが初心者の人に教える方法です。
どうしてもウキが入ると「掛かった!」と焦るので、その気持ちを抑える為なんですが、釣り慣れた人は咥えて動いている間に、ライン(道糸)に張りを持たせ、魚が食い込むアシストをする釣り方をします。
上手くフックできたら、ワイヤーのハリスを使っていればブレイクする可能性も低いので後は意外と簡単に取り込むことが出来るんですが、そこまでの時間はタチウオくんの強い引きを楽しみながら巻き上げます。
「釣技が上手くないと釣れない」という魚では無いので、魚体の大きさの割には、小学生からご老人まで、老若男女を問わず楽しめるのが防波堤からのタチウオ釣りなのです。
この釣り場でのシーズン初期ということもあり、今回は指3本(タチウオの大きさは、身体の幅が人間の手の指を平行に当てて「指何本分か」を指標にするのです)がアベレージサイズだったので、あんまり大きくなかったのが残念ですが、10本以上釣れて食べるには十分な結果でしたので、またまた海に感謝!
タチウオは鱗の無い魚なので、料理はとても簡単!
傷むのが早い魚なので、釣り人の特権なのは「刺身」。
それ以外だと塩焼きが一般的で、料理屋さんとかでは棒に撒きつけて焼いてタレで食べたりとか。
何にしろ、はらわたを取り出したら、切るだけなんですよ。
ということで僕はいつもお土産に頼まれます(アジと同様に人気度高し)。
タチウオ=太刀魚、立魚。この漢字の由来は「体が刀のようだから」「立って泳ぐから」という説があるそうですが、僕は前者の方かな、と思っています。
魚屋さんでしか見たことのない人は分からないと思いますが、釣り上げた時(生きている時)はまさに刀の金属のような光り輝いた体で、顔つきとは裏腹に、それはそれは美しいのです。
死んでしまうと写真のようにグレーっぽい銀色になるのですが、この皮の成分は化粧品などのラメの原料にもなったりするんですよ。
ホント、強面だけど人間にはとってもありがたい魚なのです。
POSTED BY:
KOZO KIZU/木津幸三
釣り師・ゲーマー・競馬ライター
元気ですか?4月に催しがあるようです!
from kyohei | 2011年02月26 3:11 PM