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KOZO KIZU 木津幸三
釣り師・ゲーマー・競馬ライター
人材関連広告会社、某著名ブランド企業で要職を務めあげたあと、日本でも珍しい「”釣り” “ゲーム” “競馬予想”の達人」として活動を続けるプロフェッショナル・ギャンブリスト。妻子のいる身ながら収入のすべてを釣り、ゲーム、競馬に注ぐ。義理人情に厚い九州男児でもある。

バクチウオ2009.10.19

「釣り」と「博打」。 
僕はたまたま両方嗜むものの、この「博打魚(バクチウオ)」の名前を知って、
改めて「魚って素晴らしいなぁ」と感じたコト。

まず、このバクチウオは、一般的には「カワハギ」と呼ばれる魚。
写真は、先日の九州遠征で釣れたものですが26センチのGOODサイズ。
(※カワハギは大きくなっても30センチ程度なのです。)
釣り師には「餌取り名人=知らぬ間に針から餌を取ってしまう」として有名で、
釣るのは難しいとされています。そんなカワハギさんとの勝負に勝てたのは、
今回は小さなアタリも見逃さないように、
極力ウキの抵抗をなくした仕掛けで黒鯛を狙っていたからなのです。

黒鯛は餌にバクッと食いつくタイプの魚ではなく、慎重に餌に近寄り、且つもぞもぞしながら
口の中に入れて臼歯で食べると言われています。まあ、それは時期や海、そして魚自身の状況で
変化しますから、メチャメチャ勢いづいて餌に飛びつく輩もいるのですが・・・。
そんなシャイな黒鯛を狙っていると、この餌取り名人が針先の餌に触れるのも分かるんですよね。
この勝負では、ウキが微妙に沈み、【触ってますよ~】サインが出たので早目にアワセました。
上手く魚が乗ってくれて、いい引き込み。でも黒鯛のソレとは違うのです。
黒鯛の場合は竿先がノックされるような、ググンッ、ググンッという引き込みなのですが、
それとは違うものの、
重量感のある引き込みなので「何が掛かったのかなあ」と楽しみに待っていると、
海面に姿を現したのは、立派なサイズのカワハギさんでした。
もう秋を迎えているのでお腹には肝がパンパンで、新鮮な時にしかいただけない「肝和え醤油」で
刺身を焼酎とともにいただきました。

さて、バクチウオの話。
カワハギを刺身にする際には、その名のとおり皮を剥いで、身をむき出しにします。
鱗(うろこ)のある魚は、鱗を落として三枚おろしに・・・と面倒なのですが、カワハギは
意外と簡単にさばける魚なのです(身をきれいに取るのは簡単ではないですが)。
理科室の人体標本みたいな感もあるので、写真は省略しますが、まさに服を脱がされて
裸になった状態ともいえます。その姿や剥ぐ行為が「博打に負けて、身ぐるみ剥がされる」ことと
オーバーラップして「博打魚(バクチウオ)」になったみたいで、一部の地方ではこう呼ばれるそうです。
九州では聞いたことはないですが、この連想具合ったら素晴らしい。
古からのコトバって奥深い面白さがあるものです。そしてそれを聞いてからというものの、
験担ぎ(ゲンカツギ)の代表の「カツ丼」の逆の視点で、ギャンブル前には食べないようにする
小市民な僕でありました・・・。でもカワハギの味は絶品ですよ。

ロッド:DAIKO A-1 クラシック磯 1号
リール:SHIMANO BBX 2000
ウキ:TSURIKEN BM 2号
ライン:2.5号 ハリス:1.5号 針:チヌ 2号

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KOZO KIZU/木津幸三
釣り師・ゲーマー・競馬ライター

出世魚2009.10.05

この写真は先週九州で釣った「ヤズ」です。「何それ?」と思う方もいるはず。
今回はこの出世魚のコト。

「ヤズ」は「ブリ」の幼少期の九州での呼名。その間には「ハマチ」という名があります。
実は4~5段階くらいに分かれていて、且つ地方によってもその呼名が異なるのです。
関東では、ワカシ → イナダ → ワラサ → ブリ
関西では、ツバス → ハマチ → メジロ → ブリ
そして九州では、ワカナゴ → ヤズ → ハマチ → ブリ となります。
※上記は第一段階15-20センチ、第二段階30-40cm、第三段階50-60センチ、第四段階70-80センチ以上
※もっと細分化されていることもありますが、概略で。且つ東北や北陸などは別の呼名もあります。

今回釣ったのは40センチほどですから、九州の「ヤズ」であり、関東の「イナダ」ということになります。
でも関西では「ハマチ」。九州でいうとハマチはもう少し大きいサイズを指すのですが・・・。
釣り人はこういうことをだいたい知っていますが、一般的に「そうだったの?」という方もいるのでは。
お寿司を食べに行って「僕はブリ」「えー、じゃあ私はハマチ」と注文していたら、かなりの通ですね。
ただ、出てきた魚を見て「あれ? この身は、同じ魚じゃないの?」なんて言ったらチョー恥ずかしい!
コハダ(コノシロの幼魚)にしろ、寿司ネタで若い魚はとても重宝されますよね。

よく「寒ブリ」っていいますが、ブリの旬は冬。でもこの若魚の旬は夏なのです。
真鯛やブリなどの大型の魚は、大抵夏は脂がのっていなくてパサパサしていますが
若魚は脂がのっていて、とても美味しいのです。これも刺身にしたのですが、醤油皿に脂が広がりました。
大型真鯛などはこれから冬に向けてドンドン脂がのっていきますので、これからが狙い目です。

それにしても出世魚とはよく言ったもの。
インターネットで調べてみても「弱肉強食の世界を生き残って大きくなったから出世と呼ぶ」とか
「昔は出世する度に名前を変えていたのでその名残」とか。
確かに木下藤吉郎が豊臣秀吉に、みたいなもので。
いつからその制度は消えうせたのでしょうか。今でもその制度が残っていたら、人生何度も
生きているみたいで飽きないかもしれませんね。
行き詰ったら「名前でも変えてやり直すか!」とか
ポジティヴになれるかもしれないし。あ、でもその名前が聖徳太子の冠位十二階みたいに
位を表すものになったら逆効果になってしまうかもしれないか。

当の魚たちは「自分の名前なんか関係ねえし」とばかりに元気に海を泳いでいることでしょう。
今回のヤズ君、防波堤から勝負させていただき、よく引いてくれました。自然の恵みに感謝!

ロッド:SHIMANO 磯 遠投EV 3号
リール:SHIMANO BBX 3000
ライン:4号 ハリス:2号 針:チヌ2号

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KOZO KIZU/木津幸三
釣り師・ゲーマー・競馬ライター

釣り道具へのこだわり2009.09.09

魚を釣る上で、
(1)針 
(2)糸 
(3)竿 
のうち、何が最も重要でしょうか。

答えは「どれを選んでも正解」なのかもしれません。
しかし、敢えて私が選ぶ「魚を釣るのにとっても重要なモノ」の話。

釣りには色々な手法がありますので、
あくまでもここではウキフカセ釣りという釣り方を好む私の考えでお伝えします。
そもそも、単純に考えれば
(1)の針が無ければ「魚は食いつかない」。
(2)の糸が無ければ「魚を引っ張れない」。
だからこの2つのアイテムは必須なのです。
では
(3)の竿ですが、
竿が無くても糸の先の針に食いついた魚を手繰り寄せれば、
竿が無くても釣れるということになります。

ところが・・・。僕が思うに、竿が最も重要だと思っています。
皆さん、竿は何の為にあると思いますか?
実は竿の大きな役割は、魚が食いついてから糸を引っ張る力の衝撃吸収なのです。
釣りには相反することがあって、
例えば2~3キロの魚を釣るのに、ロープを使えば、
まず切られることはないでしょう。
ただそんなミエミエの太いロープ(糸)に食いつくほど
魚もアホではありません。
魚も賢く、(よく人間が釣りをしている場所の魚は、
釣り師との駆け引きに慣れていて、
そんな魚を「スレている」と表現しますが)、
釣り師は、より細い糸=魚に見えにくい糸で勝負することになるのです。
ただ南国などでは、スレていない魚を竿も使わずに、
泳ぎながら釣る「見釣り」なるものがあったり、
船釣りで糸を手で持って、糸に伝わる感覚で釣る手法もあります
(これは正に釣りの起源的手法では)が、まあそれは例外として。

細い糸を使えば使うほど、
当然ながら切れやすくなります。大まかな説明ですが、
釣り糸(ここでは針側に使うハリスを指します)というのは、
ジンワリ引く力には号数(太さ)に
よって一定の対応力があるのですが、瞬間的な力には脆いのです。
魚を「掛けた時の瞬間の力」は相当で、ここで糸が切れると、
釣りの醍醐味である「引き合いの駆け引き」に持ち込めずに終了です。
駆け引きに持ち込んでからは「竿に魚を乗せる=魚と糸と針がバランスを保つ」
ことが重要になりますが、
魚も命がかかっていますので、
逃げようと何度も抵抗をかけてきます。
この時に強引に喧嘩をすれば、また終わり。
そして魚の抵抗が落ち着けば、
あとは糸を軽く引くとファイトに勝利できます。
※細かく言えばもっとあるのですが、概略です。

このダイコーのA-1クラシック磯は、
その「魚を乗せる」意味が分からなかった頃に、
僕の師匠が薦めてくれた竿。竿全体が魚を受けてくれて、
その引きによって竿の曲がる位置(重力がかかるポイント)も変わる優れモノ。
ある程度の大きい魚も受け止めてくれる、パワーのある竿です。
竿の意味も分からず使っていた僕が、
師匠に厳しく指導されながらも「魚を乗せる」ことを勉強させてもらった竿なので、
竿ケースには必ず1本は入っているMY竿です。
(九州出身者としては、九州で誕生したメーカーであるダイコーの竿への愛着心もあるのです)
竿ひとつ取っても、多種多様、そして条件や釣り師の好みでベストチョイスをするのですが、
釣り師ならみんな「これがMY竿!」という思い入れの1本があるのではないでしょうか。

お手軽に釣りをされている方、これから釣りをする方も、
「MY竿」を意識して魚たちとファイトすると、
釣りの楽しみ方がグンと拡がると思いますよ。

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KOZO KIZU/木津幸三
釣り師・ゲーマー・競馬ライター

カオスな空間(マリリン・マンソンとスポーツジム編)2009.09.02

以前、ゲームセンターの話を書かせていただき、その空間を「カオス」と表現させていただいたのですが、またまた意外とカオスな空間を発見したので、そんなコト。

世の中の同世代と肩をならべるように出てきた僕のお腹。そしてこれまた定番のメタボ対策としてスポーツジムに入会したのです。20年近く前に、仕事絡みで行って以来の空間訪問でした。
基礎体力チェックや一通りの説明を聞いて、翌日から運動開始となったのですが、
まずは初心者でもできるバイク(自転車こぎマシン)をやったのでした。このジムのバイクの場所はエリアの中間ゾーンにあり、左にはウエイトトレーニングの空間、右にはエアロビクスの空間があるようになっており、前にはランニングマシン(これも本名は知らない)。
このバイクを30分も漕いでいると、位置的にも色んな景色が見ることができました。

とにかく、色んな人がいます。行くまでは「ちょっと笑顔気味な爽やかな人たちが集まって、
楽しそうに運動する場所」とイメージしていましたが、良い意味で期待を裏切ってくれました。
表現するなら、通勤途中の駅とでも言えば良いでしょうか。皆、周りに関知せずに
MP3みたいな音楽機器を使用してヘッドフォンで耳を塞ぎ、黙々と運動している。
サラリーマンがスーツを着てビジネス鞄を持って電車に乗るイメージのように、
Tシャツにジャージ、ヘッドフォンみたいな同じ格好の男女が、ズラリと並んだ
ランニングマシンに乗って、ひたすら走っています。汗をダラダラかきながら。

そのランニングマシンと僕のバイクマシンの間を、筋肉モリモリな人が通りすぎていく。
この人たちは、何だか他の人とはタイプが違って「俺はマニアです=主です」的な、
動物園でいうところのライオンというか、ガンダムでいうところのズゴック(それは見た目か)
のような、とにかく他とは一線を画した感じの人たちなのです。
多分、想像通りにバーベルとか「フンッ」って上げているのだと思います。
右をみるとスタジオがあって、その中ではヘッドセットのマイクを付けた
健康的な適度に色黒なインストラクターを中心に、激しい体操みたいに踊っています。
もうひとつ気になったのは、普通のお父さんみたいな人が、自転車マニアの人みたいに
ピチピチの専用ウェアみたいなファッションでいることです。しかし、あれはナンだろう?

うーん、やはり自分はかなり時代遅れのイメージを持っていたのだな、と。
よく、知らない人々が「競馬=ギャンブルで怖い」「ゲームセンター=不良の溜まり場」
「釣り=のんびり」みたいな既成概念を持つのと同じように、スポーツジムを
捉えていたのだと反省したのでした。笑顔気味に短パン(ジョギパン)姿で走る人とか、
レオタードでオリビア・ニュートン=ジョンのフィジカルみたいな曲に合わせて、
足を上げている人とかは存在しませんでした(約30年前にベストヒットUSAで観た光景)。

有酸素運動の30分は、この楽しさで瞬く間に過ぎ、「このカオス感、ゲーセンと同じかも」
と思っていたら、最後に左側のスペースから、マリリン・マンソンのドロドロしたデザインTシャツに
ブラックジーンズ姿のやせ細った、まさに非健康的な象徴のような長髪のお兄さんが、
疲れきった表情でロッカールームの方へ・・・。いいねえ、このカオス(混沌)っぷり。
『帰ったらマリリン・マンソンでも聴くか』と、バイクマシンから降りたのでした。
僕の大好きなドアーズのFive to one のカバーは必聴モノです。

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KOZO KIZU/木津幸三
釣り師・ゲーマー・競馬ライター

カミナリ様2009.08.26

私は雷が無性に怖い。最近のゲリラ豪雨など都会のビル群の
避雷針に落ちている光景は「この世の終わりか」と思うくらい怖いコト。

釣りをしていると、自然のエネルギーの凄さを体感できますが、
釣り師にとって、雷は天敵とも言えます。なぜなら、海釣りの長い竿は、
通電性が高いとされるカーボンで出来ていて、何よりも、5メートルもある竿を
上に掲げたら、まさに「避雷針=落ちてください」状態だからです。
カーボン製じゃなくても、長ければ避雷針になり、ましてや「水」という
電気のパワーを助ける物質の近くで釣っているのだから、危険と隣り合わせなのです。

私自身、身をもって雷の力を感じたことがあります。
夏のある日、防波堤で釣りをしていました。よく晴れた暑い日でしたが、
夕暮れが近づく頃に異変が起こりました。竿を持つ手に痺れる感覚があるのです。
それは冬に起こる静電気の瞬間的な「バチッ!」ではなく、電気マッサージ器のような感じで。
初めは普通に手が疲れたのかと、「雷」の文字が浮かばなかったのですが、
ただの痺れにしては引かないし、よく見ると海の遠く向こうでは雨雲が見えるので、
「これは雷の電気なのか?」と思いましたが、危険を感じるほどではありませんでした。

ところが・・・。
その時は「ウキフカセ釣り」という釣り方でしたが、釣り糸に異変が起こったのです。
その釣り方は、一般的に釣りの表現のイラストなどで使われる感じの、
道糸にウキをつけて浮きが沈んだら、魚を掛けるもの。その時は20メートルくらい先の
ポイントに振り込んでいたのですが、竿からウキまでの道糸がアーチ状になり、
「糸が宙に浮いた状態」になりました。当然、普通なら仕掛けを海に投げたら糸も着水し、
海水に馴染んでいくのですが、ウキまで綺麗にアーチ状に・・・。
実際はもっと短かったかもしれませんが、感覚では1分くらいは
糸が浮いたままで、「へ? 何じゃこりゃ・・・静電気?」。

確かに手の痺れも消えないし、この現象を目の当たりにして、すぐに竿をたたむことにしました。
片付けている間に雲行きはどんどん怪しくなり、片付け終わって間もなく、ゴロゴロ~ドーン!の
連発がスタート。当然、雷が近くで鳴り始めたら、すぐに釣りは止めるべきだし、ほとんどの釣り師は
そうしていると思います。この時、僕ももし釣りを続けていたら、命に関わるリスクを
日常生活よりもかなり高い確率で抱えていたのです。ゲリラ豪雨の頻度の高くなった最近は
特に注意が必要だと思います。

釣りをしている時の怖さがあるからか、都会の雑踏の稲光を見ても、あの痺れを思い出してしまいます。

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KOZO KIZU/木津幸三
釣り師・ゲーマー・競馬ライター