ハンガリーGPでハミルトンが今期2勝目をあげ、ロータスのライコネンとグロージャンが2位、3位に入ってから5週間がたった。
ハンガリーGPまでで全20戦中11戦を消化したから今シーズンは残すところあと9戦となる。
これまでに3勝し全レースでポイントを獲得しているアロンソはチャンピオンシップポイント164を積み上げて優位に立っている。
現時点でランキング上位の各ドライバーとの差は、ウエバー40ポイント、フェッテル42ポイント、ハミルトン47ポイント、ライコネン48ポイントとなっている。
このうち一人のドライバーがアロンソに毎レース10ポイントの差(1位と3位、4位と9位の差)をつけ続けたとして逆転するまで5レースかかる。
アロンソがリタイアしたレースで2回優勝すれば逆転できる。
しかし、信頼性の高くなった近年のF1ではマシントラブルによるリタイアはかなり少なくなっている。
アロンソは23戦連続ポイント圏内でフィ二シュしている。
4度ワールドチャンピオンになったアラン・プロストを髣髴とさせるしぶとさだ。
しかもアロンソはプロストと違って雨にも強い。
アロンソ追撃の旗印として現時点で最も注目されているのはロータスのライコネンだ。
ロータスはシーズン前のテストで強度不足が発覚して序盤の開発でつまずいたが徐々にマシンの信頼性を増して中低速サーキットではめっぽう速くなった。
今回もダブルDRSを装備してDRS動作時のスピードを向上させてくる。
元チャンピオンのライコネンも安定した速さを示すようになった。
近いうちに優勝するに違いない。
マクラーレンもようやくマシンのアップデートがはまりハンガリーGPでハミルトンが予選から決勝まで速さを見せた。
夏休みの間にもアップデートは用意されているだろう。
レッドブルは過去2年間ほど圧倒的なマシン性能のアドバンテージを築くことができないでいる。
チャンピオン・ドライバーであるフェッテルの真価が試される年だ。
ベルギーGPにピレリはミディアム・タイヤとハード・タイヤを供給する。
両方ともソフト・タイヤに比べると扱いにくそうだ。
もっとも、ベルギーGPの行われるスパ・フランコルシャン・サーキットはスパ・ウェザーといわれるぐらいレース中の天候が変化することが多いからインターミディエイトとレインもかかわってくるかもしれないので不確定要素が多くなるだけだ。
プラクティス、予選、決勝の中で4種類のタイヤをタイミングよく使いこなしたチームが勝つことになる。
ベルギーGPの行われるスパ・フランコルシャンは1周7Kmと長く高低差のあるコースだからドライバーの度胸が試される。
鈴鹿同様、自然地形に沿って作られているので、最近の幾何学的でどこも同じようなレイアウトのサーキットと違って個性がある。
スパ好きなドライバーは多いが、なんと言ってもこのサーキットで鮮烈なデビューを果たし、7回ワールドチャンピオンを獲得し今回300戦目のGPになるシューマッハが筆頭だろう。
ハンガリーGPは1位ライコネン、2位ハミルトン、3位フェッテル、4位アロンソ、5位可夢偉、6位シューマッハ、7位ロスベルグ、8位バトン、9位ウエバー、10位マッサかな。
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