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YUKICHI OTSUKA 大塚雄吉
F1 ウォッチャー
幼少期にF1に魅せられ、50年以上にわたって、日本製のF1が出ていなくても、日本人F1ドライバーがいなくても50年以上にわたってF1を見続けてきた、F1 ウォッチャー。

Formula One 2021(17)2021.10.22

トルコGPは、ボッタスが圧勝した。
ボッタスはポールポジションからスタートし、マシンのパフォマンス差を利して、トップ独走のアドバンテージを使い切った。
今回はハミルトンのアシストをする必要がなかったので、ファーステスト・ラップも記録し、トルコGPを完璧な形で制した。

フェルスタッペンは、メルセデスに対抗できるだけのマシンパフォマンスはなかったが2位でフィニッシュすることができた。
3位にはペレスが入り、フランスグランプリ以来の表彰台となっただけでなく、フェルスタッペンの2位獲得に貢献した。

ハミルトンは、予選トップタイムを出したが、ICEを交換したため決勝レースは11番グリッドからの追い上げることになり、レッドブル軍団の3台が前にいたこともあって、5位まで追い上げるのが精いっぱいだった。

フェルスタッペンがチャンピオンシップ・ポイント・リーダーに返り咲き、ハミルトンは6ポイント差で追うことになった。

トルコGPは、予選開始直後から、メルセデス対レッドブルの壮絶な戦略と戦術が展開された。
イスタンブールでは、メルセデスにレッドブルは歯が立たなかった。
予選トップのハミルトンと3番手のフェルスタッペンのタイム差は0.328秒あった。
予選2番手のボッタスはハミルトンから0.130秒遅れだが、本当はボッタスのほうが速く、チームオーダーでハミルトンのスタート順位を少しでも上げるために譲った可能性が高い。

レッドブルは、メルセデスに実質0.5秒近く離されていたが、アルファタウリも含めた4台がトップ10に入っており、ハミルトンはフェルスタッペンに到達するまでに、レッドブル勢の3台を抜く必要がある。
しかも、ハミルトンは、フェルスタッペンを抜いて2番手にならない限り、ボッタスから優勝を譲ってもらうこともできない。

決勝レースは、ウエット路面で、全車ミディアムタイヤを履いてのスタートとなった。
ポールポジションのボッタスはきれいなスタートを決め、2番グリッドのフェルスタッペンが続く。

ハミルトンはは1周目を終えたところで9番手まで上がり、8番手の角田に迫っていた。
ここからハミルトンは9周目まで角田を抜くことができず、その間にフェルスタッペンとハミルトンの差が17秒まで開いてしまった。
ハミルトンにとっては、序盤でフェルスタッペンにこれだけのタイム差をつけられたことと、角田との攻防でタイヤを必要以上に消耗したことが、終盤になってボディブローのように効いてくることになる。

この後、ハミルトンはガスリーを15周目に下して5番手になるが4番手にはペレスがいる。
32周目に、ハミルトンはペレスの背後に迫るが、ここから、ペレスは38周目まで6周に亘ってハミルトンを抑えこの間にフェルスタッペンはタイヤを交換してハミルトンの前でコースに復帰していた。
フェルスタッペンとハミルトンの差は3秒以下に縮まるが、タイヤの差がありこれ以上差を詰めることができない。
ハミルトンは、使い古したタイヤでゴール迄粘ってフェルスタッペンの前に出るチャンスを伺うが、じりじりトタイムが落ちていき、遂に51周目にタイヤ交換する。
ハミルトンは、そうしなければガスリーに抜かれて6位になる危険性があったのだ。

シーズン後半になって、フェラーリ、ルノーとメルセデスが戦略的に4基目のPUを投入し始めている。
フェルスタッペンももらい事故により4基目を投入している。
PUメーカー直系の4チームは、4基目を投入することによって、ICEの耐久性を犠牲にしてもエンジンをリミット近くまで使って、パフォーマンス・ゲインを得ようとしているのだろう。
今シーズンの争いは、し烈だ。

次は、USGPだ。
ハミルトンはこのコースを得意としている。
アロンソも効力方法を知っているようだ。
レッドブル・ホンダはメルセデストンパフォーマンス・ギャップを埋めることができるだろうか。
ハースにとっては、ホームレースだ。

USGPは、1位フェルスタッペン、2位ハミルトン、3位ボッタス、4位ペレス、5位ルクレール、6位サインツ、7位角田、8位ガスリー、9位フェッテル、10位アロンソかな

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Formula One 2021(16)2021.10.08

ロシアGPは、ハミルトンが勝利をものにした。
これで、ハミルトンはF1通算100勝目を達成した。
フェルスタッペンは、4基目のPUに交換したことにより最後尾スタートとなったが、順調に追い上げて、最後には望外の2位でフィニッシュした。
3位には難しい路面に強いサインツが入った。
残り3周というところまでトップを走っていたノリスは、タイヤ交換のタイミングを見誤り、最終7位でレースを終えた。

ロシアGPの予選は、濡れた路面で始まった。
Q1とQ2は各車インターミディエイト・タイヤを装着して走行した。
Q3も最初はインターミディエイトでスタートしたが、ここで、またしても、ウイリアムズのラッセルがドライ・タイヤに交換してアタックし、トップタイムをマークする。
これを見た他のチームも慌ててドライでアタックした。
そして、ラッセルと並んでセミ・ウエットにめっぽう強いノリスがポール・タイムをたたき出した。
ノリスは、ベルギーで逃したポールポジションを獲得した。
2番手にはサインツ、3番手にはラッセルが入り、トップ3を新世代のドライバーが占めた。
フェルスタッペンは最後尾が決まっているので予選アタックをしなかったこと、ハミルトンはフェルスタッペンが最後尾なので、滑りやすい予選で無理をしてクラッシュするリスクを避けた走りをしていた。
とは言え、この3人の予選パフォマンスは見事だった。

決勝レースはドライコンディションでのスタートとなった。
サインツが好スタートを決めてトップに立った。
ノリスは1.5秒以内の2番手につけてサインツを追っていたが、13周目にサインツをかわしてトップの座を奪い返した。
15周目までには、リチャルドは2番手、スタートで後退したハミルトンが3番手に、フェルスタッペンは最後尾から8番手まで順位を上げていた。
リチャルドは23周目までハミルトンを抑え続けてノリスを援護した。
この時点で、フェルスタッペンは5番手まで進出している。

残り5周時点でも、ノリスは巧みにハミルトンを抑えてトップを維持していたが、残り4周で雨脚が強くなりはじめ、トップを走るノリスはピットのタイヤ交換の指示には従わず、ドライ・タイヤで走り続ける。
残り3周となったところでハミルトンはピットに入った。

ノリスは51周目途中でスピンし、ハミルトンにトップの座を明け渡した。
終盤の雨でノリスの初ポール・ツー・ウインは手の平から零れ落ちた。
次はトルコGPだ。
本来ならばこの週末は日本GPに割り当てられていたのだが、オリンピックは許可しても、自動車レースは許可しない日本政府のせいで中止に追い込まれた。
MOTO・GPもラリージャパンもWECも中止にされたことに対して鈴鹿のイベントに参加した豊田社長は、なぜ、5輪が良くて、4輪と2輪はダメなんだと皮肉った。

レッドブルは、トルコGPではブルーを白に塗り替えて、日本語で「ありがとう」の文字をペイントしたマシンで戦う。
第1世代ホンダF1をインスパイヤしたペインティングでおそらく、鈴鹿用に用意されていたものだろう。

トルコGPは、1位フェルスタッペン、2位ペレス、3位ハミルトン、4位ノリス、5位ルクレール、6位ガスリー、7位角田、8位サインツ、9位フェッテル、10位アロンソかな。  

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