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YUKICHI OTSUKA 大塚雄吉
F1 ウォッチャー
幼少期にF1に魅せられ、50年以上にわたって、日本製のF1が出ていなくても、日本人F1ドライバーがいなくても50年以上にわたってF1を見続けてきた、F1 ウォッチャー。

Formula One 2014(4)2014.04.18

バーレーンGPは、またもやメルセデスが圧勝した。
ハミルトンとロスベルグは異なるタイヤ戦略をとっていたが、勝ったのはハミルトンで、ロスベルグはハミルトンの1秒後にゴールした。
これでメルセデスは3連勝、しかも、2戦連続1・2フィニッシュとなった。
3位のペレスはロスベルグから23秒も離されていた。
ペレスは久々にペレスらしい走りを見せてくれた。
ペレスはF1デビュー戦のころからタイヤをもたせることの巧さが際立っていたが、久々にその能力を充分に発揮したレースを見せて表彰台に立った。

結果だけを見るとつまらないレースだったように見えるが、実は3位から10位まではめまぐるしく順位の入れ替わる激しい戦いが演じられ、これぞレーシングと言うようなシーンが各所で見られた。
結果も3位ペレスから6位フェッテルまでが6秒足らず、フェッテルから10位ライコネンまでが4秒足らずしか離れていない。
この8人のドライバーは誰が3位でも10位でもおかしくないほどのバトルを演じていたのだ。
特にメルセデスPUを搭載する昨年の中位、下位チームであるフォースインディアとウイリアムズの進境は著しく、フェラーリに乗る元ワールドチャンピオンのアロンソとライコネンを9位と10位に退けるほどの速さだ。
おかげで、レースは異次元の速さを見せるメルセデスよりも3位以下のバトルが注目されることとなった。

このままメルセデスが今シーズンを圧勝し続けたとしてもこのようなバトルがある限りF1は面白い。
可夢偉は、やっとまともに土曜日と日曜日を走れたが、今のカーターハムは発展途上マシンなので、まだまだやることはいっぱいある。
中盤まではマシンの性能以上のタイムを出してトップ10を覗う位置につけていたが、終盤は燃料が足りなくなりスローダウンしたために15位に入るのが精一杯だった。
今回の新人たちは、クビアト11位、マグネッセンとエリクソンはリタイアという結果に終わった。

今年も不振のスタートを切ったフェラーリF1チーム代表のドメニカリが辞任を発表した。
フェラーリは2008年以来6年間チャンピオンシップから遠ざかっている。
このままだと7年連続になる。とはいっても、フェラーリは1984年から1998年の間、15年間もチャンピオンの座に着けないでいた。
ドメニカリを追い出しただけでは事態は好転しないだろう。
1999年から2004年にわたったフェラーリ黄金時代を作り、最近メルセデスを去ったばかりのロス・ブラウンを呼び戻すなら話は別だが・・・。

第4戦はチャイナGPだ。
上海サーキットでもメルセデスの優位は揺るがないだろう。
長いストレートが2本あるのでメルセデスPU勢にとっては有利だ。
上位チームはアップデートを投入してくると思われるが、パワーユニットとギア比は変えられないから、空力面とPU制御の改良が主体になる。
バーレーンではクラッチ・トラブルで2台ともリタイアしたマクラーレンがどう巻き返してくるか楽しみだ。
5人のチャンピオンたちとロスベルグはここでの優勝経験がある。
土曜日と日曜日の天気は曇りの予報となっているが、ここでは急に雨が降ることもある。
雨がメルセデスの独走を阻んでくれると面白いレースになるだろう。

バーレーンGPは1位ロスベルグ、2位ハミルトン、3位バトン、4位フェッテル、5位ライコネン、6位アロンソ、7位ペレス、8位マグネッセン、9位ボッタス、10位ハイドフェルドかな。

2014 ©Yukichi Otsuka, All Rights Reserved

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YUKICHI OTSUKA/大塚雄吉
学会ネット株式会社 代表

Formula One 2014(3)2014.04.03

マレーシアGPはテスト走行と予選こそ雨に見舞われたものの決勝はほぼドライコンディションの中で戦われた。
初戦のオーストラリアGPでポールを獲りながらリタイアに終わったハミルトンが今期1勝目を上げ、予選3番手のロスベルグが17秒遅れの2位に入った。
これでメルセデスは開幕戦から2連勝となった。
昨年までのレッドブルにメルセデスが取って代わった。

フェッテルはドライコンディションならメルセデスとのラップタイム差が1秒はあるレッドブルを雨の中で見事に操って予選2番手につけた。
しかし、決勝のスタートが悪く(おそらくマシンのせいで)3番手に落ちロスベルグから2位の座を奪い返すべく必死に食い下がったが、最終的には3位に甘んじた。

アロンソは今のフェラーリでやれることはすべてやったが、結果はマレーシアと同じ4位。
ヒュルケンベルグは2ストップで走り切って5位に入った。
以下、バトン6位、マッサ7位、ボッタス8位、マグネッセン9位、クビアト10位の順でゴールした。

可夢偉は、フリー走行時間帯にマシントラブルでほとんど走れなかったために、まともにセッティングのできていないマシンで決勝を走った。
しかし、力強い走りで13位に食い込んでみせた。
マシンの実力を大きく上回る成果だ。
とはいえ、トップ10フィニッシュまでにはまだまだ遠い道のりが待っているだろう。
2010年にザウバーに乗り始めたころよりも厳しい状態のように思える。
昨年の最下位チームだから仕方はないが・・・。

新人二人は2戦続けて好成績を残した。
クビアトは新人らしいアグレッシブな走りを見せている。
マグネッセンは上位チームからの出走というプレッシャーに負けず、マシンの性能にふさわしい結果を出した。

開幕2戦を見ると、今シーズンはメルセデスPUユーザの老舗チーム、マクラーレンとウイリアムズが復活した。
特にウイリアムズは昨年もう少しでシーズン・ノーポイントに終わるところだったとは思えない躍進ぶりだ。
ウイリアムズは、元来メカニカル・トラクションの良いマシンを作るノウハウがあるから、空力のウエイトが低くなった今年はこのノウハウが生きる。
ルノーPUユーザの中ではやはりレッドブルの開発力はすごい。
メルセデスにパワーで大幅に差をつけられているにもかかわらずセパンのセクター2では速かった。
やはり、レッドブルは、空力・コーナリングマシンだ。トロロッソもルノーPUながら良い結果を出している。
フェラーリは相変わらず3番手マシンしか作れない。
アロンソのフラストレーションは続く。ヒュルケンベルグはトップチームにいれば優勝できるだけの実力がある。
今年はタイヤに振り回されることがないかわりにパワーユニットに振り回される一年になりそうだ。

第3戦はバーレーンGPだ。
今年で10回目になる。
フェッテル、アロンソ、マッサ、バトンは優勝経験がある。
中でも、アロンソは3勝している。
フェラーリはここでは強いので、これまでの2戦のようにメルセデスの独走とはならないかもしれない。
フェッテルがトロロッソ時代以来の劣勢マシンでどのように戦うかが見ものだ。
直線とコーナーが程よく組み合わさったコースで夕暮れ時に走行するバーレーンGPが混戦になればいいが。

バーレーンGPは1位ロスベルグ、2位フェッテル、3位アロンソ、4位ハミルトン、5位ライコネン、6位バトン、7位マッサ、8位マグネッセン、9位リチャルド、10位クビアトかな。

2014 ©Yukichi Otsuka, All Rights Reserved

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