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YUKICHI OTSUKA 大塚雄吉
F1 ウォッチャー
幼少期にF1に魅せられ、50年以上にわたって、日本製のF1が出ていなくても、日本人F1ドライバーがいなくても50年以上にわたってF1を見続けてきた、F1 ウォッチャー。

Formula One 2013(6)2013.05.25

スペインGPはアロンソが見事な勝利を飾った。
ライコネンはアロンソを追いきれず2位、マッサは3グリッド降格の9番手スタートから3位に入った。
3回の予定が4回ピットインしたフェッテルとウエバーのレッドブル勢は4位と5位にはいるのがやっとだった。
6位には2戦連続ポールスタートながら、決勝では全くペースのなかったロスベルグが入り、7位には0.9秒差でディレスタが入った。
8位、9位はマクラーレンのバトン、ペレス、10位にはトロロッソのリチャルドが入った。
ディレスタはホイルナットトラブルでリタイアしたマレーシア以外の4戦で入賞、リチャルドは今回で2回目の入賞となった。

それにしてもホーム・グランプリで、アロンソは勝つべくして勝った。
もともとフェラーリは予選よりレース向けのセッティングを重視しているが、アロンソは予選5番手だった。
抜き場所の少ない(と思われていた)カタルーニャのコースではスタートでできるだけ前に出たほうが有利だ。
しかも、決勝のペースが悪いメルセデスの2台がフロントローを固めている。
序盤にメルセデス2台の前に出てしまわないと優勝を狙うのは厳しくなることは明らかだ。
アロンソは、レース巧者なだけではない。
どうすれば少しでも前のポジションでゴールできるかあらゆることにを配って可能性を高めようとしているのだ。
スペイングランプリのスタート直後の第3コーナーで2台を抜いて3番手まで進出した。
これは、前座のGP2レース見ていて第3コーナーでアウト側から抜いているところを見て取ってこれは使えると考えて決勝で実行したのだ。
フェラーリ・チームは当初からを4回タイヤ交換作戦を立てて、これが見事にはまった。
レッドブル・フェッテルとは好対照だ。ピレリには批判が集中し、カナダGPからタイヤのコンパウンドを保守的にするようだ。
4回もタイヤ交換があると、マシンごとにタイヤ交換のタイミングが違うから、本当はいったい誰が前を走っているのか分からなくなって、レース観戦の楽しみは半減だ。

第6戦は、グランプリの中のグランプリ、モナコGPだ。
F1は1950年に始まった当初と比べてあまりにも速くなってしまった。
もはや、予選でポールを取って逃げ切るしかモナコで勝つ方法はなくなってしまった。
ピレリは、モナコは一般公道なので路面のミューが低いからタイヤ交換が2回で済むだろうと言っている。
今シーズンはフランス人ドライバーが4人もいるのにフランスGPがないから南フランスの中にあるモナコでのグランプリはホーム・グランプリのようなものだ。
昨年はスタート直後にぶっ飛んで他のドライバーたちに迷惑をかけたグロージャンは、今年はどんな走りを見せるか楽しみだ。
今シーズン、これまで苦しい戦いをしているマクラーレン、ウイリアムズなどの歴史あるチームはたくさんデータを持っていてモナコでは強い。
予選は速いが決勝は遅いメルセデスも予選でポールさえとってしまえばそのまま抑えきれるかもしれない。
ロスベルグはモナコ予選上位の常連だ。ウエバーはタイヤに負担がかからないためかモナコを得意としている。

モナコGPは1位ロスベルグ、2位アロンソ、3位グロージャン、4位マッサ、5位フェッテル、6位バトン、7位ウエバー、8位ペレス、9位マルドナド、10位ヴェルニュかな。

2013 ©Yukichi Otsuka, All Rights Reserved

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YUKICHI OTSUKA/大塚雄吉
学会ネット株式会社 代表

Formula One 2013(5)2013.05.10

バーレーンGPはフェッテルが今期2勝目をあげた。
完璧なレースだった。
タイヤの耐久性がいいとレッドブルのほうがロータスより少し有利になる。
2位にはライコネンが入り、少し離された3位には同じロータスのグロージャンが続いた。
ディレスタはもう少しのところで表彰台を逃し4位だった。
5,6,7、8位にはハミルトン、ペレス、ウエバー、アロンソが入ったが、最終的に5位から8位までは2.3秒しか離れていなかった。
ハミルトンはギヤボックス交換ペナルティのため9番手スタートだったが良く追い上げた。
同じメルセデスのロスベルグは、せっかくのポールポジションを生かせず9位に終わった。
ペレスはマクラーレン移籍後、最良の結果を出したが、その過程でバトンに追突するほどのバトルを演じてバトンを抜いた。
おかげで、バトンは10位に終わった。
ウエバーはグリッド降格ペナルティを受けた8番手スタートから一次2位まで追い上げたが、タイヤにやさしくない走りのせいか終盤は後退してしまった。
アロンソはDRSが故障で使えなくなりそのために2度もピットインするという状態から8番手まで追い上げた。
このような状況でもきっちりポイントを稼いでいくところがアロンソらしい。
フェラーリは、マッサもスタート時の接触によるフロントのダメージとタイヤのパンクによって後退したため15位フィニッシュとなり、散々な週末だった。
ピレリはチャイナGPであまりにも耐久性のないタイヤの問題があったことから、タイヤの組み合わせを当初予定より固めの組み合わせに変更して、ミディアムとハードをバーレーンに持ち込んだ。
今回は逆にこの2種類のタイヤの性能と耐久性の差があまりなかった。
そのため、チャイナほどタイヤに振り回されないレースとなったのは幸いだった。

第5戦からはヨーロッパに戻ってスペインGPだ。
2007年のスペインGPでは弱小チームだったスーパー・アグリの佐藤琢磨が前年のチャンピオンマシンであるルノーのフィジケラを抑えきって8位入賞したことが印象に残っている。
あれから6年経ったが、琢磨は2010年からインディ・シリーズに転向して、今年、第3戦ロングビーチで初優勝を飾った。
第4戦でも2位に入り、現時点でポイントリーダーとなっている。
昨年も、もう少しでインディ500優勝というところまでいったから、今シーズンは期待が膨らむ。攻撃的なドライビング・スタイルがアメリカのレースに合ってきたのかもしれない。

F1スペインGPに話を戻すと、バーレーンから3週間あったので、マシンに問題を抱えているチームは対策をする時間があった。
しかも、カタルーニァのコースは各チーム豊富なテストデータを持っている。
プルロッド・サスペンションにてこずっているマクラーレンやリヤのグリップがどうしようもないザウバーが対策を施して巻き返しを狙ってくる。
タイヤはミディアムとハードだから今回も安定しているだろう。
このサーキットはパッシングが容易ではないから予選が重要になる。アロンソにとってはホームグランプリだ。

バーレーンGPは1位アロンソ、2位フェッテル、3位ハミルトン、4位マッサ、5位ライコネン、6位バトン、7位ロスベルグ、8位ウエバー、9位リチャルド、10位ヒュルケンベルグかな。

2013 ©Yukichi Otsuka, All Rights Reserved

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学会ネット株式会社 代表