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YUKICHI OTSUKA 大塚雄吉
F1 ウォッチャー
幼少期にF1に魅せられ、50年以上にわたって、日本製のF1が出ていなくても、日本人F1ドライバーがいなくても50年以上にわたってF1を見続けてきた、F1 ウォッチャー。

Formula One 2017(8)2017.06.23

ハミルトンが圧倒的な速さでカナダGPを制した。
ハミルトンは、予選から他のドライバーを寄せ付けない速さを見せ、ポールとウインをやって見せた。
故アイルトン・セナとポールポジション数で並んだハミルトンには、セナのヘルメットが贈られた。
セナのヘルメットに似せたデザインのヘルメットでF1キャリアをスタートさせたハミルトンは感激しただろう。
ハミルトンは、最初にF1で勝ったカナダGPで完勝し、最高の週末となった。

フェッテルは予選で意地を見せた。
圧倒的に速いと思われたハミルトン+メルセデスに対して、0.33秒差で2番手に着けた。
このぐらいの差であれば、スタートで出し抜くこともできるし、レースペースが良ければ決勝でひっくり返すことも可能だ。
しかし、フェッテルはスタートで若干出遅れてしまい、隙間を見つけて突進してきたフェルスタッペンと接触し、4番手に落ちてしまった。
止むを得ず、5周目にピットインしたフェッテルは、優勝から遠ざかってしまった。
それでも、最後まであきらめずに走り、少しずつ順位を上げて4位でゴールしたのはさすがだ。
おかげで、チャンピオンシップ・ポイント首位の座を守ることができた。

ボッタスは、ジルビルヌーブ・サーキットではハミルトンに歯が立たず、予選でハミルトンから.6秒遅れの3番手、決勝ではフェッテルの後退のおかげで2位に入り、メルセデスのワン・ツー・フィニッシュに貢献したもののハミルトンには20秒近く離されてしまった。

リチャルドは、このコースではメルセデスに歯が立たないレッドブルのせいで、予選では振るわず、メルセデスから1.1秒遅れの6番手だったが、決勝では18周目で交換した新品のソフトタイヤで52周を走り切り、見事3位でゴールした。
ブレーキングとタイヤマネジメントの巧いリチャルドならではの快挙だ。

5位・6位にはペレスとオコンのフォースインディア・コンビが入った。
終盤になって、チームからペースの速いオコンに順位を譲るよう指示されたペレスはチーム・オーダー従わず走り続けた。
このために、オコンが表彰台フィニッシュできる可能性を潰してしまった。
7位には、終盤のブレーキトラブルで後退したライコネンが、8位には、スーパーソフトで59周引っ張ったヒュルケンブルグが入った。
地元、モントリオールのファンの声援を受けたストロールが9位に滑り込んだ。
実力不足と言われてきたストロールだが、ホームで結果を出した。最後のポイントをもぎ取ったのはスーパーソフトで68周も走ったグロージャンだった。

次は、アゼルバイジャンGPだ。
バクーの公道を利用したコースは、建物と建物の間をシケインのようにすり抜ける車1台分の幅しかないコーナーがあったりする。
半面、長いストレートを持つコースなので、結局はパワー勝負となり、去年までは、メルセデスにとって有利だと言われていた。
しかし、今年は、ここでフェラーリがアップデートされたPUを投入するらしいので面白い勝負になるかもしれない。
タイヤ交換は1回で充分だろう。

アゼルバイジャンGPは1位フェッテル、2位ライコネン、3位ボッタス、4位ハミルトン、5位フェルスタッペン、6位リチャルド、7位マッサ、8位サインツ、9位オコン、10位アロンソかな。

2017 ©Yukichi Otsuka, All Rights Reserved

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Formula One 2017(7)2017.06.08

フェッテルが伝統のモナコGPに優勝した。
ライコネンは、ポールポジションをとりながらフェッテルより先にピットインさせられ、後からピットインしたフェッテルにかわされ、不満の残る2位でゴールした。
3位には、予選では5番手から決勝で見事に競りあがったリチャルドが入った。
今年もピットインのタイミングでレースが決まった。

今年のモナコGPは、終日晴れていたので、決勝のコース上で他者を抜くチャンスはほとんど皆無だった(1周のタイム差が3秒あっても決勝で抜くことは不可能といわれている)。
こうなると、予選の順位のほうが決勝よりも重要になる。
モナコは1周が3.7Kmしかないので、予選、特に、Q1とQ2ではマシンが混雑してクリアラップがとりにくい。
トップ3チーム(フェラーリ、メルセデス、レッドブル)の6人のドライバーのうち、ハミルトンがこれにはまって、Q2で敗退してしまった。
フェラーリの2台は圧巻の速さを見せ、ライコネンがフェッテルに0.043秒差でポールを獲得した。
ボッタスは予選3番手、フェルスタッペンは4番手、リチャルドは5番手だった。
ライコネンからリチャルドまでは0.8秒差で1分12秒台の予選タイムだった。

レッドブルは、パワー・ハンデの少ないモナコで優勝を狙っていた。
しかし、この予選順位では、上位3台がトラブルでリタイヤでもしない限り優勝はおろか表彰台フィニッシュも簡単ではない。
マクラーレン・ホンダは2台そろってQ3に進出したが、バンドーンは前戦のペナルティで13番手、バトンはPU交換ペナルティで最後尾スタートとなってしまった。

決勝はクリーン・スタートで、上位はスターティング・グリッド通りの順番で周回を重ねていった。
モナコは、一般公道なので、路面の摩擦抵抗が少なく、一番柔らかいウルトラ・ソフトでもレース距離の半分以上はもつから、ピットインのタイミングはかなり幅広い。
27周目あたりから周回遅れが出始め、まず、フェルスタッペンが33周目、ボッタスが34周目にピットインした。
トップのライコネンはチームがフェッテルのアンダーカットを嫌ったためか35周目にピットインした3位でコースに戻った。
フェッテルはここからの4周渾身のドライビングで飛ばし、39周目にピットイン、ライコネンの鼻先でコースに戻った。
リチャルドも39周目までタイヤ交換を遅らせたおかげで、ボッタスとフェルスタッペンの前に出ることができた。
ハミルトンは、決勝が13番手グリッドからのスタートだったが、タイヤ交換を47周目まで遅らせて追い上げた結果、7位に入ることができた。
今年のモナコは、スタートから40周以上ウルトラ・ソフトで引っ張るのが正解だったようだ。
(トップ5は予選で3周以上走ったタイヤ、ハミルトンは新品でスタートしている)

次は、カナダGPだ。ジル・ビルヌーブ・サーキットは、公道舗装に近い路面と長いストレートをヘアピンとシケインで繋いだようなコースで、PUとブレーキにとっては厳しい。
このコースではパワーがあってもブレーキの耐久性がないマシンは生き残れない。
久々のカナダ人F1ドライバー、ストロールにとっては初めてのホームレースになる。
インディ500参戦で引き出しの増えたアロンソが何か面白いものを披露してくれるだろうか。

カナダGPは1位ハミルトン、2位ライコネン、3位フェッテル、4位ボッタス、5位リチャルド、6位マッサ、7位フェルスタッペン、8位ペレス、9位オコン、10位アロンソかな。

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