- YUKICHI OTSUKA 大塚雄吉
F1 ウォッチャー
- 幼少期にF1に魅せられ、50年以上にわたって、日本製のF1が出ていなくても、日本人F1ドライバーがいなくても50年以上にわたってF1を見続けてきた、F1 ウォッチャー。
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Formula One 2022(13)2022.07.29
フェルスタッペンは、ライバルであるルクレールがリタイヤしたことから、最後はクルージング状態で走り、フランスで今期7勝目を飾った。
ハミルトンが2位、ラッセルが3位でゴールし、メルセデス勢は久々に二人のドライバーが表彰台に立った。
フェルスタッペンは、フランスGPで優勝を果たしたことにより、チャンピオンシップ・ポイントを233まで伸ばし、今回リタイヤでノーポイントだったルクレールとの差を63に広げた。
金曜日のフリープラクティスから、フェラーリとレッドブルはほぼ互角の速さをみせていて激しいポールポジション争いが繰り広げられるであろうことが予想された。
レッドブルに関して言えば、フェルスタッペンとペレスのタイム差があるのが気にかかるところだ。
フェラーリ・サイドでは、ルクレールとサインツは同等の速さを示しているが、サインツは前戦のPU火災により新しいPUを積む必要が生じ、年間規定PU台数超過ペナルティでグリッドは最後列になる事が決まっている。
サインツと同様の理由でハースのマグネッセンも最後列スタートが決まった。
週末が始まる前は、ポールリカールのコースは長い直線があることからレッドブルが優位に立っていると見られていた。
しかし、フェラーリは、新しく投入したリアウイングが機能し、中低速コーナーだけでなく直線も速くなった。
予選が始まると、フェラーリ制覇レッドブル勢を凌ぐタイムで Q1と Q2を突破した。
最後尾グリッドのサインツは本来なら Q1だけを出走してセットアップのチェックをするだけのところを Q2にも出走してトップタイムで通過してQ3に進んだ。
これは、Q3でサインツがルクレールにトゥを与えて確実にポールポジションを獲らせるためだった。
サインツは、この役目を完璧にやってのけ、ルクレールはトップタイムをマークした。予選2番手はフェルスタッペン、3番手はペレスという結果になった。
4番手以下は、ハミルトン、ノリス、ラッセル、アロンソ、角田の順だった。
角田は、大幅なアプデートの施されたアルファタウリのセットアップを短時間で進め、久々に予選トップ10内に返り咲いた。
ルクレールは、決勝レースのスタートをクリーンに決めて、フェルスタッペンを従え1コーナーを抜けていった。
ハミルトンも好スタートを決めてペレスの前に出て3番手に進出した。
角田は2周目の2コーナーでオコンにぶつけられたことにより、フロアが大きなダメージを受け、18周目まで粘ったがリタイヤすることになった。
フェルスタッペンは、スタート直後からルクレールの1秒以内につけて、いつでも抜ける体制にあったが、なかなか前に出ることができないない。
このままで行くと前を走るルクレールの方がタイヤ温度が上がらず有利だ。
フェルスタッペンは、6周目と7周目にパッシングを試みるが成功しない。
15周目、フェルスタッペンは、まだ、ルクレールから2秒以内にいるが、ジリジリと離されている。
このままいけば手詰まりになるフェルスタッペンは、16周目を終わったところでにピットインし、ハードタイヤに交換してアンダーカットを狙う。
ルクレールは、速くピットインして呼応しないとアンダーカットされてしまう状況になった。
ルクレールは、ハイペースで迫るフェルスタッペンのプレッシャーを感じたのか18周目の11コーナーでコースアウト、クラッシュしてリタイヤとなってしまった。
ここでセフティカーが入り、タイヤ交換を済ませていない車が一斉にピットインしたことで、フェルスタッペンはトップに立った。
この時点でサインツは最後尾から9番手まで上がってきている。
21周目にセフテイカーが引っ込み、レースが再開された。
2番手に進出してフェルスタッペンとの差がなくなったたハミルトンが隙あらばとフェルスタッペンの背後から窺うが、むしろ、マシンの性能差から、少しづつ差は広がっていった。
22周めにサインツは5番手まで上がった。
30周目にはフェルスタッペンとハミルトンの差は4秒近くになった。
フェルスタペンは、他車より2周分古いタイヤを労わるため、ハミルトンとの差をこれ以上広げることよりもタイヤを最後まで持たせることに専念する。
ハミルトンもフェルスタッペンを抜くことは諦め、むしろ3番手のペレスとの差を見ながらレースを進めるようになった。
これで、ほぼワンツーのフォーメーションは決まってしまった。
終盤になって、VSCが出た際の再スタート時に、VSC解除サインがマシン上のパネルに出なかった間隙をついてラッセルがペレスの前に出て3番手を奪った以外は、大きな波乱なくレースは終了した。
サインツは、見事な追い上げの結果、5位でゴールした。
ファーステストラップは、サインツが記録した。
ルクレールとフェラーリは勝てる可能性のあるグランプリを取りこぼしてしまった。
チャンピオンシップの行方を考えるとかなり痛い。メルセデスは、レッドブルとフェラーリにかなり近いパフォーマンスを示すようになった。
決勝のラップタイムであと0.2秒といったところだろうか。
次は、ハンガリーGPだ。
ハンガロリンクは、中速コーナーの連続で抜くことが難しいコースとして知られている。
フェラーリが有利なコースと考えられるが、レッドブルがダウンフォースのセッティングをうまくまとめてくると、互角になることも考えられる。
ハンガロリンクは今年のメルセデスにも適しているし、メルセデスはマシントラブルがないのが強みだ。
アロンソとハミルトンはハンガロリンクを得意としている。
クビサはFP1に出走するのだろうか?
ハンガリーGPは1位ルクレール、2位フェルスタッペン、3位ペレス、4位サインツ、5位ハミルトン、6位ラッセル、7位角田、8位アロンソ、9位ノリス、10位フェッテルかな。
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Formula One 2022(12)2022.07.22
ルクレールが、オーストリアGPの長い週末を優勝で締め括った。
フェルスタッペンは決勝でルクレールの脅威となることはできず2番手でゴールして、チャンピオンシップのダメージをば最小限に留めた。
ハミルトン・メルセデスはレースを通じての総合力でフェラーリとレッドブルには及ばず、3位でレースを終えた。
フェルスタッペンとルクレールのチャンピオンシップ・ポイントの差は5ポイント縮まって38となった。
ルクレールは、マシントラブルやチームの作戦のせいでフェルスタッペンに引き離されていたが、ようやくすべてが噛み合って勝つ事ができた。
ここでルクレールが勝ったことによって、シーズン後半のチャンピオンシップ争いが面白くなってきた。
今年のオーストリアGPは、土曜日にスプリントレースがあるので、予選は金曜日の午後に行われる。
今回、フェラーリは好調で予選 Q1はルクレールがトップタイムを出したが Q3はフェルスタッペンがセクター1とセクター2のタイムを僅かに犠牲にしてセクター3のタイムを伸ばす頭脳的走りでポールポジションをゲットした。
とはいえ、2番手ルクレールとのタイム差は僅か0.029秒だった。
予選3番手以下はサインツ、ペレス、ラッセル、オコンが続いた。
ただし、ペレスはQ2のトラックリミット違反をQ3が終わってからとられたため、13番グリッドからのスタートとなった。
スプリントレースは、24周で争われる。
スタートで、ポールから飛び出したフェルスタッペンはフェラーリ2台を抑えて1コーナーを通過する。
フェルスタッペンは4周目までに2番手ルクレールとの差を2秒以上に拡げDRS圏外で首位を独走する。
ルクレールとサインツが2位争いをしているためににフェルスタッペンとのギャップが縮まらない。
サインツとの2位争いに決着を付けたルクレールはファーステストラップを連発してフェルスタッペンを追ったが、逃げ切られてしまった。
スプリントレースの1位はフェルスタッペン、2位ルクレール、3位サインツ、4位ラッセル、5位ペレスとなった。
ペレスは13番手スタートから5位まで追い上げたが、24周ではこれが精一杯だった。
フェルスタッペンはルクレールに勝ったが、タイヤが厳しかったのでルクレールにそれほど差つけられなかった。
フェラーリの方がタイヤには余裕があっったように見える。
決勝レースの1番グリッドからスタートしたフェルスタッペンは、スプリントレース同様、フェラーリの2台を従えて1コーナーを回るラッセルとペレスが4番手争いをして接触し、ペレスがコースアウトした。
フェルスタッペンはトップの座を守ろうと逃げるが、決勝ではフェラーリ同士の争いがなかったルクレールはフェルスタッペンから1秒以内をキープしながらいつでも抜ける状態で後につけている。
そして、ルクレールは、12周目にタイヤに苦しむフェルスタッペンを、あっさりと抜き去ってトップに立った。
フェルスタッペンは、13周を終えたところでピットインしてタイヤをミディアムからハードに交換し7番手まで後退する。
ハードタイヤに履き替えたフェルスタッペンは、8周目には3番手に復帰する。
26周目には、ルクレールとフェルスタッペンの差は14秒まで縮まった。
26周目が終わったところでルクレールがピットインフェルスタッペンの6.7秒後でコースに戻る。
2ストップしないといけないフェススタッペンはルクレールとの差を20秒以上広げないといけないが逆に差を詰められる。
ルクレールは33周目に難なくフェススタッペンを抜きトップに躍り出る。
フェルスタッペンは、37周目に2度目のピットインをして3番手に下がる。
ハミルトンはフェルスタッペンの6秒後まで迫っている。
この時点でフェルスタッペンはフェラーリの2台を追うよりハミルトンとの差を気にしなけらばならなくなった。
ルクレールは50周目を終わったところでピットインしてハードに履き替えるが、あっという間にフェルスタッペンに追い付き、53周目には難なくフェルスタッペンをオーバーテイクし、トップを独走し始める。
タイヤの劣化が激しいフェルスタッペンは、なす術がない。
57周目にフェルスタッペンまで1秒以内に狭ていたサインツのエンジンが火を噴いた。
これでフェラーリのワンツー・フィニッシュは無くなった。
60周目にはVSCが解除され、残り12周のスプリントレースとなった。
この時点でルクレールとフェルスタッペンとルクレールの差は4秒に縮まっていた。
この時点で、ルクレールの車にはスロットルペダルが戻らないというトラブルが出始めた。
スロットルにトラブルを抱えながら必死に逃げるルクレールをフェルスタッペンが使い古したハードタイヤで追う。
両者、死力を尽くした攻防の軍配はルクレールに上がった。
ルクレールはやっと勝てたが今回もマシントラブルに苦しめられた。
ハミルトンは、上位2車から大きく離されたが、予選で大破したマシンをしぶとく3位に導いた。
次は、フランスGPだ。
ポールリカールは、F1のテストにも使われるポールリカールはフラットで路面のスムースなコースだ。
空力マシンのレッドブルに適したコースだが、オール・ラウンダーのフェラーリは強いから油断はできない。
晴れならば気温が高くなりフェラーリはPUのトラブルが心配される。
アルピーヌ(特にルノースポールPUは)ホームレースとなる。ガスリーとオコンはフランス人なのでホームレースとなる。
フランスGPは1位フェルスタッペン、2位ルクレール、3位ペレス、4位ハミルトン、5位サインツ、6位ラッセル、7位オコン、8位アロンソ、9位シューマッハ、10位ガスリーかな。
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Formula One 2022(11)2022.07.08
サインツが、ブリティシュGPで記念すべきF1初優勝を果たした。
2位には序盤の接触によって最後尾に交代してから追い上げたペレスが入った。
3位には、ホームコースで意地を見せたハミルトンが滑り込んだ。
フロント・ウイング翼端板を損傷しながらも4位につけたルクレールは4位、序盤にデブリを拾ってフロアが壊れたフェルスタッペンは7位だったので、フェルスタッペンとルクレールのチャンピオンシップ・ポイントの差は6ポイント縮まって43となった。
カナダGPに続いてブリティシュGPの予選も雨となった。
英国は雨の多い土地柄なので雨の中レースをすることは珍しいことではない。
英国では自動車レースに限らず他のスポーツでも、雪で白いボールが見えなくなるとかいうことでもない限り、大概のことでは競技中止とはならない。
ここ数レースは結果的にレッドブルの優勝が続いていたから、予選が雨になることによって、番狂わせが出ることもあるし、予選と決勝の天気が変われば不確定要素が増えてレースとしては面白くなる。
予選開始時点でコースはウエット状態だったので全車インターミディエイト・タイヤを履いてのアタックとなった。
このような状況では、コースに留まって数周おきにアタックを繰り返すことが多い。
路面の乾き具合が刻々と変わるので、セッション中の変化する路面状態ごとにベストタイムを出しておかないといけない。
ベストな路面状態のタイムとそうでない時のタイム差が大きいからだ。
ドライの時のように一発タイムを出しておいてセッション終了間際にさらにタイムを上げれば良いという訳にはいかない。
予選Q1とQ2ではフェルスタッペンがトップタイムを出したが、 Q3は、誰かがアタックをする度に順位が目まぐるしく入れ替わる状態だっったが、サインツが最後にトップタイムをマークして、ポールポジションを獲得した。
2番手はフェルスタッペン、3番手はルクレールという結果だった。
4番手以降には、ペレス、ハミルトン、ノリス、アロンソが続いた。
決勝レースの天気は曇りとなったが、路面はドライ・コンディションだった。
シルバーストーンはサーキット舗装でタイヤに厳しいコースなのでスタート・タイヤをミディアムにするチームが多かった。
そんな中、予選でポールを取り損ったフェルスタッペンはソフトを選択した。
スタートの蹴り出しでサインツを抑えてトップに立ち、最初の10周ほどの間に引き離す戦略だ。
逆に、予選が8番手と振るわなかったラッセルは、ワンストップでアドバンテージを得るためかハード・スタートを選択した。
決勝のスタートでフェルスタッペンは作戦通り、スタート直後にサインツの鼻先を抑えてトップに立った。
ところが、後方で大事故が起こり、レースは赤旗中断となった。この事故で、ラッセル、ジョー、アルボンが走行不能となった。
特に、ジョーはマシンが上下逆さまの状態で滑っていってキャッチ・フェンス前の溝に落ちるという大クラッシュだったが、大きな怪我はなかった。
1周を終える前に赤旗となったことから、レースは当初のスターティンググリッドにもどしての再スタートとなった。
フェルスタッペンは今度はミディアムでスタートした。
再スタートはサインツがトップの座を守り、フェルスタッペン、ルクレール、ペレス、ノリス、ハミルトンが続く。
ルクレールとの接触でウイングにダメージを負ったペレスが6周目にピットインした。
ルクレールもフロントウイングの右翼端板を失っているがそのまま走り続けている。
フェルスタッペンのプレッシャーに負けたサインツが10周目にコースアウトし、トップの座を明け渡した。
11周目に7番手と8番手を走っていたガスリーと角田が接触して後退する。
ペースの遅いガスリーを抜こうとした角田にガスリーが道を開けなかったことによるものだ。
そして、トップを走っていたフェルスタッペンが12周目に突然スローダウンしたためにタイヤの問題かと思いピットインした。
(レース後、これは角田とガスリーが接触した際に出たデブリを拾いフロアの一部を損傷したことによるものだったと分かった)
これで、サインツはトップに返り咲き、続いてルクレール、ハミルトン、ノリス、アロンソという順になった。
フェルスタッペンは6番手でコースに復帰し、手負いのマシンで走り続ける。
20周目にはサインツがピットインしてハードタイヤに交換する。
サインツは3番手でコースに復帰する。
トップはルクレール、2.5秒後にはまでハミルトンが追っている。
フェルスタッペンは24周目にピットインしてハードタイヤに交換して8番手でコースに復帰する。
26周目にルクレールはハードに交換するが、ノーズ・ウイングは交換しないでピットアウトした。
ついに、ハミルトンがトップに立った。ハミルトンの後ろでは、フェラーリ同士の攻防が続き、31周目には、サインツがルクレールに2番手の座を譲った。
ハミルトンは34周目までミディアムで引っ張ってピットインし、ハードに変更したがフェラーリ勢の前に出ることはできない。
この間に、タイム差はあるもののペレスは5番手まで浮上してきた。
35周目にはノリスがタイヤ交換している間にペレスは4番手まで進出した。
39周目にオコンがコース上で車を止めたことによりセフティカーが出動しサインツ、ハミルトン、ペレスがソフトに交換した。
ルクレールはハードのまま走っている。
ペレスはセフティカーのおかげでハミルトンとの間にあった21秒のギャップが再スタート時にはほとんどなくなった。
43周目にセフティカーが引っ込むと、トップ4台による残り10周のスプリント・バトルとなった。
43周目から49周目に亘ってサインツ、ルクレール、ペレス、ハミルトン、アロンソ、ノリスによるまるでF3レースのような接近戦が繰り広げられた。
このバトルも50周目ごろまでには一段落し、サインツ、ペレス、ハミルトン、ルクレール、アロンソ、ノリスの順に落ち着き、そのまま、ゴールへなだれ込んでいった。
手負いのフェルスタッペンは、それでも迫り来るシューマッハを退けて7位でゴールした。
シューマッハはF1の初ポイントを獲得した。
メルセデスとハミルトンは自宅の庭のようなコースで見事に復活してみせた。
ハミルトンは本当にシルバーストーンで強い。メルセデスが優勝争いをするまでにはあと少しだ。
ペレスは、終盤のセフティカーに助けられた面もあるが、最後尾に落ちながら2位まで盛り返したのは見事だ。
次は、オーストリアGPだ。
オーストリアGPが開催されるレッドブルリンクは、いうまでもなくレッドブルのホームコースだ。
準高地にある一周4.3Kmのショート・コースで、コーナー数も少ないコースだ。
今年のオーストリアGPの週末は金曜日午後に予選、土曜日の午後にスプリントレース、日曜日の午後にグランプリ決勝レースが行われる。
オーストリアGPは1位フェルスタッペン、2位ペレス、3位ルクレール、4位ハミルトン、5位サインツ、6位ラッセル、7位角田、8位ノリス、9位アロンソ、10位ガスリーかな。
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Formula One 2022(10)2022.07.01
カナダGPはフェルスタッペンが背後のサインツを抑え切って優勝した。
3位でフィニッシュしたのはハミルトンだった。
ハミルトンはバクーではバウンシングによる痛みでレース後マシンから這い出ることもできなかったが1週間後のモントリオールでは見事に表彰台に立つことができた。
ルクレールは、4基目のPU交換ペナリティによる最後列スタートながら、速いフェラーリを駆って見事な追い上げを見せ、5位でフィニッシュした。ラッセルは4位だった。
フェルスタッペンとルクレールのチャンピオンシップポイント差はさらに広がり、49となった。
ルクレールは、カナダGPにPUを投入することによりダメージを小さめに留めることができた。
ルクレールがチャンピオンシップを掴み取るには、オーバーテイクの難しいコースで確実にポールポジションを取って勝利を重ねていく必要がある。
カナダGPの予選は、雨で濡れた路面で始まった。
ウエットとなった路面の中、速さを見せたのがアロンソだった。
アロンソは、ジルビルヌーブ・サーキットに対する豊富な経験と巧みなドライビングによって予選のQ1、Q2、Q3の全セッション2番手のタイムを出し、見事フロントローに座ってみせた。
ラッセルは予選Q3終盤路面の水が浅くなったのを見てドライタイヤでアッタクをした。
もしうまく走り切ればポールポジションを取ることが可能だと踏んだのだろう。
この試みはコース上でまだ水溜りの残っていた部分でコースアウトして失敗に終わったが、ナイスチャレンジであって、決してギャンブルとは言えないものであった。
おかげで、決勝は8番グリッドからのスタートとなってしまったが・・・。
結局、ウエット路面の予選を制したのはフェルスタッペンだった。
3番手はサインツ、4番手にはハミルトンがつけた。
5番手と6番手は、マグネッセンとシューマッハのハース勢がもぎ取った。
4基目のPUを投入したルクレールと角田はQ1でアタックをせず最後列となった。
しかし、このコースはパッシングが容易なので、グリッドが悪くても決勝で挽回することはできる。
予選終了後のインタビューでアロンソは、僕らはチャンピオンシップを争っていないので決勝のスタートはアグレッシブに行くよと言い放ち、フェルスタッペンを牽制していた。
決勝レースは、予選とは打って変わった快晴となった。
フェルスタッペンは決勝のスタートを決めて、アロンソに充分な差をつけて1コーナーに入っていった。
1周目を終わってトップから5番手までは、予選順位のままでホームストレートに帰ってきた。
フェルスタッペンはアロンソとの差を少しづつ広げていく。
アロンソに蓋をされていたサインツは4周目にアロンソを抜いてフェルスタッペン追撃を開始した。今時点でルクレールは16番手。
9周目にペレスのマシンがギヤボックストラブルでコース外にマシンを停めた。
これでVSCが出他のを見てフェルスタッペンはすかさずピットインしてミディアムからハードに交換して3番手でコースに戻る。
ハミルトンも同様のタイヤ交換を済ませる。
この時点で、ルクレールは13番手。
15周目にフェルスタッペンはアロンソをかわして2番手。
トップ、サインツとのギャップは6秒。20周目にVSCが出たのでサインツはピットインしてハードタイヤに交換する。
フェルスタッペンとサインツの差は10秒。
24周目にハミルトンがアロンソを抜いて3番手に進出。
ルクレールは7番手。
フェルスタッペンは43周目にピットインしてハードタイヤに交換して3番手に下がるが、サインツとの差は11秒。
49周目に角田のコースアウトでセフティカー出て、サインツが50周目にピットインしてタイヤ交換する。
54周目にセフティカーが引っ込み、フェルスタッペンとサインツのギャップは0.5秒。
この後、サインツは、DRS圏内でフェルスタッペンに脅威を与え続けるが、フェルスタッペンは充電と放電のタイミングをうまく操作し続けて、サインツにオーバーテイクを許すことはなかった。
これこそが、チャンピオンドライバーのしぶとさだ。
次は、ブリティシュGPだ。
メルセデスはここシルバーストーンで大幅なアップデートを投入してくると言われている。
メルセデスがフェラーリとレッドブルのパフォーマンスに迫ることができれば、シーズン後半は三つ巴の戦いになる。
メルセデスのドライバー二人、ハミルトンとラッセルにとってのホームグランプリでもある。
マクラーレンとノリスににとってもシルバーストーンはホームコースなので、気合が入っているだろう。
フェラーリはシルバーストーンでレッドブルを抑えることができるか?
ブリティシュGPは1位フェルスタッペン、2位ルクレール、3位ペレス、4位ハミルトン、5位サインツ、6位ラッセル、7位角田、8位ボッタス、9位ノリス、10位ガスリーかな。
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