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YUKICHI OTSUKA 大塚雄吉
F1 ウォッチャー
幼少期にF1に魅せられ、50年以上にわたって、日本製のF1が出ていなくても、日本人F1ドライバーがいなくても50年以上にわたってF1を見続けてきた、F1 ウォッチャー。

Formula One 2022(11)2022 / 07 / 08

サインツが、ブリティシュGPで記念すべきF1初優勝を果たした。
2位には序盤の接触によって最後尾に交代してから追い上げたペレスが入った。
3位には、ホームコースで意地を見せたハミルトンが滑り込んだ。 
フロント・ウイング翼端板を損傷しながらも4位につけたルクレールは4位、序盤にデブリを拾ってフロアが壊れたフェルスタッペンは7位だったので、フェルスタッペンとルクレールのチャンピオンシップ・ポイントの差は6ポイント縮まって43となった。

カナダGPに続いてブリティシュGPの予選も雨となった。
英国は雨の多い土地柄なので雨の中レースをすることは珍しいことではない。
英国では自動車レースに限らず他のスポーツでも、雪で白いボールが見えなくなるとかいうことでもない限り、大概のことでは競技中止とはならない。
ここ数レースは結果的にレッドブルの優勝が続いていたから、予選が雨になることによって、番狂わせが出ることもあるし、予選と決勝の天気が変われば不確定要素が増えてレースとしては面白くなる。

予選開始時点でコースはウエット状態だったので全車インターミディエイト・タイヤを履いてのアタックとなった。
このような状況では、コースに留まって数周おきにアタックを繰り返すことが多い。
路面の乾き具合が刻々と変わるので、セッション中の変化する路面状態ごとにベストタイムを出しておかないといけない。
ベストな路面状態のタイムとそうでない時のタイム差が大きいからだ。
ドライの時のように一発タイムを出しておいてセッション終了間際にさらにタイムを上げれば良いという訳にはいかない。

予選Q1とQ2ではフェルスタッペンがトップタイムを出したが、 Q3は、誰かがアタックをする度に順位が目まぐるしく入れ替わる状態だっったが、サインツが最後にトップタイムをマークして、ポールポジションを獲得した。
2番手はフェルスタッペン、3番手はルクレールという結果だった。
4番手以降には、ペレス、ハミルトン、ノリス、アロンソが続いた。

決勝レースの天気は曇りとなったが、路面はドライ・コンディションだった。
シルバーストーンはサーキット舗装でタイヤに厳しいコースなのでスタート・タイヤをミディアムにするチームが多かった。
そんな中、予選でポールを取り損ったフェルスタッペンはソフトを選択した。
スタートの蹴り出しでサインツを抑えてトップに立ち、最初の10周ほどの間に引き離す戦略だ。
逆に、予選が8番手と振るわなかったラッセルは、ワンストップでアドバンテージを得るためかハード・スタートを選択した。

決勝のスタートでフェルスタッペンは作戦通り、スタート直後にサインツの鼻先を抑えてトップに立った。
ところが、後方で大事故が起こり、レースは赤旗中断となった。この事故で、ラッセル、ジョー、アルボンが走行不能となった。
特に、ジョーはマシンが上下逆さまの状態で滑っていってキャッチ・フェンス前の溝に落ちるという大クラッシュだったが、大きな怪我はなかった。

1周を終える前に赤旗となったことから、レースは当初のスターティンググリッドにもどしての再スタートとなった。
フェルスタッペンは今度はミディアムでスタートした。
再スタートはサインツがトップの座を守り、フェルスタッペン、ルクレール、ペレス、ノリス、ハミルトンが続く。
ルクレールとの接触でウイングにダメージを負ったペレスが6周目にピットインした。
ルクレールもフロントウイングの右翼端板を失っているがそのまま走り続けている。
フェルスタッペンのプレッシャーに負けたサインツが10周目にコースアウトし、トップの座を明け渡した。

11周目に7番手と8番手を走っていたガスリーと角田が接触して後退する。
ペースの遅いガスリーを抜こうとした角田にガスリーが道を開けなかったことによるものだ。
そして、トップを走っていたフェルスタッペンが12周目に突然スローダウンしたためにタイヤの問題かと思いピットインした。
(レース後、これは角田とガスリーが接触した際に出たデブリを拾いフロアの一部を損傷したことによるものだったと分かった)

これで、サインツはトップに返り咲き、続いてルクレール、ハミルトン、ノリス、アロンソという順になった。
フェルスタッペンは6番手でコースに復帰し、手負いのマシンで走り続ける。

20周目にはサインツがピットインしてハードタイヤに交換する。
サインツは3番手でコースに復帰する。
トップはルクレール、2.5秒後にはまでハミルトンが追っている。
フェルスタッペンは24周目にピットインしてハードタイヤに交換して8番手でコースに復帰する。
26周目にルクレールはハードに交換するが、ノーズ・ウイングは交換しないでピットアウトした。
ついに、ハミルトンがトップに立った。ハミルトンの後ろでは、フェラーリ同士の攻防が続き、31周目には、サインツがルクレールに2番手の座を譲った。

ハミルトンは34周目までミディアムで引っ張ってピットインし、ハードに変更したがフェラーリ勢の前に出ることはできない。
この間に、タイム差はあるもののペレスは5番手まで浮上してきた。
35周目にはノリスがタイヤ交換している間にペレスは4番手まで進出した。
39周目にオコンがコース上で車を止めたことによりセフティカーが出動しサインツ、ハミルトン、ペレスがソフトに交換した。
ルクレールはハードのまま走っている。
ペレスはセフティカーのおかげでハミルトンとの間にあった21秒のギャップが再スタート時にはほとんどなくなった。
43周目にセフティカーが引っ込むと、トップ4台による残り10周のスプリント・バトルとなった。
43周目から49周目に亘ってサインツ、ルクレール、ペレス、ハミルトン、アロンソ、ノリスによるまるでF3レースのような接近戦が繰り広げられた。
このバトルも50周目ごろまでには一段落し、サインツ、ペレス、ハミルトン、ルクレール、アロンソ、ノリスの順に落ち着き、そのまま、ゴールへなだれ込んでいった。
手負いのフェルスタッペンは、それでも迫り来るシューマッハを退けて7位でゴールした。
シューマッハはF1の初ポイントを獲得した。

メルセデスとハミルトンは自宅の庭のようなコースで見事に復活してみせた。
ハミルトンは本当にシルバーストーンで強い。メルセデスが優勝争いをするまでにはあと少しだ。
ペレスは、終盤のセフティカーに助けられた面もあるが、最後尾に落ちながら2位まで盛り返したのは見事だ。

次は、オーストリアGPだ。
オーストリアGPが開催されるレッドブルリンクは、いうまでもなくレッドブルのホームコースだ。
準高地にある一周4.3Kmのショート・コースで、コーナー数も少ないコースだ。
今年のオーストリアGPの週末は金曜日午後に予選、土曜日の午後にスプリントレース、日曜日の午後にグランプリ決勝レースが行われる。

オーストリアGPは1位フェルスタッペン、2位ペレス、3位ルクレール、4位ハミルトン、5位サインツ、6位ラッセル、7位角田、8位ノリス、9位アロンソ、10位ガスリーかな。 

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