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YUKICHI OTSUKA 大塚雄吉
F1 ウォッチャー
幼少期にF1に魅せられ、50年以上にわたって、日本製のF1が出ていなくても、日本人F1ドライバーがいなくても50年以上にわたってF1を見続けてきた、F1 ウォッチャー。

Formula One 2021(8)2021.06.25

フランスGPは、フェルスタッペンが強さをみせつけて優勝した。
ハミルトンはゴールまで後1周と少しというところでフェルスタッペンに抜かれて2位に終った。
ペレスは終盤になってボッタスを抜き、さらに、ハミルトンと3秒差まで迫ったが3位に終わった。
メルセデスは2018年と2019年フランスGPでは、圧倒的に強く、他の追随を許さなかった。

2019年フランスGPでは、レッドブル・ホンダはメルセデスに全く歯が立たなかった。
ところが、今年のフランスGPでは、フリー走行からフェルスタッペン・レッドブル・ホンダは圧倒的に速かった。
予選では、フェルスタッペンがハミルトンに0.25秒差をつけてポールポジションを獲得し、3番手はボッタス、4番手はペレスとなった。
今年は、トップ2チームの4ドライバーが、がっぷり4つに組むレースとなった。

決勝レースは、フェルスタッペンは見事なスタートを決めて1コーナーに侵入していったが、イン側にコースアウトして、2番手でコースに戻ることになる。
この間にハミルトンがトップの座を奪う。
その後も、ハミルトンはトップの座を維持し、フェルスタッペンは、3秒以内でハミルトンを追い続け、アンダーカット圏内を走行していた。

同じくフェルスタッペンから3秒以内にいたボッタスが18周目ピットインしするが19周目にピットインしたフェルスタッペンの前に出ることができなかった。
逆にフェルスタッペンは、20周目にピットインしたハミルトンの前に出ることに成功した。

この後、ハミルトンがフェルスタッペンを1秒前後の差で追う展開になる。
フェルスタッペンは33周目に入るところでピットインして中古のミディアムタイヤに履き替えた。
ピットアウト直後の時点でハミルトンとフェルスタッペンの差は19秒になっていたからハミルトンがこれからピットインしてフェルスタッペンを追いかけても同じタイヤなので追いつけない可能性が高い。
ハミルトンに残された手は、できる限り今履いているタイヤを耐たせながら速く走って、フェルスタッペンに追い抜かれるより前にゴールすることしかなかった。
フェルスタッペンは44周目にボッタスを下し、ハミルトンまであと4.5秒とする。
しかし、ここまでに、タイヤをかなり使っているフェルスタッペンは、思うようにハミルトンに近づくことができない。
ハミルトンは驚異的な粘りを見せて、使い切ったタイヤで自己ベストタイムを出して必死で逃げる。残り5周となったところでフェルスタッペンはペースを上げ始め、52周目にタイヤの終わっているハミルトンをパスし53周のレースを制した。
トップ3よりも5周以上遅くタイヤ交換したペレスも、タイヤの終わっているボッタスを難なくかわして3番手でゴールラインを横切った。

レッドブル・ホンダ・フェルスタッペンはスペインGPの借りをフランスGPで返した。
フェルスタッペンのドライビングは素晴らしいものだったが、ホンダPUのエネルギー・マネジメントが洗練され直線の後半でエネルギー切れすることが無くなったことと、レッドブルがリアウイングのダウンフォースを若干落とした仕様にしたことによって空力バランスが良くなったことが寄与している。
また、ペレスの加入でレッドブルはメルセデスと2対2で戦えるのも大きい。

角田は、Q1開始直後にコースアウト知ったため決勝はピットスタートとなった。
決勝では、一時、9台を抜いて11番手まで進出したが早めのタイヤ交換が響いて最後は13位でフィニッシュした。
スタート位置が良ければポイント圏内フィニシュは十分可能だっただろう。
シビアなブレーキングが真骨頂の角田は、予選開始までに効きを良くしたフロントブレーキに合わせたつもりがうまくいかなかったとのことだが、バクーのようにQ3の 2回目で良かったのではと思える。
Q3は15番手以上で通過すればいいのだから。

次は、シュタイヤ―マルクGPだ。
次の週と同じレッドブル・リンクで行なわれる。
標高700mの丘陵地にあるコーナーの少ないコースでタイトなコーナーは一か所だけで後は中高速コーナーが続くコースだ。
2019年はフェルスタッペンが圧勝したが、2020年はハミルトン・ボッタスがワンツーフィニッシュで、圧勝している。
レッドブルはオーストリア資本のチームなのでこれからの2戦はレッドブルのホームGPだ。

シュタイヤ―マルクGPは、1位フェルスタッペン、2位ペレス、3位ハミルトン、4位ボッタス、5位角田、6位ガスリー、7位リチャルド、8位ノリス、9位サインツ、10位ルクレールかな。

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YUKICHI OTSUKA/大塚雄吉

Formula One 2021(7)2021.06.18

アゼルバイジャンGPは、ペレスが見事な優勝を飾った。
フェルスタッペンは46周目まで2位以下を寄せ付けず快走していたが突然のタイヤバーストによってリタイヤした。
赤旗中断後の僅か3周のスプリントレース(しかもスタンディング・スタート)を制したのはペレスだった。
8番グリッドからスタートしたフェッテルが2位となり、3位にはルクレールとの激闘を制したガスリーが入った。
ハミルトンは、赤旗再スタート時には2番グリッドだったが、ペレスとトップを争った赤旗後の再スタート直後、コーナーを曲がり切れずポイント圏外に去った。

今シーズンのバクーでは、レッドブルとフェラーリがPF開始直後から速く、メルセデスにはポールを狙える速さがなかった。
予選は、終了間際にトップランナーたちがポールを狙うアタックの最中に角田のクラッシュによって赤旗が出され、1回目のアタックで出したタイムが予選タイムになってしまった。
その結果、予選のトップから10番手までは、ルクレール、ハミルトン、フェルスタッペン、ガスリー、サインツ、ノリス、ペレス、アロンソ、ボッタスの順となった。

FPでは低迷していたメルセデスのハミルトンが予選で2番手に着けたのは驚きだった。
メルセデスは、これまで、パワー・アドバンテージがあったので、ウイングを立てて、ハイダウンフォースで戦ってきた。
しかし、これまで通りにやっていたのでは勝てなくなってきたので、ウイングを寝かしてダウンフォースを削ってでも、2kmの直線スピードを上げ、タイムを稼いだ。
レースになれば、コーナーでは抜かれないので遅くとも何とかなるし、直線は速いので抜かれないというわけだ。
狙いは的中し、名手ハミルトンのドライビングによって予選では2番手タイムを出すことができた。

決勝は、スタート後ほどなくして、ハミルトンとフェルスタッペンがルクレールを抜いてトップ争いを演じるが、速さに勝るフェルスタッペンがハミルトンを下してトップに立つ。
その後ハミルトンは6番手から浮上してきたペレスにもかわされ、レッドブルの1-2フォメーション!が完成する。
この後、ペレスはハミルトンが前に出ることを許さず、フェルスタッペンはトップを快走していた。
レッドブルの1-2フォメーションはいったい何年ぶりのことだろう。

ハミルトンは、赤旗再スタート時、フロントタイヤを温めるためのブレーキバランスを元に戻さずにスタートしたため、ペレスに並んだものの、最初のコーナーで減速できずにコースアウトするしかなかった。
一方のペレスは、赤旗前にハミルトンを抑えていた時から油圧系のトラブルを抱えながら走行していたために再スタート前にタイヤを温めることができず、再スタートの時、ハミルトンに並ばれるのはやむを負えなかった。
ペレスは、レースを通して、厳しい状況下でタイヤとマシンをマネジメントし続けた結果、優勝の栄冠を手にしたのだ。
レッドブル陣営は、ペレスの奮闘のおかげで、フェルスタッペンがリタイヤしても、ドライバーズ・ポイントとコンストラクターズ・ポイント首位をキープすることができた。

王者ハミルトンも王者メルセデスも、劣勢に立たされればミスをする。
バクーのレースでは、元チャンピオンのフェッテルとアロンソが新しいチームとマシンに慣れてきたようで、本領を発揮し始めた。

角田は、課題であった金曜日FP1から始まって決勝までに、マシンと自分のパフォマンスを高めていくことができた。
予選Q3最後のクラッシュは、ブレーキングポイントを深くしすぎた為に起こったものだが、誰もまねのできないブレーキングを追及している角田ならではのものだろう。
決勝はタイヤマネージメントをしつついいペースで走れていた。
赤旗再スタートの時に2台に抜かれたのは痛かった。
角田には、スタートまでにタイヤをうまく温めることと、スタート時の瞬発力が今後の課題として残った。

次は、フランスGPだ。
ポールリカールはかつてF1が開催されていたオールドサーキットをF1のテスト地として使用できるように改修したコースで、近代F1コースの各種の要素が織り込まれている。
モナコ、バクーといった市街地コースとは真逆の人工的な臭いのするコースだ。
このレースからリア・ウイングのフレキシビリティ・チェックが強化されるのがどう影響するか見ものだ。
メルセデスは、得意のタイプのコースで巻き返してくるだろう。レッドブル・ホンダはこのコースではアドバンテージはないかもしれない。
オコンとガスリーにとってはホーム・グランプリなのでがんばってほしい。

フランスGPは、1位フェルスタッペン、2位ペレス、3位ハミルトン、4位ボッタス、5位ルクレール、6位サインツ、7位オコン、8位ガスリー、9位角田、10位フェッテルかな。

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YUKICHI OTSUKA/大塚雄吉

Formula One 2021(6)2021.06.04

モナコGPは、フェルスタッペンが制圧した。
フェルスタッペンはポールポジションのルクレールがスタートできなかったため、事実上のポールスタートだったが、スタートでうまく2番手ボッタスを抑えてそのまま78周を走り切り、モナコ初優勝を果たした。
栄誉あるロイヤル・ボックスの表彰台に立てたのはF1の新勢力、フェルスタッペン、サインツ、ノリスの3人だった。モナコの表彰台にはメルセデスのハミルトンとボッタスの姿はなかった。

モナコの市街地コースで現在のF1がオーバーテイクをすることは事実上不可能だから、他のどのグランプリよりもモナコでの予選は重要だ。
今年のフェラーリは、モナコとの相性が良く、セッティングも決まっていた。
ルクレール、サインツともにFPから好タイムを連発していて、二人ともポールを狙える位置にいた。
レッドブルのフェルスタッペンとペレスはFP中にセッティングが決めきれずに苦戦していた。
メルセデスはタイヤが温まりにくいマシン特性を抱えているが、スローコーナーが得意なボッタスがポールを狙っていた。

予選Q3の1回目のアッタックではルクレールがトップタイムをたたき出した。
各車タイヤを履き替えて、路面にラバーの載るQ3終了間際のアタックに賭ける。
ルクレールは、ポールを確実なものにするためにプールサイド・シケインで少し攻めすぎて、クラッシュした。

ルクレールのクラッシュがQ3終了間際だったため、フェルスタッペン、サインツ、ハミルトンなど自己最速のセクター1・タイムでポールを狙っていた後続車両のドライバー達はたまらない。
結局マシンをクラッシュさせたルクレールがポールを獲り、予選順位はフェルスタッペン、ボッタス、サインツ、ノリス、ガスリーとなり、ハミルトンは7番手に沈んだ。

決勝は、グリッドにつく前のレコノサンスラップで、ルクレールのフェラーリのドライブシャフトが破損していることが判明し、ルクレールはノー・スタートとなった。
これは昨日のクラッシュによる影響であることは明白で、残念ながら自業自得といったところだ。
ルクレールは、またもホームGPをフィニッシュできなかった。ポールは獲ったが・・・。

スタート後、フェルスタッペンには敵わないまでも2番手を走行していたボッタスは、ピットインしてタイヤ交換をしようとした際に、メカニックがタイヤを外す際にナットの山を潰してしまいタイヤが外れずにリタイヤした。
どうして、メルセデスはボッタスにばかり不運がのしかかるのだろう。

コース上で抜くことのできないモナコで光ったのは、4位のペレスと5位のフェッテルだった。
タイヤの性能が長持ちするモナコで巧みにタイヤを温存して最初のタイヤの距離を伸ばし、前を走る車より長く走ってタイヤ交換時に速く走り、大幅に順位を上げた。
早めにピットインしたハミルトンはペレスとフェッテルのオーバーカットされ、7位でレースを終えるしかなかった。

角田は、FP2のクラッシュで充分な走行経験が積めず予選16番手、決勝では、ハードタイヤ・スタートで引っ張れるだけ引っ張って他車とタイヤ交換時期をずらしポジションを上げる作戦だったが、スタートで2台に先を越され、タイヤ交換のタイミングが悪かったために、ウイリアムズ2台の前に出ることもできず、16位に終わった。
今回予選決勝とも6番手で終えたガスリーも、2020年前半までは角田と同じようなことを繰り返していたが、今では、マシンがコースに合っていなくても確実にQ3に進出して決勝でポイントを獲れるようになった。
角田も、これからの3レースほどで、FPから着実にマシンを仕上げて予選Q3に進出ところまでもっていかないと、来年のシートはないかもしれない。

次は、アゼルバイジャンGPだ。
昨年はモナコ同様は中止となったが、今年は開催に漕ぎつけた。
バクー市街地に設営されたコースが使われる。
バクーのコースは2kmに及ぶ直線があることと、直角コーナーが多いことがモナコとは異なる。
ボッタスとペレスはこのコースを得意としている。
サインツもターマック(ラリー用語!)は得意なようだ。
レッドブルはここでも勝っておかないとフランスGPからはメルセデスの本格的な逆襲が始まる。

アゼルバイジャンGPは、1位フェルスタッペン、2位ペレス、3位ボッタス、4位ハミルトン、5位サインツ、6位ルクレール、7位ノリス、8位ガスリー、9位フェッテル、10位角田かな。

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