YOUCHOOSE

about

YUKICHI OTSUKA 大塚雄吉
F1 ウォッチャー
幼少期にF1に魅せられ、50年以上にわたって、日本製のF1が出ていなくても、日本人F1ドライバーがいなくても50年以上にわたってF1を見続けてきた、F1 ウォッチャー。

Formula One 2021(7)2021 / 06 / 18

アゼルバイジャンGPは、ペレスが見事な優勝を飾った。
フェルスタッペンは46周目まで2位以下を寄せ付けず快走していたが突然のタイヤバーストによってリタイヤした。
赤旗中断後の僅か3周のスプリントレース(しかもスタンディング・スタート)を制したのはペレスだった。
8番グリッドからスタートしたフェッテルが2位となり、3位にはルクレールとの激闘を制したガスリーが入った。
ハミルトンは、赤旗再スタート時には2番グリッドだったが、ペレスとトップを争った赤旗後の再スタート直後、コーナーを曲がり切れずポイント圏外に去った。

今シーズンのバクーでは、レッドブルとフェラーリがPF開始直後から速く、メルセデスにはポールを狙える速さがなかった。
予選は、終了間際にトップランナーたちがポールを狙うアタックの最中に角田のクラッシュによって赤旗が出され、1回目のアタックで出したタイムが予選タイムになってしまった。
その結果、予選のトップから10番手までは、ルクレール、ハミルトン、フェルスタッペン、ガスリー、サインツ、ノリス、ペレス、アロンソ、ボッタスの順となった。

FPでは低迷していたメルセデスのハミルトンが予選で2番手に着けたのは驚きだった。
メルセデスは、これまで、パワー・アドバンテージがあったので、ウイングを立てて、ハイダウンフォースで戦ってきた。
しかし、これまで通りにやっていたのでは勝てなくなってきたので、ウイングを寝かしてダウンフォースを削ってでも、2kmの直線スピードを上げ、タイムを稼いだ。
レースになれば、コーナーでは抜かれないので遅くとも何とかなるし、直線は速いので抜かれないというわけだ。
狙いは的中し、名手ハミルトンのドライビングによって予選では2番手タイムを出すことができた。

決勝は、スタート後ほどなくして、ハミルトンとフェルスタッペンがルクレールを抜いてトップ争いを演じるが、速さに勝るフェルスタッペンがハミルトンを下してトップに立つ。
その後ハミルトンは6番手から浮上してきたペレスにもかわされ、レッドブルの1-2フォメーション!が完成する。
この後、ペレスはハミルトンが前に出ることを許さず、フェルスタッペンはトップを快走していた。
レッドブルの1-2フォメーションはいったい何年ぶりのことだろう。

ハミルトンは、赤旗再スタート時、フロントタイヤを温めるためのブレーキバランスを元に戻さずにスタートしたため、ペレスに並んだものの、最初のコーナーで減速できずにコースアウトするしかなかった。
一方のペレスは、赤旗前にハミルトンを抑えていた時から油圧系のトラブルを抱えながら走行していたために再スタート前にタイヤを温めることができず、再スタートの時、ハミルトンに並ばれるのはやむを負えなかった。
ペレスは、レースを通して、厳しい状況下でタイヤとマシンをマネジメントし続けた結果、優勝の栄冠を手にしたのだ。
レッドブル陣営は、ペレスの奮闘のおかげで、フェルスタッペンがリタイヤしても、ドライバーズ・ポイントとコンストラクターズ・ポイント首位をキープすることができた。

王者ハミルトンも王者メルセデスも、劣勢に立たされればミスをする。
バクーのレースでは、元チャンピオンのフェッテルとアロンソが新しいチームとマシンに慣れてきたようで、本領を発揮し始めた。

角田は、課題であった金曜日FP1から始まって決勝までに、マシンと自分のパフォマンスを高めていくことができた。
予選Q3最後のクラッシュは、ブレーキングポイントを深くしすぎた為に起こったものだが、誰もまねのできないブレーキングを追及している角田ならではのものだろう。
決勝はタイヤマネージメントをしつついいペースで走れていた。
赤旗再スタートの時に2台に抜かれたのは痛かった。
角田には、スタートまでにタイヤをうまく温めることと、スタート時の瞬発力が今後の課題として残った。

次は、フランスGPだ。
ポールリカールはかつてF1が開催されていたオールドサーキットをF1のテスト地として使用できるように改修したコースで、近代F1コースの各種の要素が織り込まれている。
モナコ、バクーといった市街地コースとは真逆の人工的な臭いのするコースだ。
このレースからリア・ウイングのフレキシビリティ・チェックが強化されるのがどう影響するか見ものだ。
メルセデスは、得意のタイプのコースで巻き返してくるだろう。レッドブル・ホンダはこのコースではアドバンテージはないかもしれない。
オコンとガスリーにとってはホーム・グランプリなのでがんばってほしい。

フランスGPは、1位フェルスタッペン、2位ペレス、3位ハミルトン、4位ボッタス、5位ルクレール、6位サインツ、7位オコン、8位ガスリー、9位角田、10位フェッテルかな。

2021 ©Yukichi Otsuka, All Rights Reserved

POSTED BY:
otsuka_image

YUKICHI OTSUKA/大塚雄吉

Check

   

このページのトラックバックURL

トラックバック一覧

このページへのコメント一覧

コメントを投稿

(初めて投稿される方のコメントは管理者の承認が必要となります。ご了承ください。)