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YUKICHI OTSUKA 大塚雄吉
F1 ウォッチャー
幼少期にF1に魅せられ、50年以上にわたって、日本製のF1が出ていなくても、日本人F1ドライバーがいなくても50年以上にわたってF1を見続けてきた、F1 ウォッチャー。

Formula One 2013(4)2013.04.19

チャイナGPはアロンソが2位ライコネンを10秒以上離して優勝した。
ライコネンから僅か2秒+後方に3位ハミルトン、4位フェッテルが続いた。
フェッテルから更に20秒以上離れた5,6,7位にはバトン、マッサ、リチャルドの3人が入った。

今回のレースはチーム・オーダーによる混乱はなかった。
その代わりといってはなんだが、ピレリが持ち込んだソフトタイヤが新品でも7~8周しかもたない代物だったために妙なレースになってしまった。
チャイナGPは上海の「上」の字型のコースを56周して争われる。
ミディアムタイヤの新品は25周程度もつから新品のミディアム2本とソフト1本があればピットストップ2回でぎりぎりゴールできる計算になる。
しかし、予選でQ3まで進出してQ3をまともに戦うと決勝はQ3で3周走ったソフトタイヤでスタートしなければならなくなる。
となると、決勝のスタート後僅か5周で1回目のタイヤ交換をして更にあと2回タイヤ交換をしないとゴールにたどり着けないことになる。
そこで、バトン、フェッテル、ヒュルケンベルグの3人は、予選Q3を戦わず新品タイヤを温存してタイヤ交換2回で済ませる作戦に出た。
結果は、Q3をまともに戦ったドライバーに軍配が上がった。
なかでも、アロンソは初戦オーストラリアの練習走行から今年のタイヤにあわせたドライビングを試して練習していた成果がここで出た。
アロンソはあくまでも決勝重視で予選で無理にポールをとりに行くことはせず、決勝ではマシンとタイヤからすべてを引き出す。
56周で10秒の差だから1周あたりにすると0.2秒以下の差でしかない。
この程度の差であればドライビングとピットインのタイミングをうまくやれば56周の間に搾り出せるのだ。
バトンはヒュルケンベルグに前に出られなかったらもう少し前にいけたかもしれない。
フェッテルは結局3回ピットに入り、最後のソフトタイヤでハミルトンの背後にまで迫ったが抜くまでにはあと1周足りなかった。
トロロッソのリチャルドは予選・決勝を通じてすばらしい走りを見せた。

第4戦は中東のバーレーンGPだ。
2004年シーズンから中止の2011年を除いて、毎年シーズン序盤のアジア・オーストラリア・ラウン ドに開催されている。
一年中気候に大きな差がないからどの季節にやっても変わりがない。
放映時間も ヨーロッパに合わせた走行時間で現地も涼しくなる夕方にかかって走るトワイライトレースだ。
気温から見てタイヤに負担がかかることは明らかだ。
チャイナGPの結果を受けてピレリはバーレーンGP用のタイヤを急遽予定していたソフトとミディアムからミディアムとハードに変更した。
ハードよりになったのでタイヤの消耗はあるが速いドライバーにとっては少し有利になったかもしれない。

バーレーンGPは1位ハミルトン、2位フェッテル、3位ウエバー、4位アロンソ、5位ライコネン、6位バトン、7位ロスベルグ、8位マッサ、9位スーティル、10位ペレスかな。 

2013 ©Yukichi Otsuka, All Rights Reserved

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YUKICHI OTSUKA/大塚雄吉
学会ネット株式会社 代表

Formula One 2013(3)2013.04.12

マレーシアGPは優勝フェッテル、2位ウエバー、3位ハミルトン、4位ロスベルグの順だった。
フェッテルは2位に留まることを求めたチーム・オーダーを無視して優勝し、ロスベルグは4位に留まるよう求めたチーム・オーダーに従ったため、ハミルトンが3位に入った。
自分の意思に従って走りぬいたフェッテルが優勝したわけだ。
チームからゴール優先(当然だが)でタイヤをセーブして走るよう命ぜられていたウエバーに対して同じ指令を受けていたフェッテルが猛然と襲い掛かったのだ。
ウエバーも抵抗して応戦したがフェッテルが前に出てしまった。
結局フェッテルはゴールまでタイヤを持たせることができ、優勝してしまった。
チーム・オーダーを破ったフェッテルが批判されているが、チーム・オーダーなしに戦わせていたらどうなっただろう。
あのままバトルを続けていれば2台ともタイヤがもたずに下位に沈んだのだろうか?
ドライバーはマシンの挙動を感じながら走っているからタイヤがもたないと思ったらセーブするだろう。
その結果、優勝できなかったとしてもリタイヤはしたくない。
メルセデスがロスベルグを先に行かせていればもう少し差が縮まったかもしれないが、フェッテルとロスベルグの間にはゴール時点で12秒以上の差があった。
チームは、ポイントをより多く取ってドライバーズとコンストラクターズのチャンピオンシップを得たいからこのようなことをするのだ。

そういえば、2012年のチャンピオンは3ポイント差で決まったのも事実だ。
しかし、ここは、タイヤをセーブしてチームプレーに徹するか、タイヤがだめになるのを承知で優勝を狙うかはドライバー判断でよいのではないだろうか。
結果を賞賛されるのも批判されるのもドライバーなのだから。
だいたい、F1はドライバーズ・チャンピオンシップだったはずだ。
観客は高い観戦料や視聴料を払ってドライバーがもてる能力のすべてをつぎ込んで戦うレースを見たいのだ。
チームの作戦を見たいわけではない。
つまらないチーム・オーダー合戦の影に隠れてしまったが、今年のマッサは予選でアロンソより速いし、タイヤとの相性もよさそうだ。
フォース・インディアの2台はホイールナットのトラブルでリタイヤするまでは良いパフォーマンスを見せていたから今後が期待できる。
ロータスの2台は、雨スタートだったためにタイヤ交換数が少なくて済むマシンのメリットを生かせなかったが安定した速さをもっていることが証明された。

第3戦は鹿児島とほぼ同緯度の中国・上海だ。
ここも、レース中に雨に見舞われることがよくある。
昨年は、メルセデスのロスベルグが予選トップから独走優勝した。
今年もメルセデス、フォースインディア、ザウバーあたりが速そうだ。
特にスーティルは1年のブランクがあったにもかかわらず初戦以来非凡な速さを見せている。
元日本F3チャンピオンで雨にめっぽう強い。
マクラーレンがこの3週間の間にどの程度改良できたか見ものだ。
昨年のフェラーリは優勝を争える状態にもっていくまで6ヶ月以上かかった。

チャイナGPは1位ハミルトン、2位マッサ、3位ウエバー、4位バトン、5位ライコネン、6位フェッテル、7位ロスベルグ、8位アロンソ、9位スーティル、10位ヒュルケンベルグかな。

2013 ©Yukichi Otsuka, All Rights Reserved

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YUKICHI OTSUKA/大塚雄吉
学会ネット株式会社 代表