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YUKICHI OTSUKA 大塚雄吉
F1 ウォッチャー
幼少期にF1に魅せられ、50年以上にわたって、日本製のF1が出ていなくても、日本人F1ドライバーがいなくても50年以上にわたってF1を見続けてきた、F1 ウォッチャー。

Formula One 2011(8)2011.07.29

ドイツGPはレースごとにドライバーとマシンのパフォーマンスの組み合わせで何が起こるかわからないということをみせてくれた。
イギリスGP限りとなった厳しいブロウン・ディフューザ規制が緩和されたので誰もがレッドブルの優位は揺るがないと考えていた。
母国GPで散々な結果だったマクラーレンは、ここドイツでも難しいだろうと思われていた。
ドライバーもハミルトンはモナコGPあたりから無理をして前へ出る悪い面ばかりが目立っていた。
ところが、ドイツGPではマクラーレン・ハミルトンともにはまっていた。
ハミルトンは見事なドライビングで予選2位・フロントローをとり、スタートでもたつくウエバーのレッドブルの前に立ってからはベストラップを更新し続け見事な優勝を飾った。
今回は、とにかく前へ出る、誰よりも速く走りたいというハミルトンのいい面が全て出たレースだった。
トップドライバーでもマシンの調子が変わるとこうも変わるのかと思わされる。対照的だったのはフェッテルだ。前半戦ではポールポジションは指定席、優勝さえ指定席かと思わせる勢いだったが、ここドイツGPでは精彩を欠いていた。
ホーム・グランプリなのに今年初めて表彰台を逃した。
アロンソはイギリスGPほどのアドバンテージが無いフェラーリでしぶとく2位に入った。
母国グランプリのスーティルは見事6位に入った。

可夢偉はオープニングラップで5台抜いて12位まで上がった。
その後、序盤でウイリアムズ2台を抜きシューマッハを抜こうと何度もトライしたが、メルセデスとザウバーの直線スピードに差がありすぎてDRSを使っても抜くことが出来ず9位でフィニッシュした。
イギリスGPのパフォーマンスからすればザウバーと可夢偉はここドイツでもいけると思っていたはずである。
ところが、走ってみると直線は遅いしコーナーでも挙動が安定せず予選Q1通過も危うい状態だった。
事実、ペレスは何とかQ2に進んだが可夢偉はQ1落ちしてしまった。
そのマシンを決勝9位フィニッシュまで持ってくるのは至難の技だ。
絶妙なタイヤ交換のタイミングとドライバーの技量があっての結果だ。

4日置いて、ハンガリーGPだ。ここは抜き場所の無いサーキットで予選順位がとても重要だといわれている。
とはいえ、去年、可夢偉は23番手スタートで9位に入っているからあながちそうではないのかもしれない。
今年はDRSもあるしこれまでとはすこし違ったレースが見られそうだ。
ここ3レースマシン・トラブル続きのバトン、このままだと来年のシートがないハイドフェルド、今年まだ優勝が無いウエバー、サポート役に定着しつつあるマッサ、そして、ポールから出ないと勝てない?を消さないといけないフェッテルはハンガリーGPでがんばるだろうから注目だ。
レッドブルのニューウィもマシンのパフォーマンスをこのままにはしておかないだろうし。

ハンガリーGPは晴れなら、1位フェッテル、2位アロンソ、3位ウエバー、4位バトン、5位ハミルトン、6位マッサ、7位ロスベルク、8位可夢偉、9位シューマッハ、10位ハイドフェルドかな。

2011 ©Yukichi Otsuka, All Rights Reserved

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YUKICHI OTSUKA/大塚雄吉
学会ネット株式会社 代表

Formula One 2011(7)2011.07.22

イギリスGPでついにフェラーリのアロンソが今シーズン初優勝を決めた。
シーズン当初、レッドブルとフェラーリのパフォーマンスの差は大きかった。
そんな中で、アロンソは自身の力と経験のすべてをつぎ込んでスペインGPの前半、モナコGP、ヨーロッパGPなどでさすがと思わせる走りを見せていた。
シーズン中にもかかわらずレッドブルの独走を止めるために実施されたレギュレーション変更によって空力的に劣っていたフェラーリが最もパフォーマンス低下が少なく、イギリスGPは拮抗したレースになった。
しかし、アロンソでなければフェラーリの優勝はなかっただろう。
フェッテルはピットのトラブルにもめげずしっかり2位にはいり、最後になってやっとチームオーダーに従ったウエバーが3位に入った。
4位にはラストコーナーでまマッサをはじき出したハミルトンが入った。

ところが、面白いことに今回の急なレギュレーション変更の影響を受けたのはレッドブルだけではなくマクラーレンもかなりパフォーマンスが低下してしまったためにホームグランプリで表彰台にさえ上れない有様だった。
それで今回のレギュレーション変更はイギリスGPのみに適用されることになり次のドイツGPからは予選と決勝のエンジンマッピングを変更してはならないというルールだけが適用される。
ここに、今のF1GPの運営が象徴されている。
誰かが一人勝ちしそうになると、シーズン途中にレギュレーションを変えてでも興行的面白さを保とうとするのだ。

今年のドイツGPはニュルブルクリングで開催される。
メルセデスはホームグランプリだしコースにマシンが適していそうだから上位に進出する可能性がある。
気温が低そうなのでKERSの冷却問題を抱えるレッドブルにとっても有利に働く。
フェラーリは空力性能の差をどの程度つめることができているかが見ものだ。
予選からセットアップに苦しみ、決勝では粘り強く戦っていたがツーストップ作戦がうまく働かず、逆にワンストップでがんばったチーム・メイト-ペレスの後塵を拝してしまった。

今年のドイツ人F1ドライバーは、フェッテル、ロスベルグ、ハイドフェルド、シューマッハ、グロック、スーティルの6人だ。
全員母国グランプリなので気合が入る。ドイツ人以外では曇りから雨も予想される天気の中では、バトン、スーティル、可夢偉の走りも見ものだ。

イギリスGPでは予選8番手につけながら、シューマッハの追突とピットのミスで残念な結果となった可夢偉。
今回はシューマッハと絡まなければ良いが上へ行ったら行ったでハミルトンがいる。
日本人F1ドライバー初優勝への道は険しいががんばってもらいたい。

ドイツGPは、1位フェッテル、2位バトン、3位ロスベルク、4位アロンソ、5位ウエバー、6位ハミルトン、7位可夢偉、8位シューマッハ、9位マッサ、10位ハイドフェルドかな。

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YUKICHI OTSUKA/大塚雄吉
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Formula One 2011(6)2011.07.08

ヨーロッパGPはカナダとはうって変わって完璧なドライコンディションのなかで戦われた。
近年では久々のリタイヤなし全車完走レースだった。
結果だけを見れば予選も決勝もレッドブルの圧勝であったが1位フェッテルの速さと2位アロンソの強さが目立ったレースでもあった。
ウエバーマイナートラブルを抱えながら3位に入りなんとか面目を保った。
中盤チームの中では、今回兄貴チームのレッドブルと同じ空力パッケージを一部に導入したトロロッソのアルグエルスアリが8位に、フォースインディアのスーティルが9位に入った。
可夢偉は予選からセットアップに苦しみ、決勝では粘り強く戦っていたがツーストップ作戦がうまく働かず、逆にワンストップでがんばったチーム・メイト-ペレスの後塵を拝してしまった。

ヨーロッパGP終了時点でフェッテルは2位のバトンとウエバーにチャンピオンシップポイントで77点の差をつけた。
これは残り11戦でバトンかウエバーのどちらかがすべてのレースに優勝しフェッテルが2位になって最終戦で初めて同ポイントになるという差だ。
ところがどっこい、F1の世界はなにが起こるかわからない。
2010年を振り返ってみてもヨーロッパGP終了時点で速いがまだ弱さのあったフェッテルが最終戦でチャンピオンを決めるとは誰も想像できなかったしフェッテルが韓国GPでトップを独走中に突如エンジンブローでリタイヤしノーポイントに終った。
FIAは前代未聞のシーズン途中のテクニカル・レギュレーション変更をしてまでレッドブルの優位性を削ろうとしている。
アロンソやハミルトンがもうシーズンは終わったなどといっているが、真に受けてはいけない。
これは相手を油断させるために良くやる場外心理戦なのだ。

さて、イギリスGPだが、ブローディフューザにアクセルオフでもエアを吹き付けるエンジンマッピングが禁止されることがレッドブルのパフォーマンスにどれほど影響するかだ。
おそらく、予選でのアドバンテージが少なくなるといわれているが、これが本当ならば予選でフロントローを独占して逃げ切りという手が使えなくなる。
レッドブルが本番で相変わらずKERSの冷却問題を抱えているとすればレース終盤が見物だ。
ハミルトンは得意とするコースだからここは一番がんばるだろう。
シューマッハも少し復調の兆しを見せている。
可夢偉もここで結果輪出さないと?がつき始める。厳しい世界だ。

イギリスGPは、1位フェッテル、2位ハミルトン、3位アロンソ、4位ウエバー、5位バトン、6位マッサ、7位可夢偉、8位シューマッハ、9位ロスベルク、10位ペトロフかな。

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YUKICHI OTSUKA/大塚雄吉
学会ネット株式会社 代表