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YUKICHI OTSUKA 大塚雄吉
F1 ウォッチャー
幼少期にF1に魅せられ、50年以上にわたって、日本製のF1が出ていなくても、日本人F1ドライバーがいなくても50年以上にわたってF1を見続けてきた、F1 ウォッチャー。

Formula One 2014(6)2014.05.24

スペインGPも、メルセデスのワンツー・フィニッシュだった。
今回は接戦で、優勝したハミルトンと2位ロスベルグのタイム差は0.6秒しかなかった。
メルセデスは予選から他のチームとは次元の異なる速さを見せていた。
ポールポジションのメルセデス・ハミルトンと予選3番手のレッドブル・リチャルドの間には1周1秒以上のタイム差があった。
決勝でも勝者ハミルトンは3位リチャルドに49秒という大差をつけた。
これは1周当たりに直すと0.8秒近い差で、予選のパフォーマンス差がそのまま結果に現れたといえるだろう。
チャイナGPから3週間あったので各チームともアップデートを持ち込んで少しでもメルセデスに近づけようとしたのだが、メルセデスのアップグレードの方が上回っていて、逆に差を広げられてしまった。
それでも、5位にはフェッテルから2.5秒遅れでウイリアムズのボッタスが入り、ロータスのグロージャンは今シーズンはじめてのポイント圏内フィニッシュで8位に食い込んだ。

今年のメルセデスは2009年のブラウンGP(続けていればホンダF1だったのに・・)のような状態だ。
若干の光明は、ルノーPUの制御が改善されてレッドブルやロータスのパフォーマンスが上がってきていることだろう。
まだまだ長い道のりであることには変わりがないが・・・。
フェラーリとマクラーレンも深刻だ。
アロンソはホーム・レースなのに6位に入るのがやっとだった。
バトンはスペインでもトップ10でゴールできなかった。

メルセデスが強すぎるのでチーム間のトップ争いへの興味は薄れてしまう。
しかし、レースが面白くないかと言うとそうでもない。
メルセデスの1・2位を筆頭に、3・4位にはレッドブル、6・7位にはフェラーリ、9・10位にはフォースインディア、11・12位にはマクラーレンが入ったから、チームメイト同士の戦いが激しくなっていて、随所でチームメイト間の白熱したバトルが見られる。
これが今年のひとつの見所だ。

いよいよ、伝統の一戦モナコGPの週末が始まる。
モナコの市街地コースはコートダジュールに建並ぶ歴史的な建物の間を縫う公道を閉鎖して行われる真のストリート・コースだ。
しかし、最高速が時速300Kmを超える現代のF1を走らせるのには向いていない。
コース幅は意外とあるのだが、ガードレールに囲まれているのでエスケープ・ゾーンがほとんどない。
現在のF1だとスタート直後の1コーナーで上位の順位が決まってしまい、コース上で抜くチャンスはほとんどない。
それでも雨が降ったりするとドライバーの実力で順位が大きく変動する。
モナコ・マイスターと言えば、アイルトン・セナ、マイケル・シューマッハ、グラハム・ヒルの名前が頭に浮かぶ。
セナがガードレールから数センチのところまでタイヤを寄せてモナコの街並を背景にコーナリングする姿はとても美しかった。

現役ドライバーでモナコを好むドライバーを上げるとすると、アロンソ、ロスベルグ、マルドナド、ペレスだろうか。
2013年のウイナー、ロスベルグはモナコでハミルトンを下す必要がある。
アロンソはマシン・パフォーマンスのウエイトが下がるモナコならチャンスが広がる。
コーナリング・マシン、レッドブルのフェッテルもここでは期待できる。
メカニカル・トラクションの良いウイリアムズはいつもモナコではいいところを見せる。

モナコGPは1位ロスベルグ、2位ハミルトン、3位アロンソ、4位フェッテル、5位ライコネン、6位リチャルド、7位マッサ、8位ペレス、9位マルドナド、10位グロージャンかな。

2014 ©Yukichi Otsuka, All Rights Reserved

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YUKICHI OTSUKA/大塚雄吉
学会ネット株式会社 代表

Formula One 2014(5)2014.05.09

チャイナGPは、メルセデスのワンツー・フィニッシュで幕が下りた。
ここ上海でもハミルトンは2位ロスベルグに18秒も差をつけてゴールした。
これでメルセデスは4連勝、3戦連続1・2フィニッシュとなった。
予選でもハミルトンのタイムのほうが良かったからロスベルグはこのあたりで真剣に巻き返さないといけなくなってきた。
ハミルトンは速いが強いとは限らないという感じだったのが、今シーズンは速くて強いドライバーになった。
マシンが良いから可能なことではあるが中盤から後半にかけて巧くレースをコントロールしていた。

ロスベルグはがんばらないといけない。
たとえ、今シーズンこのままメルセデス・チームの独走が続いたとしても、ハミルトンとロスベルグが拮抗した走りを見せてくれればレースは面白い。

アロンソは3位に入り、今期初めて表彰台に立った。
チーム代表が辞任した直後のレースで初表彰台とは皮肉な結果だ。
フェラーリのマシンは少しずつ良くなっているのだろうが、決勝に強いアロンソをもってしても2位には届かないのが今の実力だ。
フェラーリは本気でロス・ブラウンを呼び戻すことを考えているのかもしれない。
ブラウンの開発力もさることながら、彼は去年まではメルセデスの中心にいたわけだから今ダントツに速いメルセデスのPU以外の情報も持っているはずだ。
ブラウンがフェラーリに復帰することになっても来年からだろうが、・・表面的には。

レッドブルはアロンソに続いて4位と5位に入った。
しかし、ゴール順はリチャルド4位、フェッテル5位というものだった。
チャンピオンはどうしてしまったのだろう。
マシン・パフォーマンスが現時点でメルセデスに劣るのは仕方がないとしても、新入りチームメイトの後塵を拝しているのはいただけない。
レッドブルのことだからリヤのトラクションを向上させてフェッテルのドライビングスタイルを生かせるようにしてくるだろう。
しかし、アイルトン・セナはチームが変わっても、マシンのパフォーマンスが劣っていても、不具合があってもドライビングでカバーすることができた。
フェッテルにはここ一番がんばってほしい。
ここまでの4戦で、ヒュルケンベルグが5位に2回、6位に2回入っているのと、新人のクビアトが10位以内3回と11位でフィニッシュしているのは特筆に価する。

第5戦はスペインGPだ。
カタルーニャ・サーキットはコーナーのレイアウトが少し鈴鹿に似ているところがあって日本人には親しみがもてる。
チャイナGPから3週間あったのでルノーのPUの改良が進んでいれば、レッドブルをはじめとするルノーPU勢が少しはメルセデスにチャレンジできるようになるかもしれない。
チャイナでは振るわなかった老舗チームであるマクラ―レンとウイリアムズはカタルーニャのデータをたくさん持っているので巻き返してくるだろう。
スペインGPはアロンソのホームGPであることを忘れてはいけない。
アロンソが持てウ力と技術を駆使して観客の期待に応えようとする姿が見られるだろう。

スペインGPは1位ハミルトン、2位ロスベルグ、3位フェッテル、4位アロンソ、5位ライコネン、6位リチャルド、7位ハイドフェルド、8位バトン、9位マッサ、10位マグネッセンかな。

2014 ©Yukichi Otsuka, All Rights Reserved

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学会ネット株式会社 代表