ドイツGPはロスベルグの圧勝に終わった。
ドイツGPでドイツ人がドイツのマシンに乗って優勝したのは始めてだ。
ボッタスは猛追するハミルトンを磨り減ったタイヤで応戦し、見事に押さえきって2位に入った。
これでボッタスは3戦連続表彰台だ。
ハミルトンは予選Q1中にブレーキ・トランスミッション系統のトラブルに見舞われてコースアウトしタイヤバリヤに突っ込んだ。
Q2に出走できなかったハミルトンは、予選16番手になった。それに加えて決勝レースのためにギヤボックス交換をしたため、更に5グリッド降格となり、20番グリッドからのスタートとなった。
ハミルトンは、トップグループに追いつくためにリスクをとった追い抜き抜きをせざるを得ず、その過程で接触・破損したフロントウイングのために終盤の追い上げスピードが若干不足し、ゴールまでにボッタスを抜くことができなかった。
それにしても、重いトラブルはハミルトンのほうに多く発生する。
これで、ロスベルグとハミルトンのポイント差は14に広がってしまった。
フェッテル4位、アロンソ5位、リチャルド6位が入った。フォースインディアのヒュルケンベルグは7位、ペレスは10位だった。マクラーレンは、マグネッセンが予選4位と復調の兆しガ見られたが、決勝はバトン8位、マグネッセン9位に終わった。
マグネッセンは序盤の接触がなければもう少し上位に食い込めただろう。
序盤の衝突回避も勝つための重要なテクニックだ。
ドイツGPは2014シーズン全19戦の10戦目にあたりちょうど折り返し点だ。
ここまでにメルセデスは9勝している。
マシン・トラブルが発生しない限り、1位と2位はメルセデスの指定席になっている。
シーズン後半もこの調子でメルセデスが勝ち続けるかと言うとそうとも言えない。
特に、進境著しいのはウイリアムズで、ドイツGPの予選タイムはメルセデスまであと0.29秒だった。
決勝のペースをもう少し上げることができればメルセデスと充分戦える。
今年は、新レギュレーションが始まったばかりだからシーズン後半になっても各チーム開発を続けるだろう。
どうやら、メルセデス・マシンの弱点は回生ブレーキを含んだブレーキ系統にありそうだから付け入る隙はある。
第11戦はハンガリーGPだ。
ハンガロリンクは1周4.4Kmでコーナーの多いコースだからパッシング・ポイントが少なく、予選の順位で決勝の順位が決まってしまうことが多い。
それでも、日曜日に雨が降れば、番狂わせが期待できる。バトンはハンガロリンクの天候が荒れると実力を発揮する。2006年はホンダ、2011年はマクラーレンで勝っている。
ハミルトンは2012年、2013年と連勝しているから今年は3連勝といきたいところだ。
いつもは決勝セッティング重視のアロンソ・フェラーリもここでは予選上位獲得に力を入れるだろう。
ここでは、メルセデスPUのアドバンテージが若干少なくなるからフェラーリPUとルノーPUのユーザのチームは腕の見せ所どころだ
ハンガリーGPは1位ハミルトン、2位バトン、3位フェッテル、4位アロンソ、5位マッサ、6位ライコネン、7位リチャルド、8位スーティル、9位グロージャン、10位クビアトかな。
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ブリティッシュGPで英国人ドライバー、ルイス・ハミルトンが優勝した。
直近のブリティッシュGPで優勝したドライバーと言うと2008年まで遡るが、その時もハミルトンだった。
このレースもロスベルグのマシンにギヤ・シフト関係のトラブルが出なければメルセデスのワン・ツーフィニッシュになるはずだった。
トラブルが出るまではロスベルグが快走していたから、予選6番手のハミルトンは抜くことができなかったかもしれない。
しかし、最近、マシン・トラブルはどちらかと言うとハミルトンのほうに多く出ていたからこうゆうことがあっても良いだろう。
これで、ロスベルグとハミルトンのチャンピオンシップポイント差は4に縮まった。
ボッタスは30秒遅れながら見事な追い上げで2位に入って自身の最高順位を更新した。
3位にはいつもどおりタイヤを巧くマネジメントしてバトンを抑えきったリチャルドが入った。
バトンはもう1周あれば3位に入れただろうが、ラストスパートをかけるのがちょっと遅かった。
またしても、母国グランプリの表彰台を逃してしまった。5位には、アロンソを抜くのに手間取っている間にリチャルドとバトンに逃げられてしまったフェッテルが入り、6位には、スタート位置が規定の位置より前だったために5秒のストップ・アンド・ゴー・ペナルティを受けながらも健闘したアロンソが入った。
ブリティッシュGPの予選は、英国特有の晴れたり曇ったり時々雨という気候のせいもあって少し面白い展開になっていた。
ロスベルグは天候に影響を受けずしっかりとポールを確保した。
フェッテルはコーナリングが速いレッドブルの特性を巧く引き出してマシンをフロントローに着けた。猫の目天気に強いバトンはマクラーレンを3番手に押し上げた。
いつもなら、Q3の最後にポールを奪っていくハミルトンが母国GPに対する気負いからかミスをして6番手になってしまった。
しかし、ハミルトンはそこから優勝してしまったのだから見事だった。英国人観客の大歓声の中ゴールできたのだ。
今年のドイツGPはホッケンハイムで開催される。
当初は直線部分の多い高速コースだったが2002年の改修後はF1コースとしては短めのどちらかと言うとテクニカルなコースになった。
パッシング・スポットも多い。
ホームGPとなるメルセデスとロスベルグの組み合わせは最も力が入る。
今年のF1マシンのパフォマンス差からみて対抗できるのは同じチームのハミルトンだけだ。
あとは、レース・ディが雨の予報なので雨による波乱があるかもしれない。
ロスベルグ以外のドイツ人ドライバーといえば、フェッテル、ヒュルケンベルグだ。
3人とも雨になればマシンの能力以上の走りを見せて上位に食い込んでくるだろう。
ブリティシュGPでパフォーマンスアップを印象付けたウイリアムズとマクラーレンのドライバー達は注目だ。
パワーユニット開発の責任者まで更迭してしまったフェラーリが浮上するにはもう少し時間がかかりそうだ。
ドイツGPは1位ロスベルグ、2位ハミルトン、3位フェッテル、4位ヒュルケンベルグ、5位マッサ、6位ペレス、7位アロンソ、8位バトン、9位スーティル、10位マグネッセンかな。
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レッドブル優勝の後を受けたオーストリアGPだったが、モナコ以前の状態に戻ってしまった。
優勝はメルセデス2台の間で争われた。
マッチレースに勝って優勝を手にしたのはロスベルグ、予選時点からロスベルグに差をつけられていたハミルトンは9番手スタートがたたって2位に甘んじた。
3位と4位にはウイリアムズのボッタスとマッサが入った。
それでも優勝したロスベルグと3位のボッタスのタイム差は8.1秒だったから、メルセデスと他のチームのタイム差は縮まってきている。
フェラーリはアロンソがトップから18.5秒遅れの5位、ライコネンは10位だった。
フェラーリはメルセデスと競える状態になるまでの道のりは遠そうだ。
フォースインディアのペレスはグリッド降格のペナルティを跳ね返して6位、ヒュルケンベルグは9位だった。
ペレスはこのところ卓越したタイヤ・マネジメント能力を発揮してマシンのパフォーマンスを引き上げている。
マグネッセンは7位に入ったものマクラーレンもメルセデスからは遠い位置にいる。
ホームグランプリだったレッドブルはリチャルドが8位、フェッテルはリタイヤ(序盤の遅れを挽回するのを不可能とみてエンジン温存のため)と散々な結果だった。
それでも、予選の結果を見るとメルセデスにも付け入る隙ができてきたことがわかる。
ウイリアムズの躍進がレースを面白くしている。ハミルトンのコースオフ(おそらくはブレーキングシステムの不調による)があったとは言え、メルセデスを差し置いてフロントローを独占してしまったのだ。
レースペースではメルセデスについていけなかったものの、3位・4位フィニッシュは立派なものだ。
カナダGPでのブレーキ制御システムの不調(おそらく)と、今回予選でハミルトンを襲ったトラブルから見てブレーキングシステム(回生を含む)はメルセデス・マシンの弱点かもしれない。
ブリティッシュGPを前にカーターハム・チームのオーナーが変わったとの発表があった。
メルセデス、マクラーレン、フェラーリ、レッドブル、トロロッソ以外のチームはどのチームも財政状況が厳しいだろうから他人事ではないはずだ。
買い手が見つかっただけまだ良い方だ。
もっとも、カーターハムの場合はシーズンオフにもう一度売るために安く買っただけかもしれないが・・・。
シルバーストーンは高速コースだからメルセデスPUを積むマシンが有利であることに変わりはない。
気温が相当高くなるか、雨でも降らない限りメルセデスと対等に張り合えるチームはなさそうだ。
そんな中でも、長い歴史と経験を持ち、今年のマシンの調子が良いウイリアムズには期待したい。
コースにアップダウンがあまりなく風洞に近い空力効果が得られるシルバーストーンでは風が強くなければレッドブルが復活するかもしれない。
メルセデス同士のマッチレースになったとしても、ハミルトンがイギリス人ドライバーはなかなかブリティッシュGPで勝てないというジンクスを破れるかどうかは楽しみだ。
ブリティッシュGPは1位マッサ、2位ハミルトン、3位フェッテル、4位ボッタス、5位リチャルド、6位ペレス、7位アロンソ、8位バトン、9位マグネッセン、10位ヒュルケンベルグかな。
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