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YUKICHI OTSUKA 大塚雄吉
F1 ウォッチャー
幼少期にF1に魅せられ、50年以上にわたって、日本製のF1が出ていなくても、日本人F1ドライバーがいなくても50年以上にわたってF1を見続けてきた、F1 ウォッチャー。

Formula One 2012(2)2012.03.23

2012年はまれに見る面白いシーズンとなりそうだ。 
開幕戦とはいえ、今年のF1グランプリは予選からかなりの接戦だった。
Q1ではライコネンが19番手でQ2に進めず、Q2では、1.5秒以内に15台のマシンが入るというF3の予選のような状況だ。
Q3でも2011年にシーズン最多ポールポジションを取ったフェッテルが、今回ポールのハミルトンから0.7秒以上離され6番手スタートになってしまった。

フェラーリは、マクラーレンと比べて1周1秒近く遅いマシンでQ3に進むのはさすがに無理があり、アロンソがコースアウトするまで攻めたのに予選12番手がやっとだった。
マッサに至ってはQ3どころか危うくQ2にも進めないところだった。

マクラーレンは仕上がりの良さを見せつけてフロントローを独占した。
メルセデスはシューマッハが3番手、ロスベルグが7番手に入る速さをみせた。
ロータスはグロージャンが予選3番手となりマシンのポテンシャルが高いことを示したが安定性を欠いていた。
ザウバー、ウイリアムス、フォースインディア、トロロッソの中盤4チームは昨年より遥かにトップ5チームに近いところにいる。
つまり、今年は18台のマシンとドライバーによる混戦が期待できるということだ。

レースはバトンがタイヤと対話するクレバーな走りで完勝した。
フェッテルはドライビングうまさを見せて予選6位のレッドブルを2位に持ち込んだ。
ハミルトンは予選の一発では速かったがレースを通じてのタイヤの使い方はまだまだ改良の余地があり3位に甘んじた。
アロンソは4位のウエバーからかなり離されてしまっただけでなく5位を守るのにも苦労していた。
ファイナルラップのマルドナルドのクラシュから始まった混乱のおかげで、壊れたリヤ・ウイングのまま走り続けていた可夢偉が6位を得た。
マイナーな損傷であればそのままフィニッシュまで何とか持っていって入賞してしまうのはさすがだ。
ペレスは今年もなんとワン・ストップで走りきり8位に入った。

マレーシアGPは高温多湿の中でのレースを強いられる。
クローズド・コックピットのGTカー・ドライバーの中には脱水症状で倒れてしまうドライバーもいるほどだ。
天候もレース中に突如スコールが降ることが珍しくない。
もっとも今年は予選日決勝日とも天気予報は雨となっている。
予報どおりなら、雨に強いドライバー、バトン、フェッテル、ライコネン、可夢偉が有利だ。
アロンソも雨に強いがグリップのない今のフェラーリでは苦戦を強いられるだろう。
雨にめっぽう強いスーティルは残念ながら今年は出場していない。
マシンの実力が拮抗してくると、マクラーレン、ウイリアムスなどのチームはデータも経験も豊富なので強さを発揮する。
上位チームの中では冬の間のテストが不十分だったメルセデスとロータスはここ数戦は不安定な状態が続くだろう。

マレーシアGPは1位バトン、2位フェッテル、3位可夢偉、4位ハミルトン、5位ライコネン、6位シューマッハ、7位アロンソ、8位ウエバー、9位ヒュルケンブルグ、10位マルドナドかな。
2012 ©Yukichi Otsuka, All Rights Reserved

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YUKICHI OTSUKA/大塚雄吉
学会ネット株式会社 代表

Formula One 2012(1)2012.03.16

いよいよ2012年シーズン開幕である。 
今年はチャンピオンシップをとったことのあるドライバーが6人も参戦する。
24人中6人だから4人に1人がチャンピオン経験者だ。

中でも注目株は、今年からF1に復帰するライコネンだ。
北欧のドライバーは氷と雪の上をドライビングするのが日常なおかげかどうかわからないが限界時のトラクションに対する感覚が優れているのではないだろうか。
北欧出身のドライバーはF1チーム、エンジンメーカー、ビッグ・スポンサーなどの後ろ盾なしに純粋に個人のドライビング・スキルだけでF1シートを得ている。
ライコネンはマシン・ディベロップメントがうまいというよりは感覚で乗れてしまうドライバーだから、シーズン最初から実力を発揮するかもしれない。

もう1人のカムバック・チャンピオンシューマッハは、今年チャンピオン争いができなかったら来年は2度目の引退となるだろう。

可夢偉は今年がF1フル参戦3年目だ。
今年かなりの結果を出さないと優勝を狙えるチームにいけず、定評はあるがチャンピオンにはなれないドライバーとして定着してしまうだろう。
バトンのように長年続けているうちにチャンスがめぐってくることもあるが。

チーム・マシンに目を移すとレッドブルとマクラーレンは昨年からの正常進化、フェラーリは、昨年手堅い設計のためパフォーマンス不足だった反省から今年は思い切った設計にしたという。
しかし、テスト後の様子を見るとどうもうまくいっていないようだ。

一方、今年のメルセデスはかなりパフォーマンスアップしておりレッドブルとマクラーレンに近い実力があるといわれている。
エンジンもメルセデスは最もパワフルだ。
F1の名門ブランド、ロータス(去年までのルノー、もっと前はベネトン、トールマン)が復活した。
今年のパフォーマンスは未知数だ。
中盤チームの中ではトロロッソとフォースインディアは昨年後半の好調を維持しているようだ。

ザウバーは今年からブロウン・ディフューザーが禁止されたのでブロウン・ディフューザーなしの空力ノウハウが他のチームよりあると信じたい。

名門ウイリアムスは体制を一新して巻き返しを図っている。
テールエンダー3チームの中ではカーターハムが中盤チームの仲間入りをしそうな勢いだ。
 
オーストラリアGPは年間20戦もある中の初戦だ。
ドライバーもマシンも最初の5戦程度の実力を占うことはできるだろうが状況はどんどん変わるだろう。
2010年からレギュレーションが厳しくなったおかげで、チーム間の実力はますます拮抗している。
一人勝ちは難しくなり最終戦までチャンピオン争いがもつれることは充分あるだろう。

アルバートパーク・サーキットは常用サーキットではないので路面のグリップができるまで時間がかかる。
今年のピレリタイヤに最も早く適応できるのは誰だろうか。
フェラーリはマシン劣勢が伝えられるがタイヤのスペシャリスト、元ブリジストンの浜島氏がついている。
レースが終わるまで目が離せない。

オーストラリアGPは1位バトン、2位ハミルトン、3位フェッテル、4位シューマッハ、5位アロンソ、6位ロスベルグ、7位可夢偉、8位ウエバー、9位ペレス、10位ライコネンかな。                2012 ©Yukichi Otsuka, All Rights Reserved

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