ブラジルGPは、フェッテルが巧みにレースをコントロールして優勝した。
フェッテルは、2番グリッドから見事なスタートを切り、1コーナーの道幅が狭くなるところまでにトップに立ってからは、事実上一度もトップの座を譲ることなく、2位のボッタスに2.76秒差をつけてゴールした。
3位にはボッタスから1.84秒遅れてライコネンが入った。
ライコネンから僅か0.87秒遅れて4位でゴールしたのは、ピットスタートから驚異的な追い上げを見せたハミルトンだった。
今回、コースに巧く合わせこめなかったレッドブルはフェルスタッペンが5位、1周目のアクシデントに巻き込まれたリチャルドが6位でゴールした。
レッドブルの二人は、フェッテルから30秒以上離されていた。
母国のレースで踏ん張ったマッサは7位でゴールした。
アロンソは、6番グリッドからのスタートで1周目にはポジションをひとつ上げて5番手を走行していたが、ハミルトンやリチャルドといった速いマシンに先を越され、7番手争いをマッサと繰り広げていた。
もう少しと言うところまでいったが、結局マッサの前に出ることはできず、8位に終わった。
ペレスはアロンソに攻め落とされ9位、ヒュルケンベルグは1周遅れの10位となった。
フェラーリが信頼性を取り戻し、メルセデスを上回るほどではないが、戦い方によっては、メルセデスを打ち負かすことが可能になっている。
今回、メルセデスのハミルトンは、チャンピオンを決めた気の緩みでもないだろうが、予選Q1中にスピン、クラッシュして、予選ノータイムに終わり、ピットスタートとなった。
もし、ハミルトンが予選Q1でスピンせずにQ3まで戦っていたら、メルセデスに1番グリッドと2番グリッドを獲られていた可能性もあり、そうなれば、フェッテルもスタート直後にトップに出ることができず、違ったレース展開となっていたかもしれない。
F1レースは、ドライバー、マシン、PU 、タイヤ、レース戦略、コース特性、気候変動、アクシデントなどの要素が複雑に絡まりあって、結果が出るが、現在のレギュレーションが適用されてからの3年間は、メルセデスのマシン+PUが圧倒的に強く、市街地コースとか天候が不順であるとか、アクシデントがあってリタイヤが続出するとかことがない限りメルセデスを駆るドライバーが優勝していた。
4年目の今年になって、やっと、フェラーリとレッドブルのマシンはメルセデスに近づいたが、結局チャンピオンに輝いたのは、ハミルトンとメルセデスだった。
来シーズンは、トップ5チームぐらいの混戦が期待される。
次は、アブダビGPだ。
最終戦のアブダビGPでチャンピオンが決まったシーズンもあるが、今年はもうチャンピオンは決まっているので、アクシデントを避けて優勝を逃してもポイントを稼ぐという必要がない。
これが最後のレースなので、PUを次のレースのために温存するということもないので、目いっぱい飛ばせる。
アブダビのコースは、中速コーナーが多いので、コーナリング・マシンとなった今年のF1の速さを楽しむことができる。
ドライバーは、長時間横Gに耐えなければならないので大変だろうが・・・。
アブダビGPは1位リチャルド、2位フェッテル、3位アロンソ、4位ボッタス、5位ライコネン、6位オコン、7位ヒュルケンベルグ、8位ガスリー、9位マッサ、10位グロージャンかな。
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メキシコGPは、フェルスタッペンが圧倒的な速さを見せて優勝した。
そして、ハミルトンは、スタート直後のアクシデントのため最後尾まで後退したが9位まで挽回し、同じくアクシデントのために後退したフェッテルが4位に終わったので、2017年のチャンピオンが確定した。
メキシコGPの2位にはフェルスタッペンから19.7秒遅れてゴールしたボッタスだった。
3位にはボッタスから更に34秒遅れてライコネンが入った。
メキシコでのレッドブルとフェルスタッペンの速さは際立っていた。
パワーユニット・サプライヤーとしてのルノーはメキシコGPに関して信頼性よりパフォーマンスを重視したPUセッティングを施していたようで、6台のマシンのうち、トラブル・フリーで決勝レースを戦うことができたのは、フェルスタッペンのレッドブル・ルノーとガスリーのトロロッソ・ルノーの2台だけだった。
ガスリーも、金曜日のプラクティスから予選を通じての二日間、PU・トラブルで殆ど走ることができなかった。
シーズン中盤まで、PUトラブルでレースを走れなかったことが多かったフェルスタッペンは、やっと運が巡ってきたというところだ。
今回のフェルスタッペン+レッドブルは、予選から速さが際立っていた。
予選Q1とQ2でトップタイムを出し、フェッテルが渾身の走りでトップタイムをたたき出すまでは、Q3でもトップタイムを維持していた。
Q3のタイムは、予選3番手のハミルトンより0.36秒速いタイムだった。
パワーに勝るメルセデスにたいして、予選で0.36秒速いとは驚異的だ。
レッドブルは、ルノーやトロロッソといった他のルノー勢よりも、空力性能が高いだけでなく、燃料組成面でもパワーアップしているので、コースによってはメルセデスと互角に戦えるのだ。
それでも、フェルスタッペンの才能なしにしてはこのタイムは出なかっただろう。
決勝レースは、スタート直後の攻防で殆どが決まってしまった。
2番グリッドのフェルスタッペンは、ポールポジションのフェッテルをアウト側からかぶせて鼻先で抑え、トップに立った。
3番グリッドのハミルトンにも先を越されそうになったフェッテルは、ハミルトンと接触した。
両者とも修復とタイヤ交換オためにピットインせざるを得なくなった。
唯一の逆転の機会であったタイヤ交換のタイミングも、32週目にバーチャル・セフティカーが入り、1周目のアクシデントで早めにピットインせざるを得なかった車は、他者が中盤でピットインするときに走り続けて前に出るという作戦が成立しなかった。
このため、フェッテルとハミルトンの下位ポイント獲得のための追い上げが、チャンピオンシップ争いとなってしまった。
次は、ブラジルGPだ。ブラジルGPの行われるインテルラゴス・サーキットは、左回りで高低差があり、特に第1コーナーは下りながら左に曲がっているので絶好のパッシング・ポイントだ。
ここでは、グランプリ・デーが雨に見舞われることも多い。ブラジル人F1ドライバーはマッサだけだが、マッサにとってはこれが最後の母国F1レースとなりそうだ。
マッサには、何位でゴールしてもメインストレートでドーナッツ・ターンを見せてほしいし、マーシャルもいちいちとがめないでほしい。
ブラジルGPは1位フェッテル、2位リチャルド、3位ハミルトン、4位マッサ、5位ボッタス、6位ライコネン、7位バンドールン、8位オコン、9位サインツ、10位アロンソかな。
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