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YUKICHI OTSUKA 大塚雄吉
F1 ウォッチャー
幼少期にF1に魅せられ、50年以上にわたって、日本製のF1が出ていなくても、日本人F1ドライバーがいなくても50年以上にわたってF1を見続けてきた、F1 ウォッチャー。

Formula One 2015(10)2015.07.24

ブリティシュGPはハミルトンが劇的な優勝を飾った。
ハミルトンはゴール後のクールダウンラップ中にドーナッツターンまがいのパフォーマンスを見せた。
歓喜する母国の観客の前で勝利の舞ったのだ。
ハミルトンはシルバーストーンで常にいい成績を残してきたわけでは無い。
しかし今年は違った。
予選では、Q1,Q2と好調だったロスベルグをQ3で押さえて僅差でポールポジションをもぎとった。
メルセデスの2台がフロントローに陣取ったことには変わりがない。
グリッドの二列目はマッサとボッタスのウイリアムズコンビだった。三列目にはフェラーリの2台が並んだ。

レースはドライコンディションでスタートした。
メルセデス勢はスタート直後にウイリアムズの2台に先行されてしまった。
ハミルトンは1周目の終わりまでに2位に上がるが、セフティカー導入後に追い越しをあせって3位に落ち、ウイリアムズのワンツー体制を許してしまう。
この後、ハミルトンは冷静にレースを進め、20周目にトップグループの先人を切ってピットに飛び込みタイヤ交換をした。
見事、アンダーカットに成功してトップにたってしまう。
ピットインのタイミングとインラップ・アウトラップの速さの賜物だ。

中盤になってコースの一部で雨が降り出し、英国特有の気候が各チームを悩ませることになる。
トップグループ各車はタイヤを交換せずに走り続けるが、ここで速さを見せたのがロスベルグだった。
ロスベルグはウイリアムズの2台を抜いて2位に進出しただけでなく、トップのハミルトンに迫り始めた。
終盤、雨脚が強くなったところでベストタイミングのタイヤ交換したのはハミルトンとフェッテルだった。
ハミルトンは、ここからロスベルグとの差を広げてトップでゴールし、フェッテルはウイリアムズ2台を抜き去って3位でゴールした。

メルセデスのピットはモナコでの失態をシルバーストーンで取り返した。
フェラーリもオーストリアのピット作業もたつきでフェッテルが表彰台を逃した借りをブリティシュGPで返した。
マッサとボッタスは、優勝期待から一転して表彰台を逃す結果の4位と5位になってしまった。
クビアトは、高速コースにもかかわらず6位にはいり、ヒュルケンベルグとペレスは新スペックのマシンのおかげで7位と9位に入ることができた。
タイヤ交換が早すぎたライコネンは8位に甘んじた。
そして、10位には、4連続リタイヤからやっと今シーズン初ポイントを上げたアロンソが入った。
ブリテッシュGP後マクラーレン・ホンダは今シーズン5セット目(ペナルティを受けたテ投入した分を含めると全6セット)のPUを投入できることが承認されたが、パフォーマンス不足は遅々として解消されない。
絶対的な出力がもう少し出ていないとPU のマネジメントだけでは限界がある。
次に、投入されるホンダのPU は70~80馬力UPだと言われているが・・・。

次戦が行われるハンガロリンクはコース全長が短くて、小さなコーナーが続く。
パッシングが困難なコースなので、予選順位とピットストップのタイミングが重要になる。
ブリティシュGPのようにコンディションがめまぐるしく変われば、メルセデス以外のチームにも意外なチャンスが巡ってくる。
ロスベルグがここで巻き返せるか見ものだ。

ハンガリーGPは、1位ロスベルグ、2位ハミルトン、3位フェッテル、4位ライコネン、5位バトン、6位アロンソ、7位クビアト、8位リチャルド、9位ボッタス、10位サインツかな。

2015 ©Yukichi Otsuka, All Rights Reserved

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YUKICHI OTSUKA/大塚雄吉
学会ネット株式会社 代表

Formula One 2015(9)2015.07.03

オーストリアGPは優勝したロスベルグの完璧なレース運びが目立った。
スタートを決めてトップに立ってからは、ハミルトンを寄せ付けず終始レースをコントロールした。
ロスベルグは、モナコのタナボタ優勝とカナダの敗北を経た今回の完璧なレースがよほど嬉しかったらしく、パーク・フォルメにクルマを停めた後、珍しく喜びを爆発させた。
2位のハミルトンはオーストリアの決勝でロスベルグ攻略できなかったことを認めた。
今回の、ロスベルグの勝利でチャンピオンシップ争いは息を吹き返した。
ハミルトンとのポイント差は10まで縮まった。
ロスベルグは、まだまだ、ハミルトンと互角に戦えることを示すことができた。
マッサはフェッテルがピットでホイール装着に時間がかかっていた隙に前へ出て3位の座を得、その座を守りきった。
ウイリアムズの今期初表彰台だ。
フェッテルは表彰台を逃したが、ここでもしっかりポイントを積み重ね、チャンピオンシップポイントで3位に着けている。
この後、トップから1分前後遅れで5位にボッタス、6位にヒュルケンベルグが入った。
ここまでがトップと同一周回だった。
レースとしては、スタートでロスベルグが先頭に立ったことと、終盤フェッテルがマッサを追い上げた場面以外は単調なものだった。

マクラーレン・ホンダは2台とも散々だった。
アロンソはライコネンに追突されてリタイヤ、バトンはセンサーの不調でリタイヤだった。
勝ち目のないオーストリアで5基目のPUを投入して、次のマクラーレンのホームレース、ブリティシュGPに万全の体制で臨むという作戦だった(PUは6あるエレメントごとに年間4基しか使用できないことになっており、5基目からは投入したレースでグリッド・ダウン・ペナルティを受ける)。
(ブリティシュGP直前になって導入初年度のPUは5基までペナルティなしにルールが変更された)2台ともリタイヤしてしまってはデータも採れない。
幸い、オーストリアGP後に設けられた公式テストディは2日ともほぼノートラブルで走れたようなので、高速コース用のデータとショート・ノーズをはじめとした新しい空力パーツのデータ取りはできただろう。

多くのF1チームにとって、ブリティシュGPはホームレースだ。
フェラーリ、トロロッソ、ザウバー以外のチームの本拠地は英国にある。
現在圧倒的な速さを誇るメルセデスAMGチームの本拠地も英国のブラックリーにある。
2008年まではホンダF1が本拠地として使っていたファクトリーだ。
メルセデスF1はホンダF1の後を受けたブラウンGPを買収して作られたからだ。
マクラーレンの本拠地はシルバーストーンとは目と鼻の先にある。
英国にはF1パーツのメーカーがたくさんあって、F1人材も多いから、チームの本拠地を置くのにもっとも効率がいい。
各チームは名前こそ変わっているが何十年も前からやっているチームが多く、オーナー、マネジメントやデザイナーが代わっても中堅のメンバーや施設は使い続けられている。
イタリアの誇り、F1の華であるフェラーリでさえ、イギリス人デザイナーを起用し、事実上の中心基地をイギリスに置くことがある。

ハミルトン、バトンとスティーブンスはブリティシュGPがホームレースだ、連勝を狙うハミルトンとパフォーマンスアップしたマクラーレン・ホンダで入賞を狙うバトンの熱くてCOOLな走りを期待したい。
英国特有の雨が降ってくれるとメルセデス以外のチームのチャンスが拡大する。

ブリティシュGPは、1位ハミルトン、2位ロスベルグ、3位マッサ、4位ライコネン、5位フェッテル、6位ボッタス、7位バトン、8位アロンソ、9位クビアト、10位ヒュルケンベルグかな。

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YUKICHI OTSUKA/大塚雄吉
学会ネット株式会社 代表

Formula One 2015(8)2015.06.19

今年のカナダGPはノー・アクシデントの内にレースが終わった。
スタート時の2・3コーナーのアクシデントやブレーキトラブルによるクラッシュ、最終シケインの立ち上がりでアウトに膨らんでチャンピオンズ・ウォールに張り付くなどというシーンもなかった。
むしろ、全ドライバー燃費に最も神経を使い、リフト・アンド・コースト(直線の後半でアクセルを戻して惰性で走り燃費を節約するテクニック)を多用して何とか300kmを100Kgの燃料で走りきれるように格闘していた。
優勝したハミルトンは、練習走行中にマシンをクラッシュさせたが、予選・決勝とも完璧な走りでレースを制した。
終盤には、後続のロスベルグとの距離を測りながら、ピットから出された1周当たり50mのリフト・アンド・コーストという細かなリクエストにも難なく応える余裕を見せていた。
3位にはフェラーリのライコネンが入れるはずだったが、制御プログラムの問題からか、ヘアピンで思わぬスピンを喫し、ボッタスに先を行かれてしまった。
マシン・トラブルのために18番グリッドからスタートしたフェッテルは見事な追い上げを見せて5位でゴールした。
同じく、マシン・トラブルで15番グリッドからスタートしたマッサも見事6位入賞を果たした。
予選、決勝とも久々に良い走りを見せたマルドナドは7位に入った。

今回、マクラーレン・ホンダはPUの改良に2トークンを使い、パフォーマンス・アップを目指していたが、結果は悲惨なものだった。
新しいPUはパワー不足な上に燃費も悪かった。
その上、信頼性も低く、2台ともトラブルでリタイヤしてしまった。
もはや、強力なデータ処理能力を持つマクラーレンのリソースを活用する必要があるのではないか。
ホンダは、ハードウエアの独創性や開発力は抜きん出ているがソフトウエア・制御の開発力は劣っているように見える。
ハードウエア同様、ソフトウエアの開発力も一日にしては成らない。

今、F1は大きな岐路に立っている。
F1は地上最速であるために高性能のパワーユニットを必要とする。
F1用のパワーユニットは、資金的にも技術的にも世界でも屈指の大自動車会社でないと開発できない。
また、過去に集中的な開発を許していたために、何シーズンも勝ち続けるチームがでてしまったことから、厳しい開発規制がかけられるようになった。
空力についても新しいアイデアが出るたびに規制するようになった。
長期間一人勝ちを許すと、興行としてのF1の面白さが殺がれるとの考え方からこうしているのだろう。
しかし、レッドブルは2013年までの4年間にわたって他を圧倒していたし、2014年からはメルセデスと拮抗するチームはない。
開発規制の意味はあるのだろうか? 
ドミナントなチームがあったとしてもせめてチームメイト同士が優勝を激しく争うことがあれば意味がある。
カナダGPは極端な例かもしれないが、ほとんどのドライバーがリフト・アンド・コーストを強いられ、チームメイトとのバトルよりもチームメイトの燃費を気にしながら走るようなレースになってしまっている。
今年のカナダGPではストレートでスリップに入りシケインの突っ込みでブレーキングを遅らせて抜き去るというようなシーンは見られなかった。
ここまで、燃費のウエイトが高くなってしまうとF1ではなく耐久レースだ。

次のオーストリアGPの行われるレッドブル・リンク(元A1リンク)はジル・ビルヌーブとはレイアウトが異なるが4本の直線のあるPUコースだ。
ドイツ人F1ドライバーが4人もいるのに今年はドイツGPがないので、ドイツ人ドライバーにとってはホーム・グランプリのようなものだ。
ここでは、ドライバー同士のバトルが見たい。

オーストリアGPは、1位ハミルトン、2位ロスベルグ、3位フェッテル、4位ライコネン、5位マッサ、6位ボッタス、7位リチャルド、8位ヒュルケンベルグ、9位フェルスタッペン、10位アロンソかな。

2014 ©Yukichi Otsuka, All Rights Reserved

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YUKICHI OTSUKA/大塚雄吉
学会ネット株式会社 代表

Formula One 2015(7)2015.06.04

モナコGPには予期せぬ波乱が待っていた。
レース終盤、快速ルーキー、フェルスタッペンがクラッシュした。
まず、バーチャル・セフティカーが、続いて実車のセフティカーがコースに入った。
予選・決勝を通じて首位を独走していたハミルトンがスーパー・ソフトに履き替えるためにピットから呼び戻された。
この時点で、メルセデスのピットは2位・3位との差を見誤っていた。
ハミルトンがピット・アウトしてコースに戻る時にはロスベルグは前に行っており、フェッテルも鼻の差で前に出てしまった。
このためハミルトン圧勝のはずのレースが一転、ロスベルグ1位、フェッテル2位、ハミルトン3位の順で残り10周を争うことになった。
ハミルトンはリスタート後、激しくフェッテルを攻め立てたが、ここはモナコ、抜くことはできない。
結局、そのままの順位でゴールした。

昔からモナコの1勝は他のGPの3勝に値するといわれ、マシンの差があっても、ドライバーの実力によって予選で前に行くことができれば、勝つチャンスがあるといわれていた。
ワールドチャンピオンを2回獲っているハミルトンは、モナコでは1勝しかしていない。
ハミルトンが今年のモナコ優勝に懸ける意気込みは並々ならぬものがあった。
しかし、ハミルトンの努力はルーキーのクラッシュとチームの判断ミスでふいになってしまった。
今シーズン、スペインGP以外ではハミルトンの後塵を拝し続けてきたロスベルグはラッキーなモナコ3連勝目をあげることになった。
ゴールラインを横切った後、ハミルトンは海側のコーナーで一旦クルマを止めた。
怒りを沈め、気持ちの整理をしていたのだろう。
最後にパーク・フォルメに戻ってきて3位のスポットにマシン停めるとき、ノーズをボードに当てて1位より先にもって行った。
これが彼のメッセージだ。
ハミルトンは貴重なモナコの一勝を逃したが、これで今年のチャンピオンをほぼ確実にしたかもしれない。
ヘルメットを脱いだ後のハミルトンは、落胆していたが、見事な振舞を見せた。
怒りをチームにぶちまけても当然の状況なのに大人の対応をしていた。
これで、メルセデスチームは、ハミルトンのために今まで以上に万全のサポート体制をとらざるを得なくなる。
ハミルトンは最悪の不可抗力に対しても自分をコントロールできる精神性を手に入れた。
しかも、予選・レースともドライビングでロスベルグに負けたわけではない。
急にフェラーリやマクラーレン・ホンダがメルセデスより速くならない限り、ほとんど無敵状態と言える。

メルセデスがレース運営をしくじる中で、レッドブルは巧いチーム運営をした。
終盤、遅いタイヤで4位を走っていたクビアトに対して、速いタイヤで5位を走っていたリチャルドを先に行かせるよう命じ3位を狙わせたが、3位が手に入らないと分かるとクビアトを4位に戻すよう命じた。
今シーズン、マシン・トラブルに悩まされ続けてきたクビアトは、名誉あるモナコ4位の座を得てちょっぴりうれしかっただろう。
レッドブルとマクラーレン・ホンダはそれぞれモナコで少しパフォーマンスアップした。

次は、大西洋を渡ってカナダGPだ。
ジル・ビルヌーブ・サーキットは長い直線とタイトなコーナーを繋いだコースだから、最高速からのブレーキングを頻繁に強いられるれ、ブレーキとタイヤに厳しい。
このため、去年から重要性を増したのが回生ブレーキの性能とチューニングだ。
昔のF1ならブレーキだけで減速していたが、最近のF1は回生ブレーキによって減速時にプレーキの磨耗と熱エネルギーとして放出していたものを電気エネルギーに変えて蓄え、加速時に放出することによってエンジン・パワーをアシストする。
回生ブレーキと蓄えたエネルギーを制御するシステムがメカニカルブレーキと同等以上にマシンのパフォーマンスを左右する。
去年のカナダGPで、メルセデスのPUが中盤以降変調をきたして優勝を逃したのは記憶に新しい。
この次期のモントリオールはまだ涼しいが、晴れると昼間はけっこう気温が上昇する。
タイヤはスーパー・ソフトとソフトが用意されるから天気がいいとタイヤ戦略もレース結果を左右する。
ハミルトンはジル・ビルヌーブを得意としている。ホンダはついにトークンを2つ使った。

カナダGPは、1位ハミルトン、2位ロスベルグ、3位フェッテル、4位ライコネン、5位アロンソ、6位バトン、7位クビアト、8位マッサ、9位グロージャン、10位ナスルかな。

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Formula One 2015(6)2015.05.21

スペインGPは、予選から一貫して速かったロスベルグが、自身にとってきわめて重要な一戦をものにした。
ロスベルグは今期初優勝だ。
しかも、2位ハミルトンに17.5秒も差をつけての完全勝利だった。
フェッテルは3位表彰台に食い込むのがやっとの状態でハミルトンから更に28秒近くも離されてしまった。
やはり、今回のようにタイヤのもちがいいレースだとメルセデスの持つパワー・アドバンテージが際立ってしまう。
フェッテルから更に14秒後にボッタスとライコネン、6位にマッサが入った。
上位6台がメルセデス、フェラーリ、ウイリアムズの3チームで占められ、7位以下はすべて周回遅れにされてしまった。
中位チームで元気なのはトロロッソで二人のルーキードライバーが第1チームで遥かに予算規模の大きいレッドブルと互角以上に戦っている。
何しろ、予選ではトロロッソの二人が5番手と6番手でレッドブルより前に並んだ。
PUはレッドブルと同じルノーだからトロロッソの今年のシャシーの開発方針が当たったといえる。
トロロッソの空力設定はレッドブルよりマイルドなのかもしれない。
各車、カタルーニァ・サーキットでは横風や追い風の急激な変化に悩まされていた中でトロロッソは見事な予選結果を出した。

マクラーレン・ホンダは3週間の休みの間にかなりの宿題をこなしてきたようで、フリー走行、予選とも中位チームの域に入ってきた。
しかし、決勝ではアロンソがブレーキトラブルで途中リタイアし、バトンは完走したもののリアの挙動がおかしくて中盤以降は全く戦えなかった。
マクラーレン・ホンダは、スペインGP直後にあるテストでできるだけデータを集めて改良を続けるしかない。

メルセデスとフェラーリは、合法的に予選時の一発パフォーマンスを高める方法を持っているようだ。
このため、燃料流量規制が守られているかどうかをより厳しくチェックするために燃料流量センシングの方法を変えることが検討されている。
PU 新規定発効以来PUの制御はますます複雑になってきている。
2013年まではエンジンの排気を空力に利用するというアイデアが物議を醸していたが、2014年以降はPUのセッティングによってマシンの操縦性特性を変えたりできるようになった。

次は、伝統のイベントモナコGPだ。
100%市街地の公道を使って行われるF1レースだ。
創世記の自動車レースでは一般道を閉鎖してサーキットにすることはよくあった。
近年になって、レースカーがあまりにも速くなりすぎたため、エスケープ・ゾーンの取れない公道で事故時の安全性を確保するのは難しくなってしまった。
しかし、プレミアムGPであるモナコはガードレールの強化やエスケープ・ロードの確保、独立したピット・エリアなどによって近代F1の舞台であり続けている。
モナコGPの最大の見所は予選にある。
レースになってしまうとスタートの第1コーナーまでに決まった順番でのパレード・ランになってしまう。
コース上でパッシングするのは非常に困難でリスキーだからだ。
モナコでは、PUのパワーも空力によるダウンフォースもほかのサーキットほどのアドバンテージにはならない。
トラクションの低い公道舗装の上でも巧く走れるドライバーがいいタイムを出す。
市街地コースのおかげで予選はドライバーの技量の差を見ることができる。

ロスベルグは遅いマシンに乗っていた時でもモナコではいいタイムを出してきた。
今年のフェラーリならば、ロー・トラクションに強いライコネンの快走が見られる気がする。
グロージャンはフランスGPのない今、モナコがホームGPだ。マルドナドはモナコで速い。

モナコGPは、1位ライコネン、2位ロスベルグ、3位アロンソ、4位ハミルトン、5位フェッテル、6位バトン、7位クビアト、8位ボッタス、9位マルドナド、10位グロージャンかな。

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