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YUKICHI OTSUKA 大塚雄吉
F1 ウォッチャー
幼少期にF1に魅せられ、50年以上にわたって、日本製のF1が出ていなくても、日本人F1ドライバーがいなくても50年以上にわたってF1を見続けてきた、F1 ウォッチャー。

Formula One 2015(8)2015 / 06 / 19

今年のカナダGPはノー・アクシデントの内にレースが終わった。
スタート時の2・3コーナーのアクシデントやブレーキトラブルによるクラッシュ、最終シケインの立ち上がりでアウトに膨らんでチャンピオンズ・ウォールに張り付くなどというシーンもなかった。
むしろ、全ドライバー燃費に最も神経を使い、リフト・アンド・コースト(直線の後半でアクセルを戻して惰性で走り燃費を節約するテクニック)を多用して何とか300kmを100Kgの燃料で走りきれるように格闘していた。
優勝したハミルトンは、練習走行中にマシンをクラッシュさせたが、予選・決勝とも完璧な走りでレースを制した。
終盤には、後続のロスベルグとの距離を測りながら、ピットから出された1周当たり50mのリフト・アンド・コーストという細かなリクエストにも難なく応える余裕を見せていた。
3位にはフェラーリのライコネンが入れるはずだったが、制御プログラムの問題からか、ヘアピンで思わぬスピンを喫し、ボッタスに先を行かれてしまった。
マシン・トラブルのために18番グリッドからスタートしたフェッテルは見事な追い上げを見せて5位でゴールした。
同じく、マシン・トラブルで15番グリッドからスタートしたマッサも見事6位入賞を果たした。
予選、決勝とも久々に良い走りを見せたマルドナドは7位に入った。

今回、マクラーレン・ホンダはPUの改良に2トークンを使い、パフォーマンス・アップを目指していたが、結果は悲惨なものだった。
新しいPUはパワー不足な上に燃費も悪かった。
その上、信頼性も低く、2台ともトラブルでリタイヤしてしまった。
もはや、強力なデータ処理能力を持つマクラーレンのリソースを活用する必要があるのではないか。
ホンダは、ハードウエアの独創性や開発力は抜きん出ているがソフトウエア・制御の開発力は劣っているように見える。
ハードウエア同様、ソフトウエアの開発力も一日にしては成らない。

今、F1は大きな岐路に立っている。
F1は地上最速であるために高性能のパワーユニットを必要とする。
F1用のパワーユニットは、資金的にも技術的にも世界でも屈指の大自動車会社でないと開発できない。
また、過去に集中的な開発を許していたために、何シーズンも勝ち続けるチームがでてしまったことから、厳しい開発規制がかけられるようになった。
空力についても新しいアイデアが出るたびに規制するようになった。
長期間一人勝ちを許すと、興行としてのF1の面白さが殺がれるとの考え方からこうしているのだろう。
しかし、レッドブルは2013年までの4年間にわたって他を圧倒していたし、2014年からはメルセデスと拮抗するチームはない。
開発規制の意味はあるのだろうか? 
ドミナントなチームがあったとしてもせめてチームメイト同士が優勝を激しく争うことがあれば意味がある。
カナダGPは極端な例かもしれないが、ほとんどのドライバーがリフト・アンド・コーストを強いられ、チームメイトとのバトルよりもチームメイトの燃費を気にしながら走るようなレースになってしまっている。
今年のカナダGPではストレートでスリップに入りシケインの突っ込みでブレーキングを遅らせて抜き去るというようなシーンは見られなかった。
ここまで、燃費のウエイトが高くなってしまうとF1ではなく耐久レースだ。

次のオーストリアGPの行われるレッドブル・リンク(元A1リンク)はジル・ビルヌーブとはレイアウトが異なるが4本の直線のあるPUコースだ。
ドイツ人F1ドライバーが4人もいるのに今年はドイツGPがないので、ドイツ人ドライバーにとってはホーム・グランプリのようなものだ。
ここでは、ドライバー同士のバトルが見たい。

オーストリアGPは、1位ハミルトン、2位ロスベルグ、3位フェッテル、4位ライコネン、5位マッサ、6位ボッタス、7位リチャルド、8位ヒュルケンベルグ、9位フェルスタッペン、10位アロンソかな。

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YUKICHI OTSUKA/大塚雄吉
学会ネット株式会社 代表

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