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YUKICHI OTSUKA 大塚雄吉
F1 ウォッチャー
幼少期にF1に魅せられ、50年以上にわたって、日本製のF1が出ていなくても、日本人F1ドライバーがいなくても50年以上にわたってF1を見続けてきた、F1 ウォッチャー。

Formula One 2015(9)2015 / 07 / 03

オーストリアGPは優勝したロスベルグの完璧なレース運びが目立った。
スタートを決めてトップに立ってからは、ハミルトンを寄せ付けず終始レースをコントロールした。
ロスベルグは、モナコのタナボタ優勝とカナダの敗北を経た今回の完璧なレースがよほど嬉しかったらしく、パーク・フォルメにクルマを停めた後、珍しく喜びを爆発させた。
2位のハミルトンはオーストリアの決勝でロスベルグ攻略できなかったことを認めた。
今回の、ロスベルグの勝利でチャンピオンシップ争いは息を吹き返した。
ハミルトンとのポイント差は10まで縮まった。
ロスベルグは、まだまだ、ハミルトンと互角に戦えることを示すことができた。
マッサはフェッテルがピットでホイール装着に時間がかかっていた隙に前へ出て3位の座を得、その座を守りきった。
ウイリアムズの今期初表彰台だ。
フェッテルは表彰台を逃したが、ここでもしっかりポイントを積み重ね、チャンピオンシップポイントで3位に着けている。
この後、トップから1分前後遅れで5位にボッタス、6位にヒュルケンベルグが入った。
ここまでがトップと同一周回だった。
レースとしては、スタートでロスベルグが先頭に立ったことと、終盤フェッテルがマッサを追い上げた場面以外は単調なものだった。

マクラーレン・ホンダは2台とも散々だった。
アロンソはライコネンに追突されてリタイヤ、バトンはセンサーの不調でリタイヤだった。
勝ち目のないオーストリアで5基目のPUを投入して、次のマクラーレンのホームレース、ブリティシュGPに万全の体制で臨むという作戦だった(PUは6あるエレメントごとに年間4基しか使用できないことになっており、5基目からは投入したレースでグリッド・ダウン・ペナルティを受ける)。
(ブリティシュGP直前になって導入初年度のPUは5基までペナルティなしにルールが変更された)2台ともリタイヤしてしまってはデータも採れない。
幸い、オーストリアGP後に設けられた公式テストディは2日ともほぼノートラブルで走れたようなので、高速コース用のデータとショート・ノーズをはじめとした新しい空力パーツのデータ取りはできただろう。

多くのF1チームにとって、ブリティシュGPはホームレースだ。
フェラーリ、トロロッソ、ザウバー以外のチームの本拠地は英国にある。
現在圧倒的な速さを誇るメルセデスAMGチームの本拠地も英国のブラックリーにある。
2008年まではホンダF1が本拠地として使っていたファクトリーだ。
メルセデスF1はホンダF1の後を受けたブラウンGPを買収して作られたからだ。
マクラーレンの本拠地はシルバーストーンとは目と鼻の先にある。
英国にはF1パーツのメーカーがたくさんあって、F1人材も多いから、チームの本拠地を置くのにもっとも効率がいい。
各チームは名前こそ変わっているが何十年も前からやっているチームが多く、オーナー、マネジメントやデザイナーが代わっても中堅のメンバーや施設は使い続けられている。
イタリアの誇り、F1の華であるフェラーリでさえ、イギリス人デザイナーを起用し、事実上の中心基地をイギリスに置くことがある。

ハミルトン、バトンとスティーブンスはブリティシュGPがホームレースだ、連勝を狙うハミルトンとパフォーマンスアップしたマクラーレン・ホンダで入賞を狙うバトンの熱くてCOOLな走りを期待したい。
英国特有の雨が降ってくれるとメルセデス以外のチームのチャンスが拡大する。

ブリティシュGPは、1位ハミルトン、2位ロスベルグ、3位マッサ、4位ライコネン、5位フェッテル、6位ボッタス、7位バトン、8位アロンソ、9位クビアト、10位ヒュルケンベルグかな。

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YUKICHI OTSUKA/大塚雄吉
学会ネット株式会社 代表

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