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YUKICHI OTSUKA 大塚雄吉
F1 ウォッチャー
幼少期にF1に魅せられ、50年以上にわたって、日本製のF1が出ていなくても、日本人F1ドライバーがいなくても50年以上にわたってF1を見続けてきた、F1 ウォッチャー。

Formula One 2020(11)2020.10.09

ロシアGPは、ボッタスが優勝した。
フェルスタッペンはボッタスから7.7秒遅れで2位に入り、過去2戦のリタイア地獄から脱した。
ハミルトンはスタート前にスタート練習場所ではないところでスタート練習をしたことによって10秒ペナルティを課せられた。
その後、見事な追い上げを見せたが3位まで順位を戻したところでレースは終わってしまった。

ロシアGPの予選はなかなかの見ものだった。
フェルスタッペンは、フリー・プラクティスでなかなかセッティングを決められず、そのまま予選に突入した。
それでも、決勝で少しでも作戦の幅を広げるためQ2をミディアム・タイヤで走りQ3に進めるぎりぎりのタイムを出した。
そして、Q2終了間際に念のためソフト・タイヤで出走したが、チームはQ2終了間際にミディアム・タイヤで出した10番手以内に入れると判断してタイムアタックを中止した。
おかげでフェルスタッペンは決勝をミディアムタイヤで出走できることになった。

一方、ハミルトンはミディアムタイヤで出したタイムのラップがコースを外れていたためノータイムとなり、Q2終了まで1秒を切ったところでアタックして、ぎりぎりのところでQ3に進出できるタイムを出した。
これでハミルトンは決勝をソフトタイヤでスタートすることになった。
Q3では、いつも通りハミルトンがポールポジションを獲り、フェルスタッペンがボッタスのスリップ・ストリームをうまく使って2番手タイムを出し、ボッタスは3番手となった。

決勝レースは、ポールのハミルトンがソフトタイヤのグリップを生かしてトップに立ち、ボッタスがフェルスタッペンを抑えて2番手に上がった。
フェルスタッペンは3番手に下がったが、今回はPUトラブルはなさそうなのは幸いだった。
その間にサインツとストロールが後方でクラッシュしたため2周目にセフティカーが入る。
6周目にレースは再開され、7周目にはトップを走るハミルトンに10秒ペナルティの件が伝えられる。
ハミルトンは、ソフトタイヤで17周目まで引っ張ってピットイン、タイヤ交換とペナルティ消化を終える。
ハミルトンは8番手でコースに戻りすぐにフェッテルを抜いて7番手につく。

ハミルトンが先にピットに入ったおかげでボッタスはトップに立った。
フェルスタッペンはボッタスを追うが近づくまでには至らない。
ハミルトンはあっという間に順位を上げて、31周目には3番手になった。
ハミルトンの長い距離を走ったタイヤではこれ以上タイムを上げられず、フェルスタッペンを脅かすことができなかった。

ハミルトンのペナルティに助けられたとはいえ、久々に勝てたボッタスは嬉しそうだった。
優勝には絡めなかったとはいえ、ロシアGPではホンダPU搭載車が4台ともポイント圏内でフィニッシュして関係者がほっとむねをなでおろした。
ところが、ロシアGPが終わって、一週間もたたないうちに、ショッキングなニュースが伝わった。
ホンダが2021年限りでF1から撤退することを表明したのだ。
ホンダは、第1期以来、何度も撤退と復帰を繰り返してきた。
これで、撤退は4回目だ。
コロナ禍ぐらいでF1が開催できないような国に本拠地がありながら、ヨーロッパ文化そのもであるF1に参戦し、互角に渡り合っていることに価値があるのに、こんなに簡単にやめてしまうのは、いかがなものだろうか。
何年もメルセデスに勝ち続けてからならわかるが。

次はアイフェルGPだ。
伝統のコース、ニュルブルクリンクで開催される。
かつてはF1も1927年に作られた全長22Kmの北コースで行われていた。
1984年以降のF1は新設されたGPコースで競われている。
メルセデスとフェッテルにとってはホームグランプリだ。
フェッテルには、今のフェラーリ内の扱いを跳ね返して、チャンピオン・ドライバーの輝きを見せてほしい。

アイフェルGPは、1位フェルスタッペン、2位ハミルトン、3位ボッタス、4位ガスリー、5位リチャルド、6位ペレス、7位ノリス、8位アルボン、9位フェッテル、10位ルクレールかな。

2020 ©Yukichi Otsuka, All Rights Reserved

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YUKICHI OTSUKA/大塚雄吉

Formula One 2020(10)2020.09.25

トスカーナGPは、ハミルトンが赤旗が2度も出た混乱のレースを制して、イタリアGPでペナルティの為優勝を逃した雪辱を果たした。
ボッタスはハミルトンから4.8秒遅れで2位に入った。
3位には、アルボンが続き、うれしい初表彰台をゲットした。

フェラーリのF1出場1000回目を祝うトスカーナGPは、イタリアらしい、フェラーリらしい、華やかさの中で始まった。
フェラーリはバーガンディに塗り替えられた。
オフィシャルのセフティカーまで赤色に塗装され華を添えていた。
どうせなら、全車赤のストライプを入れるか、ナショナルカラーをベース・カラーにしたら良かったと思う。

実はフェラーリはもともと、今のフェラーリの赤より深い赤色に塗られていた。
よく使われた深紅のフェラーリという表現がピッタリくるカラーだった。
当初、F1はナショナル・カラーに彩られていたが、高騰する開発費と運営費をねん出するために、スポンサーのカラー・ロゴに塗り替えられるようになった。
確か、ゴールドリーフ・カラーのロータスが最初だったと思う。
当時の市販車、ロータス・ヨーロッパには、ゴールドリーフ・カラーをまとったものもあった。
唯一、F1ナショナル・カラーの赤を守り続けてきたフェラーリだが、実は10年ぐらい前からスポンサーのカラーに合わせて伝統の深紅から明るい赤色に変更している。
そして、最近は、空力のためにレッドブルをまねて、マット(艶消)にしたときは話題になった。

トスカーナGPの週末は、ICEのエンジンモードが週末固定になっても、何ら影響のないメルセデスがいつものように速さを見せつけて始まった。
ハミルトンは、前週のイタリアGPの後期するものがあるらしく、ボッタスを僅か0.059秒差で抑えてポールポジションを獲った。
F1全体にとって明るい兆しと言えば、レッドブルのフェルスタッペンがハミルトンから0.365秒差だったことだろう。
これなら決勝で何とか戦える範囲内だ。
フェラーリのルクレールもハミルトンから1.216秒離されたものの5番手につけて、フェラーリの記念すべきGPで面目を保った。

決勝レースは、スタート後、最初のコーナーまでにフェルスタッペンが失速したためか、後方で大混乱が起こり、ガスリー接触して両者がコースアウトする波乱の幕開けとなった。
このため。4周目に、赤色のセフティカーが出動した。このときの先頭はボッタス。
7周目にセフティカーが入ってレースが動き出したときに、再スタート時のボッタスのペースがあまりにも遅かったために後方で連鎖的にクラシュが発生し、4台が巻き込まれ、8周目に赤旗中断となった。

9周目にスタンディングスタートでレースは再開されたが、ここでハミルトンがボッタスを抑えてトップに立った。
ボッタス、ルクレール順でハミルトンを追うが、ボッタス以外はハミルトンについていけない。

43周目にストロールがタイヤ・トラブルで単独スピンしてクラッシュしたため、セフティカーが出動し、またもや赤旗が出る。
47周目に、生き残った12台で今回3回目のスタンディングスタート、残り13周のスプリントレースが始まる。
ハミルトンがスタートを制してトップを走る。51周目にアルボンがリチャルドを抜いて3番手に上がりそのまま順位は変動することなく、長いレースは終わった。
ゴールした後のハミルトンはかなり消耗していた(脱水症状?)。
2階の赤旗デレースは変なものになったが、赤旗休憩がなければ、ドライバーたちは持たなかったかもしれない。
暑い夏に、2時間にわたって旋回時のジェット戦闘機並みのGに耐えながらドライブをしたのだから。

次はロシアGPだ。
冬季オリンピックの施設の周りを周回するコースはストリート舗装のコースだ。
タイヤには厳しくないコースなのでメルセデスは楽に戦える。
レッドブルは、さらなる有効的なアップデートでメルセデスに迫れるか? 
ホンダは、2レース続いたPU制御の問題をそろそろ解決しないといけない。
クビヤトは、ホームレースで結果を出さないと来年のF1シートが危ういかもしれない。

ロシアGPは、1位フェルスタッペン、2位ボッタス、3位ハミルトン、4位アルボン、5位クビヤト、6位リチャルド、7位アルボン、8位ペレス、9位ノリス、10位フェッテルかな。

2020 ©Yukichi Otsuka, All Rights Reserved

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YUKICHI OTSUKA/大塚雄吉

Formula One 2020(9)2020.09.11

イタリアGPは、ガスリーが劇的な優勝を遂げた。
サインツは、あと1周あれば抜けたかもしれないと叫びながら、僅か0.415秒差でゴールラインを横切った。
ストロールはサインツから3.358秒遅れてフィニッシュし、表彰台の最後のスポットを埋めた。
イタリアGPの表彰台には今シーズン一度も表彰台に上ったことのないフレッシュな顔ぶれが並んだ。

イタリアGPの週末は、いつものように、メルセデスが圧倒的な速さを見せて、着実に準備を進め、予選でも、ハミルトンとボッタスのメルセデス2台と3番手につけたマクラーレンのサインツの間には、0.8秒の差があった。
予選に強いフェルスタッペンが、今回は5番手だった。
結局、予選モードを禁止してもメルセデスの圧倒的な速さは変わらなかったわけだ。ガスリーは、Q3に進んだものの、予選は10番手だった。
とはいえ、ガスリーはP1〜P3を通じていいタイムを出していたので、決勝では、マクラーレン、レーシングポイント、ルノーらと十分に競い合える速さを持っていた。

決勝レースは波乱のスタートで始まった。
ハミルトンは、順調なスタートを切ってトップの座をを守ったが、ボッタスはスタートで出遅れ、フェルスタッペンは後退してしまった。

ガスリーは10番手を走行していたが、19周目にピットインしてソフトからハードにタイヤを交換したため、一旦、14番手まで後退する。
20周目にマグネッセンがコース脇にマシンを停めたため、セフティカーが出動した。
最終コーナーを回っていたハミルトンとジョビナッツィは、すかさずピットピットインしてタイヤを交換した。
ところが、このときピットレーン・クローズドのサインが出ていたためにこの二人は審議対象になった。
22周目にピットレーンがオープンになって、タイヤ交換をしていないほとんどのマシンがタイヤ交換をしてフリーストップを得る。
ここでガスリーとストロールはピットインしなかったため、この時点でのトップ3は、ハミルトン、ストロール、ガスリーとなった。
24周目にレースは再開されされるが、25周目にルクレールがタイヤバリアを壊すほどのクラッシュをして、レースは赤旗中断となる。
20周目のピットインについての審議の結果、ハミルトンに10秒ピットストップ・ペナルティが課されることになった。

ガスリーは、レース再開直後にストロールの前に出て2番手に上がり、ハミルトンがペナルティ消化のためにピットインすると、29周目に遂にトップに立った。
ガスリーは、この後、ゴールまでの24周をミディアムタイヤで走り切り、猛追するサインツを振り切ってトップでチェッカーを受けた。
フェラーリの二人がリタイヤしてイタリア人にとって散々なイタリアGPとなるところだったが、なんと、アルファタウリが優勝したことで救われた。
もし観客の入ったレースだったら、表彰台の下はフェラーリが優勝した時と変わらぬ歓喜の叫びが渦巻いたことだろう。
今年から、レッドブルが始めたファッション・ブランド名であるアルファタウリにチーム名を変えたトロロッソだが、レッドブルに買収されるまではミナルディという万年最下位の弱小チームだった。
それでもケータリングのシェフが同行していたところがイタリアンらしいチームだった。
しかも、レース中は、そのシェフがタイヤ交換をしていたのだ!
今回、ウイリアムズ家の人々がウイリアムズ・チームから去ることになったが、チームは続いていく。
F1は長く続けていれば、歓喜の時は必ず訪れる。

次は、トスカーナGPだ。
グランプリの開催されるムジェロ・サーキットはフェラーリが所有するコースで、バイクの世界選手権MOTO‐GPが開催されるほか、フェラーリのテスト走行にも使われている。
日本で言えばホンダにとっての鈴鹿のようなコースだ。
高低差のある高速コースでF1レースに使われるのは初めてだ。
久々に、イタリアでF1が1シーズンに2回開催される。
(1994年までは、サンマリノ公国の名前を借りてイタリアで年2回開催されていた)
それが、新型コロナウイルスで多数の感染者と死者を出して悲惨な状況の2020年に2回開催するというのだ。
F1はイタリア文化に深く根づいている。
日本で言えば相撲のようなものだろうか? 
何があろうとイタリアはF1をやるという意思が見える。

フェラーリは、第二次世界大戦終結後、僅か2年で会社を立ち上げて、2台だけ製作したレーシングカーで参加したローマGPでいきなり優勝した。
トスカーナGPは、そのフェラーリのF1出場1000レース目に当たる記念すべき大会だ。
残念ながら、今年のフェラーリにはこの記念すべきレースを優勝で飾る実力はなさそうだが。これまで、幾多のチームがF1に訪れて去っていったが、その間、フェラーリだけがずっとF1に参加し続けてきた。
黄金期も、10年以上チャンピオンを獲れない低迷期も。

コーナリングスピードが非常に速い現在のF1では、高速コースであっても、ウルトラ・ロードラッグよりも、ある程度ダウンフォースを重視した空力セッティングのほうが、ラップタイムが速くなることがここ数戦でわかってきた。
レッドブルは、修正できるだろうか?
トスカーナGPは、1位フェルスタッペン、2位ハミルトン、3位ボッタス、4位リチャルド、5位ガスリー、6位ペレス、7位アルボン、8位ノリス、9位サインツ、10位フェッテルかな。

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YUKICHI OTSUKA/大塚雄吉

Formula One 2020(8)2020.09.04

ベルギーGPは、またしてもハミルトンの圧勝で幕を閉じた。
ハミルトンは、今季7戦5勝と圧倒的な強さで7度目のチャンピオンに向けて突っ走っている。
ボッタスは、ハミルトンから8.4秒遅れて2位でゴールした。
フェルスタッペンは、メルセデス勢に迫ることが全くできず、ボッタスからさらに7秒遅れでフィニッシュラインを横切った。
フェルスタッペンの3.4秒後には今回好調だったルノーのリチャルドが迫っていた。
さらに、リチャルドは使い古したハードタイヤでファーステストラップを記録してみせた。
リチャルドから20秒以上遅れだったものの、オコンも5位でフィニッシュしたから、ルノーのマシンはスパ・フランコルシャンで良いパフォーマンスを示したといえる。

一方、フェラーリは深刻な不振に陥っている。
スパを得意とするフェッテルをもってしても13位、ルクレールは14位と散々なレースだった。
フェラーリの2台は予選もこの位置だったから、これがマシンの実力によるものであることはあきらかだ。
2018年の勝者は、フェラーリのフェッテル、2019年の勝者はフェラーリのルクレールだったから激しい凋落ぶりだ。
しかも、フェラーリの2台は同じPUを積むアルファロメオのライコネンに先を越されてしまった。
もっとも、ライコネンはベルギーGPで過去4勝もしているスパ・マイスターなのだが。

上位3台が、固定してしまった退屈なレースを盛り上げたのは、アルファタウリのガスリーだった。
去年のベルギーGPでは、ジュニアチームのトロロッソ(現アルファタウリ)に降格させられたガスリーだったが、去年の後半から一皮むけた実力アップを果たし、予選でもQ3に残ることが多くなったし、決勝でも、交代させられたアルボンを脅かす速さを見せている。
今回も例外ではなく、ハードタイヤを履いてスタートしたにも関わらず10周目には8番手まで順位を上げた。
運悪く(他のドライバーにとっては運良く)12周目にジョビナッツィのクラッシュによってセフティカーが入り、他車は、フリー・ピットストップを得たが、ガスリーはハードタイヤだったためにタイヤ交換をしなかった。
おかげで一時は4位になったが、27周目にタイヤ交換した時は、16番手まで順位を落とした。
そこから、ガスリーは猛追撃を開始して8位でゴールし、ドライバー・オブ・ザ・デイに選ばれた。

2020年のF1は拮抗したレースが期待されたが、今のところ、メルセデス一強時代に逆戻りしている。
メルセデスの予選モードが強力すぎてフロントローをとってしまうから、決勝でも、トップを走ることによってタイヤの温度が上がりすぎず逃げ切ってしまう。
そこで、F1では、予選モードを禁止して予選・決勝を通じてモード変更できなくしようとしている。

しかし、これがホンダや他のPUサプライヤーにとって有利に働くとは限らない。
ホンダもレース中にハイ・パフォマンスモードに切り替えられなくなるから、昨年のオーストリアGPのようなことはできなくなるはずだ。
そもそも、メルセデスは予選モードなど使っていなかったのではないかという話まである。

それよりも、メルセデスは、ICE(エンジン)、MGU-K、MGU-Hとバッテリー間のエネルギーの蓄積やトランスファーをうまくやっているようで、これが合法か非合法かはわからないが、明らかにライバルPUよりブースト時のエネルギーが切れるのが遅いように見受けられる。
シングルモード・ルールはイタリアGPから適用されるから、イタリアGPの予選と決勝の結果を見れば、予選モード禁止がマシンの実力を拮抗させることにつながるかどうかが明らかになる。
シングルモードにした結果、メルセデスがさらに手の届かないところに行ってしまう可能性だって否定できない。

次は、イタリアGPだ。
グランプリの開催されるモンツァは、かつては高速カーブでもスピードを落とさなくてもよいようにバンク角がつけられていたことのあるコースで、生粋の高速コースだ。各チームは、空気抵抗を減らすために通常のコース用よりかなり小さいモンツァ用ウイングを用意する。
PUの出力不足を補いたいチームは、できる限りウイングを寝かせて最高速を1Kmでも上げようとする。
大事な場面で単独クラッシュをしてレースの流れを乱すことの多いイタリア人のジョビナッツィにとってはホームレースだ。
フェラーリ、アルファタウリ、アルファロメオ(実はスイスのチーム)にとってもホームグランプリとなる。
今年のフェラーリは、テフォッシを喜ばせるのは難しそうだ。
ベルギーでは、雨に賭けてうまくいかなかったレッドブルがどんなモンツァ戦略を立ててくるか注目だ。

イタリアGPは、1位フェルスタッペン、2位ボッタス、3位ハミルトン、4位リチャルド、5位ガスリー、6位アルボン、7位ペレス、8位オコン、9位ノリス、10位フェッテルかな。

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Formula One 2020(7)2020.08.28

スペインGPは、ハミルトンが圧勝した。
ハミルトンは、通算88勝となっただけでなく、表彰台フィニッシュ回数もF1歴史上最多の156回となった。
フェルスタッペンは、70周年記念GPでは、メルセデスの弱点を巧みについて勝ったが、今回は優勝を狙える状況ではなく、手堅く2位を確保するしかなかった。
ボッタスは、今回も3位でゴールした。

予選からメルセデス勢の速さは他を圧倒していた。
ポールポジションのハミルトンとボッタスは僅か0.059秒差で、両者とも最高の仕上がりなだけではなく、3番手のフェルスタッペンに0.7秒の差をつけていたのだ。
レーシングポイント勢の2台も速く、予選でフェルスタッペンとアルボンの間に割って入った。
マクラーレン勢は7番手と8番手を占め、フェラーリの2台は9番手と11番手というありさまだ。

決勝レースのスタートでは、クリーンなスタートを切ったハミルトンに対して、出遅れたボッタスのスキをついてフェルスタッペン、ストロール、ペレスがポジションを上げる。
ボッタスはすぐさまペレスを抜き返すが、ストロールが蓋になって2番手のフェルスタッペンに近づけない。
ボッタスは10周目になってようやくストロールの前に出てフェルスタッペンを追うが、あまり近づきすぎると自分のタイヤを痛めてしまうので、2秒以内には差を詰めない。

20週目ごろになると、70周年記念GPの時とは逆にレッドブルのタイヤが先に音を上げ始めた。
フェルスタッペンは22周目にピットインしてタイヤをミディアムに交換、それを見て、メルセデスは、2車とも24周目にミディアム・タイヤに交換する。
フェルスタッペンはピット作業の速さのおかげでハミルトンとのギャップを2秒縮めるが、ハミルトンに追いつくことができないという状況は変わらず、ハミルトンとのギャップはじりじりと開き始める。

70周年記念GPよりは路面がスムースであるとか、タイヤも耐久性のあるとはいうものの、メルセデスは暑さに対応したレースをしっかり練ってきていた。
上位の3台は、このままの順位でレースを終えることになったが、このレースのもう一つのハイライトはフェッテルだった。
スタートしたミディアムタイヤで30周目まで引っ張ったフェッテルは、残りの36周をユーズドのソフトタイヤで走り切ったのだ。
終盤、使い切ったタイヤで走っていたためにつー・ストップのストロールとサインツに抜かれたが、7位を守り切ってゴールしたのだ。
4回ワールドチャンピオンを獲得したフェッテルの技術と意地を見せてもらった感じだ。タイヤに優しいフェラーリだったことも幸いしたかもしれない。

次は、ベルギーGPだ。
名うての高速コース、スパ・フランコルシャンはPUの強いチームが有利だ。
レッドブル・ホンダにとっては試練のレースとなる。
メルセデスは言うまでもなく、レーシングポイントにも先を行かれる危険性がある。
ただし、風の流れが速く、スパ・ウエザーと言われる猫の目天気になれば、レッドブルにも勝機は出てくる。

ベルギーGPは、1位フェルスタッペン、2位アルボン、3位ボッタス、4位サインツ、5位ガスリー、6位ハミルトン、7位フェッテル、8位ルクレール、9位ノリス、10位ペレスかな。

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