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YUKICHI OTSUKA 大塚雄吉
F1 ウォッチャー
幼少期にF1に魅せられ、50年以上にわたって、日本製のF1が出ていなくても、日本人F1ドライバーがいなくても50年以上にわたってF1を見続けてきた、F1 ウォッチャー。

Formula One 2021(18)2021.11.05

USGPは、フェルスタッペンが見事なドライブでハミルトンとの接戦を制して優勝した。
ハミルトンはフェルスタッペンに対して、一歩も引かないドライビングをスタートからフィニッシュまで展開したが2位に終わった。
ペレスは、決勝レースを通じて車載のドリンクが飲めないトラブルに見舞われながらも3番手を維持して表彰台に上った。
結果、フェルスタッペンとハミルトンのチャンピオンシップ・ポイント差は12となった。

USGPの予選からフェルスタッペンとハミルトンが激しい攻防を繰り広げた。
ポールポジションを獲ったのはただ一人1分32秒台のラップタイムをたたき出したフェルスタッペンだった。
予選2番手は、フェルスタッペンから0.2秒差でハミルトン。
ハミルトンから僅か0.025秒差の3番手にはペレス。
ペレスはFPから好タイムをマークしてUSGPではフェルスタッペンとそん色のない走りを見せている。
予選4番手にはペレスから0.345離されたボッタスがつけた。
3列目はフェラーリ、4列目はマクラーレン、5列目はアルファタウリの2台づつが並んだ。
予選の結果を見る限り、レッドブル・ホンダはメルセデスに対して約0.3秒のアドバンテージを持っている。
ハミルトンが予選2番手なのはハミルトンのドライビングの巧さによるものだろう。

決勝レースは、ハミルトンがスタートでフェルスタッペンの前に出て1コーナーでトップに立った。
フェルスタッペンも無理をせず2番手につけた。
今回はマシンパフォーマンスが上なので、ピットのタイミングで前に出ればいいと判断したのだろう。

ハミルトンは逃げようとするがフェルスタッペンは1秒以内につけてそれを許さない。
フェルスタッペンは、このままハミルトンの後につけているよりも早く前に出て引き離した方が有利だとみて、11周目にピットインしてタイヤを交換する。
ペレスも12周目にピットインしたので、ハミルトンは13周目にピットインせざるを得なくなった。
この間に速いラップを重ねていたフェルスタッペンは、14周目にはハミルトンに6秒以上の差をつけることに成功した。
ところが、フェルスタッペンは29周目までに3秒を切るところまでハミルトンが追い上げられ、アンダーカットされないように30周目にピットインすることになる。
一方ハミルトンは38周目までピットインを遅らせて、最終スティントのタイヤの差でゴール直前にトップを奪還する作戦に出た。
ハミルトンがタイヤ交換を終えた時点でトップのフェルスタッペンとの差は8.5秒あった。
最後の数周のバトルに備えてタイヤを温存する走りのフェルスタッペンに対して、8周若いタイヤのハミルトンがどんどんと差を詰めていき、50周目は2秒を切るところまで迫った。
しかし、フェルスタッペンはハミルトンを1秒以+の後方にキープして、55周目を迎える。
フェルスタッペンは周回遅れを利用してホームストレートででリアウイングを開く権利を得るが、ハミルトンは周回遅れを抜くタイミングが悪くてリアウイングを開けない。
このため、ファイナルラップに入るホームストレートでフェルスタッペンに離されてしまう。
フェルスタッペンは、そのまま56周目(ファイナルラップ)を走り切り、トップでチェッカーを受けた。

角田は、FP1では長勝ったマシンのセットアップを辛抱良く進め、予選ではソフトタイヤを使ってQ3に進出した。
決勝では、ソフト・スタートの不利を補う見事なドライビングで、今シーズンのはベストと言える9位でフィニッシュした。

次は、メキシコGPだ。
標高2400mの高地にあるサーキットなので、ドライバーは酸素が薄いので、体力的にたいへんだ。
PUはターボに負荷がかかるし、空気が薄いので冷却が課題となる。
空力面でも、大きくて立ったウイングを使わないとダウンフォースが確保できない。
メキシコはホンダF1が初優勝を飾った地だ。
その時は、燃料のミックスを薄くしたエンジン・セッティングが好を奏し、圧倒的なパワーの差で優勝した。
今は、ホンダ・ジェットのコンプレッサー技術が生きる高地に強いターボがある。

ペレスは、勝てるマシンで迎えるホーム・グランプリだ。ペレスには高地慣れした体で有利だ。フェルスタッペンとの1・2フィニッシュを狙ってほしい。
メルセデス・ハミルトンはそう簡単には勝たせてくれないだろうが・・・。

メキシコGPは、1位フェルスタッペン、2位ペレス、3位ハミルトン、4位ボッタス、5位角田、6位ガスリー、7位ルクレール、8位サインツ、9位フェッテル、10位アロンソかな。

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YUKICHI OTSUKA/大塚雄吉

Formula One 2021(17)2021.10.22

トルコGPは、ボッタスが圧勝した。
ボッタスはポールポジションからスタートし、マシンのパフォマンス差を利して、トップ独走のアドバンテージを使い切った。
今回はハミルトンのアシストをする必要がなかったので、ファーステスト・ラップも記録し、トルコGPを完璧な形で制した。

フェルスタッペンは、メルセデスに対抗できるだけのマシンパフォマンスはなかったが2位でフィニッシュすることができた。
3位にはペレスが入り、フランスグランプリ以来の表彰台となっただけでなく、フェルスタッペンの2位獲得に貢献した。

ハミルトンは、予選トップタイムを出したが、ICEを交換したため決勝レースは11番グリッドからの追い上げることになり、レッドブル軍団の3台が前にいたこともあって、5位まで追い上げるのが精いっぱいだった。

フェルスタッペンがチャンピオンシップ・ポイント・リーダーに返り咲き、ハミルトンは6ポイント差で追うことになった。

トルコGPは、予選開始直後から、メルセデス対レッドブルの壮絶な戦略と戦術が展開された。
イスタンブールでは、メルセデスにレッドブルは歯が立たなかった。
予選トップのハミルトンと3番手のフェルスタッペンのタイム差は0.328秒あった。
予選2番手のボッタスはハミルトンから0.130秒遅れだが、本当はボッタスのほうが速く、チームオーダーでハミルトンのスタート順位を少しでも上げるために譲った可能性が高い。

レッドブルは、メルセデスに実質0.5秒近く離されていたが、アルファタウリも含めた4台がトップ10に入っており、ハミルトンはフェルスタッペンに到達するまでに、レッドブル勢の3台を抜く必要がある。
しかも、ハミルトンは、フェルスタッペンを抜いて2番手にならない限り、ボッタスから優勝を譲ってもらうこともできない。

決勝レースは、ウエット路面で、全車ミディアムタイヤを履いてのスタートとなった。
ポールポジションのボッタスはきれいなスタートを決め、2番グリッドのフェルスタッペンが続く。

ハミルトンはは1周目を終えたところで9番手まで上がり、8番手の角田に迫っていた。
ここからハミルトンは9周目まで角田を抜くことができず、その間にフェルスタッペンとハミルトンの差が17秒まで開いてしまった。
ハミルトンにとっては、序盤でフェルスタッペンにこれだけのタイム差をつけられたことと、角田との攻防でタイヤを必要以上に消耗したことが、終盤になってボディブローのように効いてくることになる。

この後、ハミルトンはガスリーを15周目に下して5番手になるが4番手にはペレスがいる。
32周目に、ハミルトンはペレスの背後に迫るが、ここから、ペレスは38周目まで6周に亘ってハミルトンを抑えこの間にフェルスタッペンはタイヤを交換してハミルトンの前でコースに復帰していた。
フェルスタッペンとハミルトンの差は3秒以下に縮まるが、タイヤの差がありこれ以上差を詰めることができない。
ハミルトンは、使い古したタイヤでゴール迄粘ってフェルスタッペンの前に出るチャンスを伺うが、じりじりトタイムが落ちていき、遂に51周目にタイヤ交換する。
ハミルトンは、そうしなければガスリーに抜かれて6位になる危険性があったのだ。

シーズン後半になって、フェラーリ、ルノーとメルセデスが戦略的に4基目のPUを投入し始めている。
フェルスタッペンももらい事故により4基目を投入している。
PUメーカー直系の4チームは、4基目を投入することによって、ICEの耐久性を犠牲にしてもエンジンをリミット近くまで使って、パフォーマンス・ゲインを得ようとしているのだろう。
今シーズンの争いは、し烈だ。

次は、USGPだ。
ハミルトンはこのコースを得意としている。
アロンソも効力方法を知っているようだ。
レッドブル・ホンダはメルセデストンパフォーマンス・ギャップを埋めることができるだろうか。
ハースにとっては、ホームレースだ。

USGPは、1位フェルスタッペン、2位ハミルトン、3位ボッタス、4位ペレス、5位ルクレール、6位サインツ、7位角田、8位ガスリー、9位フェッテル、10位アロンソかな

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Formula One 2021(16)2021.10.08

ロシアGPは、ハミルトンが勝利をものにした。
これで、ハミルトンはF1通算100勝目を達成した。
フェルスタッペンは、4基目のPUに交換したことにより最後尾スタートとなったが、順調に追い上げて、最後には望外の2位でフィニッシュした。
3位には難しい路面に強いサインツが入った。
残り3周というところまでトップを走っていたノリスは、タイヤ交換のタイミングを見誤り、最終7位でレースを終えた。

ロシアGPの予選は、濡れた路面で始まった。
Q1とQ2は各車インターミディエイト・タイヤを装着して走行した。
Q3も最初はインターミディエイトでスタートしたが、ここで、またしても、ウイリアムズのラッセルがドライ・タイヤに交換してアタックし、トップタイムをマークする。
これを見た他のチームも慌ててドライでアタックした。
そして、ラッセルと並んでセミ・ウエットにめっぽう強いノリスがポール・タイムをたたき出した。
ノリスは、ベルギーで逃したポールポジションを獲得した。
2番手にはサインツ、3番手にはラッセルが入り、トップ3を新世代のドライバーが占めた。
フェルスタッペンは最後尾が決まっているので予選アタックをしなかったこと、ハミルトンはフェルスタッペンが最後尾なので、滑りやすい予選で無理をしてクラッシュするリスクを避けた走りをしていた。
とは言え、この3人の予選パフォマンスは見事だった。

決勝レースはドライコンディションでのスタートとなった。
サインツが好スタートを決めてトップに立った。
ノリスは1.5秒以内の2番手につけてサインツを追っていたが、13周目にサインツをかわしてトップの座を奪い返した。
15周目までには、リチャルドは2番手、スタートで後退したハミルトンが3番手に、フェルスタッペンは最後尾から8番手まで順位を上げていた。
リチャルドは23周目までハミルトンを抑え続けてノリスを援護した。
この時点で、フェルスタッペンは5番手まで進出している。

残り5周時点でも、ノリスは巧みにハミルトンを抑えてトップを維持していたが、残り4周で雨脚が強くなりはじめ、トップを走るノリスはピットのタイヤ交換の指示には従わず、ドライ・タイヤで走り続ける。
残り3周となったところでハミルトンはピットに入った。

ノリスは51周目途中でスピンし、ハミルトンにトップの座を明け渡した。
終盤の雨でノリスの初ポール・ツー・ウインは手の平から零れ落ちた。
次はトルコGPだ。
本来ならばこの週末は日本GPに割り当てられていたのだが、オリンピックは許可しても、自動車レースは許可しない日本政府のせいで中止に追い込まれた。
MOTO・GPもラリージャパンもWECも中止にされたことに対して鈴鹿のイベントに参加した豊田社長は、なぜ、5輪が良くて、4輪と2輪はダメなんだと皮肉った。

レッドブルは、トルコGPではブルーを白に塗り替えて、日本語で「ありがとう」の文字をペイントしたマシンで戦う。
第1世代ホンダF1をインスパイヤしたペインティングでおそらく、鈴鹿用に用意されていたものだろう。

トルコGPは、1位フェルスタッペン、2位ペレス、3位ハミルトン、4位ノリス、5位ルクレール、6位ガスリー、7位角田、8位サインツ、9位フェッテル、10位アロンソかな。  

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YUKICHI OTSUKA/大塚雄吉

Formula One 2021(15)2021.09.23

イタリアGPはリチャルドが見事な優勝を飾った。
2位にはノリスが入ったのでマクラーレンのワンツーフィニッシュだった。
3位には、PUを交換したため最後尾スタートとなったボッタスが入った。
表彰台にチャンピオンの座を争うフェルスタッペンとハミルトンの姿は無かった。

イタリアGPには、ブリティッシュGPと同様の新しい予選方式が導入された。
金曜日午後にタイムトライアル形式の予選が行われ、金曜日のタイム順にスターテインググリッドに並んで、土曜日の午後にショートレース型式のスプリント予選が行われるというものだ。
予選の速さでは、メルセデスが頭ひとつ抜きん出ており、予選1番手のボッタスと3番手のフェルスタッペンの間には0.411秒の差があった。
一方、フェルスタッペンと4番手ノリスの差は0.023秒しか無かった。
5番手リチャルドもノリスから0.06秒遅れだったので、今年のモンツァはマクラーレン勢の調子がいいことは誰の目にも明らかだった。
スプリント予選は、ボッタスが好スタートを決めてフェルスタッペンとリチャルドが後に続き、そのまま18周のレースを終えた。
ハミルトンとノリスは出遅れ、5位と4位だった。

ボッタスは決勝でPU交換ペナルティで最後尾スタートとなる為、決勝のグリッドは、フェルスタッペン、リチャルド、ノリス、ハミルトンの順に並ぶことになった。
3列目にはルクレールとサインツが並ぶ。

決勝レースのスタートでは、2番グリッドのリチャルドが見事なスタートを決め、フェルスタッペン、ノリス、ハミルトンの順でレースが始ったが、ジョビナッツィのクラッシュでVSCが入る。
VSCが明けた後もトップ4の順位は変わらない。
フェルスタッペンは24周目にピットに入るがピットで11秒以上を費やし、リチャルドの前に出るどころか実質4番手にまで後退してしまった。
ハミルトンは26周目にピットインしフェルスタッペンの2秒前に出る。
フェルスタッペンは、ハミルトンを追って1コーナーで並びかけるがハミルトンは譲らず、ハミルトンのリヤタイヤとフェルスタッペンのフロントタイヤが接触し、フェルスタッペンの車がハミルトンの車の上に乗り上げて両車がクラッシュしてリタイヤした。
ヘイローに守られたことと接触時の速度が低かったことが幸いして、ブリティシュGPの両者のアクシデントほど危険なものにはならなかった。
今回は両者リタイヤで決勝ノーポイントとなった。

この後、リチャルドはトップを守りきり、ノリスもルクレールを交わして2番手に浮上したので、マクラーレンのワンツー体制が出来上がり、そのままゴールまで走り切った。
この間に、ペレスが3番手まで上がるが、ボッタスは最後尾から4番手にまで昇ってきた。
ペレスは、そのまま3番手でゴールしたが、5秒ペナルティを喰らったため、結果的にボッタスが3位となった。
フェルスタッペンは、スプリント予選の実施されたGPで2回ともクラッシュで完走できなかった。

次は、ロシアGPだ。
ロシアのリゾート地ソチのオリンピック施設跡地周辺を周回する市街地舗装のコースだ。
例年メルセデスが得意としている。
比較的パッシングが楽なコース設定になっている。
フェルスタッペンは、ブリティッシュGPでクラッシュした時の PUが使えないので、4基目のPUを投入しなければならないが、ここでペナルティを受けた方が最もダメージが少ない。
ペレスのサポートも重要となる。
ハミルトンとしては、ここで勝てば、チャンピオンシップのリードを取り戻すことができる。
メルセデスとレッドブルの頂上バトルは続く。
ロシアGPはクラッシュなしでお願いしたい。

ロシアGPは、1位ハミルトン、2位フェルスタッペン、3位ペレス、4位ボッタス、5位ルクレール、6位サインツ、7位ガスリー、8位フェッテル、9位アロンソ、10位角田かな。

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YUKICHI OTSUKA/大塚雄吉

Formula One 2021(14)2021.09.10

オランダGPは、フェルスタッペンが快勝した。
フェルスタッペンは、オレンジ色服一色の国民と国王が見守るホーム・グランプリで優勝するという、難しい仕事を見事にやってのけた。
2位にはハミルトン、3位にはボッタスが入った。

フェルスタッペンは、ポール・スタートからトップに立ち、トップの座を譲ることなくサンドフォールトを駆け抜けた。
メルセデス・デュオにつけ入る隙を与えなかった。

F1マシンがサンドフォールトを走るのは36年ぶりということで、各チーム手探り状態で始まったフリー走行だったが、トップ3チームは予選が始まるまでにタイムをまとめてきた。

予選Q1が始まると、トラック・エボリューションによって後になるほど大幅にタイムが向上していき、マシンの実力が劣っていてももセッションの終わり近くに走った方が良いタイムがでるようになっていった。
その結果、Q1をワンツーで通過したのはルクレールとサインツだった。
フェルスタッペンとハミルトンは赤旗中断を避けるために、Q1開始早々にタイムを出していたのでQ1では3番手と6番手だった。
ペレスは、逆にQ1終了間際を狙いすぎて遅い車に引っ掛かり、Q1敗退となってしまった。
これで、フェルスタッペンは一人でメルセデス2台を相手にしなければいけなくなった。

Q3でフェルスタッペンはハミルトンに0.038秒差でポールポジションを獲得した。
このタイムを出した時、フェルスタッペンのマシンは最後のストレートでDRSが開いていなかった。
フェルスタッペンのラップタイムの実力はハミルトンに対して0.1〜0.2秒速かった。

決勝レース、フェルスタッペンはスタートデ見事にハミルトンを引き離し、1周目を終えてホームストレッチに戻ってきたときにはハミルトンに1.7秒差をつけていた。
この差を維持できれば、ハミルトンにDRSを使われる心配はない。
フェルスタッペンはその後も少しずつハミルトンとのギャップを広げ、ソフトタイヤの交換が必要になる20周目までには3秒差としていた。
これでハミルトンが先にピットインしてアンダーカットを仕掛けてきても順位がひっくり返される心配はなくなった。

序盤の山場をクリアしたフェルスタッペンは、食い下がるハミルトンを1.5秒〜3秒内に抑えて残りのレースを走り切った。
フェルスタッペンは、レースの勘所を抑え、僅かなアドバンテージを使い切る完璧なレースをした。
ハミルトンもミスのないレースを見事に戦った。
ハミルトンでなかったら、フェルスタッペンにここまでは迫れなかっただろう。
しかも、ハミルトンはリタイヤしたわけではなく、きっちり2位に入って、ファーステストラップ・ポイントも獲っている。

次のイタリアGPは、伝説の高速コース、モンツァで行われる。
モンツァは、直線と中速コーナーとシケインからなるコースのため、直線の速度が重要になる。
各車、小型のモンツァ用ウイングを用意して直線スピードを稼ごうとする。
ところが、以外にマシンとセッティングによっては、ストレート・スピードを若干犠牲にしても、ウイングを少し立てて中速コーナーのトラクションを得た方が、ラップ・タイムはいいということもある。
過去にバトンがマクラーレンでこの方法を成功させて周囲を驚かせたことがある。
ここではトウも使える。
可夢偉は明らかに戦力の劣るケーターハムで巧みにトウを使い、これほどの高速コースでもドライバーの腕でできることがあることを見せてくれた。

フェラーリとアルファタウリにとってはホームレースであり、アルファロメオもブランドのホームレース、ハースはイタリア・モデナにベースを持っている。
ブリティシュGPに次いでチームにとってのホームレース色があるグランプリだ。
最近、予選でも上位に食い込めるようになってきたジョビナッツィにとってはホームレースだ。
ラスト・ホームレースにならないように頑張ってほしい。
フェルスタッペンは、ここで勝って初めてチャンピオンシップ争いでハミルトンと並んだと言える状況になるので、ここは落とせない。
角田はこのコースの経験があるし、柔らか目のタイヤ、直線エンドのブレーキングなど得意な条件がそろっている。
来シーズンのシートもほぼ埋まったのでドライバーは余計なプレッシヤーに影響されず、純粋にレースができる。

イタリアGPは、1位フェルスタッペン、2位ペレス、3位ハミルトン、4位ノリス、5位ルクレール、6位フェッテル、7位ガスリー、8位サインツ、9位角田、10位ジョビナッツィかな。

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