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YUKICHI OTSUKA 大塚雄吉
F1 ウォッチャー
幼少期にF1に魅せられ、50年以上にわたって、日本製のF1が出ていなくても、日本人F1ドライバーがいなくても50年以上にわたってF1を見続けてきた、F1 ウォッチャー。

Formula One 2022(5)2022.05.06

フェルスタッペンがエミリア・ロマーニャGPの週末を完全制覇した。
ペレスも2位でゴールし、レッドブルは、久々にワンツー・フィニッシュを飾った。
ノリスが大健闘で、3位表彰台をゲットした。

エミリア・ロマーニャGPは、スプリントレースのあるグランプリなので、予選は金曜日の午後に行われる。
グランプリ・チームは開幕以来の3戦で出た問題点を修正してヨーロッパラウンドの初戦に挑んできている。
ところが、スプリントレースがあるグランプリの場合、変更されたマシンをレースに合わせてセットアップするチャンスは、事実上、金曜日の午前中1時間しかない。
ところが、金曜日の午前中は雨だった。
アップグレードがうまくいったチームもそうでないチームも、雨の中ぶっつけ本番の形でセットアップを進めないといけない。
FP1の結果を見る限り、フェラーリとハースが好調を維持しているように見えた。

予選のコンデションは、セミウエット、各車インターミディエイトを履いてのアタックとなる。
予選結果は、1番手フェルスタッペン、2番手ルクレール、3番手ノリスの順となった。
またしても、フェルスタッペンとノリスは難しいウエット・コンディションに強いことを証明した。
メルセデス勢は不調から脱することができていないようで、ラッセル11番手、ハミルトン13番手だった。
角田はチームのミスで16番手だった。

土曜日の午後は雨が上がり、曇りのコンディションとなった。
ミディアムを履いたマグネッセン、シューマッハ、ラテフィ以外はソフトを履いてスターティンググリッドに着いた。
フェルスタッペンはスタートで出遅れ、ルクレール、フェルスタッペン、ノリスの順でレースは始まった。
ぺレスは5番手、角田は13番手まで順位を上げた。
スタート直後のガスリーとグワンユーの接触でセフティカーが出動した。
5周目にレースは再開されレースは残り17周となる。
ルクレールは上手くリスタートを決めてフェルスタッペンが続く。
オーストラリアGPとは違い、フェルスタッペンはルクレールから1秒前後の距離を置いてついていくことができている。
ペレスはノリスを抜いて3番手にまで上がった。
サインツも6番手まで進出した。
スプリントレースはこのままルクレールの勝利に終わるかに見えたが、そうではなかった。
16周目になってフェルスタッペンがルクレールから1秒以内に入り、終盤になってタイヤの厳しくなったルクレールを20周目に仕留めて、フェルスタッペンが優勝した。
オーストラリアでは、フェラーリの方がレッドブルよりタイヤに優しく楽勝したが、ここではレッドブルの方がタイヤに優しかった。
レッドブルが2週間の間にオーストラリアで問題点を解決してきた証左だ。
スプリントレースの結果は、フェルスタッペン、ルクレール、ペレス、サインツの順となり、日曜日の決勝レースは、この順でグリッドに着くことになる。
角田は12位まで順位を上げてスプリントレースを終えた。

日曜日の決勝レースは午前中に降っていた雨が止んだものの路面は濡れているので全車インターミディエイトを履いてのスタートとなった。
フェルスタッペンは、決勝レースのスタートを決めてトップの座を譲らず、ペレスもルクレールの前に出て、早くもレッドブルのワンツーフォーメーションが形成される。
ルクレールはノリスにも抜かれて4番手だ。
1周目にサインツとリチャルド、ボッタスが接触した。結果、早くも、セフティカーが入る。
再スタート後、フェルスタッペンは2番手いかをじわじわと離していく。
8周目にはルクレールがノリスをかわして3番手まで浮上する。
17周目にミディアムに交換したリチャルドを皮切りに各車ソフトへとスイッチする。
レースはそのまま大きな波乱なく推移するが、50周目にルクレールがピットインしてソフトに変更する。
次の周にフェルスタッペンとペレスもソフトに交換するがルクレールは3番手のままだ。
ルクレールはファステストラップを狙って無理をして54周目にスピンして8番手まで下がった。
ルクレールは、もう一度ソフトに交換して追い上げたが6番手でゴールするのがやっとだった。
角田は、F1キャリアのベストレースを戦い、7位でフィニッシュした。

次は、マイアミGPだ。
初開催のマイアミGPはマイアミ・ドルフィンズのハードロックカフェ・スタジアムの駐車場敷地を改造して作られたパーマネント・コースだ。
長いストレートと連続するタイトコーナーのコンビネーションからなる。
中・高速コーナーを得意とするマシンにはやや不利かもしれない。
なんとか不審から脱出したいメルセデスとレドブルに追いつかれたフェラーリはここで、大幅なアップデートを投入してくるかもしれない。
マイアミGPはハースにとってはのホーム・カントリー・レースだ。
ハースは、昨年マシンを開発をせず、大幅にレギュレーションの変わった今年に合わせて全開発力を投入してきた結果が功を奏して、今年は開幕から良い位置につけている。
地元アメリカのレースで良い結果を示したいだろう。

マイアミGPは1位フェルスタッペン、2位ペレス、3位サインツ、4位ルクレール、5位マグネッセン、6位角田、7位ボッタス、8位ラッセル、9位アロンソ、10位リチャルドかな。    

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YUKICHI OTSUKA/大塚雄吉

Formula One 2022(4)2022.04.22

サウジアラビアGPは、フェルスタッペンがルクレールとコーナー侵入の譲り合い!!を制して劇的な優勝を飾った。
3位にはサインツが入り、セフティカーのタイミングによって不利を被ったペレスは悔しい4位に終わった。

オーストラリアGPは、ルクレールが圧勝した。
2位にはペレスが入り、3位にはラッセルが入ったが、ルクレールにおおこな差をつけられた。
サウジアラビアGPでルクレールを抑えて優勝したフェルスタッペンは、PU付近から火が出てリタイヤした。
ルクレールは予選から決勝に至るまで安定した速さを見せつけた。
リタイヤしたフェルスタッペンがそのまま走っていても2位でゴールすることしかできなかったはずだ。

予選Q1は、レッドブルの調子が良く、フェルスタッペンが1番手タイムを叩き出した。
ペレスも2番手に着けた。
フェラーリのルクレールとサインツは3番手と4番手タイムで続いた。
5番手は、今回好調のアルピーヌのアロンソだった。

予選Q2はペレスがトップタイムで、サインツ、ルクレール、フェルスタッペンが続き、順序は変わったがトップ4の顔ぶれは変わらない。
アロンソはQ2でも5番手につけた。

そして、予選Q3、ルクレールが満を持してポール。
タイムを叩き出し、フェルスタッペンは0.286秒差の2番手タイムに甘んじた。
3番手はペレス、4番手は今回好調のマクラーレンを騎るノリスだった。
メルセデスのハミルトンとラッセルは5・6番手をキープした。
Q1・Q2で好調だったアロンソはポールも狙えると意気込んでQ3を走ったが、攻めすぎてクラッシュしてしまい10番手。
サインツはちょっとした不運が重なり8番手スタートとなった。

ルクレールは、決勝のスタートを綺麗に決めて、フェルスタッペンが2番手で追う。
3番手に浮上したのはハミルトン4番手はノリスの順で続く。
スタートで出遅れたペレスが5番手、ラッセルは6番手と言う順序でレースは始まった。
サインツはハードタイヤでスタートしたために14番手まで後退してしまった。
焦ったサインツは2周目にコースアウトしてグラベルに捕まり、リタイア。このためVSCとなり、続いて、セフティカー出動となる。

7周目にルクレール、フェルスタッペン、ハミルトン、ペレス、ラッセル、ノリス、リチャルドの順で再スタートとなった。
10周目にペレスがハミルトンを抜いて3番手に浮上した。この後、トップグループ7台の順いに変動がなく、ルクレールは2番手フェルスタッペン以下を少しずつ引き離していく。
フェルスタッペンは19周目までにルクレールに9秒近く差を開けられタイヤも限界に来ていたのでピットインしミディアムからハードにタイヤを交換する。
セフティカーが入っていたことを考えるとフェルスタッペンのマシンはタイヤの耐ちが悪い。

快走を続けていたルクレールは22周目にピットインし、タッがトップでコースに復帰する。
23周目にまたもやセフティカーが出た。
ここまでタイヤを耐たせていたラッセルはセフティカー出動中にタイヤ交換し、3番手につけた。
27周目、ルクレール、フェルスタッペン、ラッセル、アロンソ、ペレス、ハミルトン、マグネッセンの順でレースは再開される。
ただし、ハード・タイヤでスタートしたアロンソとマグネッセンはタイヤ交換を済ませていない。

フェルスタッペンはここぞとばかりに、際スタート直後に頭を取ろうとするが、ルクレールもそうはさせない。
フェルスタッペンは、ルクレールを抜くどころか、1周につき1秒近く離されていく。
38周目にはトップ5の順位は、ルクレール、フェルスタッペン、ペレス、ラッセル、ハミルトンの順で固まったように思われた。

ところが、39周目に入ったところでフェルスタッペンが急にマシンをコース脇に止めた。
リアカウル内に炎が見える。結局フェルスタッペンは、燃料供給系のトラブルでリタイヤすることになった。
フェルスタッペンは、バーレーンとオーストラリアで2位は確実だったところがノーポイントだったから、未だシーズン序盤戦とはいえ、チャンピオンシップを連覇する上ではかなりの痛手だ。

レースはその後、ルクレールがペレス以下を20秒近く離して独走し、ペレス、ラッセル、ハミルトン、ノリス、リカルドの順でゴールした。
ルクレールは、ファーステストラップも記録した。
今シーズンのフェラーリとルクレールは、今のところ、2020年シーズンまでのメルセデスとハミルトンのような頭抜けた速さを見せている。
レッドブルは、挙動が不安定でセッティングが思うようにいかず、結果としてタイヤに厳しいマシンとなっているだけでなく、油圧と燃料供給系統の問題も抱えている。
メルセデスは、ポーポイジングの悪影響から抜け出すことができない。
ヨーロッパラウンドでレッドブルとメルセデスはフェラーリに近づくことができるのだろうか・・・・。

次は、エミリア・ロマーニャGPだ。
グランプリが開催されるイモラは、かつてサンマリノGPの名前で第2イタリアGPが開催されてきたコースで、2020年にGPコースに復帰した。
直線区間の短いコースだが、近代のF1は連続するコーナーを直線並みの速さで走ることができる。
エミリア・ロマーニャGPはフェラーリとアルファタウリチームにとってはホームレース、アルファロメオにとってもブランド・スポンサーのホームレースだ。
サインツは、最近ちょっとした不運にに端を発した焦りから思うような結果が出せないでいる。
この辺で、結果を出さないとNo.2への道を歩むことになる。
角田は昨年より落ち着いてマシンのセットアップも着実にやっているが、このままでは、並みのF1ドライバーとして埋没してしまう。
角田はよく知ったイモラでの結果を求められる。

エミリア・ロマーニャGPは1位サインツ、2位フェルスタッペンペレス、3位ルクレール、4位ペレス、5位ハミルトン、6位角田、7位ラッセル、8位ガスリー、9位アロンソ、10位ボッタスかな。 

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YUKICHI OTSUKA/大塚雄吉

Formula One 2022(3)2022.04.08

サウジアラビアGPは、フェルスタッペンがルクレールとコーナー侵入の譲り合い!!を制して劇的な優勝を飾った。
3位にはサインツが入り、セフティカーのタイミングによって不利を被ったペレスは悔しい4位に終わった。

予選は、Q1から波乱の幕開けとなった。
なんと、ハミルトンがQ1を通過できず16番手に沈んだ。
そして、角田は油圧系のトラブルで予選を走れずノータイムに終わった。
ウイリアムズの2台とコロナウイルス・テストで陽性が出て欠場となったフェッテルの代役ヒュルケンベルグがQ2へ進めなかった。
Q2のトップタイムはQ1同様サインツが押さえた。フェルスタッペンはQ2で4番手。

Q3では、ペレスがスーパーラップを決めて、初のポールポジションを奪取した。
ルクレールとサインツが2・3番手につけ、フェルスタッペンは4番手に留まった。
バーレーンGPに続いてレッドブルとフェラーリの4台が決勝の先頭2列グリッドに並んだ。
4番手のフェルスタッペント5番手のオコンの間には0.6秒ものタイム差があり、トップ4台と5番手以下のは次元が違う。
5番手以下では、ルノーとフェラーリPUユーザーの調子が良く、メルセデス自身を含むメルセデスPUユーザーが苦戦していた。

ペレスは、ポールポジションから決勝のスタートを見事に決めて、2番手はルクレール、サインツは2コーナーでフェルスタッペンに抜かれて4番手に後退した。
以下、オコン、ラッセル、アロンソ、ボッタスが続く。
予選で大クラッシュをしたシューマッハとレコノサンスラップ中にマシントラブルで止まってしまった角田を除く18台のによるバトルが始まった。

15周目になっても、トップのペレスと2番手ルクレールの差は1.6秒しかなく、ルクレールが先にピットインしてアンダーカットを狙うそぶりを見せる。
ペレスは、かさず16周目にピットインしてアンダーカットされまいとする。
ところが、その16周目にラティフィがクラッシュしてVSCが入る。
この間にルクレールとフェルスタッペンがピットインして順位を落とすことなくコースに復帰した。
トップを快走していたペレスは、不運にもVSC前にピットに入っていたので4番手に落ちてしまった。
事故処理に時間がかり、VSCからセフティカーに変った。
16番手からハードタイヤでスタートして追い上げていたハミルトンは、この間、タイヤ交換をせず順位を7番手まで上げた。

21周目にレースが再開されるとルクレールがトップのまま再スタートを制し、フェルスタッペン、サインツ、ペレスが続く。
37周目にリカルドがマシントラブルでピット入り口で止まってしまいVSCが出る。
ところが、その間にアロンソもピット入り口で止まってしまい、ピット入口が閉鎖になった。
6番てまで順位を上げていたハミルトンはVSCを利用してピットイン時間を稼ぐことができない。
41周目にVSCが解除され、ようやくピットレーンが開句や否やハミルトンはピットインしてタイヤを交換するが順位を12番手まで落としてしまう。

トップでは残り10周のフェルスタッペンとルクレールの熾烈な戦いが始まった。
42周目の最終コーナー手前でフェルスタッペンがルクレールの前に出るが、最終コーナーを抜けたところでルクレールがDRSを使ってフェルスタッペンを抜き返した。
フェルスタッペンは43周目の最終コーナー手前で今度はルクレールを抜かず先にかせる。
最終ラップに近い時点で2番手にいてDRSを使って前に出たほうが勝てるチャンスが高いので、最終コーナー手前ではポジションの譲り合いになってしまった。
フェルスタッペンは、46周目の最終コーナー手前でルクレールの後にピタリとつけ、47周目の頭で前にでた。
ルクレールは、同じやり方で抜き返そうとフェルスタッペンに迫るが、抜き返さないうちに、第1セクターでイエローフラッグが出た。
フェラーリは第1セクターのに第1セクターでフルにアクセルを踏めない。
ファイナルラップ最終コーナー手前で2番手だったルクレールはDRSを使ってゴール前の直線でフェルスタッペンに迫ったが、前に出ることができなかった。
終盤のイエローフラッグが無かったら、ルクレールが勝っていた可能性もある。

フェルスタッペンとルクレールは、同世代でカートに乗っていた頃から競い合っている仲間だ。
去年、ハミルトンとのチャンピオンシップ争いを制したフェルスタッペンの方にF1でのトップ争いに1日の長があったと言ったところだろうか。

次は、3年ぶりに開催されるオーストラリアGPだ。
アルバート公園内にグランプリ・コースは、今回大幅にが改修されている。
コーナーの形状が変わった。
しかし、コースは依然としてストリート舗装部分が多いのでグリップは劣る。
ペレスはこういう路面が得意だ。
リチャルドは久しぶりのホームGPだ。
レッドブルを離れてから成績の上がらないリチャルドだがホームレースで本来の速さを見せてほしい。

オーストラリアGPは1位フェルスタッペン、2位ペレス、3位サインツ、4位ルクレール、5位ハミルトン、6位ガスリー、7位ラッセル、8位角田、9位ボッタス、10位リチャルドかな。 

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Formula One 2022(2)2022.03.25

2022年F1開幕戦バーレーンGPは、ルクレールとサインツが駆る真紅のフェラーリのワン・ツー・フィニッシュを飾った。
3位にはハミルトンが入り、レッドブルの二人はノーポイントに終わった。

フェラーリは開幕前のテストから好調だったが、これまでフェラーリは、テストでいいタイムを出すがシーズンに入るとテストの時ほどではないということが多かった。
ところが、今年は掛け値なしに速くなっていた。

予選の結果、ポールポジションを奪ったのはルクレールで、2番手のフェルスタッペンに0.123秒差をつけた。
3番手にはフェラーリのサインツが着け、4番手はペレスとフェラーリとレッドブルががっぷり四つに組んだ形となった。

今シーズンの混戦を予感させるのはここからで、空力で苦しんでいるメルセデスはハミルトンがルクレールから0.68秒遅れの5番手に付けるのが精一杯だった。
6番手にはアルファロメオのボッタス、7番手にはハースのマグネッセンが着けた。
アルファロメオとハースは昨シーズンはテールエンダーに甘んじていたし、マグネッセンに至っては開幕直前に急遽出場が決まったにもかかわらず、このポジションだ。
フェラーリPUを搭載するマシンが上位進出したのを見るとフェラーリPUが大幅なパフォーマンスを果たしたのは明白だ。

決勝レースのスタートはルクレールが久々のポールポジションから飛び出し、フェルスタッペンが並びかけようとするが、ロングランに自信があるのだろうか、無理をせず2番手につけて様子を窺う。
以下、サインツ、ハミルトン、マグネッセン、ペレスの順で続く。角田は16番手スタートから12番手までジャンプアップした。
フェルスタッペンは、ルクレールから1周あたり0.2秒遅いラップタイムで周回を続けるが4周目にはエンジンブレーキの異常を訴えているのが気がかりだ。

ルクレールに3.7秒差をつけられていたフェルスタッペンが15周目にピットインして、ソフトからソフトにタイヤを履き替える。
ルクレールも16周目にピットインしてソフトタイヤに履き替える。
その間にフェルスタッペンはルクレールとの差を0.3秒以内に詰めてきていた。
17周目にフェルスタッペンがルクレールを抜くがルクレールはDRSを使ってすぐに抜き返す。
二者の攻防は18周目と19周目にも繰り返されるがそれ以後はルクレールがフェルスタッペンを少しづつ引き離していった。

二回目の、タイヤ交換を経ても上位5台の順位に変動はなく、フェルスタッペンもブレーキを守るためにこれ以上差を詰めることができない。
フェルスタッペンは44周目にソフトタイヤに履き替えて事態の打開を図るが、むしろ、ステアリングにトラブルが出てきた。
46周目に、ガスリーのマシンが突然火を噴き、コース上にストップした。
セフティカーが入り、ルクレールはフリー・ストップを得てトップをキープするがフェルスタッペンとのギャップが縮まった。
しかし、セフティカー明けの51周目のチャンスにも、手負いのフェルスタッペンにルクレールを抜く力はなく、レースはこのまま終了するかと思われた。
ところが、54周目にフェルスタッペンがストップ、ペレスもファイナルラップにストップした。

角田は、セッティング不足のマシンで、16番手スタートをら8位でゴールしてみせた。
オープニングラップに順位を上げ、ボッタスを抑え、タイヤを持たせた、巧みなレース運びが結果に繋がった。
実力でもぎ取ったポジションだ。

今週末に入るまでは最速と目されていたレッドブルは、ハイドロ系と燃料供給系のトラブルを抱え、レースを走りきれなかった。
メルセデスのハミルトンは、良くて5位だと思っていたのが3位が転がり込んできた。
レッドブルとメルセデスは対策を急ぐだろうが次のサウジアラビアGPまでは1週間しかない。
それにしてもフェラーリPUは今年から採用された混合燃料自体またはその使い方に何らかな新しい技術を導入することに成功したのだろうか? 
PUレイアウトの変更と開発だけでここまでのパフォーマンスアップが果たせるとは考えにくい。
どちらにしても、これだけ、マシン・パッケージの実力が拮抗してくるとレースとしては面白くなる。
メルセデスPUユーザーの3チームは、ちょっと苦しそうだが・・・。

次は、サウジアラビアGPだ。
去年は最終戦の一つ前、今年が第2戦となったので、ついこの間レースがあったばかりのように感じる。
最高速のストリート・コースは、バーレーンはほど追い抜きが簡単ではないと言われている。
予選から目が離せない。

サウジアラビアGPは1位フェルスタッペン、2位ルクレール、3位ペレス、4位サインツ、5位ラッセル、6位角田、7位ハミルトン、8位ガスリー、9位ボッタス、10位マグネッセンかな。

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Formula One 2022(1)2022.03.18

F1のオフシーズンはあっという間に過ぎ去り、早くも2022年シーズンに突入する。
今年も開幕戦はバーレーンだ。
コロナ禍は続いているが、昨年前半からワクチンや治療薬が広く使われるようになったおかげでF1も感染対策をしつつ通常のカレンダーで開催できるようになった。
2022年は年間23レースが予定されているが、20世紀的蛮行を行なっているロシアで開催される予定だったGPは中止となるだろうから、22レースとなる公算が高い。

2022年はシャシーのレギュレーションが大きく変わった。
久しぶりにウイングカーを作ることができるようになったのだ。
車体自体をウイング形状にしてダウンフォースを稼ぐことができるので、ウイング面積を減らすことができる。
タイヤも18インチタイヤになった。
フロントタイヤにはサイクル・フェンダーが取り付けられる。
目立たないところではモノコックの強度が大幅に上がって安全性が高められた。

パワー・ユニットは2022年シーズン初頭の仕様(一部は9月まで開発可能)で凍結されることになっているいるので、PUサプライヤー各社は凍結に備えて大幅なアップデートを施しているはずだ。
今年から、レッドブル・パワートレインズのブランドとなったホンダPUも開幕直前まで開発を続けているので2022年は他のPUに比べて見劣りすることはないだろう。

新しいレギュレーションに沿って、各チームは、車体設計を一新した。
ウイングカーが解禁されたことによりボディ形状は大幅に変化する。
フェラーリはフロントの気流をストレートにリアウイングに流す事によってリアウイングの効果を最大限に生かそうとしている。
メルセデスは、サイド・ポンツーンが非常に小さく、ラジエータの吸気口が縦型の特異な形状をしている。
コクピットの近くに吸気口がないのでマシンがコンパクトに見える。
そのコクピット・サイドにはミラーの下にウイングの形状のものが配置されている。

レッドブルは、ウイングカーになったことで、極端なレーキ角をつける必要がなくなった。
レッドブルはリヤウイングに流す気流とボディ下部に流す気流を分けて制御しようとしている。
ディフューザーが極端に大きいのが印象的だ。

今年も、ドライバー・ラインアップは結構入れ替わりがあった。。
メルセデスはボッタスとの契約を延長せず、代わりにメルセデス傘下のドライバーであるラッセルをウィリアムズから移籍させた。
ウィリアムズはラッセルの替わりにレッドブル傘下のアルボンを採用した。
アルファロメオはライコネンとジョビナッツィを放出し、ボッタスとルーキーのジョー・グワンユウを迎え入れた。
ジョーは中国人の初のF1ドライバーとなった。
角田やシューマッハと同時期にF2を戦い1年遅れでF1に上がってきた。
これでアジア人のF1ドライバーは3人となった。

ロシアのウクライナ侵攻を受けて、ハースが開幕直前にマゼピンの父とのスポンサー契約を解消したことに伴って息子のマゼピンもシートを失った。
マゼピンの抜けた跡にはコバライネンが戻ってきた。

今年も開幕戦は、バーレーンGPとなった。
砂漠の島で行われるナイトレースだ。
今年は、市シーデザインが一新されているので、予想がつかない。
去年に開発をおさえて、新レギュレーション下で浮上を狙うフェラーリ、ハース、アルファロメオのフェラーリ軍団の動向が注目される。
開幕前テストの状況を見る限り、レッドブルとフェラーリは好調のようだ。メルセデスは新コンセプトの空力に苦労しているように見えるが、もし初戦で思うような結果が出なくても、数戦のうちには立て直して来るだろう。

ドライバーでは、チャンピオンになったフェルスタッペン、ルクレールとサインツ、ノリスが注目される。
角田は、地に足がついてきたようで、きっと良い結果を出してくれるような気がする。

バーレーンGPは1位フェルスタッペン、2位ルクレール、3位ペレス、4位サインツ、5位ノリス、6位角田、7位ハミルトン、8位ガスリー、9位ラッセル、10位アロンソかな。

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