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YUKICHI OTSUKA 大塚雄吉
F1 ウォッチャー
幼少期にF1に魅せられ、50年以上にわたって、日本製のF1が出ていなくても、日本人F1ドライバーがいなくても50年以上にわたってF1を見続けてきた、F1 ウォッチャー。

Formula One 2023(2)2023.03.17

2023年のF1開幕戦バーレーンGPはレッドブルの圧勝だった。
フェルスタッペンが2位のペレスに12秒近い差をつけての優勝したのだ。
レッドブルにはまっったく届かなかったが、終盤まで3番手につけていたルクレールは、マシントラブルでリタイヤした。
替わって浮上したアロンソが、シーズン初戦から表彰台に登った。

金曜日のFP1開始直後から注目を浴びたのはアストンマーチンのアロンソだ。
アロンソはフリー・プラクティスの全セッションを通じて、驚くべき速さを見せた。
予選は、終わってみれば、フェルスタッペンがポールポジションを獲り、レッドブル、フェラーリ、メルセデスの3強が前に並んだ。
ところが、アロンソがメルセデスの前に割って入り5番グリッドを得たのだ。
FP1からのアロンソ・アストンマーチンの好調は本物だった。
アストンマーチンは手首の骨折で直前まで出場が危ぶまれたストロールも8番手につけた。
グリッド5列目を占めたのはオコンとヒュルケンベルグだった。

フェルスタッペンは決勝のスタートでスッと前に出て、早くも2番手とのギャップを開け始める。
ペレスは不利な偶数列からのスタートのためか、ルクレールに先を越され、フェラーリ2台に挟まれて3番手となる。
5番手だったアロンソは、チームメイトのストロールに当てられた隙に、メルセデス2台に先行を許してしまい、7番手に後退した。

10周目終了時点でトップを独走するフェルスタッペンは、2番手のルクレールに7秒近い差をつけていた。
12周目が終わった時点でハミルトンがピットの入ってソフトからハードに交換した。
14周目にはルクレールとサインツが続いてピットイン、ハードに交換した。
フェルスタッペンは15周目にピットインし、ソフトからソフトに交換した。
ペレスは18周目まで引っ張ってソフトに交換した。
26周目、ハードタイヤでペースの上がらないルクレールをペレスがオーバーテイクして、レッドブルがワン・ツー体制を築く。
フェルスタッペンはペレスの14秒先を走っている。
フェルスタッペンは37周目までソフトで引っ張ってピットインしてもペレスとの差が12秒ある。
ペレスと3番手ルクレールの間にも11秒近い差がある。
4番手サインツはルクレールから更に9秒後方にいる。
ここで勝負あった。
タイヤに優しいレッドブルのマシンは、後はハードタイヤでゴールまでクルーズするだけになった。

ここからの注目は、アロンソのドライビングだ。
40周目までにメルセデス2台を攻略していた5番手に進出していたアロンソは、フェラーリを追撃し始める。
その矢先、41周目にルクレールはPUの電気系のトラブルでコース上にストップした。
アロンソは自動的に4番手まで浮上した。
ハミルトンがアロンソの背後に迫り、4番手争いのバトルが繰り広げられたがアロンソに軍配があがる。
44周目にはアロンソはペレスから1秒以内に入る。
アロンソは、数コーナーまで先を読んだ詰めで、タイヤに苦しむサインツを46ラップ目に仕留めた。
上位3者は残り10周をそのままの順位で走り切り、開幕戦のゴールラインを横切った。

角田は、10チーム中9番手の仕上がりのマシンで予選Q1を突破し、14番グリッドからのスタートとなった。
スタート直後からアルボンに蓋をされて、直線が速いウイリアムズを抜くことができなかった。
それでも11番手まで追い上げてアルボンの背後まで迫り、フィニッシュした。健闘したと言っていいだろう。
バーレーンGPでは、現時点でレッドブルが圧倒的に速いことが証明された。
アストンマーチンは大躍進をとげ、メルセデスと肩を並べるか上回るほどの実力があることを示した。

今年も第2戦は、バーレーンと同じ中東のサウジアラビアGPだ。
ジェッダのコースは超高速市街地サーキットだ。
2年前にフェルスタッペンが予選で驚異的なドライビングを見せたことは記憶に新しい。
今年は、フェラーリが直線も速くなったので接戦が期待される。
サウジアラビアGPは1位フェルスタッペン、2位ペレス、3位ルクレール、4位サインツ、5位ストロール、6位アロンソ、7位ハミルトン、8位ガスリー、9位アルボン、10位角田かな。

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YUKICHI OTSUKA/大塚雄吉

Formula One 2023(1)2023.03.03

2023年のF1は昨年より2週間早く開幕する。
短かかったオフ・シーズンはあっという間に過ぎてしまった。

パワー・ユニットは2022年シーズンの仕様(エナジー・ストアは9月ま)で凍結されているいるので、信頼性目的と安全性目的以外のアップデートは認められていない。
変更内容に対する他のPUサプライヤーの総諾を受けないといけないことになっているので、パワー・アップはないはずである。
とはいえ、信頼性を上げた結果、限界近くまでPUを使うことができたり、エネルギー使用のソフトウエア・マッピングは変更できるので、マシンパーフォマンスを上げるのに寄与する開発をすることが可能だ。

昨年、フェラーリはPUの信頼性を多少犠牲にしたために勝っていたレースをいくつか失った。
今年は、昨年のPUの出力は維持しながら信頼性を上げているだろうから、手強い存在となるだろう。
ホンダPUも昨シーズンの序盤戦で発生した信頼性の問題に対策を施している。
総合性能では、ホンダとフェラーリが若干有利な可能性は否定できないが、メルセデスは元々高出力で信頼性が高いし、ルノー・スポールも信頼性を高めている。
今年は、これまでで4PUメーカーの差が最も少ないシーズンとなりそうだ。
1チーム体制でデータ量の少ないルノ・スポールは若干不利かも知れない。

昨年一新されたシャシー・レギュレーションは、今年は基本はあまり変わらないものの、昨年出た問題をもとに手直しが行われた。
昨年ポーパーシングを起こすマシンが多かったことから最低地上高が高められた。
リヤのフロア形状の規制が強化された。

今年のドライバー構成は、レッドブル、フェラーリ、メルセデスの上位3チームとアルファロメオは変更がなかった。
アルピーヌは、アロンソがアストンマーチンに移籍したので、ガスリーがアルファタウリから移ってきた。
マクラーレンは、リチャルドが抜けた後に、F2で無敵のチャンピオンだったオスカー・ピアストリがアルピーヌのシートを断って入ってきた。
アストンマーチンには、昨年限りで引退したフェッテルのシートにアロンソが座ることになった。
ハースは、ミック・シューマッハの代わりにヒュルケンベルグを起用した。
これで、ハースはスポンサーシップなどに縛られることなく実力派ベテラン二人のラインナップとなった。
アルファタウリはガスリーの抜けたあとにニック・デフリースが収まり、F1レギュラードライバーとしてデビューした。
ウイリアムズはラティフィのシートにローガン・サージェントを起用した。
サージェントは、久々のアメリカ人F1ドライバーだ。
F1人気急上昇中で、今年3GPが開催されるアメリカのF1ファンにとっての朗報だ。
角田は、今年はF1ドライバーになって3年目になる。
角田にとって今シーズンは後のない正念場だ。
角田がF1に留まり、チャンピオンを目指すのであれば、荒れたレースでコンデションを逆手に取って優勝するぐらいの結果が求められる。

今年も開幕戦は、バーレーンGPだ。
砂漠で行われるナイトレースだ。
新レギュレーション二年目なので各チームの実力が近づいてきている。
開幕前のテストの状況を見るとレッドブルとフェラーリが先行しているように思われる。
メルセデスは昨年の不審から大きくリープすることができなかったように見える。
今年、調子が良さそうなのはアストンマーチンでトップ3チームに最も近いように見える。
マクラーレンは、去年の不審を跳ね返すことができなかったようだ。
今年も面白いシーズンになって欲しいものだ。

バーレーンGPは1位フェルスタッペン、2位ルクレール、3位ペレス、4位サインツ、5位ハミルトン、6位アロンソ、7位ラッセル、8位ガスリー、9位ボッタス、10位角田かな。

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YUKICHI OTSUKA/大塚雄吉

Formula One 2022(23)2022.11.25

アブダビGPは、フェルスタッペンが独走状態で優勝を決めた。
フェルスタッペンは今期15勝をあげたことになり、無敵の強さを示した。
ルクレールは、技術と体力の全てを注ぎ込んで2位の座を得た。
ルクレールは、今回2位に入ったことにより、2022年チャンピオンシップの2位も確定した。
ペレスは、最後の瞬間までルクレールを追ったが、及ばなかった。
ペレスは年間のチャンピオンシップ順位も3位となった。
ハミルトンはF1キャリアを通じて初めて優勝のない年となった。

予選は、フェルスタッペンがただ一人、1分23秒台のタイムを出してポールポジションを決めた。
ペレスはフェルスタッペンのトウをもらって2番手タイムを出した。
フェラーリのルクレールはペレスから0.04秒差の3番手、サインツは4番手となった。
ブラジルで速かったメルセデスはアブダビで速さを維持できず、5番手ハミルトン、6番手ラッセルとなった。 
角田は、トラクションのないマシンで検討して12番手タイムを出し、リチャルドのグリッド降格により11番グリッドからのスタートとなった。

決勝は、フェルスタッペンを先頭に大きな波乱のないスタートで始まったが、サインツを抜いて4番手に上がったハミルトンを強引にサインツが抜き返し、その際にコースアウトを余儀なくされたハミルトンがフロアを若干痛めてディスアドバンテージを負ったように見えた。
ハミルトンはサインツにポジションを戻した。
そして、5周目にハミルトンがサインツを再度抜き返して4番手に戻った。
しかし、8周目にはまたもやサインツがハミルトンを抜き返し、トップ6台のオーダーはスタート時に戻った。

15周目からペレスを皮切りとしてタイヤ交換に入る車が出始める。
フェルスタッペンは21周目にピットに入り、ルクレールは22周目にピットに入る。
23周目にはトップ6は、フェルスタッペン、ペレス、ルクレール、サインツラッセル、ハミルトンの順となった。

34周目に入ったところで、フェラーリがルクレールのタイヤ交換をするそぶりを見せたので、ペレスがピットに入ってタイヤ交換した。
ペレスはこれで6番手まで後退した。41周目にはサインツがタイヤ交換したので、ペレス4番手、サインツ5番手、ラッセル6番手となる。
トップ3フェルスタッペン、ルクレール、ハミルトンはまだタイヤ交換していない。
46周目にはペレスがハミルトンを攻略して3番手に上がった。

残り12周となったところでルクレールとペレスのタイム差は約10秒あった。
ペレスは1周あたり1秒づつ差を縮めていかないと、ルクレールの前に出ることができない計算だ。
ルクレールは使い古したタイヤを渾身のドライビングでもたせるながら逃げる。
ペレスは最後に1.2秒差まで詰めたがルクレールを抜くことはできなかった。
F1ラストレースとなったフェッテルは最後に10位に滑り込んで、ドライバー・オブザ・デイに選ばれた。
角田は、チームの残念なレース・マネジメントの中で踏ん張ったが11位でゴールするのが精一杯で、ポイントを取ることはできなかった。

2022年シーズン前半は、新しいシャシー・レギュレーションのもとレッドブルとフェラーリが速くなり、メルセデスは開発を外してしまい終盤になるまで苦労した。
前半は、フェラーリの方がレッドブルよりマシンは速かったが、フェラーリPUの信頼性の低さとチームのレース・マネジメントが悪かったせいでフェルスタッペンのポイント先行を許してしまった。
シーズン後半は、ポーポージング規制が厳しくなったことから、フェラーリがパフォーマンスを上げることができず、メルセデスもシーズン最終盤になってやっと上位2社に追いついた有様だった。
この結果、レッドブルとフェルスタッペンの独走を許す結果になった。
フェルスタッペンは、堂々としたチャンピオンとしてのレースをするようになった。
来シーズンは、ルクレール・フェラーリにパフォーマンス・アップして最終戦までチャンピオンシップを争ってもらいたいものだ。ハミルトンとメルセデスも復活してくるだろう。

レース週末の木曜日に、ハミルトンは、20人のF1ドライバー全員に声をかけて今シーズン限りで引退するフェッテルの送別会を催した。
ハミルトンは、フェッテルがレッドブルでチャンピオンを取り続けていた時はチャレンジャーの立場であったし、フェッテルがフェラーリに移ってからは、激しいバトルを繰り広げ確執があった。
それでも、普段激しく戦っているドライバーたちが全員揃って楽しい時を過ごすことができたようだ。
ハミルトンは、今シーズンは1勝もできなかったが、ベスト・チャンピオン・オブザ・オールタイムであることに代わりがない。

2022 ©Yukichi Otsuka, All Rights Reserved

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YUKICHI OTSUKA/大塚雄吉

Formula One 2022(22)2022.11.18

サンパウロGPは、ラッセルがF1初優勝を飾った。
2位には序盤のトラブルを克服して追い上げたハミルトンが入った。
メルセデスは、今期初優勝を果たしただけでなく、ワンツーフィニッシュも勝ち取った完勝の週末だった。
サインツがメルセデス勢に続いて3位でゴールした。

サンパウロGPは、スプリントレースが土曜日にあるので、予選は金曜日の午後となる。
予選は、降ったり止んだりした雨に翻弄された。
予選Q1は、濡れた路面でスタートしたが後半になって路面が乾き始め、ドライタイヤに換えた各車がラスト・アタックをした結果、ノリス、ハミルトン、アロンソ、フェッテルという順になった。
角田はグリップのなさに苦しめられ19番手タイムに終わった。
予選Q2はよりドライ寄りのコンディションとなり、フェルスタッペン、サインツ、ルクレール、ラッセルの順だった。
ガスリーはQ3に進めなかった。
予選Q3は雨が降り、コンデションが変わったところで、タイミングよく飛び出したマグネッセンがベストタイムを出し、フェルスタッペン、ラッセル、ノリス、サインツ、オコン、アロンソの順となった。
ハースチームは創設以来のポールポジション獲得に沸いた。

スプリントレースは、マグネッセンがスタートでトップの座を維持しフェルスタッペン、ラッセルが続いていたが、3周目の1コーナーでフェルスタッペンがトップに立った。4周目にはラッセルもマグネッセンを交わした。
この後、ミディアム・タイヤでペースの上がらないフェルスタッペンをソフト・タイヤのラッセルがじっくりと攻めて、15周目に前に出た。
フェルスタッペンは、その後もペースが上がらず、サインツとハミルトンにも交わされて4位でフィニッシュした。
デブリを拾ったことが影響していたこともあるが、レッドブルのミディアムでのパフォーマンスがソフトのメルセデスに比べてあまり良くなかったのも事実だ。
スプリントレースは、ラッセル、サインツ、ハミルトン、フェルスタッペン、ペレス、ルクレール、ノリス、マグネッセンの順でゴールした。
マグネッセンは8位まで下がったが、なんとか1ポイントを確保することができた。

決勝のグリッドは、スプリントレース2位のサインツが5グリッド降格で8番グリッドからのスタートとなったため、フロント・ローにメルセデス、セカンド・ローにレッドブルが2台づつ並んだ。
フェラーリは5番グリッドと8番グリッドだがシーズン最終盤になってやっと3強が三つ巴で戦うことになった。

決勝は、1コーナーの混乱はなく、ノリスが5番手に進出した以外は、グリッド順のクリーンなスタートが切られた。
ところが中盤グループの中で先行するマグネッセンにリチャルドが追突して2台ともダメージを負ってコースアウトしたため、セフティカーが入った。
レースは7周目に再開されたが、再開直後の1コーナーでフェルっスタッペンがハミルトンに並びかけるがハミルトンも譲らず接触した。
ハミルトンはフロアに、フェルスタッペンはウイングにダメージを負って後退する。
ノリスとルクレールの間でも似たような接触がありルクレールは一度コース外に出てしまったがなんとか最後尾でコースに復帰した。
そのため、セフティカーは入らず8周目にはイエローフラッグがグリーンフラッグに変わった。
フェルスタッペンとルクレールはピットインしてウイングとタイヤを交換してコースに戻るが後方からの追い上げになる。
10周目はラッセルを先頭に、ペレス、サインツ、ノリス、フェッテル、ハミルトンが続く。
ハミルトンは15周目までにノリスとフェッテルを下して4番手まで上がった。
24周目にペレス、25周目にラッセルがピットインしてタイヤをソフトからミディアムに交換する。
ハミルトンは30周目にミディアムに交換した。37周目までトップ4の順位は15周目と変わらない。
サインツが38周目にタイヤ交換したため、ハミルトンは3番手まで浮上した。

ハミルトンは45周目にはペレスを抜いて2番手に浮上し、メルセデスのワンツー体制が出来上がった。
ペレスが48周目にピットインしたのを皮切りにハミルトン、ラッセルもにピットに入ってタイヤ交換した。
52周目にノリスがコース上に止まり、VSC-SCが出る。
この間にサインツがソフトに交換し4番手に落ちる60周目の再スタート後サインツがソフトで飛ばして63周目にペレスを下した。
ペレスはこの後、ルクレールに抜かれ、フェルスタッペンも前に出したので、7番手にまで後退した。
アロンソはいつの間にか5番手まで進出してそのままゴールした。
フェルスタッペンは、ペレスに順位を戻すように指示されたが無視して6位でゴールした。

メルセデスは、シーズン序盤の絶望的な状況から、粘り強くマシンを改良し続けて、ついにここまで辿り着いた。
ラッセルは、最後尾パフォーマンスの車を少しでも速くはせらせながら、ウイナーとなる実力を醸成していた。
昨年のホンダもそうだったが、F1は諦めずに戦い続けるものが勝利を掴むことができるフィールドだ。

次は、今シーズンの最終戦アブダビGPだ。
去年の最終戦は劇的な終わり方だったが、レース運営に疑問が投げかけられたのも事実だ。
今年はフェアな運営のもと、ドライバーには、純粋に1レースを全力で戦ってもらいたい。

アブダビGPは、1位フェルスタッペン、2位ハミルトン、3位ペレス、4位ルクレール、5位ラッセル、6位サインツ、7位フェッテル、8位アロンソ、9位ノリス、10位角田かな。 

2022 ©Yukichi Otsuka, All Rights Reserved

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YUKICHI OTSUKA/大塚雄吉

Formula One 2022(21)2022.11.11

メキシコシティGPは、フェルスタッペンが独走優勝を飾り、今期14勝目に達した。
ハミルトンは後半にはいたハードタイヤに苦しんだがなんとか2位の座を守った。
セルジオペレスは、母国グランプろいで気を吐いたが、タイヤ交換時のタイムロスが響いて3位に留まった。

フェルスタッペンは、メキシコシティGPで単独年間最多賞を達成したことになる。
ルクレールが今回6位であったため、ペレスがランキング2位に返り咲いた。
残り2レースの結果次第では、レッドブルのシーズン完全制覇が視野に入ってくる。
夏休み明けからフェラーリのパフォーマンスアップが停滞したため、レッドブル一辺倒なシーズンになってしまった。
とは言うものの、メルセデスは今シーズン1勝を諦めていないから、残り2戦も面白い戦いが見られるだろう。

予選Q1はハミルトン、フェルスタッペン、ルクレール、の順で通過した。角田は9番手タイムでQ1を通過した。
予選Q2のタイムはハミルトン、サインツ、ラッセル、フェルスタッペン、ペレス、の順だった。角田はQ3に進めなかった。
予選Q3はフェルスタッペンがただ一人、1分17秒台を叩き出し、2番手に0.3秒の差をつけた。
1周が4.3Kmのコースでの0.3秒差は大きい。
予選2番手と3番手につけたのは、フェラーリではなくメルセデスの二人で、ラッセルとハミルトンがほぼ同タイムで並んだ。
4番手以下はペレス、サインツ、ボッタす、ルクレールの順だった。

決勝レースは、タイヤ戦略が大きな分かれ目となった。
レッドブル勢はソフト、メルセデス勢はミディアムをスタート・タイヤとして選んだ。
スタートしてタイヤと交換したタイヤの種類とドライバーのタイヤマネジメントが勝敗を分けることになる。

決勝のスタートは、フェルスタッペンが見事な飛び出しでトップをキープしたのに対して、ラッセルは、フェルスタッペンとポジションを争ううちに、ハミルトンとペレスに抜かれて4番手まで後退した。
ソフトを履いたフェルっスタッペンとペレスの蹴り出しがいいのは当然だが、ミディアムのハミルトンがスタート後の巧みな位置どりで2番手に付けたのは流石だ。
5番手と6番手には、フェラーリのサインツとルクレールが続いた。

フェルスタッペンは、3周目にはハミルトンに1.5秒差をつけてDRS圏外としたが、ハミルトンがミディアムタイヤで食い下がってそれ以上は差が開かない。
フェルスタッペンはソフト・タイヤを耐たせるために同じタイム(と言っても速いタイムだが)でコンスタントに走っている。
ハミルトンも無理に追わず、1.5秒差をキープしている。
ペレスが24周目にピットインしてミディアムタイヤに交換するが、左リア・タイヤの交換に手間取り、3秒ほどロスした。
フェルスタッペンも26周目にピットインしてミディアムに交換して3番手でコースに戻る。ペレスは6番手だ。

ハミルトンは、ミディアムを30周目まで引っ張ってピットインし、ハードに交換した。
コース復帰後、ハミルトンはフェルスタッペンの5秒後の位置につけるが差は少しづつ開いていく。
35周目まで引っ張ったラッセルがピットに入った。
36周目には、フェルスタッペン、ハミルトン、ペレス、ラッセルの順になった。
路面温度はその後も下がっていき、タイヤの減りも少なかったことから、タイヤ交換は1回で済みそうだ。
後半のタイヤをハードに変えたドライバーたちは、苦戦している。
60周目には、フェルスタッペンとハミルトンの差は13秒にまで広がった。
ハミルトンとペレスの差はこの時点で2.7秒、ペレスはハミルトンの前にでることができない。

レースは36周目に順位のままチェッカーが振られた。
最終盤でソフトに交換したラッセルがファーステストラップを記録した。
角田は、13番手スタートから順位を上げてポイント圏内を走っていたが、リチャルドにぶつけられてリタイアした。
フェルスタッペンは、24周目以降47周にわたってミディアム・タイヤをマネージし、時計仕掛けのよに正確なラップを刻み続けた。
ペレスはピットでのロスがなかったら2位でフィニッシュできただろう。

次は、サンパウロGPだ。
ブラジルのサンパウロにあるインテルラゴスで開催される。
インテルラゴスは左回りの高低差のあるコースだ。
前半の低速部分と後半の酵素k部分からなる。
コーナーごとに異なる路面のバンピーさに合わせたドライビングが要求される。
下りながら左に曲がる1コーナーと右回りの2コーナーでのパッシングが見ものだ。
今年のサンパウロGPは土曜日にスプリントレースが組み込まれているので、金曜日の予選から日曜日の決勝レースまで見どころ満載だ。
残念ながら、現在、ブラジル人F1ドライバーはいないが、かつては、エマーソン・フィッティパルディ、ネルソン・ピケ、アイルトン・セナなどのドライバーががF1を席巻していた。

サンパウロGPは、1位フェルスタッペン、2位ハミルトン、3位ペレス、4位ルクレール、5位サインツ、6位角田、7位ラッセル、8位アロンソ、9位ノリス、10位フェッテルかな。 

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