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YUKICHI OTSUKA 大塚雄吉
F1 ウォッチャー
幼少期にF1に魅せられ、50年以上にわたって、日本製のF1が出ていなくても、日本人F1ドライバーがいなくても50年以上にわたってF1を見続けてきた、F1 ウォッチャー。

Formula One 2022(10)2022.07.01

カナダGPはフェルスタッペンが背後のサインツを抑え切って優勝した。
3位でフィニッシュしたのはハミルトンだった。
ハミルトンはバクーではバウンシングによる痛みでレース後マシンから這い出ることもできなかったが1週間後のモントリオールでは見事に表彰台に立つことができた。
ルクレールは、4基目のPU交換ペナリティによる最後列スタートながら、速いフェラーリを駆って見事な追い上げを見せ、5位でフィニッシュした。ラッセルは4位だった。
フェルスタッペンとルクレールのチャンピオンシップポイント差はさらに広がり、49となった。
ルクレールは、カナダGPにPUを投入することによりダメージを小さめに留めることができた。
ルクレールがチャンピオンシップを掴み取るには、オーバーテイクの難しいコースで確実にポールポジションを取って勝利を重ねていく必要がある。

カナダGPの予選は、雨で濡れた路面で始まった。
ウエットとなった路面の中、速さを見せたのがアロンソだった。
アロンソは、ジルビルヌーブ・サーキットに対する豊富な経験と巧みなドライビングによって予選のQ1、Q2、Q3の全セッション2番手のタイムを出し、見事フロントローに座ってみせた。
ラッセルは予選Q3終盤路面の水が浅くなったのを見てドライタイヤでアッタクをした。
もしうまく走り切ればポールポジションを取ることが可能だと踏んだのだろう。
この試みはコース上でまだ水溜りの残っていた部分でコースアウトして失敗に終わったが、ナイスチャレンジであって、決してギャンブルとは言えないものであった。
おかげで、決勝は8番グリッドからのスタートとなってしまったが・・・。
結局、ウエット路面の予選を制したのはフェルスタッペンだった。
3番手はサインツ、4番手にはハミルトンがつけた。
5番手と6番手は、マグネッセンとシューマッハのハース勢がもぎ取った。
4基目のPUを投入したルクレールと角田はQ1でアタックをせず最後列となった。
しかし、このコースはパッシングが容易なので、グリッドが悪くても決勝で挽回することはできる。
予選終了後のインタビューでアロンソは、僕らはチャンピオンシップを争っていないので決勝のスタートはアグレッシブに行くよと言い放ち、フェルスタッペンを牽制していた。

決勝レースは、予選とは打って変わった快晴となった。
フェルスタッペンは決勝のスタートを決めて、アロンソに充分な差をつけて1コーナーに入っていった。
1周目を終わってトップから5番手までは、予選順位のままでホームストレートに帰ってきた。
フェルスタッペンはアロンソとの差を少しづつ広げていく。
アロンソに蓋をされていたサインツは4周目にアロンソを抜いてフェルスタッペン追撃を開始した。今時点でルクレールは16番手。

9周目にペレスのマシンがギヤボックストラブルでコース外にマシンを停めた。
これでVSCが出他のを見てフェルスタッペンはすかさずピットインしてミディアムからハードに交換して3番手でコースに戻る。
ハミルトンも同様のタイヤ交換を済ませる。
この時点で、ルクレールは13番手。

15周目にフェルスタッペンはアロンソをかわして2番手。
トップ、サインツとのギャップは6秒。20周目にVSCが出たのでサインツはピットインしてハードタイヤに交換する。
フェルスタッペンとサインツの差は10秒。
24周目にハミルトンがアロンソを抜いて3番手に進出。
ルクレールは7番手。
フェルスタッペンは43周目にピットインしてハードタイヤに交換して3番手に下がるが、サインツとの差は11秒。

49周目に角田のコースアウトでセフティカー出て、サインツが50周目にピットインしてタイヤ交換する。
54周目にセフティカーが引っ込み、フェルスタッペンとサインツのギャップは0.5秒。
この後、サインツは、DRS圏内でフェルスタッペンに脅威を与え続けるが、フェルスタッペンは充電と放電のタイミングをうまく操作し続けて、サインツにオーバーテイクを許すことはなかった。
これこそが、チャンピオンドライバーのしぶとさだ。

次は、ブリティシュGPだ。
メルセデスはここシルバーストーンで大幅なアップデートを投入してくると言われている。
メルセデスがフェラーリとレッドブルのパフォーマンスに迫ることができれば、シーズン後半は三つ巴の戦いになる。
メルセデスのドライバー二人、ハミルトンとラッセルにとってのホームグランプリでもある。
マクラーレンとノリスににとってもシルバーストーンはホームコースなので、気合が入っているだろう。 
フェラーリはシルバーストーンでレッドブルを抑えることができるか?

ブリティシュGPは1位フェルスタッペン、2位ルクレール、3位ペレス、4位ハミルトン、5位サインツ、6位ラッセル、7位角田、8位ボッタス、9位ノリス、10位ガスリーかな。  

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Formula One 2022(9)2022.06.15

アゼルバイジャンGPはフェルスタッペンが優勝してペレスが2位に入ったことで、レッドブルは今期2度目のワン・ツー・フィニッシュを決めた。
ラッセルは、安定したドライビングで、5番手スタートから今季2度目の3位表彰台を獲得した。
ルクレールは、PUトラブルで無念のリタイヤとなった。
これで、フェルスタッペンとルクレールのチャンピオンシップポイント差は34となった。
ペレスはルクレールを抜いてフェルスタッペンから21ポイント差の2位に浮上した。
ルクレールは、これからのチャンピオンシップ争いで厳しい戦いを強いられることになった。

予選は、レッドブルとフェラーリの4台によるポール争いだった。
Q1でトップタイムを記録したのはフェルスタッペンで、ペレス、ルクレール、サインツの順だった。
Q2はペレスがトップタイムを出し、ルクレール、サインツ、フェルスタッペンが続いた。
Q3ではルクレールがスパーラップを決めてポールポジションを獲得した。
ペレスの2番手、フェルスタッペン3番手、サインツ4番手となった。
サインツと5番手のラッセルのタイム差は0.9秒もある。
レッドブルは、決勝優先のセットアップになっているようだが、ルクレールの今期8戦中6戦ポールポジションは見事だ。
ただし、バクー市街地サーキットはモナコと違いコース上で抜くことが可能なのでポールを獲れなくても決勝は戦える。

決勝レースがスタートすると、ペレスは出遅れたルクレールの鼻先を抑えて1コーナーでトップに立った。
2番手のルクレールの後にはフェルスタッペン、サインツ、ラッセルが続く。
予選ではマシンのバランスに苦しんでいたフェルスタッペンだが、決勝のペースは2番手を走るルクレールよりも速く、スタート直後からルクレールの1秒以内につけていて、いつでも抜きにかかれる状態だった。
ところが、9周目にサインツが油圧系統のトラブルでコース脇にマシンを止めた。
サインツのマシンを片付けるのにVSCが出たところで、ルクレールはタイヤ交換によるタイムロスを減らすためにピットインする。
レッドブルの2台はVSCが出ている間にタイヤ交換せずにコース上に留まった。
この結果、レッドブル勢は、ペレス、フェルスタッペンの暫定ワンツー・フォーメーションが出来上がった。
ところが、レッドブル勢はレース中のどこかでタイヤ交換をしなければならない。
ルクレールは、それまでにピットイン一回分のタイム差をつけておく必要がある。
レッドブル・チームは自分達の決勝ペースの良さからして十分可能だと判断したのだろう。
そうすれば、タイヤ交換後は、ルクレールより走行距離の短いタイヤで走れるので終盤に対決する場面になっても有利だ。

VSCが終わった直後、ルクレールと2番手フェルスタッペンの差は約14秒あったが、ルクレールは15周目までに9秒以下にまで縮めた。
この時点で、トップを走るペレスよりフェルスタッペンの方がペースが速かったので、ピットからペレスにフェルスタッペンと争うなという無線が飛び、15周目にフェルスタッペンがペレスの前に出て、ペレスとルクレールを離し始めた。
ルクレールは、ここで離されると苦しい展開になるので最速タイムを出して、レッドブル勢に食い下がる。
17周目にペレスがタイヤ交換のためにピットインして3番手に下がり、18周目にルクレールがフェルスタッペンとの差を7秒に詰めたところでフェルスタッペンはピットインし、ルクレールがトップに立つ。
この時点でトップのルクレールとフェルスタッペンの差は13秒。
VSCの間にタイヤ交換したフェラーリの作戦が当たった形だが、ここからは、フェルスタッペンがルクレールより10周若いタイヤで追いつき、追い抜くことができるかに焦点が移った。
レースはこれから面白くなると思ったのも束の間、21周目になって、ルクレールのフェラーリPUから白煙が上がり、ルクレールは失意の中、マシンをピットに滑り込ませ、リタイヤした。ルクレールは全くついてない。

この後、フェルスタッペンは、チームメートのペレスからも脅威を受けることなく、今シーズン5勝目に向かってクルージングしていった。
昨年、トップを改装していた時に突然タイヤがバーストしてレースを失ったフェルスタッペンに対して、ピットからは再三ラップタイムを落とすように指示が出ていた。

フェラーリ2台がリタイヤしたことにより、メルセデスが3・4位に入り5位にはがスリーが入った。
角田は6位が確実と思われていたが、終盤になってリアウイングのフラップが破損し、修復のためピットインしたために13位という残念な結果に終わった。

次は、カナダGPだ。
モントリオール市街地から地下鉄で繋がるノートルダム島にあるジル・ビルヌーブ・サーキットは、市街地コースではないがストリート舗装に近い路面で、細長い人工島の両端を直線で結ぶレイアウトだ。
サーキット特性的には、直線が速いレッドブルに有利なコースだ。
ハミルトンは、ルキーイヤーに初優勝したのがジル・ビルヌーブ・サーキットだった。ストロールとラティフィにとってはホームGPだ。
ハース・チームとペレスには多数の応援団が押しかけるだろう。
ルクレールはなんとか早めに優勝してフェルスタッペンとの差を詰めたいところだろうが、フェラーリPUの信頼性という不安要素を抱えている。

カナダGPは1位フェルスタッペン、2位ペレス、3位ルクレール、4位サインツ、5位ハミルトン、6位角田、7位ガスリー、8位ボッタス、9位フェッテル、10位ストロールかな。 

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Formula One 2022(8)2022.06.09

ペレスはモナコGP初優勝を果たし、表彰台で男泣きした。
サインツが昨年に続いて2位表彰台となったが、優勝を狙っていただけにあまり嬉しそうでは無かった。
フェルスタッペンは、予選順位を上回る3位でゴールして、チャンピオンシップのリードを保った。
ルクレールは、予選から圧倒的な速さを見せていたが、またもやホームコースで勝利の女神から見放され、4位フィニッシュに終わった。

チャンピオンシップポイントは、フェルスタッペンとルクレールの差が9ポイントとなり、ペレスはルクレールまで6ポイント差と迫った。
チャンピオンシップ争いは、7戦目を終えた時点で三つ巴の様相を呈している。
1位のフェルスタッペンとペレスのポイント差はわずか15ポイントで、一回でもリタイヤすればひっくり返る。

モナコGPはスタートしてしまえば、コース上で抜くチャンスはほとんどないから、予選順位が極めて重要だ。
フェラーリのルクレールは、フリープラクティスから絶好調だったが、レッドブルの方は、ペレスが好タイムを連発していてFP3ではルクレールより速かった。

予選は、フェラーリ勢に軍配が上がった。
予選トップはルクレール、2番手はサ0.2秒遅れでサインツ、3番手は0.25秒遅れでペレス、4番手が0.3秒遅れでフェルスタッペンとなった。
Q3の最終アタック中トンネル手前のコーナーでペレスがスピンし、これを避けきれずサインツがストップその後を走っていたフェルスタッペンは事故現場通過でタイムが出せずに終わった。
それでも、他のドライバーがルクレールを上回るタイムを出すことは難しかっただろう。
コース上では抜けないモナコで、フェラーリはフロントロー独占というこれ以上ないスターティング・ポジションを得た。

土曜日の時点では誰もが、フェラーリのワン・ツー・フィニッシュを予想したが、決勝はそうならなかった。
スタート時刻直前になった雨が降り始め、スタートが65分遅くなった。
そして、ウエットレースが宣言されて、全車ウエット・タイヤを履いてセフティカー先導の元にスタートし、セフティカーが2周先導した後にローリングスタートとなった。
おかげで、スタート後の混乱はなく各社グリッド順に一列になって周回が始まった。

6周目ぐらいから路面の水が少なくなり、中位以下でインターミディエイトに交換する車が増え始める。
上位のフェラーリ勢はウエットタイヤで30周目あたりまで引っ張ってからドライタイヤに交換するつもりで走っている。
しかし、このままフェラーリと同じ戦術では3位と4位でゴールするしかないレッドブルは、早めに動いた。16周めにペレスがピットインし、インターミディエイトに交換する。
ペレスがインターミディエイトに換えて速いペースで周回するのを見て、フェラーリは18周目にルクレールをピットに入れてインターミディエイトに交換する。
しかし、この間の2周スーパーラップを刻んだペレスの前でコースに戻ることができなかった。
ペレスはルクレールのアンダーカットに成功した。
サインツは、この間、ウエットタイヤのまま交換しないで走っていたのでトップに立ち、ペレス2番手、ルクレール3番手、フェルスタッペン4番手という順になった。
路面はどんどん乾き始め、20周めにはドライタイヤの領域に入り始める。
フェラーリは、ここまでウエットタイヤを交換せずに走ってきたサインツをピットに入れてドライ・ハードタイヤに交換する。
同時に、インターミディエイトに交換して3周しか走っていないルクレールもピットインさせてドライ・ハードタイヤに交換する。
この結果、ペレスがトップに立ち、フェルスタッペン2番手、サインツ3番手、ノリス4番手、ルクレール5番手となってしまった。
それまでにサインツとの間にほぼピットストップ一回分のマージンを築いていたペレスは22周目にピットインしてハードに履き替えた。ペレスは、今度はサインツをオーバーカットするのに成功したのだ。フェルスタッペンもペレスに続いてピットインし、ハードに交換した。
この時点で、ペレスがトップ、サインツ2番手、フェルスタッペン3番手、ルクレール4番手というオーダーになった。
このまま雨が降らなければ、ハード・タイヤでゴールまで走れる。
これで、勝負あった。4人のうち誰かがミスをしない限り、モナコでは、この順位は動かない。

レースは、30周目にシューマッハのクラッシュのために赤旗中断となるが、再スタート後も、順位は変わらず、77周を走ることなくタイムアウト・64周でチェッカー・フラッグが振られた。
レッドブルとペレスは、雨による路面の変化のタイミングを逃さず、優勝候補だったフェラーリのルクレールから優勝を奪い取った。
ラッセルは淡々と周回をこなし、またもや5位に入った。
ノリスは、扁桃炎で体調不良をだったにも関わらず6番手でゴールしただけでなく、終盤にファーステストラップも記録した。

次は、アゼルバイジャンGPだ。
アゼルバイジャンGPが行われるバクー市街地コースは、長いストレートと市街地の直角コーナーからなるコースだ。路面はストリート舗装なので、グリップは弱い。
今年は、トップ・スピードの早いレッドブルが有利だと思われるが、スペインGPからフェラーリは低速コーナーだけでなく、直線も速くなっている。
レッドブルは、ここから2機目のPUを投入してくるだろうし、軽量DRSの改良型を投入する模様だ。

アゼルバイジャンGPは1位フェルスタッペン、2位ペレス、3位ルクレール、4位ボッタス、5位サインツ、6位角田、7位ハミルトン、8位アロンソ、9位ノリス、10位ラッセルかな。

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YUKICHI OTSUKA/大塚雄吉

Formula One 2022(7)2022.05.27

フェルスタッペンとペレスがワンツー・フィニッシュを飾り、スペインGPを制した。
これで、フェルスタッペンは6戦4勝2リタイヤとなった。
3位には大健闘のラッセルが入った。
フェラーリは、トップを走っていたルクレールがPUトラブルでリタイヤし、サインツは4位という結果に終わった。
ルクレールに19ポイント差をつけられていたフェルスタッペンが優勝し、ルクレールがリタイヤしたことによって、チャンピオンシップ・ポイントは逆転し、フェルスタッペンがルクレールに6ポイント差をつけることになった。
レッドブルもコンストラクターズ・ポイントでフェラーリを26ポイント上回ることになった。

多くのチームが、スペインGPに合わせてアップデートを投入した。
予選Q1のトップタイムはルクレールが獲り、Q2のトップタイムはフェルスタッペンが獲った。
Q3一回目のアタックはフェルスタッペンがベストタイムを記録し、ルクレールはスピンを喫し後がなくなった。
しかし、ルクレールは最後のランでただ一人1分18秒台を叩き出した。
フェルスタッペンは、ルクレールのタイムをさらに更新するするべく二回目のアタックを行なったが、DRSの不調で直線でのタイムが伸びず、2番手タイムに終わった。
サインツが3番手、ラッセルが4番手、ペレスが5番手、ハミルトンが6番手のタイムを出し、決勝のグリッドは3チーム、6人のドライバーによって占められた。

決勝スタートで、ルクレールはポールポジションからクリーンスタートを決めてトップをキープする。
フェルスタッペンは、ルクレールから離されることはなく僅差で後を追う。
サインツは、ラッセルとペレスに抜かれ5番手に後退した。
ハミルトンとマグネッセンが接触し、ハミルトンはピットに向かい、マグネッセンはリタイヤした。
フェルスタッペンはルクレールから2秒以内の距離で離される事なく周回を重ねる。

7周目の4コーナーで5番手を走っていたサインツが突風のためグスピンしてグラベルに飛び出し、11番手まで順位を落とした。
そして、9周目には2番手を走るフェルスタッペンが同じく4コーナーで突背後から突風を受けてコースを飛び出し、4番手まで順位を落とした。
これで、トップを走るルクレールは独走状態になった。
9周目と10周目でラッセルを抜きあぐねていたペレスに対して11周目にチームから4番手のフェルスタッペンに順位を譲るようにオーダーがでる。
今度は、フェルスタッペンがラッセルを追うがフェルスタッペンのDRSは作動せず抜くことができない。

ラッセルを抜くことができなかったフェルスタッペンは、14周目にピットインしてラッセルの前に出ようとする。
しかし、ラッセルも同時にピットにはいっったので、フェルスタッペンは前に出ることができない。
その間にコースに留まったペレスが2番手に上がる。
フェルスタッペンは17周目から10周にわたってラッセルを1秒以内で抜こうとうと試みるがDRSのトラブルとラッセルの巧みなブロックに阻まれて抜くことができない。

この間に、ペレスがフェルスタッペンに追いつき、ペレスはDRSに問題がなく、タイヤの新しい自分をフェルスタッペンの前に行かせてくれれば、ラッセルを簡単に抜けるとチームに要求するが、チームはフェルスタッペンに対してペレスに順位を譲れという指示を出さない。
ペレスがフェアじゃないというのももっともだが、チームとしては、ここでなんとかルクレールとフェラーリを上回る必要があった。

27周目にトップを独走していたルクレールのPUが突然動かなくなりリタイヤする。
フェルスタッペンは29周目にピットに入り、ラッセルをアンダーカットする作戦に出た。
ペレスは、そのまま、ラッセルを追い、31周目にラッセルを仕留める。
フェルスタッペンは、ソフトでミディアムのラッセルをより2秒以上速いペースで追い上げ37周目にラッセルがピットインした間に前に出た。
38周目にはペレスがピットに入り、レッドブルのワンツー・フォメーションが出来上がる。

それでも、フェルスタッペンが優勝するためには、ソフトタイヤによる速さを利してゴールまでにペレスとラッセルに一回ピットストップ分のロスタイム以上の差をつける必要があった。
そして、フェルスタッペンは、45周目にピットインしてラッセルの前に出ることに成功した。
フェルスタッペンは49周目にペレスにも追いつき、パスして優勝を確実にした。
ペレスは、終盤、ソフトタイヤに交換してファーステストラップを記録した。
スペイン人のサインツは4位、アロンソは9位でゴールした。特に、アロンソはPU交換による最後尾スタートからの入賞だった。
角田はアップデートの無かったアルファタウリで、予選・決勝ともよく戦い、10位でフニッシュした。

次は、モナコGPだ。
伝統の一戦が行われるモナコ市街地コースは、現在のF1が競うにはタイトすぎて、レースが始ってしまえば、ピット。
タイミングで抜くしか、オーバーテイクのチャンスはない。
モナコのコースには、一箇所でもいいから確実にパッシングができるポイントを作って欲しいものだ。
ということで、予選のタイムの方が決勝よりも重要となる。
それ以外の波乱要因としては、天候が挙げられる。
雨がふれば、元々ドライバーの腕の差が出るこのコースで、さらにドライバーの腕の差が明確になる。

ルクレールはモナコ出身なので、優勝の期待は高まる。
しかし、ルクレールはモナコGPとは相性があまり良くない。
昨年は、ポールポジションをとっておきながら、ポールタイムを出したあとにクラッシュして痛めたサスペンションの修復が不完全で、決勝をスタートできなかった。
今年のフェラーリは、レッドブルと同等の速さを見せているし、中低速コーナーを得意とするので、ルクレールはポール・シッターの最有力候補だ。

モナコGPは1位ルクレール、2位フェルスタッペン、3位ペレス、4位ノリス、5位角田、6位リチャルド、7位ボッタス、8位アロンソ、9位ガスリー、10位フェッテルかな。 

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Formula One 2022(6)2022.05.20

フェルスタッペンはマイアミGPを快勝した。
ルクレールは、フェルスタッペンとほぼ互角のパフォーマンスを示したが上回ることができなかった。
サインツは、ここ数戦、クラッシュとリタイヤが続いたがようやく表彰台に戻ってきた。
これで、フェルスタッペンは、開幕5戦が3勝2リタイヤという結果になった。
フェルスタッペンはマシンの信頼性に足を掬われている感じだが、チャンピオンシップ争いとしては面白くなっている。
フェラーリ・ルクレールとレッドブル・フェルスタッペンはほぼ五角の戦いを展開しており、決勝レースでは、昨年末熾烈なチャンピオン争いを経験したフェルスタッペンの実力が光っている。
チャンピオンシップ・ポイント上は、リタイヤのないルクレールがフェルスタッペンに19ポイント差をつけており、シーズン序盤とは言え厳しいポイント差だ。

マイアミGPの週末は、これまでの4戦とは様相の異なる金曜日からスタートした。
フェルスタッペンがマシントラブルでFP1、FP2共に走れずセットアップをすることも、タイムを出すこともできなかった。
一方、今シーズン不調のメルセデスのラッセルがFP2でトップタイムを出して期待をもたせた。
それでも、FP3では、ペレスがトップタイムを出し、ルクレール、フェルスタッペンの順だった。

予選が始まってみると、やはり、フェラーリとレッドブルが速かった。
フロントローはフェラーリのルクレールとサインツが独占し、セコンドローはレッドブルのフェルスタッペンとペレスが占めるという、今シーズン見慣れた光景となった。
ボッタスは5番手、ハミルトンは6番手でラッセルは12番手だった。
メルセデスは、金曜日の好調さが消え失せてしまった。
まだまだ、メルセデス勢は予選トップを争える状態ではない。

ルクレールはポールポジションから好スタートを切ってトップの座をキープした。
フェルスタッペンは3番手から素早いスタートを見せ、1コーナーを終えたところで2番手につけた。
以下、サインツ、ペレス、ボッタス、ガスリー、アロンソの順で続く。サインツは、今回はクラッシュしないで済んだ。

ルクレールはスタートからの3周でフェルスタッペンに1秒以上の差をつけてDRS圏内から逃れるが、それ以上差は広がらない。
ルクレールは7周目あたりからタイヤの劣化に苦しめられ、8周目には、フェルスタッペンに背後につかれ、9周目のホームストレートで抜かれてしまった。
ルクレールは、数周にわたって食い下がるが、徐々に離されていき、24周目にはフェルスタッペンとの差が4.5秒になり、25周目にピットインしてタイヤをミディアムからハードに交換した。
ミディアムタイヤに余裕のあっったフェルスタッペンは、26周まで引っ張り、ルクレールに充分な差をつけた上でタイヤ交換した後は、ルクレールとの差を6秒まで広がった。
これには、タイヤ交換をせずにルクレールの前に居座ったペレスの貢献もある。

ハードタイヤに交換してからのフェラーリ・ルクレールのペースは良く、終盤、フェルスタッペンから1秒以内に迫るが、前に出ることはできず、フェルスタッペンの優勝を許してしまった。
フェルスタッペンは終盤までタイヤをセーブしたいたらしく、ファステストラップも記録した。

ハースはホームGPで、シューマッハが入賞まで後一歩のところまで行ったが、フェッテルの接触のせいでリタイヤしたので、ノーポイントに終わった。
秋には、USGPがあるので、ハースはそれまでに巻き返すしかない。
ラッセルは12番手スタートからハードタイヤで粘って5位でフィニッシュしたのは賞賛に値する。
メルセデスは、今の所3番手チームに甘んじており、なかなかトンネルから抜け出せないでいる。

次は、スペインGPだ。
事実上、ヨーロッパ・ラウンドの初戦になる。
各チームは、これまでの5戦の結果を踏まえて、大幅なアップデートを投入してくる。
メルっセデスは、ゼロ・サイドポンツーン・コンセプトを全面的に見直すかどうかの瀬戸際に立たされている。
レッドブルはスペインに向けて軽量化を施してくるようだ。
フェラーリは開幕からほとんどアップデートをしていないので、ここでは大幅なアップデートを見せてくれるかも知れない。
フェラーリ・シェルは得意の燃料アップデートをしてくるという噂もある。

アロンソとサインツにとってスペインGPはホームGPだ。
二人のスペイン人名手によるハイパフォーマンスを期待したい。

スペインGPは1位フェルスタッペン、2位ペレス、3位サインツ、4位ルクレール、5位アロンソ、6位ハミルトン、7位ボッタス、8位ラッセル、9位角田、10位ノリスかな。

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