- YUKICHI OTSUKA 大塚雄吉
F1 ウォッチャー
- 幼少期にF1に魅せられ、50年以上にわたって、日本製のF1が出ていなくても、日本人F1ドライバーがいなくても50年以上にわたってF1を見続けてきた、F1 ウォッチャー。
-
Formula One 2021(23)2021.12.20
アブダビGPは、フェルスタッペンがファイナルラップ1周でハミルトンを仕留めて、劇的な優勝を飾った。
ハミルトンは55周にわたってレースを支配したが、最後の1周でフェルスタッペンに勝利を持っていかれた。
3位にはワン・ストップで走り切ったサインツが滑り込んだ。
そして、フェルスタッペンが2021年のF1ワールドチャンピオンの座に就いた。
現行レギュレーションになってから長らく続いたメルセデスとハミルトンが、最終年についに王座から引きずり降ろされた。
優勝回数からいっても2021年のチャンピオンにはフェルスタッペンがふさわしいだろう。
コンストラクターズ・チャンピオンは、メルセデスが獲った。
2014年から2020年までの7年間はメルセデスが圧倒的に強かったので、最終戦は消化試合となってきた。
ところが、今年はレッドブル・ホンダが速く、オーストリアGPまではメルセデスに対して優位に立っていた。
しかし、メルセデスはブリティッシュGPから投入したアップデートが功を奏し、高速コースではメルセデスの方が速くなった。
後半戦は、コースごとにマシン特性とセッティングの決まり具合によって、レッドブル・ホンダ、メルセデスのどちらかが優位に立つというレースが続いた。
メルセデスは、マイレージの進んだICEの性能低下がホンダよりも大きいことから追い越しのできるコースで相次いで新品ICEを投入し、パワー・ディスアドバンテージを消すという手を使ってまで終盤の接戦に備えた。
2021年最終戦の週末は、これまでの年とは違い、予選からから始まって決勝のファイナルラップまで目を離すことのできない大接戦となった。
予選Q1はハミルトンとボッタスが1番手と2番手のタイムを出し、フェルスタッペンは3番手タイムだった。
予選Q2は決勝をワンストップで行くためにはミディアムデ通過したほうがいいが、ミディアムでQ3まで進めたのはハミルトン、ボッタス、角田の3人だけだった。
フェルスタッペンは、Q2デ大きなミスを犯した、
Q2を通過するのに十分なタイムを出しておきながら、ミディアムタイヤをロックさせてしまったのだ。
このままでは、フラットスポットのあるタイヤで決勝のスタートをすることになってしまう。
急遽ソフトに履き替えてQ2を突破せざるを得なくなってしまった。これで決勝はソフト・スタートになる。
そして、Q3、フェルスタッペンはハミルトンに0.371秒差をつけてポールポジションを捥ぎ取った。
3番手以下は、ノリス、ペレス、サインツ、ボッタスの順となった。
迎えた、アブダビGP決勝、フェルスタッペンは、スタートで先頭に立って、ソフトで行けるところまで行ってはワンストップでゴールまで走りきるしか勝ち目がない。
ハミルトンは、この大一番で見事なスタートを決めてフェルスタッペンの前に出た。
フェルスタッペンは、何とかトップの座を取り戻そうとターン7でイン側に飛び込んでコーナーを横切って前に出たが、ハミルトンは押し出されたふりをして早々とコース外に出てコーナー出口でフェルスタッペンの前でコースに戻った。
どちらもひとつづつ問題のある動きがあったとのことで、ハミルトン、フェルスタッペンの順位でレースは続けられた。
ハミルトンの狙い通りトップの座は守られた。
フェルスタッペンは、ソフトでミディアムのハミルトンに追いつかないことから、状況を打破するために、14周目にピットインしてハードタイヤに交換する。
ハミルトンもこれに反応して15周目にハードタイヤに交換した。
スタートで3番手につけていたペレスは、ソフトタイヤでコース上にとどまり、暫定トップで走行を続けてピットアウトしたハミルトンの頭を抑えて、フェルスタッペンがハミルトンに追いつくまで踏ん張った。
ハミルトンは20周目にペレスに追いついたが、ペレスは使い古したソフトタイヤで応戦し、2度抜かれて2度抜き返して、簡単にはハミルトンを前に行かせない。
その間に、フェルスタッペンが後方から追いついた。
役目を果たしたペレスはピットに入る。これで、ハミルトン、フェルスタッペン、少し離れてペレスという順になった。
しかし、ハミルトンのレースペースはフェルスタッペンより速く、35周目には5.7秒に広がった。
ジョビナッツィがgコース上で停止したため、36周目にバーチャルセフティカーサインが出て、フェルスタッペンはハードタイヤに交換する。
ハミルトンはピットインしなかったのでフェルスタッペンはハミルトンの17秒後を走る。
フェルスタッペンは、38周目からゴールの58周までに17秒の差を詰めたうえで、ハミルトンを抜く必要がある。
新しいハード・タイヤのフェルスタッペンは23周走ったハード・タイヤで逃げるハミルトンを必死で追うが、思うように差は縮まらない。
53周目時点で両者の差は、12秒あり、ハミルトンがこのまま逃げ切りそうだと誰もが思った。
ところが、この周にラティフィがクラッシュし、ペースカーが入る。
フェルスタッペンはすかさずピットインしてソフトタイヤに交換する。
ハミルトンは、同じ位置で戻れるタイミングである14秒数以内にペレスが3番手でいたために、ピットインしてタイヤを交換することができない。
最終ラップに入る直前にセフティーカーが引っ込み、ファイナルラップ1周のレースとなった。
40周走ったハード・タイヤのハミルトンと新しいソフトを履いたフェルスタッペンの1周レースだ。
フェルスタッペンは意外にもターン5でハミルトンを抜いて、その後反撃のスキを与えずトップでチェッカーを受けた。
アブダビGPの結果はは、1位フェルスタッペン、2位ハミルトン、3位サインツ、4位角田、5位ガスリー、6位ボッタス、7位ノリス、8位アロンソ、9位オコン、10位ルクレールだった。
2021年はメルセデス・ハミルトンとレッドブルホンダ・フェルスタッペンが22戦に亘って激しく戦ったまれにみるシーズンだった。
ハミルトンは経験と技術のすべてをもってフェルスタッペンとシーズンを戦った。
ハミルトンがいなかったら、フェルスタッペンはもっと楽にチャンピオンになっていただろう。
ホンダは第4期の最後に、チャンピオンのパワーユニットを作ることができた。
そう言えば、ホンダF1第1期のメキシコでの初優勝も1.5リッターF1の最後のレースだった。
2021 ©Yukichi Otsuka, All Rights Reserved
POSTED BY:
YUKICHI OTSUKA/大塚雄吉
Formula One 2021(22)2021.12.09
サウジアラビアGPは、ハミルトンが2度の赤旗と数度のセフティカー(VSCを含む)出動があった中で勝利を収めた。
フェルスタッペンは、トップに立つこともあったが、ゴールまで残り5周時点でタイヤを使い切り、中盤の強引なコーナー・アプローチに対するペナルティによって2位に甘んじることなった。
ボッタスはタイヤ作戦に失敗したが、それでも、終盤に追い上げてファイナルラップでオコンを交わして3位に入った。
これで、フェルスタッペンとハミルトンのチャンピオンシップ・ポイント差は無くなり同点となった。
2021年F1チャンピオンの決定は最終戦アブダビGPまで持ち越される。
ジャッド市街地サーキットは、ストリート・コースにもかかわらずシルバーストーンよりも平均速度の高い高速コースだ。
ブラジル以来。圧倒的に速くなったメルセデスの勢いはここでも健在だった。
予選が始まってみるとレッドブルはコーナーの多い区間で速く、メルセデスは直線区間で速かった。
ハミルトンとフェルスタッペンの頂上決戦は予選から火花が散っていた。
予選Q3、まずはフェルスタッペンが最速タイムを出すが、ハミルトンが更にフェルスタッペンを上回るタイムを出した。
残り時間が僅かとなったところでフェルスタッペンは驚異的な走りを見せた。
フェルスタッペンは、最終コーナー手前までにハミルトンよりも0.2秒近く速いペースで走り、ポールポジションは確実かと思われた。
しかし、フェルスタッペンのマシンは、最終コーナーで後輪が流れて壁に当たってしまい、驚異的なポール・ラップは幻となった。
残念な結果となったが、フェルスタッペンの予選の走りはナイフ・エッジの上を走るようなもので、あのアロンソが食い入るように見つめていたほどだ。
結局、予選Q3の順位は、ハミルトン、ボッタス、フェルスタッペン、ルクレールとなった。
決勝は、スタートでハミルトンが先行し、ボッタス、フェルスタッペンが続くというフォメーションで始まった。
フェルスタッペンは、2台のメルセデスから離されることなくついていくが、この2台をコース上で攻略するほどのペースはない。
ところが、シューマッハのクラッシュによって、10周目にセフティカーが入った。
メルセデスの2台はこの間にタイヤ交換のためにピットインする。
フェルスタッペンはコース上に留まり、トップの座をゲットしてメルセデスの2台がこれに続くという構図になった。
ところが、セフティカー出動中の13周目になってバリアの修復に時間がかかるということで赤旗が出された。
再スタートは、オコンがうまく決めて先頭に出たが、1番グリッドだったフェルスタッペンは出遅れたが、オコンとハミルトンのインをカットして前に出た。
そして、その直後に、マゼピンとラッセルが後方でクラッシュしたので、レースが動く前に赤旗が出されることになった。
フェルスタッペンは、コース外を通ってオコンとハミルトンを抜いたので順位を戻すことになり、2度目の再スタートは、オコン、ハミルトン、フェルスタッペンの順となった。
ミディアムタイヤを履いたフェルスタッペンは3度目のスタートを決めてトップに立ち、ハミルトンとオコンが続くことになった。
レースはこの順位のまま進むが、37周目にハミルトンがフェルスタッペンを抜きにかかったとき、フェルスタッペンは極端にブレーキングを遅らせて抜かせなかったことで、フェルスタッペンは順位を返すことになった。
ところが、フェルスタッペンはDRSゾーンの手前で減速してハミルトンに抜かせようとした。
ハミルトンは、ここで抜いてしまうとDRSを使って抜き返される可能性があるため抜かずにいたが、フェルスタッペンの速度が急に遅くなったため、避けきれずに追突してフロント・ウイングの右端を損傷してしまった。
フェルスタッペンは42周目の終わりにハミルトンに抜かせてすぐに抜き返してハミルトンが抜かなかった理由を証明してみせた(余計なことをやったと言われているが・・・)。
しかし、43周目にはハミルトンが前に出て、ミディアム・タイヤが劣化し始めたフェルスタッペンはハミルトンから少しづつ離されていき、ゴールまでに再び接近することはなかった。
フェルスタッペンは、終盤5+5秒ペナルティを受けていたので、ピットインしてソフトタイヤに交換して、ファーステスト・ラップの1ポイントを狙うこともできず、ファーステスト・ラップはハミルトンに持っていかれた。
ジャッド市街地コースにおいては、マシンとしてはメルセデスが勝っていたので、そこをなんとか優勝する為に、フェルスタッペンはハード・ドライビングを連発して戦ったが、ひっくり返すことはできなかった。
次は、最終戦、アブダビGPだ。
コースの一部が改修されているので、昨年のデータはそのま使えないだろう。
昨年レッドブル・フェルスタッペンは勝っているが、めるせですはハミルトンのチャンピオンがすでに決まっていたので、本気で戦わず今年のためのテストをしていたふしがある。
今年終盤の状況からみると、それぞれのマシンでベストセットアップができたチームとドライバーが勝つことになるだろう。
21戦戦っても決着がつかず、トップのドライバー二人が同一ポイントで最終戦を迎え、最終戦を1センチでも先にゴールした方が2021年F1チャンピオンになる。
最終戦は、レース・コントロールとスチュワートの出る幕のないクリーンなレースで決着してほしい。
会議室お裁定出チャンピオンが決まるようだったら今年1年が台無しだ。
ライコネンとジョビナッツィは今回F1ラスト・レースとなる。
アブダビGPはホンダにとってもF1ラスト・レース(何回目?、今度こそ)だ。トップでゴールして、ウィニング・ランが終わったところで壊れるほど、攻めたセッティングで臨んでほしい。
アブダビGPは、1位フェルスタッペン、2位ペレス、3位ハミルトン、4位角田、5位ガスリー、6位ルクレール、7位アロンソ、8位ボッタス、9位サインツ、10位ジョビナッツィかな。
2021 ©Yukichi Otsuka, All Rights Reserved
POSTED BY:
YUKICHI OTSUKA/大塚雄吉
Formula One 2021(21)2021.12.03
カタールGPは、ハミルトンが圧勝した。
ハミルトンはポールポジションからスタートして一度もトップの座を脅かされることなくチェッカーを受けた。
フェルスタッペンは、予選では2番手タイムを出したが、黄旗を無視したということで、7番グリッドからのスタートとなった。
フェルスタッペンは5周目には2番手につけたが、ハミルトンに追いつき追い越すだけのペースはなく、2位でレースを終えた。
3位にはアロンソが滑り込んだ。
アロンソは、終始、老練な走りで、一回しか交換しなかったタイヤを労わりながら、猛追するペレスを振り切った。
これで、フェルスタッペンとハミルトンのチャンピオンシップ・ポイント差は僅か8となった。
サンパウロGPとカタールGPの結果を見るとハミルトンが優位に立ったようにも見える。
カタールGPは週末を通じてメルセデスが速かった。
レッドブルはメルセデスに対抗すべく中型サイズのリヤ・ウイングでセットアップを進めていたが、この中型リア・ウイングにトラブルが発生し、予選・決勝でトラブルのない大型のウイングを使わざるを得ない状況に陥った。
レッドブルは、ただでさえ直線でメルセデスより遅いところへ、抵抗の大きい大型のウイングで走ったのでは勝ち目はない。
それでもフェルスタッペンは2番手タイムを出したが、ハミルトンに0.455秒の大差をつけられた。
フェルスタッペンはスタートでハミルトンの前に行かない限り勝ち目はない。
ボッタスは予選3番手につけた。
アルファタウリのガスリーは4番手、アルピーヌのアロンソは5番手タイムを出した。
ところが、決勝グリッドは予選時の黄色旗中の原則違反を採られて、フェルスタッペンが5グリッド降格、ボッタスが3グリッド降格となったため、ハミルトン、ガスリー、アロンソ、ノリス、サインツ、ボッタス、フェルスタッペン、角田の順となった。
決勝は、ハミルトンが見事なスタートを決めてガスリーに付け入るスキを与えず、2番手以下との差を開いていく。
フェルスタッペンは1周目で4番手まで上がり、ハミルトンを追撃しようとするが、トップを走るハミルトンは安全なタイム差をキープしながらタイヤをセーブしている。
フェルスタッペンはピットストップでハミルトンをアンダーカットできるだけの差まで詰めることはできず。2位確保に走るしかなかった。
終盤、フェルスタッペンはアロンソに大差をつけていたので、ソフトタイヤに交換し、ファステスト・タイムを記録して1ポイントをゲットした。
次は、サウジアラビアGPだ。
サウジアラビアGPは、カタールGPと同様に今年初開催のグランプリだ。
ジャッド市街地コースは長い直線の両端を180度ターンでつないだようなコースだ。
コースの特性としてはカナダGPのジル・ビルヌーブ・サーキットに似ているかもしれない。
直線が長いので一見メルセデスに有利のように見えるが、路面のミューが低ければ必ずしもメルセデスに有利なコースとは言えない。
レッドブルがうまくセッティングをコースに合わせることができれば勝機も出てくる。
サウジアラビアGPは、1位フェルスタッペン、2位ハミルトン、3位ペレス、4位ボッタス、5位ガスリー、6位ルクレール、7位アロンソ、8位角田、9位フェッテル、10位サインツかな。
2021 ©Yukichi Otsuka, All Rights Reserved
POSTED BY:
YUKICHI OTSUKA/大塚雄吉
Formula One 2021(20)2021.11.19
サンパウロGPは、ハミルトンが10番グリッドでスタートしたものの、驚異的な速さでトップまで上り詰めて圧勝した。
ハミルトンだけが違うカテゴリー(F0?)のマシンに乗っているような異次元の速さだった。
フェルスタッペンは、スタートでポール・ポジションのボッタスを出し抜いてトップを走っていたが、ハミルトンに追いつかれてからは2位を守るのに徹していた。
3位にはボッタスが入った。
フェルスタッペンとハミルトンのチャンピオンシップ・ポイント差は14に縮まった。
メキシコ・シティGPの後、次のサンパウロで勝てば、フェルスタッペンがチャンピオンの座にぐっと近づくと思われたが、僅か1週間で形成は逆転した。
サンパウロGPは、スプリント予選方式を採用するグランプリだ。
そのため、ラップタイムを競う通常の予選は金曜日の午後に行われた。
メルセデスは、ハミルトンのマシンに5基目のICEを投入することを決めた。
このため、ハミルトンは決勝でスプリント予選の結果で決まるグリッド順から5グリッド降格することになった。
ところが新品のICEを得たハミルトンの速さは圧倒的で、予選2番手のフェルスタッペンに0.44秒の差をつけた。
1周のラップタイムが1分8秒前後のインテグラゴスで0.44秒は大きな差だ。
フェルスタッペンから約0.1秒遅れて予選3番手、4番手はにボッタス、ペレスがほぼ同タイムで並んだ。
土曜日の午後は、24周レースで競うスプリント予選を行い、決勝のグリッドを決めることになる。
ところが、金曜日の予選後にハミルトンのマシンのリアウイングがDRS作動時に規定より大きく開いていることが発覚し、ハミルトンの予選タイムは無効となった。
ハミルトンはスプリントレースを最後尾からスタートすることになった。
メルセデスのハミルトン車の違反は明確で、その場で失格を言い渡されるのが普通だが、なぜか、決定は土曜日のスプリント予選直前まで持ち越された。
スプリント予選は、スタートでボッタスがフェルスタッペンの前に出て先行し、そのまま走り切った。
2位フェルスタッペン、3位サインツ、4位ペレスという順だった。
ここでハミルトンは、20番手スタートから僅か24周のスプリント・レースで15台を抜き、5位でゴールしたのだ。
これで、ハミルトンは決勝でICE交換ペナルティを加えて10番手からスタートすることになった。
決勝は、フェルスタッペンがスタート直後の1コーナーでポールのボッタスに並びかけ、トップの座を奪った。
ペレスもボッタスを抜いたので、レッドブルワン・ツー体制が形成された。
ハミルトンは1周目に4台を抜き、2周目には6番手まで上がってきた。
4周目に角田とストロールが接触したことによって飛び散ったウイングの破片を回収するために6周目にセフティカーが入る。
この時点でハミルトンはすでに3番手まで進出している。
しかもセフティカーが入ったせいでフェルスタッペンとハミルトンの差は縮まってしまった。
ハミルトンは、ペレスを攻略してフェルスタッペンの3.6秒後方ににまで迫った。
この後、フェルスタッペンはタイヤ交換を挟みテクニックの限りを尽くしてトップの座を死守するが、59周目にハミルトンに先行を許すこととなった。
フェルスタッペンには、ハミルトンを抜き返す術はなく、ハミルトンはそのまま71周を走り切って、一気にゴール・ラインを駆け抜けた。
ファーステスト・ラップはソフトに履き替えたペレスが獲った。
今年のチャンピオンシップは残り3レース、ハミルトン・メルセデスがサンパウロで見せた速さを残りのレースで発揮すれば、ハミルトンは今年もチャンピオンの座に着くことになる。
次は、カタールGPだ。
カタールGPは今回が初開催だ。
ロサイル・インターナショナル・サーキットはどのチームもドライバーも初めてでハンディはない。
新しいコースなので、トラクションが極端に低いということがあるかもしれない。
直線でトップスピードに達するのが速いメルセデスに対してレッドブルは直線の長いコースで打つ手があるのだろうか?
とはいうものの、レースは蓋を開けてみないとわからない。
カタールGPは、1位フェルスタッペン、2位ハミルトン、3位ペレス、4位ボッタス、5位サインツ、6位ルクレール、7位ガスリー、8位角田、9位フェッテル、10位アロンソかな。
2021 ©Yukichi Otsuka, All Rights Reserved
POSTED BY:
YUKICHI OTSUKA/大塚雄吉
Formula One 2021(19)2021.11.12
メキシコGPは、フェルスタッペンがスタート直後にトップに立った後は、ハミルトンの追随を許さず快勝した。
ハミルトンはフェルスタッペンに前に出られてからは2位確保に重点を置いた戦いを進め、チャンピオンシップ争いのダメージを最小限に留めた。
ペレスは、ホーム・クラウドの大声援を受けてハミルトンを追い詰めたが、前に出ることはできなかった。
ペレスは、USGPに続いて3位表彰台に登り、優勝したフェルスタッペンよりも大きな観衆の歓声を受けた。
フェルスタッペンとハミルトンのチャンピオンシップ・ポイント差は19に広がった。
今週末は、トップ2チームが見ごたえのある攻防を繰り広げた。
金曜日はレッドブル・ホンダが圧倒的な速さを見せ、フェルスタッペンはFP1、FP2ともにトップタイムだった。
このトレンドは土曜日になっても続き、FP3でもフェルスタッペンはトップタイムを記録した。
ところが、土曜日午後の予選が始まる形成が変わり始める。
Q1は、ボッタスがトップタイムで通過した。
トップ10を狙えるドライバーは、Q1では無理をしないでQ2に進めるだけのタイムを出すだけなので、この時点のタイムと順位がQ3まで続くとは限らない。
Q2になると、今度はハミルトンがトップタイムを出し僅差でフェルスタッペンが2番手となった。
Q2で3番手タイムを出したのはなんと角田だった。
戦略上、ソフトタイヤを履いていたとはいえ、同じソフトを履いたサインツより0.5秒以上速いタイムだった。
角田は、ミディアムを履いていても、ガスリーと比べて遜色のないタイムを出せたはずだ。
そして、迎えたQ3、ポールポジションを獲ったのはボッタス、2番手ハミルトン、3番手フェルスタッペン、4番手ペレスという結果になった。
角田にトーをもらったガスリーは5番手タイムを出した。
メルセデスは、セッティングの変更によって、少なくとも予選はレッドブルと互角に戦える状態にまで持ってきたのだ。
決勝レースは、ボッタス、ハミルトン、フェルスタッペンが3ワイドで1コーナーに侵入するが、フェルスタッペンはぎりぎりまでブレーキングを遅らせて1コーナーの外側から綺麗にボッタスを抜き去りトップに立った。
その直後、ボッタスはリチャルドに追突されてスピンし、最後尾近くまで後退する。
後方では、オコン起点の多重クラッシュが発生し、角田も巻き込まれてリタイアした。
2周目にセフティカーが入り、フェルスタッペン、ハミルトン、ペレス、ガスリー、ルクレール、サインツの順で再スタートする。
4周目にレースは再開するが、再スタート後、フェルスタッペンのペースは、明らかに速く、29周目には、ハミルトンに10秒近い差をつけた。
さらに、ペレスに追い上げられ、アンダーカットされそうになったハミルトンは30周目にはピットインしてタイヤを交換する。
この時点で、ハミルトンはすでに2番手を死守する戦略に変更している。
ハミルトンが追ってこないと分かったフェルスタッペンは、タイヤをセーブしながらクルージングにはいり、勝利をものにした。
結局、1位〜6位までのマシンがゴールラインを横切った順番は再スタート時と変わらなかった。
角田は、シーズン終盤になってようやくグランプリ・ウイークの組み立て方が身についてきた感がある。
角田が、毎年、シーズン終盤になって上位で走れるようになるのは、彼は毎年上のカテゴリーにステップアップしているからだ。
初めてのカテゴリーで、毎回シーズン終盤になるとトップを争えるようになるドライバーなのだ。
F1はこれまでのカテゴリーより少々てこずってはいるが・・・。
次は、サンパウロ(ブラジル)GPだ、
例年通りインテグラゴス・サーキットで行われるが、名称が国名から都市名に変わった。
オリンピックのように今後のGPは都市名に変わっっていくのだろうか?ちなみにメキシコGPも正式名称はメキシコシティGPだった。
どちらにしても、レースが開催されるのは比較的短い高低差のある左周りのコースでパッシング・ポイントはいくつかある。
メキシコGPのロドリゲス・サーキットほどではないが800m近い標高があるので、またもやホンダPUに適したコースだ。
残念ながら、今のF1にはブラジル人ドライバーがいない。
終盤の3戦が予定されているコースは、いずれもメルセデス優位だと言われているコースなので、レッドブル・フェルスタッペンとしてはここでメルセデスに大差をつけておきたい。
サンパウロGPは、1位フェルスタッペン、2位ペレス、3位角田、4位ガスリー、5位ハミルトン、6位ボッタス、7位サインツ、8位ルクレール、9位フェッテル、10位アロンソかな。
2021 ©Yukichi Otsuka, All Rights Reserved
POSTED BY:
YUKICHI OTSUKA/大塚雄吉