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YUKICHI OTSUKA 大塚雄吉
F1 ウォッチャー
幼少期にF1に魅せられ、50年以上にわたって、日本製のF1が出ていなくても、日本人F1ドライバーがいなくても50年以上にわたってF1を見続けてきた、F1 ウォッチャー。

Formula One 2021(23)2021 / 12 / 20

アブダビGPは、フェルスタッペンがファイナルラップ1周でハミルトンを仕留めて、劇的な優勝を飾った。
ハミルトンは55周にわたってレースを支配したが、最後の1周でフェルスタッペンに勝利を持っていかれた。
3位にはワン・ストップで走り切ったサインツが滑り込んだ。
そして、フェルスタッペンが2021年のF1ワールドチャンピオンの座に就いた。

現行レギュレーションになってから長らく続いたメルセデスとハミルトンが、最終年についに王座から引きずり降ろされた。
優勝回数からいっても2021年のチャンピオンにはフェルスタッペンがふさわしいだろう。
コンストラクターズ・チャンピオンは、メルセデスが獲った。

2014年から2020年までの7年間はメルセデスが圧倒的に強かったので、最終戦は消化試合となってきた。
ところが、今年はレッドブル・ホンダが速く、オーストリアGPまではメルセデスに対して優位に立っていた。
しかし、メルセデスはブリティッシュGPから投入したアップデートが功を奏し、高速コースではメルセデスの方が速くなった。
後半戦は、コースごとにマシン特性とセッティングの決まり具合によって、レッドブル・ホンダ、メルセデスのどちらかが優位に立つというレースが続いた。
メルセデスは、マイレージの進んだICEの性能低下がホンダよりも大きいことから追い越しのできるコースで相次いで新品ICEを投入し、パワー・ディスアドバンテージを消すという手を使ってまで終盤の接戦に備えた。

2021年最終戦の週末は、これまでの年とは違い、予選からから始まって決勝のファイナルラップまで目を離すことのできない大接戦となった。
予選Q1はハミルトンとボッタスが1番手と2番手のタイムを出し、フェルスタッペンは3番手タイムだった。
予選Q2は決勝をワンストップで行くためにはミディアムデ通過したほうがいいが、ミディアムでQ3まで進めたのはハミルトン、ボッタス、角田の3人だけだった。

フェルスタッペンは、Q2デ大きなミスを犯した、
Q2を通過するのに十分なタイムを出しておきながら、ミディアムタイヤをロックさせてしまったのだ。
このままでは、フラットスポットのあるタイヤで決勝のスタートをすることになってしまう。
急遽ソフトに履き替えてQ2を突破せざるを得なくなってしまった。これで決勝はソフト・スタートになる。

そして、Q3、フェルスタッペンはハミルトンに0.371秒差をつけてポールポジションを捥ぎ取った。
3番手以下は、ノリス、ペレス、サインツ、ボッタスの順となった。

迎えた、アブダビGP決勝、フェルスタッペンは、スタートで先頭に立って、ソフトで行けるところまで行ってはワンストップでゴールまで走りきるしか勝ち目がない。
ハミルトンは、この大一番で見事なスタートを決めてフェルスタッペンの前に出た。
フェルスタッペンは、何とかトップの座を取り戻そうとターン7でイン側に飛び込んでコーナーを横切って前に出たが、ハミルトンは押し出されたふりをして早々とコース外に出てコーナー出口でフェルスタッペンの前でコースに戻った。
どちらもひとつづつ問題のある動きがあったとのことで、ハミルトン、フェルスタッペンの順位でレースは続けられた。
ハミルトンの狙い通りトップの座は守られた。

フェルスタッペンは、ソフトでミディアムのハミルトンに追いつかないことから、状況を打破するために、14周目にピットインしてハードタイヤに交換する。
ハミルトンもこれに反応して15周目にハードタイヤに交換した。
スタートで3番手につけていたペレスは、ソフトタイヤでコース上にとどまり、暫定トップで走行を続けてピットアウトしたハミルトンの頭を抑えて、フェルスタッペンがハミルトンに追いつくまで踏ん張った。

ハミルトンは20周目にペレスに追いついたが、ペレスは使い古したソフトタイヤで応戦し、2度抜かれて2度抜き返して、簡単にはハミルトンを前に行かせない。
その間に、フェルスタッペンが後方から追いついた。
役目を果たしたペレスはピットに入る。これで、ハミルトン、フェルスタッペン、少し離れてペレスという順になった。
しかし、ハミルトンのレースペースはフェルスタッペンより速く、35周目には5.7秒に広がった。
ジョビナッツィがgコース上で停止したため、36周目にバーチャルセフティカーサインが出て、フェルスタッペンはハードタイヤに交換する。
ハミルトンはピットインしなかったのでフェルスタッペンはハミルトンの17秒後を走る。

フェルスタッペンは、38周目からゴールの58周までに17秒の差を詰めたうえで、ハミルトンを抜く必要がある。
新しいハード・タイヤのフェルスタッペンは23周走ったハード・タイヤで逃げるハミルトンを必死で追うが、思うように差は縮まらない。
53周目時点で両者の差は、12秒あり、ハミルトンがこのまま逃げ切りそうだと誰もが思った。

ところが、この周にラティフィがクラッシュし、ペースカーが入る。
フェルスタッペンはすかさずピットインしてソフトタイヤに交換する。
ハミルトンは、同じ位置で戻れるタイミングである14秒数以内にペレスが3番手でいたために、ピットインしてタイヤを交換することができない。

最終ラップに入る直前にセフティーカーが引っ込み、ファイナルラップ1周のレースとなった。
40周走ったハード・タイヤのハミルトンと新しいソフトを履いたフェルスタッペンの1周レースだ。
フェルスタッペンは意外にもターン5でハミルトンを抜いて、その後反撃のスキを与えずトップでチェッカーを受けた。

アブダビGPの結果はは、1位フェルスタッペン、2位ハミルトン、3位サインツ、4位角田、5位ガスリー、6位ボッタス、7位ノリス、8位アロンソ、9位オコン、10位ルクレールだった。 

2021年はメルセデス・ハミルトンとレッドブルホンダ・フェルスタッペンが22戦に亘って激しく戦ったまれにみるシーズンだった。
ハミルトンは経験と技術のすべてをもってフェルスタッペンとシーズンを戦った。
ハミルトンがいなかったら、フェルスタッペンはもっと楽にチャンピオンになっていただろう。

ホンダは第4期の最後に、チャンピオンのパワーユニットを作ることができた。
そう言えば、ホンダF1第1期のメキシコでの初優勝も1.5リッターF1の最後のレースだった。

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