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YUKICHI OTSUKA 大塚雄吉
F1 ウォッチャー
幼少期にF1に魅せられ、50年以上にわたって、日本製のF1が出ていなくても、日本人F1ドライバーがいなくても50年以上にわたってF1を見続けてきた、F1 ウォッチャー。

Formula One 2022(8)2022 / 06 / 09

ペレスはモナコGP初優勝を果たし、表彰台で男泣きした。
サインツが昨年に続いて2位表彰台となったが、優勝を狙っていただけにあまり嬉しそうでは無かった。
フェルスタッペンは、予選順位を上回る3位でゴールして、チャンピオンシップのリードを保った。
ルクレールは、予選から圧倒的な速さを見せていたが、またもやホームコースで勝利の女神から見放され、4位フィニッシュに終わった。

チャンピオンシップポイントは、フェルスタッペンとルクレールの差が9ポイントとなり、ペレスはルクレールまで6ポイント差と迫った。
チャンピオンシップ争いは、7戦目を終えた時点で三つ巴の様相を呈している。
1位のフェルスタッペンとペレスのポイント差はわずか15ポイントで、一回でもリタイヤすればひっくり返る。

モナコGPはスタートしてしまえば、コース上で抜くチャンスはほとんどないから、予選順位が極めて重要だ。
フェラーリのルクレールは、フリープラクティスから絶好調だったが、レッドブルの方は、ペレスが好タイムを連発していてFP3ではルクレールより速かった。

予選は、フェラーリ勢に軍配が上がった。
予選トップはルクレール、2番手はサ0.2秒遅れでサインツ、3番手は0.25秒遅れでペレス、4番手が0.3秒遅れでフェルスタッペンとなった。
Q3の最終アタック中トンネル手前のコーナーでペレスがスピンし、これを避けきれずサインツがストップその後を走っていたフェルスタッペンは事故現場通過でタイムが出せずに終わった。
それでも、他のドライバーがルクレールを上回るタイムを出すことは難しかっただろう。
コース上では抜けないモナコで、フェラーリはフロントロー独占というこれ以上ないスターティング・ポジションを得た。

土曜日の時点では誰もが、フェラーリのワン・ツー・フィニッシュを予想したが、決勝はそうならなかった。
スタート時刻直前になった雨が降り始め、スタートが65分遅くなった。
そして、ウエットレースが宣言されて、全車ウエット・タイヤを履いてセフティカー先導の元にスタートし、セフティカーが2周先導した後にローリングスタートとなった。
おかげで、スタート後の混乱はなく各社グリッド順に一列になって周回が始まった。

6周目ぐらいから路面の水が少なくなり、中位以下でインターミディエイトに交換する車が増え始める。
上位のフェラーリ勢はウエットタイヤで30周目あたりまで引っ張ってからドライタイヤに交換するつもりで走っている。
しかし、このままフェラーリと同じ戦術では3位と4位でゴールするしかないレッドブルは、早めに動いた。16周めにペレスがピットインし、インターミディエイトに交換する。
ペレスがインターミディエイトに換えて速いペースで周回するのを見て、フェラーリは18周目にルクレールをピットに入れてインターミディエイトに交換する。
しかし、この間の2周スーパーラップを刻んだペレスの前でコースに戻ることができなかった。
ペレスはルクレールのアンダーカットに成功した。
サインツは、この間、ウエットタイヤのまま交換しないで走っていたのでトップに立ち、ペレス2番手、ルクレール3番手、フェルスタッペン4番手という順になった。
路面はどんどん乾き始め、20周めにはドライタイヤの領域に入り始める。
フェラーリは、ここまでウエットタイヤを交換せずに走ってきたサインツをピットに入れてドライ・ハードタイヤに交換する。
同時に、インターミディエイトに交換して3周しか走っていないルクレールもピットインさせてドライ・ハードタイヤに交換する。
この結果、ペレスがトップに立ち、フェルスタッペン2番手、サインツ3番手、ノリス4番手、ルクレール5番手となってしまった。
それまでにサインツとの間にほぼピットストップ一回分のマージンを築いていたペレスは22周目にピットインしてハードに履き替えた。ペレスは、今度はサインツをオーバーカットするのに成功したのだ。フェルスタッペンもペレスに続いてピットインし、ハードに交換した。
この時点で、ペレスがトップ、サインツ2番手、フェルスタッペン3番手、ルクレール4番手というオーダーになった。
このまま雨が降らなければ、ハード・タイヤでゴールまで走れる。
これで、勝負あった。4人のうち誰かがミスをしない限り、モナコでは、この順位は動かない。

レースは、30周目にシューマッハのクラッシュのために赤旗中断となるが、再スタート後も、順位は変わらず、77周を走ることなくタイムアウト・64周でチェッカー・フラッグが振られた。
レッドブルとペレスは、雨による路面の変化のタイミングを逃さず、優勝候補だったフェラーリのルクレールから優勝を奪い取った。
ラッセルは淡々と周回をこなし、またもや5位に入った。
ノリスは、扁桃炎で体調不良をだったにも関わらず6番手でゴールしただけでなく、終盤にファーステストラップも記録した。

次は、アゼルバイジャンGPだ。
アゼルバイジャンGPが行われるバクー市街地コースは、長いストレートと市街地の直角コーナーからなるコースだ。路面はストリート舗装なので、グリップは弱い。
今年は、トップ・スピードの早いレッドブルが有利だと思われるが、スペインGPからフェラーリは低速コーナーだけでなく、直線も速くなっている。
レッドブルは、ここから2機目のPUを投入してくるだろうし、軽量DRSの改良型を投入する模様だ。

アゼルバイジャンGPは1位フェルスタッペン、2位ペレス、3位ルクレール、4位ボッタス、5位サインツ、6位角田、7位ハミルトン、8位アロンソ、9位ノリス、10位ラッセルかな。

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