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YUKICHI OTSUKA 大塚雄吉
F1 ウォッチャー
幼少期にF1に魅せられ、50年以上にわたって、日本製のF1が出ていなくても、日本人F1ドライバーがいなくても50年以上にわたってF1を見続けてきた、F1 ウォッチャー。

Formula One 2021(14)2021 / 09 / 10

オランダGPは、フェルスタッペンが快勝した。
フェルスタッペンは、オレンジ色服一色の国民と国王が見守るホーム・グランプリで優勝するという、難しい仕事を見事にやってのけた。
2位にはハミルトン、3位にはボッタスが入った。

フェルスタッペンは、ポール・スタートからトップに立ち、トップの座を譲ることなくサンドフォールトを駆け抜けた。
メルセデス・デュオにつけ入る隙を与えなかった。

F1マシンがサンドフォールトを走るのは36年ぶりということで、各チーム手探り状態で始まったフリー走行だったが、トップ3チームは予選が始まるまでにタイムをまとめてきた。

予選Q1が始まると、トラック・エボリューションによって後になるほど大幅にタイムが向上していき、マシンの実力が劣っていてももセッションの終わり近くに走った方が良いタイムがでるようになっていった。
その結果、Q1をワンツーで通過したのはルクレールとサインツだった。
フェルスタッペンとハミルトンは赤旗中断を避けるために、Q1開始早々にタイムを出していたのでQ1では3番手と6番手だった。
ペレスは、逆にQ1終了間際を狙いすぎて遅い車に引っ掛かり、Q1敗退となってしまった。
これで、フェルスタッペンは一人でメルセデス2台を相手にしなければいけなくなった。

Q3でフェルスタッペンはハミルトンに0.038秒差でポールポジションを獲得した。
このタイムを出した時、フェルスタッペンのマシンは最後のストレートでDRSが開いていなかった。
フェルスタッペンのラップタイムの実力はハミルトンに対して0.1〜0.2秒速かった。

決勝レース、フェルスタッペンはスタートデ見事にハミルトンを引き離し、1周目を終えてホームストレッチに戻ってきたときにはハミルトンに1.7秒差をつけていた。
この差を維持できれば、ハミルトンにDRSを使われる心配はない。
フェルスタッペンはその後も少しずつハミルトンとのギャップを広げ、ソフトタイヤの交換が必要になる20周目までには3秒差としていた。
これでハミルトンが先にピットインしてアンダーカットを仕掛けてきても順位がひっくり返される心配はなくなった。

序盤の山場をクリアしたフェルスタッペンは、食い下がるハミルトンを1.5秒〜3秒内に抑えて残りのレースを走り切った。
フェルスタッペンは、レースの勘所を抑え、僅かなアドバンテージを使い切る完璧なレースをした。
ハミルトンもミスのないレースを見事に戦った。
ハミルトンでなかったら、フェルスタッペンにここまでは迫れなかっただろう。
しかも、ハミルトンはリタイヤしたわけではなく、きっちり2位に入って、ファーステストラップ・ポイントも獲っている。

次のイタリアGPは、伝説の高速コース、モンツァで行われる。
モンツァは、直線と中速コーナーとシケインからなるコースのため、直線の速度が重要になる。
各車、小型のモンツァ用ウイングを用意して直線スピードを稼ごうとする。
ところが、以外にマシンとセッティングによっては、ストレート・スピードを若干犠牲にしても、ウイングを少し立てて中速コーナーのトラクションを得た方が、ラップ・タイムはいいということもある。
過去にバトンがマクラーレンでこの方法を成功させて周囲を驚かせたことがある。
ここではトウも使える。
可夢偉は明らかに戦力の劣るケーターハムで巧みにトウを使い、これほどの高速コースでもドライバーの腕でできることがあることを見せてくれた。

フェラーリとアルファタウリにとってはホームレースであり、アルファロメオもブランドのホームレース、ハースはイタリア・モデナにベースを持っている。
ブリティシュGPに次いでチームにとってのホームレース色があるグランプリだ。
最近、予選でも上位に食い込めるようになってきたジョビナッツィにとってはホームレースだ。
ラスト・ホームレースにならないように頑張ってほしい。
フェルスタッペンは、ここで勝って初めてチャンピオンシップ争いでハミルトンと並んだと言える状況になるので、ここは落とせない。
角田はこのコースの経験があるし、柔らか目のタイヤ、直線エンドのブレーキングなど得意な条件がそろっている。
来シーズンのシートもほぼ埋まったのでドライバーは余計なプレッシヤーに影響されず、純粋にレースができる。

イタリアGPは、1位フェルスタッペン、2位ペレス、3位ハミルトン、4位ノリス、5位ルクレール、6位フェッテル、7位ガスリー、8位サインツ、9位角田、10位ジョビナッツィかな。

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