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YUKICHI OTSUKA 大塚雄吉
F1 ウォッチャー
幼少期にF1に魅せられ、50年以上にわたって、日本製のF1が出ていなくても、日本人F1ドライバーがいなくても50年以上にわたってF1を見続けてきた、F1 ウォッチャー。

Formula One 2020(9)2020 / 09 / 11

イタリアGPは、ガスリーが劇的な優勝を遂げた。
サインツは、あと1周あれば抜けたかもしれないと叫びながら、僅か0.415秒差でゴールラインを横切った。
ストロールはサインツから3.358秒遅れてフィニッシュし、表彰台の最後のスポットを埋めた。
イタリアGPの表彰台には今シーズン一度も表彰台に上ったことのないフレッシュな顔ぶれが並んだ。

イタリアGPの週末は、いつものように、メルセデスが圧倒的な速さを見せて、着実に準備を進め、予選でも、ハミルトンとボッタスのメルセデス2台と3番手につけたマクラーレンのサインツの間には、0.8秒の差があった。
予選に強いフェルスタッペンが、今回は5番手だった。
結局、予選モードを禁止してもメルセデスの圧倒的な速さは変わらなかったわけだ。ガスリーは、Q3に進んだものの、予選は10番手だった。
とはいえ、ガスリーはP1〜P3を通じていいタイムを出していたので、決勝では、マクラーレン、レーシングポイント、ルノーらと十分に競い合える速さを持っていた。

決勝レースは波乱のスタートで始まった。
ハミルトンは、順調なスタートを切ってトップの座をを守ったが、ボッタスはスタートで出遅れ、フェルスタッペンは後退してしまった。

ガスリーは10番手を走行していたが、19周目にピットインしてソフトからハードにタイヤを交換したため、一旦、14番手まで後退する。
20周目にマグネッセンがコース脇にマシンを停めたため、セフティカーが出動した。
最終コーナーを回っていたハミルトンとジョビナッツィは、すかさずピットピットインしてタイヤを交換した。
ところが、このときピットレーン・クローズドのサインが出ていたためにこの二人は審議対象になった。
22周目にピットレーンがオープンになって、タイヤ交換をしていないほとんどのマシンがタイヤ交換をしてフリーストップを得る。
ここでガスリーとストロールはピットインしなかったため、この時点でのトップ3は、ハミルトン、ストロール、ガスリーとなった。
24周目にレースは再開されされるが、25周目にルクレールがタイヤバリアを壊すほどのクラッシュをして、レースは赤旗中断となる。
20周目のピットインについての審議の結果、ハミルトンに10秒ピットストップ・ペナルティが課されることになった。

ガスリーは、レース再開直後にストロールの前に出て2番手に上がり、ハミルトンがペナルティ消化のためにピットインすると、29周目に遂にトップに立った。
ガスリーは、この後、ゴールまでの24周をミディアムタイヤで走り切り、猛追するサインツを振り切ってトップでチェッカーを受けた。
フェラーリの二人がリタイヤしてイタリア人にとって散々なイタリアGPとなるところだったが、なんと、アルファタウリが優勝したことで救われた。
もし観客の入ったレースだったら、表彰台の下はフェラーリが優勝した時と変わらぬ歓喜の叫びが渦巻いたことだろう。
今年から、レッドブルが始めたファッション・ブランド名であるアルファタウリにチーム名を変えたトロロッソだが、レッドブルに買収されるまではミナルディという万年最下位の弱小チームだった。
それでもケータリングのシェフが同行していたところがイタリアンらしいチームだった。
しかも、レース中は、そのシェフがタイヤ交換をしていたのだ!
今回、ウイリアムズ家の人々がウイリアムズ・チームから去ることになったが、チームは続いていく。
F1は長く続けていれば、歓喜の時は必ず訪れる。

次は、トスカーナGPだ。
グランプリの開催されるムジェロ・サーキットはフェラーリが所有するコースで、バイクの世界選手権MOTO‐GPが開催されるほか、フェラーリのテスト走行にも使われている。
日本で言えばホンダにとっての鈴鹿のようなコースだ。
高低差のある高速コースでF1レースに使われるのは初めてだ。
久々に、イタリアでF1が1シーズンに2回開催される。
(1994年までは、サンマリノ公国の名前を借りてイタリアで年2回開催されていた)
それが、新型コロナウイルスで多数の感染者と死者を出して悲惨な状況の2020年に2回開催するというのだ。
F1はイタリア文化に深く根づいている。
日本で言えば相撲のようなものだろうか? 
何があろうとイタリアはF1をやるという意思が見える。

フェラーリは、第二次世界大戦終結後、僅か2年で会社を立ち上げて、2台だけ製作したレーシングカーで参加したローマGPでいきなり優勝した。
トスカーナGPは、そのフェラーリのF1出場1000レース目に当たる記念すべき大会だ。
残念ながら、今年のフェラーリにはこの記念すべきレースを優勝で飾る実力はなさそうだが。これまで、幾多のチームがF1に訪れて去っていったが、その間、フェラーリだけがずっとF1に参加し続けてきた。
黄金期も、10年以上チャンピオンを獲れない低迷期も。

コーナリングスピードが非常に速い現在のF1では、高速コースであっても、ウルトラ・ロードラッグよりも、ある程度ダウンフォースを重視した空力セッティングのほうが、ラップタイムが速くなることがここ数戦でわかってきた。
レッドブルは、修正できるだろうか?
トスカーナGPは、1位フェルスタッペン、2位ハミルトン、3位ボッタス、4位リチャルド、5位ガスリー、6位ペレス、7位アルボン、8位ノリス、9位サインツ、10位フェッテルかな。

2020 ©Yukichi Otsuka, All Rights Reserved

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