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about

TSUGIO NISHIMURA 西村次雄
フォトグラファー
1973年、九州産業大学芸術学部写真科卒。同年渡米。1979年、「STUDIO BB」を設立。デジタルの可能性にいち早く気づき、雑誌・広告を中心に一眼レフカメラを駆使して活躍中の”IT写真家”である。建築物、料理、人物、商品、そして動物・植物・昆虫と被写体の幅も極めて広い。

秋薔薇での出来事「シングル・ピンク・チャイナとコカマキリとアキアカネ」2015.11.24

秋薔薇は色も鮮やかで香りも強い。
写真はシングル・ピンク・チャイナ(一重のコウシンバラ)と言われるオールドローズ。
バラは、ジャスミン、スズランと並び「三大花香」とされ、独特の甘い香りがある。
「香りのないバラは笑わぬ美人と同じ(アメリカ薔薇協会)」
笑顔の美人ならば、虫たちはこの鮮やかな色と香りに誘われて来るのでは、、、と思い神代植物公園へ。
セレクトしたレンズはオールドレンズのLEICA 100mm f/2.8 APO-Macro-Elmarit-R。
このレンズ、F8に絞り込んでもソフトなボケ味と、ビシッと芯のある描写をしてくれるから好きなレンズのひとつでもあるが古いだけに解像度はイマイチか。
眼前のリアルにファーカスする。

この時の撮影技法「撮影難易度3星表記(☆)」
「マクロレンズはマニュアルフォーカスが基本」
虫を撮るには少しばかり不向きそうにみえるが、実はマクロ撮影はマニュアルフォーカスが基本である。
動きのある虫、動きのない花(実際は風で揺れる)に関わらずマニュアルフォーカスが使いやすいという事。
何故マニュアルフォーカスが扱いやすいか?
それは、接写では被写界深度が浅くなるので、狙った構図とポイントに正確にピントを合わせるには、手持ちでクルクルとファーカスリングを回したほうが「急がば回れ」でピントのヒット率が増すのです。
撮影地:東京都神代植物公園

カメラ設定
Nikon D810, 絞り値:F8.0、シャッタースピード:1/200秒,ISO感度設定:100、レンズ焦点距離100mm、露出モード:マニュアル、露出補正:±0、ホワイトバランス:オート、ピクチャースタイル:ポートレート、Raw。

使用ソフト
PhotoshopCC2015使用(Rawデータ現像)

使用機材

Nikon D810, LEICA 100mm f/2.8 APO-Macro-Elmarit-R

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TSUGIO NISHIMURA/西村次雄
写真家

奇跡のリンゴの里で「クロスズメバチ」2015.10.26

青森県弘前市に向かう電車の中で何処に行こうかと迷っていた。
それというのも、半日だけうまい具合に時間が取れたので、奥入瀬渓谷の紅葉かそれとも岩木山でリンゴを狙おうかと決めかねていた。
—–まてよ、弘前市のリンゴといえば以前映画で見た木村秋則氏の『奇跡のリンゴ』の舞台が弘前市ではないかと思い至ったのである。おそらく無農薬・無肥料によるリンゴ栽培では世界で初めて成功した人であるそうだ。残念ながら大勢の人々が押しかけたせいで、今は木村秋則氏のリンゴ農園は公開されていないので近くのリンゴ農園へ。果物ナイフとザルを手渡され、「世界一」「彩香」「津軽」など試食していたら、ブーンと見覚えのあるハチがリンゴに止まった。ひょんな所でクロスズメバチとの出会いである。嬉しくて、嬉しくて、そっと果物ナイフを置きレンズを向ける。

映画「奇跡のリンゴ」
詳しくはコチラ
https://ja.wikipedia.org/wiki/奇跡のリンゴ

You Tubeから 木村さんの自然栽培講演A はこちら
https://www.youtube.com/watch?v=avFe15j_Gv8
—-テントウムシはアブラムシを1日何匹食べるか。皆さん確認しましたか?ほとんど食べない、幼虫は5〜6匹。一番食べているのはあの嫌われ者のハエやアブの幼虫だったのです・・・。

You Tubeから プロフェッショナル仕事の流儀 はこちら
https://www.youtube.com/watch?v=PBuIoFUB6aEGv8

この時の撮影技法「撮影難易度3星表記(☆)」
「フットワーク」
リンゴの樹を撮るつもりで24-70㎜レンズを付けていたが、そこへ思いがけないクロスズメバチが現れ予定変更。さて、車までマクロレンズを取りに戻るか、それともこのレンズで撮るか・・・。

—–別段、ここで大きく撮る意味はないと考え、まず保険をかける為にリンゴのフォルム重視で1枚撮る。
首尾、まことに在り来たりの写真ながら、弘前市で出くわしたクロスズメバチだからこそ意義深い、と虫好きは思い至ったのである。「nurse cropと微生物=生物多様性」これらのおかげ、とリンゴの頑張りで身体に良いリンゴが実る。でもね〜、スズメバチのトッピング写真では普通ドン引きされちゃいますよね〜。なので、引かれないような画を求めてリンゴの花の咲く5月頃、もう一度訪れたいと心算している。

撮影地:青森県弘前市

カメラ設定
Nikon D810, 絞り値:F8.0、シャッタースピード:1/80秒,ISO感度設定:200、レンズ焦点距離70mm、露出モード:マニュアル、露出補正:+0.33、ホワイトバランス:オート、ピクチャースタイル:スタンダード、Raw。

使用ソフト
PhotoshopCC2015使用(Rawデータ現像)

使用機材
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Nikon D810, AF-S NIKKOR 24-70mm f/2.8G ED

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TSUGIO NISHIMURA/西村次雄
写真家

悪石島「仮面神ボゼ」2015.09.30

旧盆の最終日に現れる「仮面神ボゼ」の取材にトカラ列島の悪石島へ渡った。
鹿児島港から船で約11時間。この、来訪神である仮面神ボゼは現在では悪石島にだけ伝わっている風習である。

夕暮れ時、供養の舞をしている盆踊りの広場に突然姿を表し。
赤土を塗りたくったマラ棒(チンコの形をした棒)で主に女性を追いかけまわし、赤土をなすりつける。
逃げ惑う女性の悲鳴が響き渡り、広場は修羅場と化すが、悪霊払いと、盆踊りの幕引きも担った、神々のパフォーマンスなのだ。
盆踊りが終わると、いよいよ見物人誰でも参加OKの宴会が始まる。

写真の場面は、お寺あとの墓地から現れた仮面神ボゼです。
♪♪盆踊り会場から聴こえてくる、太鼓を鳴らしながらの口上「遠くのものは耳で聞け、近くのものは目にもみろ」に導かれ盆踊り会場に向かうボゼ神。

この時の撮影技法「撮影難易度3星表記(☆)」
「とても便利な高倍率ズームレンズ」
お祭りに、一本だけ持っていくとしたらVR付きの「TAMURON28mm〜300mm Di VC PZD」のズームレンズはとても便利だ。
軽くて写りもまずまずで、ひと昔前の高倍率ズームレンズと比べ遥かに進化している。
共に進化したデジタルカメラと、レンズのマッチングは三脚もストロボも不要にさせてくれる、機動性に優れた道具である。
撮影地:鹿児島県鹿児島郡十島村悪石島

カメラ設定
Nikon D810, 絞り値:F8.0、シャッタースピード:1/50秒,ISO感度設定:1600、レンズ焦点距離46mm、露出モード:マニュアル、露出補正:−0.67、ホワイトバランス:オート、ピクチャースタイル:スタンダード、Raw。

使用ソフト
PhotoshopCC2015使用(Rawデータ現像)

使用機材

Nikon D810, TAMURON28mm〜300mm Di VC PZD

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TSUGIO NISHIMURA/西村次雄
写真家

連結中でも食事に夢中な♀のオニヤンマ2015.08.21

「カサカサッ」
と羽がこすれ合う乾いた羽音が頭上でしたので見上げると、幸運にもオニヤンマの連結シーンに巡り会えたのだ。
素早く600㎜のピントを合わせる。すると、オオスズメバチらしき獲物を下のオニヤンマがムシャムシャ食べているように見える。対照的に、上の♂は周りを警戒しつつ、♀のお食事が済むまで辛抱強く待っているように思えるのだが? 移動するなら今がチャンス、と前方に回り込もうと少しだけ三脚を動かした瞬間。♂に気づかれたかグンと空高く舞い上がり飛び去ってしまった。

—–オニヤンマは他のトンボと同じように、肉食系なのでオオスズメバチなどを狩って捕食するが、油断するとその逆もありえる捕食被食の関係。すなわち「食うか喰われるか」

この時の撮影技法「撮影難易度3星表記(☆)」
「被写界深度:超望遠レンズは何処にピントを合わせるか」
フルサイズのカメラと超望遠レンズの組み合わせでは、被写界深度はとても浅くなるから何処にフォーカスするかがポイントとなる。

撮影時にはハッキリと確信が持てなかったのだが、反射的に連写を開始していた。しかしながら至極冷静で、オニヤンマの頭と獲物に慎重にフォーカスする。
後でパソコン画面で詳細に確認すると、腹の二本目の極めて細い縞が写っていた。ここが重要でスズメバチの仲間ではオオスズメバチだけがこれにヒットするゆえ、オオスズメバチと判定した。

撮影地:嵐山/オオムラサキの森

カメラ設定
Nikon D810, 絞り値:F9.0、シャッタースピード:1/320秒,ISO感度設定:2500、レンズ焦点距離600mm、露出モード:マニュアル、露出補正:±0、ホワイトバランス:オート、ピクチャースタイル:スタンダード、Raw 14bit。

使用ソフト
Photoshop Lightroom CC (Rawデータ現像)
Photoshop CC(最終画像処理、トリミング)

使用機材

Nikon D810,レンズ: TAMRON SP150-600mm F/5-6.3 Di VC USD、三脚:GITZOマウンテニア2型4段GT2542, 雲台: Really Right StuffのBH-40 Mid-Size Ballhead

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TSUGIO NISHIMURA/西村次雄
写真家

フタツバギングチバチ2015.08.10

目の前に小さなコバエのような物体がチョコマカと高速で飛んでいる。
細目でジロリンチョと動きを観察するとお腹に小さなヒメヨコバイを抱え、巣口にピュッと飛び込んでいく。早ッ!
—-
早速、2灯のストロボを使用して、HSS(ハイスピードシンクロ)撮影と普通のシンクロ撮影を2通り試してみたのだが・・・。

フタツバギングチバチ:ハチ目(学名:Crossocerus annulipes hokkaidoensis TSUNEKI,1954)
稀な種で詳しいことはほとんど分かっていない小型のギングチ。
体長:6〜7mm。獲物:ヨコバイ、キジラミ類。朽木に営巣する。
複数の個体が巣口を共有するのを目撃。
変温動物(狩バチ類ほとんどは変温動物)狩をしなくてはならないので丸型体型やフワフワの毛が生えていたら運動性のデメリットの方が大きいからではないかと思われる。ちなみにミツバチやハナバチ類は恒温動物。

参考文献
1)田仲義弘著 『狩蜂生態図鑑』P126,フタツバギングチバチ
2)改定埼玉県レッドデータブック2002http://153.150.68.50/BDDS/redlist/data/Crossocerusannulipeshokkaidoensis.html
3)変温動物、恒温動物詳しくはコチラ

この時の撮影技法「撮影難易度3星表記(☆☆☆)」
「飛翔シーンはダントツに難しい被写体のひとつ」
小さいハチゆえに超高速の動きと羽ばたきである(まるでコバエのような飛翔)。
この日の道具はCanon EOS7DMarkIIでトライしてみたが後悔する。
小さすぎて素早い。
ならば高解像度のカメラでトリミング前提での撮影がベストと考えCanon5DsR をチョイス。

写真:上
ストロボの出力を最小の1/128(閃光時間1/20000s)に、絞りF/8,1/8000s,ISO:3200に設定。
ヒメヨコバイを狩り巣口に飛び込む場面。これが思い描いた画に近いようである。

写真:下
ストロボの出力を2段ほど下げ1/32(閃光時間1/9000s)に、絞りF/10, 1/250s, ISO:400,ストロボ光量1/32では動きが早すぎて閃光時間内でもブレてしまう。ちなみに1/64では((閃光時間1/15000s)である。
Web用の小さなサイズの画面では分かりづらいが、よ〜く見ると羽は完全にブレ、体は微妙にブレているのがわかる。
ブレにシビアなCanon5DsR 5060万画像の解像度の凄さがわかろうというものだ。

ところで、
閃光時間には2つの異なる基準があることをご存知だろうか?
フラッシュ光は常に一定ではなく、t0.1総閃光時間とt0.5有効閃光時間がある。
すなわちストロボは光り始めて徐々に消えていくので、どこからどこまでが光っている時間かというのは、ほとんどのメーカーが数値を公表していないから厄介だ。
さらに難しくしているのは、メーカー、環境、距離、発光量、アクセサリーなどもろもろが影響しあうからさらに複雑で難しいのである。また、ストロボの出力量を変えると微妙に色温度が変わってしまう。
ムム、こればっかしは経験を積むしかないのだ・・・が、デジタルは現像時に色温度は変更可能だから考慮する必要なし。

撮影地:練馬区石神井公園

カメラ設定
2枚の設定は画像の中を参照:Canon 5DsR,レンズ焦点距離100mm、露出モード:マニュアル、露出補正:±0、ホワイトバランス:オート、ピクチャースタイル:スタンダード、Raw

使用ソフト
Photoshop Lightroom CC (Rawデータ現像)
Photoshop CC(最終画像処理、トリミング)

使用機材

Canon 5DsR, EF100mm f/2.8 Macro USM、Speedlight: Godox V860 C×2灯、旧型の「Sells II C」でHSSシンクロ、カメラはローアングル用三脚Fotopro fph-53pに装着、さらにETSUMIのクリップにSpeedlightを取り付けFotopro fph-53pにかませる、バックライトに後方斜め45度付近からSpeedlight:Godox V860 C1灯を三脚:VANGUARD VEO 265CBに装着、Canon リモートスイッチ RS-80N3

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TSUGIO NISHIMURA/西村次雄
写真家