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about

TSUGIO NISHIMURA 西村次雄
フォトグラファー
1973年、九州産業大学芸術学部写真科卒。同年渡米。1979年、「STUDIO BB」を設立。デジタルの可能性にいち早く気づき、雑誌・広告を中心に一眼レフカメラを駆使して活躍中の”IT写真家”である。建築物、料理、人物、商品、そして動物・植物・昆虫と被写体の幅も極めて広い。

晴天の旅行者(ツチグリ)2014.11.07


—–気圧配置が変わり、木枯らしに誘われて旅に出るキノコ・・・。
エッ!キノコが移動するの?と不思議に思われるでしょうが、実は雨が上がり空気が乾燥しはじめると、広がった皮が収縮し再び球体へと戻り旅への身支度が整うのです。そこへ、ヒューと風が吹けばコロコロと転がり移動するのだ。まさに「晴天の旅行者」とも呼ばれる所以でもあろうか。
それにしても、
魅惑的なツチグリの生き残り戦略を目の当たりにすると、雨上がりにデジカメを手に気もそぞろとなる。

ツチグリ(土栗)学名「Astraeus hygrometricus」
Astraeuギリシャ神話の星形の神、hygrometricus湿度計。湿度で開閉する事から「星形の湿度計」とも呼ばれている。雨が降りだすとミカンの皮を剥いたような星形に裂けると反り返り、中の球状のグレバに雨粒が当たり胞子を飛ばす仕組みである。山の中の道ばたや崖の露出した裸土で普通に見られる。夏〜秋、大きさは2㎝〜4㎝程。若いものは食用になる。

ツチグリ詳しくはコチラ

この時の撮影技法「撮影難易度3星表記(☆☆)」
「胞子の演出」
晴天ではあったが、昨日の雨の湿度がまだ残っていたせいか、ツチグリの皮は反り返っていた。
まさに狙い通りの形状に写欲が増す。
そのまま写しても悪くはないが、胞子を吹き出すシーンを狙っていた。
そこで、自然界では雨粒だけでなく、小枝やドングリ等でもクレバに当たると胞子を放出するはずと考え、仲間にドングリを落としてもらい演出した。雨粒では胞子がそれほど出ないので分かりづらいから・・・。
これが、なかなかタイミングが難しいので撮影難度(☆☆)。

撮影地:ツチグリ/練馬区石神井公園にて撮影

カメラ設定
Canon Eos40D, 絞り値:F8.0、シャッタースピード:1/125秒,ISO感度設定:400、レンズ焦点距離8mm、露出モード:マニュアル、露出補正:±0、ホワイトバランス:オート、ピクチャースタイル:風景、Raw

使用ソフト
PhotoshopCS6使用(Rawデータ現像)

使用機材

Canon Eos40D, 8mm F3.5 EX DG CIRCULAR FISHEYE+KENKO C-F 1.5X TELEPLUS MC

POSTED BY:
tsugionishimura_image

TSUGIO NISHIMURA/西村次雄
写真家