11月8日、立冬の浄瑠璃寺にいた。
ひだまりで、黒猫と白猫が微睡。猫たちの足元には色付いたばかりの柿の葉の落ち葉が掃き溜められ、その隣には紫のコンギクが盛りとばかりに咲いていた。ちょっとばかし見上げると、縁起ものの南天の赤い実が重たそうに垂れ。さらにその背後上部にはオレンジ色の柿の実が今にもこぼれ落ちそうに実っていた。
——暫時は見惚れ、ここに雀でも居たならばコンプリートなのだが、まてよ、もしここに来年の干支のネズミがチョロリと現れたなら、騙された悔しさで・・・などと稚拙な妄想で眺めていた。その時、背後から“ジャバジャバ”と和尚が水を汲む音がした。流石である、微睡んでいたはずの猫たちは決してその音を聞き漏らすことなく、おもむろに背のびし、欠伸し、気怠そうに、のそっと水を飲みに行ってしまった。
この時の撮影技法「撮影難易度3星表記(☆)」
「立冬の役者のそろい踏み」
と、私は思ったのだが・・・。何処からか“凡俗だよね”と言われそうで甚だ心細い気持ちにもなるのだが、まあ良とする。狙いは、広角レンズを使用し、画面いっぱいに季節感を満載する。味付けに猫たちの僅かな動きで緊張感を表現。
撮影地:京都府木津川市加茂町西小札場40(浄瑠璃寺)
カメラ設定
絞り値:F7.1、シャッタースピード:1/200秒。ISO感度設定:400。レンズ焦点距離15mm、35mm換算30mm。露出モード:マニュアル。露出補正:-13、ホワイトバランス:オート
使用ソフト
PhotoshopCC2020使用(Rawデータ現像)
使用機材
OLYMPUS OM-D E-M1 Mark II, OLYMPUS M. 12-100mm f/4 PRO
TSUGIO NISHIMURA/西村次雄
写真家