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コミミズク2012.03.12

 種は異なるが、おなじ名前の生き物が存在する。
鉄道ファンを「鉄ちゃん、撮鉄、乗鉄、鉄子」などとよぶように、鳥好きを「鳥屋」とよび、虫好きを「虫屋」とよぶ。
「コミミズク」と聞けばそれぞれの脳内で異なった映像が再現されることとなる。
しかし、そのどちらも頭に再現されたのなら、貴方は相当な物好きで、変わり者であることは疑いないところであります。
 
 ご存知だろうか、鳥屋と虫屋にはある一定の傾向があるのを。
鳥屋の行動を観察すると「群れる」「決まり事を作る」「仕切りやが現れる」。
そこへ、鳥屋の不文律を知らない一般人がそれを破ろうものなら、烈火の如く大声を張り上げ怒鳴りあう場面に遭遇することがままある。
暗黙の了解を知らないのだから、お気の毒様というほかないが・・・。
 その逆が虫屋で「規則」や「決まり事が大嫌」で「単独行動」の「アナーキー」傾向があり、孤独を好み飽きもせず虫を何時間でも見続ける。
樹の種類を見ただけで舌なめずりする。
樹の皮を剥がし、スヤスヤ眠る虫達をたたきおこす。
朽ち木を蹴っ飛ばす。寒さに動けぬ虫を執拗に撮影する。
しまいには、拉致して持ち帰ることもある。
 このように書くと極悪非道にみえるが決してそうではなく、一部の心なき人を除き、どちらも生き物に対し専門的な知識で関心をもち、鳥や虫たちの住む環境破壊を危惧している、心優しい人たちであるということを申し添えておく。
 
 そういえば、虫を家に持ち帰り肥育していると、小学生の娘に「パパ!動物虐待はよくないよ、可哀想だから放してあげて」と、説教されたことがあったけ。
いまではオーストラリアに住む娘から「こちらにはパパの大好きな、大きな虫も、美しい鳥も沢山いるよ、早く撮りにきなよ」と誘いのスカイプ会話があったりする。

 群れる鳥屋であれ、アナーキーな虫屋であれ、生き物の幽玄の世界を逍遥するのも不良親父の楽しくすてがたい道草だと想う今日この頃なのです。

参考文献
『三人寄れば虫の知恵』新潮文庫、養老孟司・奥本大三郎・池田精彦

コミミズク(小耳木菟、Asio flammeus)フクロウ目、フクロウ科
日本へは、越冬のため沖縄を除き、ほぼ全国的に飛来する。
大きさは鳩ぐらいで約40cm。
外耳状の羽毛(羽角)が短い(小さい)ことが名の由来。水辺の草原や湿地等に生息し、草原性でネズミ、小鳥,昆虫などを食べる。明るい日中でも活動するので撮影向きのフクロウでもある。
100人ほどのカメラマンが群れていた渡良瀬遊水池にて。 
獲物を探すコミミズクと目があった。「よう!」「カシャリ!」

コミミズク(小耳蝉、Ledropsis discolor)
分類:節足動物門>昆虫綱>有翅昆虫亜綱>カメムシ目>ミミズク科
セミに近い仲間で、翅端まで9mmほど,ホストはシラカシ、クヌギ、コナラなどのブナ科植物。
靴ベラのような体はカモフラージュウが見事で枝にピタリと密着、体色も緑色や、この写真のような薄茶の奴がいて非常に見つけにくい、隠蔽擬態(いんぺいぎたい)である。
幼虫越冬なので、幼虫は木柵など這っているのをときどき見かけるので注意して探すと比較的見つけやすいが、小さいので目を凝らして探すこと。
この幼虫はシラカシにピタリと張り付いていて、
「見っけ!」といってもピクリともしません。
誰もいない石神井公園にて、享楽「カシャリ!」

この時の撮影技法(マニュアルフォーカスその2)
超望遠レンズやマクロレンズは被写界深度が浅く、それゆえデリケートなピントあわせが求められるところが似ています。
無論オートフオーカスで撮れないというわけではありませんが、オートフォーカスゆえ中心に被写体を捕らえなければならず構図が単調になってしまいがちです。
ぞくにいう日の丸構図というやつで、余白のバランスが単調で面白みにかける画になりがちです。
そこで、マニュアルフォーカスをつかえば、狙った「主役」をより「強調」する狙い通りの構図をものにすることが出来、常に被写体の特徴をどうすれば生かせるのだろうかと考える習慣がつくようになるのです。
慣れない最初のうちは難しいかもしれませんが、コツをつかみ慣れてしまえばこんなに簡単だったのか、もっと早く試しておけば良かったと思うことでしょう。
ちなみに、今回使用レンズはどちらもマニュアルフォーカスレンズです。
 「なーんだ、AF付きのレンズ持ってないジャン」「・・・よいのです」

カメラ設定
上:絞り値:F/9、シャッタースピード:1/1600秒,ISO感度設定:400、露出モード:マニュアル、露出補正:−0.67、ホワイトバランス:オート、測光モード:スポット、ピクチャースタイル:スタンダード、焦点距離(35mm換算)750mm

下:絞り値:F/10、シャッタースピード:1/200秒,ISO感度設定:100、露出モード:マニュアル、露出補正:なし、ホワイトバランス:オート、測光モード:平均測光、ピクチャースタイル:スタンダード、焦点距離65mm

使用ソフト
Raw現像ソフト:Lightroom3、最終調整PhotoshopCS5使用

使用機材

上:Nikon D300、Nikon ED NIKKOR 500mm 1:4P、三脚:SLIK GRAND PRO CF-3 SP、雲台:SLIK TELE BAALANCE 6

下:Canon EOS 5D、MP-E65mm f/2.8 1-5x Macro Photo 65mm 1:2.8、マクロリングライトMR-14EX, スピードライト580EX(バックライト露出補正+1で使用)

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TSUGIO NISHIMURA/西村次雄
写真家

カイツブリの交尾2012.03.06

柔らかな光の中で、カイツブリのカップルが巣作りに励んでいた。
レンズを向けると大勢の野次馬が蟻のように集まって来た。土曜日なのだから仕方あるまいが、数人のカメラマン達はこのアリ達に嫌気してこの場を立ち去ったのだが・・・、その判断は後で後悔する事になる。

カイツブリ(カイツブリ目、カイツブリ科、カイツブリ属)
全長は約26cm。
翼開長約45cm。日本のカイツブリ科のなかでは一番小さく、翼は短く飛ぶことは不得意である。
全国の湖沼・池・堤に分布する留鳥で湖沼が凍る地方は短い渡りをする。繁殖時には、水面に浮き巣をつくる。
雌雄とも不釣り合いでデカイ若草色のアンヨの持ち主で、歩くのには適さないが水の中では櫂のように巧みに使い潜水する。「カイツブリ」の名の由来は、水を「掻いて潜る」や、潜る水音が転じて「つぶり」だとの説がある。写真の交尾シーンは、雌雄逆位置の交尾行動や擬似交尾があるらしい。したがって、上が♂とは限らない不思議な生態の鳥でもある。下の写真は交尾後の見つめ合うシーン。

この時の撮影技法(絞ったら高価なレンズに化ける)
このAF-S NIKKOR VR 70〜300 1:4.5-5.6G EDレンズは開放辺りではあまり解像感が良くありません(ぼんやりとした画)。高価なレンズならば開放絞りでもキリリと奇麗に解像しますが、大きく、重く、常時携帯するには不向きです。撮影対象物が明確に決まっていない場合、小さく、軽いこのレンズをリュックの片隅に放り込んでいます。そこで、解像感の悪さは「絞りを絞り込む事」により補います。
コツは2絞りほど絞り込むこと。同じ絞り値ならば高価なレンズに匹敵する程の解像感が、ほどほどに得られるということになります。販売されているレンズのほとんどは、2絞り程絞り込むことで最高の描写をするように設計されています。勿論、煮ても焼いても食えぬレンズも存在しますが・・・。
開放絞りの描写力は価格差が明確に現れますが、開放絞りで撮影しなければ、絞り込むことで安価なレンズでもほどほどに事足りるというわけです。持参していなければ宝の持ち腐れ、この画も撮れなかったのですから。

カメラ設定
絞り値:F/11、シャッタースピード:1/250秒,ISO感度設定:400、露出モード:マニュアル、露出補正:なし、ホワイトバランス:オート、測光モード:平均測光、ピクチャースタイル:スタンダード、焦点距離300mm

使用ソフト
Raw現像ソフト:Lightroom3、最終調整PhotoshopCS5使用

使用機材

Nikon D90、AF-S NIKKOR VR 70〜300 1:4.5-5.6G ED

POSTED BY:
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TSUGIO NISHIMURA/西村次雄
写真家